悪役令嬢の名誉を挽回いたします!

みすずメイリン

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第21話、領地争いの決着

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 カイン様から魔道具を受け取った後、ハーフエルフで魔導師のフリーダもカイン様からもらった魔道具を羨ましそうに見ていたので、カイン様は「しょうがねえな」といって、私に渡してくれた魔道具と同じ魔道具をフリーダにも渡してくれた。ジークフリートは睨みながら「俺たちには魔道具を渡さねーのかよ」とカイン様に文句をいうと、カイン様はジークフリートとハンスさんに「お前たち、勇者と僧侶には必要のないアイテムだ。大体ルイーゼの本性を見抜けないお前たちには余計に必要のないアイテムだろう」と少し強い口調で反論していた。
 ジークフリートはカイン様と口論をしていると、ルイーゼとアルブレヒト様をお城の外まで案内し終わって二人を見送った後なのか、しばらくしてヘルガさんがカイン様と私たちがいる応接間の部屋まで戻ってきてドアをノックして、ヘルガさんはその部屋に入ってきて、来客用のお菓子のアールグレイの紅茶とマカロンを人数分持ってきた。
 「リリアンナ様、フリーダさん、ハンスさん、ジークフリートさん、そしてカイン様、本日のお菓子をお持ちして来ました」といって、私たちギルドメンバーはルイーゼとアルブレヒト様がいる時から立ちっぱなしだったので各々応接間の部屋の中にある席に座って、ヘルガさんが出してくれたアールグレイとマカロンを食べ始めた。
 フリーダはアールグレイを飲み干して出されたマカロンを食べ終わるとカイン様を羨ましそうに見ながら「もっとアールグレイの紅茶葉とマカロンがほしいなぁ」といってたら、カイン様は和やかな笑顔で「ヘルガ、フリーダにまた残りのアールグレイの紅茶葉とマカロンをあげてやってくれ」と指示して、ヘルガさんは初めて口角を上げた表情を私たちに見せてくれて「はい、承知しました。カイン様」といって、ヘルガさんは別室に行ってお持ち帰り用のお菓子を取りに行って戻ってきて、ヘルガさんはフリーダに「毎回、カイン様のお世話になっております」と告げてフリーダは嬉しそうにそれを受け取っていた。
 カイン様とヘルガさんは、私たちギルドメンバーをお城の玄関まで案内して送ってくれた。そして、私たちはお城の外へ出てフリーダは満足気に魔法の絨毯を広げて私たちはその魔法の絨毯の上に乗って魔法の絨毯は空中に浮いた。それから私たちは次はどこへ行こうか話し合って、せっかくだしヴァルデマールさんがいるエルフの聖域へ行くことにした。

 エルフの聖域に着いてフリーダは魔法の絨毯を川のほとりに着地させようとすると、ヴァルデマールさんが地上から私たちを見上げていてまた嫌そうな顔をしていた。そして、フリーダが私たちが乗っている魔法の絨毯を川のほとりに着地させたら、ヴァルデマールさんは少しイライラしているように見えた。ヴァルデマールさんは「リリアンナだけじゃなく、また他の人間どもが来やがった」と少し怒っていた。
 私たちは怒っているヴァルデマールさんに構わずに挨拶をして、またエルフの聖域に行っても良いのか聞いてみたらヴァルデマールさんは「リリアンナだけは私との弓矢の練習があるから、貴様らはエルフの森に行って精霊と戯れてこい」といったら、ジークフリートとハンスさんは少し悔しそうに「そうするか」といってフリーダはヴァルデマールさんにヘルガさんからもらったアールグレイの紅茶葉とマカロンを少し分けた。ヴァルデマールさんは驚いて「ハーフエルフの娘はフリーダといったか。ありがたく受け取っておく」といった後、ジークフリートとハンスさんとフリーダはエルフの森の中にいって精霊に会いに行った。
 ヴァルデマールさんと私が二人きりになったとき、ヴァルデマールさんは「また、あの変態魔族のカインのところへ行って来たのか?」と私に問いかけたので「そうですね。ついに魔族が住んでいる辺境の地もカイン様のおかげで自分の領地にすることができました」と答えたら、ヴァルデマールさんが「さっき、ルイーゼと亜麻色の髪の人間の男が王宮へ入って行くのを見たぞ」といっていた。私はそのことに心を揺さぶられずに「じゃあ、私も後で確認しに王宮へ行きますね」といって引き続き、ヴァルデマールさんから弓矢の使い方を教えてもらっていた。
 私は弓矢のことを教えてもらっている最中に「明日から私に家庭教師がつくことになりましたので、しばらくヴァルデマールさんとも会えないかもしれません」と寂しそうにいうと、ヴァルデマールさんは頬と耳の先を少し赤らめながら「しばらく来れなかったとしてもいつでも待っているからな。それにここはリリアンナの領地、リヒテンベルク伯爵家の領地だからな」といってた。
 しばらくヴァルデマールさんが私にアーチェリーのことを教えていると、私はカイン様の話をした。案の定、ヴァルデマールさんはかなり嫌そうな顔をして「あの変態カインの土地をリリアンナの土地にしたのかっ! あのルイーゼ公爵令嬢に任せれば良かっただろう?!」と私がカイン様の土地を領地化したことについて怒っていた。私は怒ったヴァルデマールさんに驚いてなだめるように「でもカイン様はルイーゼの土地にするより私の土地にする方を望んだみたいですから……」といったら、ヴァルデマールさんは「だからといってあのカインの土地をリリアンナの領地化にする必要はないだろう。リリアンナは実はとんだ魔性の女なのか?」と聞かれて私は少し恥ずかしくなって顔が熱くなっていって「そ、そんなぁ」といったら、ヴァルデマールさんは「あのカインの心を動かしたんだからな」とニヤニヤしていた。そして、ジークフリートとハンスさんとフリーダはエルフの森の中から戻ってきてフリーダは嬉しそうにヴァルデマールさんに「今日は今までよりも一番精霊さんとお話しできて嬉しかった」といったら、ヴァルデマールさんは嬉しそうに「そうか。それは良かったな。フリーダ」といっていた。そしてヴァルデマールさんはジークフリートとハンスさんとフリーダに「王宮にルイーゼと亜麻色の髪の人間の男が王宮に遠くから入って来るのを見た。あれはリリアンナだけが王宮に向かってハインリヒ王子とカインのことで話をした方が良いんじゃないのか」と話したら、ハンスさんは真剣な表情をして「それはそうですね。それではリリアンナさん、ご健闘を祈ります」といってジークフリートは「領地の話は俺たちじゃなんともできないからなぁ。頑張れ、リリアンナ」といって、私たちは現地解散して私はヴァルデマールさんのお勧めで王宮へと向かった。

 私は王宮に行くと王宮の玄関にはレオンハルトが立っていて、レオンハルトはつかさず私話しかけてきた。
 「リリアンナ様、ちょうど良かったです。ルイーゼ様とアルブレヒト様がハインリヒ王子と魔族のカイン様のことについて話し合っていまして」
「それじゃあ、私は入らない方が良いのでは?」と私は不安そうに聞くと、レオンハルトは「そんなことないですよ。今ならリリアンナ様がハインリヒ王子の証人となるはずです。ですので来てください」といって私はレオンハルトにハインリヒ王子とルイーゼとアルブレヒトがいる王宮の中にある応接間へ案内された。レオンハルトはその応接間の部屋のドアをノックして「ハインリヒ王子様、リリアンナ・フォン・リヒテンベルク伯爵令嬢をお呼びいたしました」と申し上げたら、応接間の中からハインリヒ王子の声が「わかった。じゃあ、リリアンナを招き入れてくれ。レオンハルト」と聞こえて来たので、レオンハルトは「かしこまりました」といってドアを開けるとそこには、ハインリヒ王子とルイーゼとアルブレヒト様が座っていてハインリヒ王子が「レオンハルトも一緒にいてくれ。もしものためだ。僕だけの判断じゃ自信がないからね」といった。ルイーゼは少しハインリヒ王子を睨みながら「そうでございますでしょうね。ハインリヒ王子とリリアンナ伯爵令嬢は幼馴染らしいですもんね」といっていて、それをアルブレヒト様は知らなかったのか少しショックを受けてように見えた。アルブレヒト様は「あぁ、だからリリアンナはハインリヒ王子と舞踏会で二回も踊ったのか……」と一言添えた。
 ハインリヒ王子は「リリアンナ、君は確かに魔族のカイン殿が自分の土地を、リリアンナの領地にしてほしいと申し出たんだね?」と私に話しかけて、私は即答で「はい。そうです」というとハインリヒ王子は得意げにルイーゼに向かって「証人のリリアンナ・フォン・リヒテンベルク伯爵令嬢がそういってるから魔族がいる辺境の地は、リヒテンベルク伯爵家の領地として承認するよ」というと、アルブレヒト様は「それはあまりにも不公平じゃありませんか?」と強い口調でハインリヒ王子に伝えると、ハインリヒ王子は「先に交渉したもの勝ちだったみたいで、実はカイン殿直々に何かがあれば自分の土地をリリアンナ伯爵令嬢に任せてほしいと申し出たんだ」とアルブレヒト様とルイーゼに伝えたら、ルイーゼが「それはリリアンナが出し抜いたってことじゃありませんこと?」と尋問すると、ハインリヒ王子は「リリアンナ伯爵令嬢は出し抜いてなんていない。エルフの聖域を領地化して以来、彼女が自ら冒険して勝ち取った領地だよ」と笑顔で答えるとルイーゼは悔しそうに「了解しました。今回も諦めます。ですが、私はリリアンナ伯爵令嬢がエルフの聖域も魔族がいる辺境の地の領地を管理仕切れるとは思えませんわ。いきましょう、アルブレヒト様」と捨て台詞を吐いて、ルイーゼとアルブレヒト様は応接間の外から去っていった。
 ハインリヒ王子は疲れたようにため息をついて「はぁ。ルイーゼ公爵令嬢は強情だなぁ」と少し体勢を崩して座っていた。それを見たレオンハルトは「ハインリヒ王子、お疲れのようですね。何か使用人に甘い物を作らせましょうか?」と質問するとハインリヒ王子は少しずつうなだれて「いや、大丈夫だ。ありがとう、レオンハルト」といった後、ハインリヒ王子は私の頭を撫でて「よくぞ来てくれたな、リリアンナ。そして、魔族が住んでいる辺境の地も自分の領地にするなんてすごいな。僕が知らないうちにリリアンナは成長しているなぁ。そして、改めてリリアンナのご両親のリヒテンベルク伯爵とリヒテンベルク伯爵夫人とカイン殿を呼び出すからな」と優しい口調で私に伝えてくれた。
 そういえば、カイン様から魔道具をもらったんだっけ。でも使い道がわからないからハインリヒ王子にあげようかなと思って、私はハインリヒ王子に話しかけた。
 「ハインリヒ王子。カイン様から魔道具をもらいまして、私じゃ扱いきれないのでハインリヒ王子に渡そうかと思いまして」というとハインリヒ王子は困った顔をして「それは僕じゃ扱いきれないよ。レオンハルトにどうだい? レオンハルトは多少は魔道具を扱えるだろう」というと、レオンハルトはかしこまって「はい。ハインリヒ王子、リリアンナ様、ありがとうございます」と申し上げて、レオンハルトはカイン様から受け取った魔道具を私から大切そうに受け取り「恐縮です。リリアンナ様。ハインリヒ王子」といっていた。
 そして、ハインリヒ王子は私の目の前で「なんだかこれは直感なんだが、ルイーゼ・ツー・ロザリント公爵令嬢の動向が気になるな。レオンハルト、しばらく君がルイーゼ公爵令嬢の護衛の騎士として就いてくれないか?」と護衛の任務を任せるように頼むとレオンハルトはかしこまった様子で「ルイーゼ公爵令嬢の護衛ですか。わかりました。やってみます」と告げると、ハインリヒ王子は「ありがとう、レオンハルト。ルイーゼに何かあったら随時、僕に報告するんだよ」とレオンハルトにお願いしていた。
 ハインリヒ王子は「せっかくリリアンナとこうしていられて嬉しいけれど、もうそろそろ時間だ。レオンハルト、リリアンナが家に帰れるように手配してくれ」といってレオンハルトは椅子から立ち上がった後、レオンハルトが「はっ!」といってハインリヒ王子にひざまづいて、早速、レオンハルトは私のために馬車を手配してくれた。
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