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第9話、ホタルの光
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ハインリヒ王子を押しのけて王宮の庭から出ていってだんだん離れていき、私はとうとう暗い森の中に入っていった。
暗い森の中の近くには川がありドレスを濡らさないぐらいまでに近づくと、たくさんのイルミネーションのような丸い光を見つけた同時に、その光は動き出したので何かの魔法ではないかと私は驚いた。
背後から気配がしたので気配がする方向へと体を向かせると、耳の長い青年が近づいてきて「そこはエルフの聖域だぞ、人間。あとそれはホタルという光る虫だ。知らないのか? 人間」といって現れた。
私は初めてエルフ族を見て圧倒された。その姿は、顔が整った薄い黄緑色の長髪で琥珀色の瞳のエルフの男性だった。
そのエルフ族の男性はなんだか怒っていそうなので、とりあえず謝っておいた。
「ごめんなさい。ここがエルフの聖域だとは知らずに入ってしまって……」と告げたらそのエルフの男性は、名乗り出た。
「私の名は、ヴァルデマールだ。おい、人間。見たところまだ小娘のようだな」と少しばかりか呆れたような表情をしていた。
これ以上の失礼のないように私も自己紹介をした。
「私の名前は、リリアンナ・フォン・リヒテンベルクです。貴族としての階級は伯爵令嬢です」と伝えると、ヴァルデマールさんは鼻で笑い「人間の貴族か。帰るアテはあるのか?」と真剣な表情で聞いてきた。
私は困って「それが、ないんです。衝動的に王宮から出ていってしまったもので」と答えたら、ヴァルデマールさんは呆れた顔をして「リリアンナといったか。今まで見てきた人間の貴族とは違うな。だが、人間には近づきたくから王宮のガゼボまでは送ってやる。こっちへ来い」といって、歩いて王宮までヴァルデマールさんに送ってもらった。
王宮までの道中、ヴァルデマールさんは「リリアンナは貴族の社会のことしか知らないようだな。」
「はい……」
「エルフ族のことが気になるのならば、また同じところに昼間に来ればいい」と招いてくれた。
王宮の庭にあるガゼボに着くとヴァルデマールさんはあからさまに嫌そうな顔をして「本当に人間の強欲な権力が塗れている感じがするところだな」といったあと、ヴァルデマールさんはさっきとは違う穏やかな表情になり「とりあえず無事に何もなく、リリアンナを送ることができて良かった。まぁ、私はエルフだから弓矢でモンスターを倒すことはできるがな。また会うかどうかわからないが、またな。リリアンナ」とヴァルデマールさんは言い残して去ってしまった。
そんなヴァルデマールさんの後ろ姿に手を振っていると、ハインリヒ王子がかけつけてきた。
「リリアンナ、どこに行ってきたんだ?! 心配したんだぞ」
「さっきはごめんなさい。咄嗟に一人になりたくて走ったら、いつのまにかエルフ族の森に行っていたみたいで」
ハインリヒ王子は心配そうに私を見つめて「こっちこそ、さっきは無神経なことをいってすまなかった。しばらくは嫌ならば社交界に来なくても良い。なんせ公然の前であんな噂話を事実かのように言われたからな」といった。
そして更にハインリヒ王子は「今日はどうする? もう帰るか?」と聞いてきたので私は「そうですね。あんなことをされちゃったし、もう帰ります」と自宅に帰ることを決意した。
ハインリヒ王子は「レオンハルトもついて行かせるが、いいか?」と質問してきたので「はい。今はむしろレオンハルトがいると助かります」と答えたら、さっそくレオンハルトが背後からやってきて、私にひざまづいた。
「リリアンナ様、馬車の準備はできています。婚約破棄とルイーゼ様の行いについては私からリヒテンベルク伯爵に説明いたしますので、ご安心してください」といわれたけれど、お父様が私に怒るのは確実だろうなと思って、気分がだいぶ下がった。
馬車の中にレオンハルトと一緒に入って、さっきの親睦会での断罪と婚約破棄宣言について話をしていた。
「私の違和感が当たりましたね」
「ええ。私の行動がいかに軽率だったか思い知らされたわ」
「あの写真に映っていたジンジャー色の髪でターコイズ色の目をした少年はどちら様で?」
その質問をした時のレオンハルトは若干眉を顰めていた。
「あー、あの男の子はギルドに入っている平民の勇者だよ」と答えたら、レオンハルトは「そうですか。ですが、実際に彼と冒険に行こうなどとは考えないでくださいね。リリアンナ様は大切な貴族ですし、危険な目に遭ってほしくありませんから。だからそのために我々、王族や貴族に仕える騎士がいるんです」と真剣な顔をして私に伝えた。
馬車が私の家に着いて玄関に行くと、出迎えたのはお父様だった。
私は気まずくなって俯いていたら、レオンハルトはお父様にまずはひざまづいて「まずは私のご無礼をお許しください。そして、リヒテンベルク伯爵に伝えたいことがあるんです」といって、レオンハルトは私を時々チラッと見ながらお父様に耳打ちをした。
レオンハルトがお父様から離れると、お父様はショックを受けた顔をしていた。
「近々、ノイシュタット公爵から正式なお知らせが来ると思われますので。それでは失礼いたしました」といってレオンハルトはまたお父様にひざまづいて、私の家から出て馬車に乗って帰ってしまった。
私は涙を流しながら「お父様、我が家に泥を塗るようなことをしてしまい、申し訳ございません」と謝った。
私はお父様から責められるかと思いきや、お父様は珍しく悲しそうな顔をして「そうか。リリアンナは陥れられたんだな。リリアンナにはまだ婚約者は早かったか。貴族としてのしがらみがあるが、私や伯爵夫人であるリリアンナのお母様は、リリアンナに幸せが一番だとこれでも考えている。幸い、お前にはハインリヒ王子やレオンハルト騎士もいる。時が解決するさ」とお父様は私の肩をぽんぽんと優しく叩いて頭をつけているティアラの部分を避けながら、頭を撫でてくれた。
後ほどお父様からの説明で事情を知ったお母様は、涙を流しながら「気丈に生きていくんだよ。リリアンナ」と強く抱きしめられた。
私は急いで銀色のティアラを外して、オリーブグリーンのエンパイアドレスを脱いでシャワーを浴びて頭と体を洗い、湯船に浸かった。
湯船に浸かっているととある考えが思いついた。
学校にも社交界にも居場所がなければ、外の世界に行けば良いと。
多分色んな人に怒られると思うだろうけど、私はもう行動しようと決意した。
お風呂から上がって髪の毛を乾かしていると、どんな服を着て街に出て私に似合う色のディアンドルを買うかどうか考えていた。
すると、とある考えを思いついた。私はパジャマに着替えてから使用人に平民の服を買ってきてくれるかどうかについて聞いてみた。
「ねえ、へレーネ。明後日の朝、平民の服を買ってきて欲しいの。いいかな?」
「えーと、突然そう聞かれましても……」とへレーネは戸惑っていたけれど、私は「私に似合う服なら何でも良いから」といったらへレーネは自信なさげに「わかりました。明日の朝、リリアンナ様がグリュックシュロス高等学園から帰って来る前に平民が召している衣服を買って来ますね。ただし、私のファッションセンスに期待はしないでくださいね」と返事をして、私は貴族の外の世界へ出る第一歩となるチャンスを掴めそうだった。
私はなんだか明後日は、ヴァルデマールさんに会えるような気がして高等学園のことは不安だったけれど、同時に楽しみな気持ちもあって矛盾した気持ちのまま、ベッドの中に入り目を閉じた。
登校日の朝、目覚めて顔を洗い歯を磨いて制服に着替えて朝食を取って、使用人のへレーネに「それじゃあ、服のことをよろしくね」と伝えたら、へレーネはお辞儀をして頭を下げて「行ってらっしゃいませ。リリアンナ様」と告げて、私は家の外へ出た。
登校中は誰とも出会わなかったけれど、校舎に入ると何人かの生徒に見られながらクスクスと嘲笑するような目で見られているのはわかった。
昨日のルイーゼとアルブレヒト様のことが、もう学校中に知れ渡っていると思うと気が重かったけれど、ジークフリートだけはいつも通りに「おはよ、リリアンナ。噂話なんて気にすんなよ」と一言いってジークフリートは彼の教室へと向かった。
次に出会ったのはあのルイーゼだった。
「この前の社交界はごめんなさいね、リリアンナ。アルブレヒト様にいわれてこうすることしかなかったの。それにあなたの婚約者を奪ってごめんなさい」とルイーゼは悲しそうに謝っていたけれど、どこかしら嬉しそうに見えた。
そのあとルイーゼはフレイヤとリラと合流して、三人はその場にいた学園中の生徒たちから注目を浴びていた。
ルイーゼはやはり、私にやったことを反省しているようには見えなかった。そしてレオンハルトが忠告する通り、ルイーゼに対して私はなんとなく計算高く見えるようになった。
教室に入っても嘲笑と疑惑の視線は感じたままだった。だけども私は学校に登校することしか残されていなかった。このまま自宅学習も貴族だから家庭教師も雇えるけれど、私は外の世界のことや貴族の世界のことも知られずにはいられなかった。
いつも通りの学園生活も始まっては終わり、ついに放課後になった。
相変わらず、ジークフリートはギルドに来るように誘われたけれどそんな気にもなれず、私は急いで自宅に戻って使用人のへレーネがどんな平民の服を買ってきたか気になった。
へレーネにお礼をいって、彼女に渡された袋の中を見てみると、アプリコット色のブラウスに茶色の長スカートで薄茶色のブーツが入っていたので、早速制服からへレーネが選んで買ってきてくれた服を着てみた。
その姿を見たへレーネは「よくお似合いですよ、リリアンナお嬢様。まぁ、なんと可愛らしい」と褒めてくれた。
そして、私はその服を着てブーツも履いてディアンドルを買いに街の方へ出かけた。
暗い森の中の近くには川がありドレスを濡らさないぐらいまでに近づくと、たくさんのイルミネーションのような丸い光を見つけた同時に、その光は動き出したので何かの魔法ではないかと私は驚いた。
背後から気配がしたので気配がする方向へと体を向かせると、耳の長い青年が近づいてきて「そこはエルフの聖域だぞ、人間。あとそれはホタルという光る虫だ。知らないのか? 人間」といって現れた。
私は初めてエルフ族を見て圧倒された。その姿は、顔が整った薄い黄緑色の長髪で琥珀色の瞳のエルフの男性だった。
そのエルフ族の男性はなんだか怒っていそうなので、とりあえず謝っておいた。
「ごめんなさい。ここがエルフの聖域だとは知らずに入ってしまって……」と告げたらそのエルフの男性は、名乗り出た。
「私の名は、ヴァルデマールだ。おい、人間。見たところまだ小娘のようだな」と少しばかりか呆れたような表情をしていた。
これ以上の失礼のないように私も自己紹介をした。
「私の名前は、リリアンナ・フォン・リヒテンベルクです。貴族としての階級は伯爵令嬢です」と伝えると、ヴァルデマールさんは鼻で笑い「人間の貴族か。帰るアテはあるのか?」と真剣な表情で聞いてきた。
私は困って「それが、ないんです。衝動的に王宮から出ていってしまったもので」と答えたら、ヴァルデマールさんは呆れた顔をして「リリアンナといったか。今まで見てきた人間の貴族とは違うな。だが、人間には近づきたくから王宮のガゼボまでは送ってやる。こっちへ来い」といって、歩いて王宮までヴァルデマールさんに送ってもらった。
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「はい……」
「エルフ族のことが気になるのならば、また同じところに昼間に来ればいい」と招いてくれた。
王宮の庭にあるガゼボに着くとヴァルデマールさんはあからさまに嫌そうな顔をして「本当に人間の強欲な権力が塗れている感じがするところだな」といったあと、ヴァルデマールさんはさっきとは違う穏やかな表情になり「とりあえず無事に何もなく、リリアンナを送ることができて良かった。まぁ、私はエルフだから弓矢でモンスターを倒すことはできるがな。また会うかどうかわからないが、またな。リリアンナ」とヴァルデマールさんは言い残して去ってしまった。
そんなヴァルデマールさんの後ろ姿に手を振っていると、ハインリヒ王子がかけつけてきた。
「リリアンナ、どこに行ってきたんだ?! 心配したんだぞ」
「さっきはごめんなさい。咄嗟に一人になりたくて走ったら、いつのまにかエルフ族の森に行っていたみたいで」
ハインリヒ王子は心配そうに私を見つめて「こっちこそ、さっきは無神経なことをいってすまなかった。しばらくは嫌ならば社交界に来なくても良い。なんせ公然の前であんな噂話を事実かのように言われたからな」といった。
そして更にハインリヒ王子は「今日はどうする? もう帰るか?」と聞いてきたので私は「そうですね。あんなことをされちゃったし、もう帰ります」と自宅に帰ることを決意した。
ハインリヒ王子は「レオンハルトもついて行かせるが、いいか?」と質問してきたので「はい。今はむしろレオンハルトがいると助かります」と答えたら、さっそくレオンハルトが背後からやってきて、私にひざまづいた。
「リリアンナ様、馬車の準備はできています。婚約破棄とルイーゼ様の行いについては私からリヒテンベルク伯爵に説明いたしますので、ご安心してください」といわれたけれど、お父様が私に怒るのは確実だろうなと思って、気分がだいぶ下がった。
馬車の中にレオンハルトと一緒に入って、さっきの親睦会での断罪と婚約破棄宣言について話をしていた。
「私の違和感が当たりましたね」
「ええ。私の行動がいかに軽率だったか思い知らされたわ」
「あの写真に映っていたジンジャー色の髪でターコイズ色の目をした少年はどちら様で?」
その質問をした時のレオンハルトは若干眉を顰めていた。
「あー、あの男の子はギルドに入っている平民の勇者だよ」と答えたら、レオンハルトは「そうですか。ですが、実際に彼と冒険に行こうなどとは考えないでくださいね。リリアンナ様は大切な貴族ですし、危険な目に遭ってほしくありませんから。だからそのために我々、王族や貴族に仕える騎士がいるんです」と真剣な顔をして私に伝えた。
馬車が私の家に着いて玄関に行くと、出迎えたのはお父様だった。
私は気まずくなって俯いていたら、レオンハルトはお父様にまずはひざまづいて「まずは私のご無礼をお許しください。そして、リヒテンベルク伯爵に伝えたいことがあるんです」といって、レオンハルトは私を時々チラッと見ながらお父様に耳打ちをした。
レオンハルトがお父様から離れると、お父様はショックを受けた顔をしていた。
「近々、ノイシュタット公爵から正式なお知らせが来ると思われますので。それでは失礼いたしました」といってレオンハルトはまたお父様にひざまづいて、私の家から出て馬車に乗って帰ってしまった。
私は涙を流しながら「お父様、我が家に泥を塗るようなことをしてしまい、申し訳ございません」と謝った。
私はお父様から責められるかと思いきや、お父様は珍しく悲しそうな顔をして「そうか。リリアンナは陥れられたんだな。リリアンナにはまだ婚約者は早かったか。貴族としてのしがらみがあるが、私や伯爵夫人であるリリアンナのお母様は、リリアンナに幸せが一番だとこれでも考えている。幸い、お前にはハインリヒ王子やレオンハルト騎士もいる。時が解決するさ」とお父様は私の肩をぽんぽんと優しく叩いて頭をつけているティアラの部分を避けながら、頭を撫でてくれた。
後ほどお父様からの説明で事情を知ったお母様は、涙を流しながら「気丈に生きていくんだよ。リリアンナ」と強く抱きしめられた。
私は急いで銀色のティアラを外して、オリーブグリーンのエンパイアドレスを脱いでシャワーを浴びて頭と体を洗い、湯船に浸かった。
湯船に浸かっているととある考えが思いついた。
学校にも社交界にも居場所がなければ、外の世界に行けば良いと。
多分色んな人に怒られると思うだろうけど、私はもう行動しようと決意した。
お風呂から上がって髪の毛を乾かしていると、どんな服を着て街に出て私に似合う色のディアンドルを買うかどうか考えていた。
すると、とある考えを思いついた。私はパジャマに着替えてから使用人に平民の服を買ってきてくれるかどうかについて聞いてみた。
「ねえ、へレーネ。明後日の朝、平民の服を買ってきて欲しいの。いいかな?」
「えーと、突然そう聞かれましても……」とへレーネは戸惑っていたけれど、私は「私に似合う服なら何でも良いから」といったらへレーネは自信なさげに「わかりました。明日の朝、リリアンナ様がグリュックシュロス高等学園から帰って来る前に平民が召している衣服を買って来ますね。ただし、私のファッションセンスに期待はしないでくださいね」と返事をして、私は貴族の外の世界へ出る第一歩となるチャンスを掴めそうだった。
私はなんだか明後日は、ヴァルデマールさんに会えるような気がして高等学園のことは不安だったけれど、同時に楽しみな気持ちもあって矛盾した気持ちのまま、ベッドの中に入り目を閉じた。
登校日の朝、目覚めて顔を洗い歯を磨いて制服に着替えて朝食を取って、使用人のへレーネに「それじゃあ、服のことをよろしくね」と伝えたら、へレーネはお辞儀をして頭を下げて「行ってらっしゃいませ。リリアンナ様」と告げて、私は家の外へ出た。
登校中は誰とも出会わなかったけれど、校舎に入ると何人かの生徒に見られながらクスクスと嘲笑するような目で見られているのはわかった。
昨日のルイーゼとアルブレヒト様のことが、もう学校中に知れ渡っていると思うと気が重かったけれど、ジークフリートだけはいつも通りに「おはよ、リリアンナ。噂話なんて気にすんなよ」と一言いってジークフリートは彼の教室へと向かった。
次に出会ったのはあのルイーゼだった。
「この前の社交界はごめんなさいね、リリアンナ。アルブレヒト様にいわれてこうすることしかなかったの。それにあなたの婚約者を奪ってごめんなさい」とルイーゼは悲しそうに謝っていたけれど、どこかしら嬉しそうに見えた。
そのあとルイーゼはフレイヤとリラと合流して、三人はその場にいた学園中の生徒たちから注目を浴びていた。
ルイーゼはやはり、私にやったことを反省しているようには見えなかった。そしてレオンハルトが忠告する通り、ルイーゼに対して私はなんとなく計算高く見えるようになった。
教室に入っても嘲笑と疑惑の視線は感じたままだった。だけども私は学校に登校することしか残されていなかった。このまま自宅学習も貴族だから家庭教師も雇えるけれど、私は外の世界のことや貴族の世界のことも知られずにはいられなかった。
いつも通りの学園生活も始まっては終わり、ついに放課後になった。
相変わらず、ジークフリートはギルドに来るように誘われたけれどそんな気にもなれず、私は急いで自宅に戻って使用人のへレーネがどんな平民の服を買ってきたか気になった。
へレーネにお礼をいって、彼女に渡された袋の中を見てみると、アプリコット色のブラウスに茶色の長スカートで薄茶色のブーツが入っていたので、早速制服からへレーネが選んで買ってきてくれた服を着てみた。
その姿を見たへレーネは「よくお似合いですよ、リリアンナお嬢様。まぁ、なんと可愛らしい」と褒めてくれた。
そして、私はその服を着てブーツも履いてディアンドルを買いに街の方へ出かけた。
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