異世界で勇者をすることとなったが、僕だけ何も与えられなかった

晴樹

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36話 任務4

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またまた森を進む僕ら勇者一行は、一体どこに向かい何をするのだろう。
と僕だけが気になっているであろうことを考えて、列の後方をついて行く。
僕以外の勇者一行は事前に知っているか、集まった時に聞いているはずだ。
僕は姫様と話していた為、遅れてしまい任務の内容を聞きそびれてしまっていた。

「ねぇ、結城君?」
「何?」
と考え事をしていた僕の隣を歩くクラスメイトの女の子が話しかけてきた。よく話しかけてきてくれるので、そろそろ名前を聞いた方がいいかも、と思った。
そう僕は小柄な彼女の名前を知らなかった。
「結城君って、健(たける)君と付き合ってるの?」
と上目遣いで聞いてくる。身長が低いせいで、自然と上目遣いになってる。可愛い。
「健…って誰?」
人の名前を覚えるのが苦手な僕は、健が誰かわからなかった。多分だが、男の名前だろう。付き合ってる人間自体いない為思い浮かばない。それに男と付き合うことは未来永劫無いだろうから、相手がわからないが質問の答えはNOだ。

「結城君、冗談でしょ?」
と笑いながらこちらを見てきた。
冗談では無いのだが…
「あぁ、そうなんだ。それで付き合ってないんだけど、どうしてそんな噂が広まってるのか不思議で仕方ないよ」

考えてみると、健はイケメンの名前だろうと理解した。そんな噂があったのはアイツくらいだ。もしも外れていたら、僕は他の男子とも噂が立っていると言う事になる。それだけは勘弁してほしい。

「そうだよね。私も不思議なんだけど、女子達の間で話題になってるんだよね。多分だけど笠井(かさい)さんじゃないかな? そう噂話好きみたいだから」

またまた知らない名前が出てきて、頭が混乱する。
次は苗字かよ…
僕の中では苗字と名前が一致している人間なんて、自分と八雲くらいだ。
どちらかに統一していただきたい。

「笠井さん? ってどの子?」
「え、結城君、本当に何も知らないんだね。もしかして、私の名前も覚えてなかったりする? なんてね」

汗が止まらない。

どこからか、彼女の名前を仕入れてくる必要がありそうだ。
人の名前くらいは覚えておいた方がいい。小さなトラブルを避けると言う意味でも、だ。

僕は「ハハハ」と笑いながらそれ以上の言葉が出てこない。
彼女は「あの子だよ。笠井さんは」と言って指差したのは、ギャルっぽいクラスカースト上位に位置する女子。
そして、その人は昨日見たあの女子だった。イケメン…健? の部屋を訪ねてきたあの女子だ。確か名前は翔子と呼ばれていたと思う。
何故かここで、彼女の名前が笠井翔子と言う事が、パズルのように綺麗に出来上がった。正直気持ちいいが、今後必要な情報なのか怪しかった。

「あぁ、彼女がそうなのか…」
「あれ、結城君の好みだった?」
と何故か恋愛に繋げたがるこの年頃の女子。どうしてそうなるのか不思議が増えた。
「それはない」
「そうなんだ~」
彼女は、つまらなそうに言った。
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