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第8話 着替えて学校へ向かえ
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婆ちゃんに押さえつけられても尚、校長はこちらへ向かってきた。なんて馬鹿力だ。ていうか、そこまでするかっ。
とにもかくにも、こちらの存在がバレたらアウトだ。俺たちはこの隙に別の出口から撤退。
「いくぞ、遥」
「う、うん」
手を引っ張って出口を目指した。
親父と爺ちゃんも続き、無事に外へ出た。校長は――お、気づかれていない。このまま車へ向かい、学校へ行くか。
俺は休みにしたが、遥を休みにはしていなかった。
「二人揃って休みなのも変だからな。遥、悪いけど学校へ行ってくれ」
「ああ、それで制服も持って来てって……」
そう、俺は遥のマンションを出る前に、制服を持参するようにお願いしておいたのだ。どこかで着替えてもらい、登校してもらう。
「トイレとかでいいから着替えてくれ」
「え、でも、遙くんは?」
いきなり名前を呼ばれ、俺はドキッとした。いや、バクバクした。マジか! 女の子から名前を呼ばれるってこんなにドキドキするものなのか。焦った。
「……」
「ん、どうしたの?」
「いや、その……なんだ、名前で呼ばれるの慣れないなって」
「ああ、そか。そう言われると、わたしも恥ずかしいな」
もう苗字は一緒だから、苗字で呼ぶ合うわけにもいかない。ただし、学校では旧姓でいいだろう。さすがにクラスメイトとかに結婚がバレるわけにはいかない。俺と遥の……二人だけの秘密、というわけでもないけど、学生の間では秘密だ。
「ま、まあいいから、どこかで着替えてくれ」
「分かった。じゃあ、お手洗いへ行ってくる」
「急いでくれよ、校長がこっちに気づくかもしれん」
「了解」
遥は、女子トイレへ向かった。
俺と親父、爺ちゃんは校長に見つからないよう物陰へ隠れて待機。
* * *
――学校に到着。
「親父、学校まで送ってくれてありがとう」
「いいってことさ。それより、遅くなったが結婚おめでとう。遙がこんなに早く結婚するとはな」
校門前で停車して、親父はそんな風に祝福してくれた。しかも目頭を押さえ、泣いてる!? 俺の方は実感がまるでないんだがな。
爺ちゃんも同様に右手で蟀谷を押さえて涙を堪えていた。爺ちゃんもかよ。ていうか、泣くタイミングが遅いだろう。ずっと堪えていたのか?
「嬉しいけど、泣くなって。遥が困っているだろ」
「だ、大丈夫よ、遙くん。それじゃ、わたしは授業を受けてくるね」
「おう、夕方に迎えにいく。親父が」
「分かった。ラインするね」
遥は、車から降り手を振った。
十二時前の登校だから、もう午後しか受けれないけど。遥は、まだ転校してきたばかりだから少しでも出た方がいいだろう。
「遙、お前は行かなくて本当に良かったのか」
泣き止んだ親父がそう言った。
「いい。俺はサボる。それに校長の動きも気になるしな」
今は役所で俺と遥が本当に入籍しているかチェックしているところだろう。……お、婆ちゃんからラインがきた。
婆ちゃん:遙、校長が役所を出た
俺:ありがとう、婆ちゃん
婆ちゃん:いいよ。それと結婚おめでとう!
俺:ありがとう。また家で
――よし、これで校長は、俺と遥が結婚したと認めざるを得ない。もう安心だな。退学も免れたはず。今日は、俺が休みだから明日にでも呼び出されるかな。
ふぅ、と一安心していると爺ちゃんが提案した。
「遙、これから、遥ちゃんのマンションで暮らすのだろう。なら、生活用品を家から持っていった方がいい」
「そ、それは……」
無理に同棲する必要はないとは思うけど、でも校長がしばらくは監視しに来るかもしれない。そう想定した時、俺は同居をするべきだと思った。
それに、結婚詐欺になってしまうからな。
親父に家に戻るようお願いした。
「家へ戻ればいいんだな」
「ああ、爺ちゃんの言う通り、俺は遥と住むことにするよ」
「素晴らしい覚悟だな、遙。上辺だけで済まそうとするわけではなく、しっかりと結婚生活を送るというその気概――気に入った。遙、私はお前を全力でサポートする。なんでも言ってくれ」
「助かるよ!」
まずは実家に帰って、服とか生活必需品を持ち出す。このことは、遥にもラインしておくか。
さぁて、こっちは準備は進めていく……ん?
学校の方から、誰が出てくる。
あのハゲ頭の眼鏡のおっさんは……まさか!!
「どうした、遙」
「ああ、爺ちゃん。あのハゲ頭のおっさんなんだが……」
「アレがどうした」
「教頭先生だよ! 教頭の大柳だ!! まさか俺を探して……くそっ!」
「ここは爺ちゃんに任せろ。あの大柳とは因縁の仲でね」
バキボキと腕を鳴らす爺ちゃん。もしかして同級生なのか。よく分からんが、ここは爺ちゃんに任せるか――!
とにもかくにも、こちらの存在がバレたらアウトだ。俺たちはこの隙に別の出口から撤退。
「いくぞ、遥」
「う、うん」
手を引っ張って出口を目指した。
親父と爺ちゃんも続き、無事に外へ出た。校長は――お、気づかれていない。このまま車へ向かい、学校へ行くか。
俺は休みにしたが、遥を休みにはしていなかった。
「二人揃って休みなのも変だからな。遥、悪いけど学校へ行ってくれ」
「ああ、それで制服も持って来てって……」
そう、俺は遥のマンションを出る前に、制服を持参するようにお願いしておいたのだ。どこかで着替えてもらい、登校してもらう。
「トイレとかでいいから着替えてくれ」
「え、でも、遙くんは?」
いきなり名前を呼ばれ、俺はドキッとした。いや、バクバクした。マジか! 女の子から名前を呼ばれるってこんなにドキドキするものなのか。焦った。
「……」
「ん、どうしたの?」
「いや、その……なんだ、名前で呼ばれるの慣れないなって」
「ああ、そか。そう言われると、わたしも恥ずかしいな」
もう苗字は一緒だから、苗字で呼ぶ合うわけにもいかない。ただし、学校では旧姓でいいだろう。さすがにクラスメイトとかに結婚がバレるわけにはいかない。俺と遥の……二人だけの秘密、というわけでもないけど、学生の間では秘密だ。
「ま、まあいいから、どこかで着替えてくれ」
「分かった。じゃあ、お手洗いへ行ってくる」
「急いでくれよ、校長がこっちに気づくかもしれん」
「了解」
遥は、女子トイレへ向かった。
俺と親父、爺ちゃんは校長に見つからないよう物陰へ隠れて待機。
* * *
――学校に到着。
「親父、学校まで送ってくれてありがとう」
「いいってことさ。それより、遅くなったが結婚おめでとう。遙がこんなに早く結婚するとはな」
校門前で停車して、親父はそんな風に祝福してくれた。しかも目頭を押さえ、泣いてる!? 俺の方は実感がまるでないんだがな。
爺ちゃんも同様に右手で蟀谷を押さえて涙を堪えていた。爺ちゃんもかよ。ていうか、泣くタイミングが遅いだろう。ずっと堪えていたのか?
「嬉しいけど、泣くなって。遥が困っているだろ」
「だ、大丈夫よ、遙くん。それじゃ、わたしは授業を受けてくるね」
「おう、夕方に迎えにいく。親父が」
「分かった。ラインするね」
遥は、車から降り手を振った。
十二時前の登校だから、もう午後しか受けれないけど。遥は、まだ転校してきたばかりだから少しでも出た方がいいだろう。
「遙、お前は行かなくて本当に良かったのか」
泣き止んだ親父がそう言った。
「いい。俺はサボる。それに校長の動きも気になるしな」
今は役所で俺と遥が本当に入籍しているかチェックしているところだろう。……お、婆ちゃんからラインがきた。
婆ちゃん:遙、校長が役所を出た
俺:ありがとう、婆ちゃん
婆ちゃん:いいよ。それと結婚おめでとう!
俺:ありがとう。また家で
――よし、これで校長は、俺と遥が結婚したと認めざるを得ない。もう安心だな。退学も免れたはず。今日は、俺が休みだから明日にでも呼び出されるかな。
ふぅ、と一安心していると爺ちゃんが提案した。
「遙、これから、遥ちゃんのマンションで暮らすのだろう。なら、生活用品を家から持っていった方がいい」
「そ、それは……」
無理に同棲する必要はないとは思うけど、でも校長がしばらくは監視しに来るかもしれない。そう想定した時、俺は同居をするべきだと思った。
それに、結婚詐欺になってしまうからな。
親父に家に戻るようお願いした。
「家へ戻ればいいんだな」
「ああ、爺ちゃんの言う通り、俺は遥と住むことにするよ」
「素晴らしい覚悟だな、遙。上辺だけで済まそうとするわけではなく、しっかりと結婚生活を送るというその気概――気に入った。遙、私はお前を全力でサポートする。なんでも言ってくれ」
「助かるよ!」
まずは実家に帰って、服とか生活必需品を持ち出す。このことは、遥にもラインしておくか。
さぁて、こっちは準備は進めていく……ん?
学校の方から、誰が出てくる。
あのハゲ頭の眼鏡のおっさんは……まさか!!
「どうした、遙」
「ああ、爺ちゃん。あのハゲ頭のおっさんなんだが……」
「アレがどうした」
「教頭先生だよ! 教頭の大柳だ!! まさか俺を探して……くそっ!」
「ここは爺ちゃんに任せろ。あの大柳とは因縁の仲でね」
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