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第24話、テスト前の日常
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ハンスさんが私の部屋の中に入ってきて早速、二人だけの個人授業が行われた。
ハンスさんは「前回は途中で切り上げられてしまったので、今回はそうならないように願います」とニコリとしていったので私は「今回は何の邪魔もないので大丈夫だと思いますよ」と伝えると、ハンスさんは笑顔になって「それは良かったです。だってテストの日にちが近づいてきていますもんね」と返事をしたので、私はさらに「今日、学校でテストの日程がずれるとの報告がありました」というと、ハンスさんは「それは大変ですね。またギルドに戻るまで時間がかかることになりましたね」と困った顔でいっていた。
ハンスさんとの授業が始まると今日習った授業内容の範囲を教えてほしいと指示されたので、私は授業中に取ったノートを恥ずかしながら見せた。そして、ハンスさんはパラパラとノートをめくって私がどんなことを習っているか確認して、確認しおわって私が普段使っているノートを閉じてハンスさんは私にノートを返してくれた。
「とても真面目に勉強しているようだけど、ちょっと独り言が書いてあるところもあったね。ダメだよ。そんなことしたら。だってもしかしたら今みたいに先生がちゃんと勉強しているかノートを回収してチェックする学校もあるんだからね」と困ったような笑顔でハンスさんは私に注意した。なので私はさらに恥ずかしくなって「わ、わかりました。次から気をつけます……」といって俯いた。
ハンスさんはさらに「ギルドのことや領地化のことが書かれてあるね。それは先生に見られちゃまずいんじゃないかな。あとで消しておいた方が良いよ」と人差し指で頬を少し掻きながら目線を逸らして私に忠告してくれた。私はただ「はい、わかりました。以後、気をつけます」とだけ恥ずかしながら返事をした。
今更ながらハンスさんは気づいてるのかわからないけれど、今日も二人の物理的な体の距離がカイン様が自分の体を私の腰に手をまわして密着させたぐらい近かった。ハンスさんは私のことを子供扱いしているのかなと思いきや、ハンスさんの顔も少し赤かったような気がする。余裕があるように振る舞っているけれど、余裕がないみたい。そして、ハンスさんは私に質問してきた。
「ギルドにいるときとはまた違いますよね。二人きりだからかな? 何だかリリアンナさんが女性として成長したように見えますね。制服を着ているのに。最近どうなさいましたか?」と最近、出会う男性陣がことごとく同じことをいってくることを聞いてきた。なので、私は困ったように質問を質問で返してみた。
「えーと、それ最近、特に男性の方にいわれるんですよね。同級生で同じギルドのジークフリートにもいわれましたし。つまり、私に色気がついたってことでしょうか?」と聞いたら、ハンスさんは目を逸らして「ま、まぁ、そういうことです。あのインキュバスのような魔族のせいかなー? とも思っていますけれど」と私が思いついたことと同じことをいっていた。確かに、私は今まであそこまで男性と性的に絡んだことはなかったし、そういうのは結婚してからするものだと思っていたし、そうお母様から教え込まれていたから。
引き続き、ハンスさんは目を逸らしながら「普通は婚前の状態であそこまでしませんが、まぁ、彼は魔族ですし、リリアンナさんに色気があったとしてもそれはリリアンナさんが女性としてまた成長しただけです。ですが、くれぐれも他の男性陣と関わる際は気をつけた方が良いですよ」と少し頬を赤く染めていっていた。
その後も夕方になるまでハンスさんとの授業が続いて、個人授業の途中で使用人のヘレーネが来客用のお菓子と紅茶を持ってきてくれて、それをハンスさんと私の二人で一緒に食べていたりした。
ハンスさんは「毎回、こんなごちそうを持ってきてくださるんですか?」とヘレーネに質問するとヘレーネは笑顔で「そうするように、リヒテンベルク伯爵から申し出ていますので」と答えていた。
その後は、距離が近くてドキドキしていたけれどハンスさんとの授業はなんだかんだ終わり、私とヘレーネはハンスさんを玄関まで見送ってハンスさんは帰っていった。
ハンスさんが帰った後はヘレーネは急いで料理場に行って、私は応接間に向かった。応接間にはすでにお父様とお母様が夕食が来るのを待っていて、お父様は「今日のハンスくんとの授業はどうだったんだい?」と私にハンスさんとの授業の進捗を聞いてきたので、私は正直に「今日もわかりやすかったのと、最近、出会う男性全員に色気が出ているといわれます」と答えたら、お父様は「そうか。ハンスくんにもそう指摘されてたのか」かと苦笑いしていた。そして、お母様は「リリアンナ、あなた本当に誰にも恋していませんの?」と疑ってきたけれど、私は「そんな人、本当に今はいません」と俯きながらお母様には伝えた。そしたら、お母様は「あら、そう」と訝しげに俯いている私を見ながらいった。私は本当の原因はお母様にいえないでいた。お母様がカイン様の話を聞いたら、多分気絶するかもしれないから。
しばらくするとヘレーネは私たちの人数分の夕食を運んできてくれた。夕食の時間は最近と違って何だか穏やかな気がした。
夕食も食べ終わり、私は自室に戻ってグリュックシュロス高等学園の制服を脱いで自室にあるシャワーを浴びて頭と髪と体を洗ってから湯船に浸かって最近の出来事を思い返していた。辺境の地にある魔族の土地の領地化とかエルフの聖域の領地化とか。ヴァルデマールさんとかカイン様とか元気かなとかフリーダは大丈夫かなとか、ジークフリートは毎日学校で会っているなぁと思いながらお風呂から上がって、体を拭いてから歯を磨いてパジャマを着て今日ハンスさんに教わった個人授業の内容のノートを見返してからそのノートを学校の鞄の中に入れて、ベッドの中に入って私は目を閉じた。
目を閉じてもちょっと気になったのが、ルイーゼのグループのフレイヤのことだった。ルイーゼのグループに入っておけば学校の権力者として安泰なのに、どうして慈善活動をするようになったんだろう。私には何の関係もないのに何故だか気になってしまったけれど、今夜は何だかぐっすり眠れるような気がした。
今朝の目覚めは何だかスッキリしていて爽やかな気分だった。私はベッドの中から出てから歯を磨いて顔を洗ってグリュックシュロス高等学園の制服に着替えて、ヘレーネがドアをノックする前に私は自分の部屋から外に出れた。そしてヘレーネと廊下ですれ違い、ヘレーネは驚いた顔をして「おはようございます。リリアンナ様」といって頭を下げた。
いつも食事を取る場所である応接間に行くと、お父様もお母様もいなくてヘレーネとは別の使用人のフリードリヒが朝食の準備をしていてフリードリヒは目を大きく開けて「おはようございます。リリアンナ様。今日は珍しく早くいらっしゃいましたね」と一言、私に話しかけてきたので私は「たまには私だってそうときだってあるわよ」とフリードリヒに言い返して私はそのまま、お父様とお母様が応接間に来るまで座って待っていた。
しばらくするとお父様とお母様が応接間にきて、お母様が「あら、珍しいわね。リリアンナ。あなたがこんな早くに応接間に来るだなんて……」と私に声をかけた。そして、ヘレーネが朝食を持ってきてくれて私たちはそれを食べ始めた。
食事を終えた後は、私の部屋に戻って歯を磨いて鞄を持って自分の部屋から出ていって私は玄関に向かって、お父様とお母様とヘレーネとフリードリヒが玄関で私を見送ってくれて私は家の外へと出た。
学校へと歩いて登校していたら相変わらず高級感あふれるロココ建築のような建物、つまりグリュックシュロス高等学園の校舎が見えてきた。そしてその豪華な校舎の中に入るとリラの姿が見えたけれど、彼女はすべって転んでいるところを見てしまったけれど気まずかったので私はすぐさま隠れて見て見ぬフリをした。
リラが座り込んで痛がっていると一瞬だけ男の子かと思ったけれど、その子の制服の下の部分を見ると膝上までのスカートを履いていた。そして、男装の麗人のような女の子がリラに「立てるかい?」と聞いてリラに手を伸ばした。リラは上目遣いをして「は、はい……」と狼狽えたように返事して伸ばされた手を取ってリラは立ち上がった。
リラが立ち上がるとその茶髪のショートヘアでヘーゼルの瞳をした男装の麗人みたいな子が手を離してから「あ、君はリラだったよね。いつもルイーゼと一緒にいるよね」とリラに質問したのちに、リラは俯いて「はい……」と答えると、その男装の麗人みたいな女の子は「私の名前はヴェロニカ。一応、公爵令嬢なんだけどね。じゃあね」といってヴェロニカはリラに手を振って立ち去ってヴェロニカの姿が段々小さくなっていたけれど、リラは呆然としていた。
そしてフレイヤが校舎の中に入ってきたけれど、ルイーゼじゃない女の子二人を連れてフレイヤはリラに挨拶をした。
「リラ、おはよう」
「おはよう、フレイヤ。ってフレイヤ、この二人は誰なの?」
「あぁ、この二人はね、私が参加している慈善活動のメンバーのペトロネラとビアンカだよ」とフレイヤがいったら、ペトロネラとビアンカはリラにお辞儀をして「ごきげんよう、リラ」と挨拶をした。リラもペトロネラとビアンカにお辞儀をして「ごきげんよう。ペトロネラ、ビアンカ」と挨拶をし返した。
そして、リラは不安そうに「フレイヤはもうルイーゼと一緒にいることにしないの?」とフレイヤに質問をすると「うーん、わからない」といってフレイヤはペトロネラとビアンカと一緒にリラを置いてどこかへ行ってしまった。
その後、ルイーゼが登校してきてリラに「おはよう、リラ。あれ? フレイヤは?」と聞くとリラは不安気に「慈善活動のメンバーのペトロネラとビアンカと一緒にどこかへ行ってしまったわ」と答えるとルイーゼは冷たい口調で「あっそう」と答えて、私がいる方向を少しだけ凝視してルイーゼはリラに「行こう、リラ」といってルイーゼとリラは二人で彼女たちの教室へと向かった。
リラたちから隠れていた私は流石にもう大丈夫だろうと思い隠れていた壁から出てきて、私は急いで教室に向かった。
教室に入ると朝礼がちょっとした後に始まり、朝礼ではテストがもうすぐ始まることが告知されて朝礼は終わり、午前の授業が始まってハンスさんとの授業内容と比べてノートに自分の今の思いを書かないように集中して授業に取り組んでいた。そして、午前の授業も終わり、お昼休みになって今日はジークフリートと一緒に食べないで一人で食堂でお昼ご飯を食べて教室に戻り、午後の授業の始まりのチャイムが鳴って午後の授業が始まっては終わってそのまま流れるように終礼となった。
終礼でも、テストのことを担任の先生は話していて私はよっぽど大事なのかな? と私は思った。そして、いよいよ放課後になって下校時間となったし今日もハンスさんとの授業があるので、私は途中ですれ違ったジークフリートに「またね」といって少し早歩きで自宅へと向かった。
家に着くと、使用人のヘレーネが玄関に立っていて「ハンス様が今、応接間にいらっしゃいます」と私に伝えてくれたので、私は急いで自室に向かった。
私が自室に入った後ハンスさんも私の部屋に入ってきて、続いて使用人のフリードリヒが今日の来客用のお菓子と紅茶を持ってきた。そして、二人きりで出されたお菓子を食べながら、ハンスさんの個人授業が始まって二人の距離感にドギマギしながらも授業は続いて、ハンスさんは夕方になると「今日の授業はここまでです。それじゃあ」と笑顔で私に頭を下げていって使用人のヘレーネとフリードリヒと私に見送られながら、ハンスさんは帰っていった。
ハンスさんが帰った後は、すぐに夕食となり応接間にはお父様とお母様がすでにいたので急いで席に着いて夕食を食べ始めて、今日学校でどんなことがあったかをお父様とお母様に話して、夕食も食べ終わり、私は自室に戻りお風呂に入った。
お風呂から上がってから髪の毛を乾かして歯を磨いて、私はベッドの中に入って目を閉じた。
ハンスさんは「前回は途中で切り上げられてしまったので、今回はそうならないように願います」とニコリとしていったので私は「今回は何の邪魔もないので大丈夫だと思いますよ」と伝えると、ハンスさんは笑顔になって「それは良かったです。だってテストの日にちが近づいてきていますもんね」と返事をしたので、私はさらに「今日、学校でテストの日程がずれるとの報告がありました」というと、ハンスさんは「それは大変ですね。またギルドに戻るまで時間がかかることになりましたね」と困った顔でいっていた。
ハンスさんとの授業が始まると今日習った授業内容の範囲を教えてほしいと指示されたので、私は授業中に取ったノートを恥ずかしながら見せた。そして、ハンスさんはパラパラとノートをめくって私がどんなことを習っているか確認して、確認しおわって私が普段使っているノートを閉じてハンスさんは私にノートを返してくれた。
「とても真面目に勉強しているようだけど、ちょっと独り言が書いてあるところもあったね。ダメだよ。そんなことしたら。だってもしかしたら今みたいに先生がちゃんと勉強しているかノートを回収してチェックする学校もあるんだからね」と困ったような笑顔でハンスさんは私に注意した。なので私はさらに恥ずかしくなって「わ、わかりました。次から気をつけます……」といって俯いた。
ハンスさんはさらに「ギルドのことや領地化のことが書かれてあるね。それは先生に見られちゃまずいんじゃないかな。あとで消しておいた方が良いよ」と人差し指で頬を少し掻きながら目線を逸らして私に忠告してくれた。私はただ「はい、わかりました。以後、気をつけます」とだけ恥ずかしながら返事をした。
今更ながらハンスさんは気づいてるのかわからないけれど、今日も二人の物理的な体の距離がカイン様が自分の体を私の腰に手をまわして密着させたぐらい近かった。ハンスさんは私のことを子供扱いしているのかなと思いきや、ハンスさんの顔も少し赤かったような気がする。余裕があるように振る舞っているけれど、余裕がないみたい。そして、ハンスさんは私に質問してきた。
「ギルドにいるときとはまた違いますよね。二人きりだからかな? 何だかリリアンナさんが女性として成長したように見えますね。制服を着ているのに。最近どうなさいましたか?」と最近、出会う男性陣がことごとく同じことをいってくることを聞いてきた。なので、私は困ったように質問を質問で返してみた。
「えーと、それ最近、特に男性の方にいわれるんですよね。同級生で同じギルドのジークフリートにもいわれましたし。つまり、私に色気がついたってことでしょうか?」と聞いたら、ハンスさんは目を逸らして「ま、まぁ、そういうことです。あのインキュバスのような魔族のせいかなー? とも思っていますけれど」と私が思いついたことと同じことをいっていた。確かに、私は今まであそこまで男性と性的に絡んだことはなかったし、そういうのは結婚してからするものだと思っていたし、そうお母様から教え込まれていたから。
引き続き、ハンスさんは目を逸らしながら「普通は婚前の状態であそこまでしませんが、まぁ、彼は魔族ですし、リリアンナさんに色気があったとしてもそれはリリアンナさんが女性としてまた成長しただけです。ですが、くれぐれも他の男性陣と関わる際は気をつけた方が良いですよ」と少し頬を赤く染めていっていた。
その後も夕方になるまでハンスさんとの授業が続いて、個人授業の途中で使用人のヘレーネが来客用のお菓子と紅茶を持ってきてくれて、それをハンスさんと私の二人で一緒に食べていたりした。
ハンスさんは「毎回、こんなごちそうを持ってきてくださるんですか?」とヘレーネに質問するとヘレーネは笑顔で「そうするように、リヒテンベルク伯爵から申し出ていますので」と答えていた。
その後は、距離が近くてドキドキしていたけれどハンスさんとの授業はなんだかんだ終わり、私とヘレーネはハンスさんを玄関まで見送ってハンスさんは帰っていった。
ハンスさんが帰った後はヘレーネは急いで料理場に行って、私は応接間に向かった。応接間にはすでにお父様とお母様が夕食が来るのを待っていて、お父様は「今日のハンスくんとの授業はどうだったんだい?」と私にハンスさんとの授業の進捗を聞いてきたので、私は正直に「今日もわかりやすかったのと、最近、出会う男性全員に色気が出ているといわれます」と答えたら、お父様は「そうか。ハンスくんにもそう指摘されてたのか」かと苦笑いしていた。そして、お母様は「リリアンナ、あなた本当に誰にも恋していませんの?」と疑ってきたけれど、私は「そんな人、本当に今はいません」と俯きながらお母様には伝えた。そしたら、お母様は「あら、そう」と訝しげに俯いている私を見ながらいった。私は本当の原因はお母様にいえないでいた。お母様がカイン様の話を聞いたら、多分気絶するかもしれないから。
しばらくするとヘレーネは私たちの人数分の夕食を運んできてくれた。夕食の時間は最近と違って何だか穏やかな気がした。
夕食も食べ終わり、私は自室に戻ってグリュックシュロス高等学園の制服を脱いで自室にあるシャワーを浴びて頭と髪と体を洗ってから湯船に浸かって最近の出来事を思い返していた。辺境の地にある魔族の土地の領地化とかエルフの聖域の領地化とか。ヴァルデマールさんとかカイン様とか元気かなとかフリーダは大丈夫かなとか、ジークフリートは毎日学校で会っているなぁと思いながらお風呂から上がって、体を拭いてから歯を磨いてパジャマを着て今日ハンスさんに教わった個人授業の内容のノートを見返してからそのノートを学校の鞄の中に入れて、ベッドの中に入って私は目を閉じた。
目を閉じてもちょっと気になったのが、ルイーゼのグループのフレイヤのことだった。ルイーゼのグループに入っておけば学校の権力者として安泰なのに、どうして慈善活動をするようになったんだろう。私には何の関係もないのに何故だか気になってしまったけれど、今夜は何だかぐっすり眠れるような気がした。
今朝の目覚めは何だかスッキリしていて爽やかな気分だった。私はベッドの中から出てから歯を磨いて顔を洗ってグリュックシュロス高等学園の制服に着替えて、ヘレーネがドアをノックする前に私は自分の部屋から外に出れた。そしてヘレーネと廊下ですれ違い、ヘレーネは驚いた顔をして「おはようございます。リリアンナ様」といって頭を下げた。
いつも食事を取る場所である応接間に行くと、お父様もお母様もいなくてヘレーネとは別の使用人のフリードリヒが朝食の準備をしていてフリードリヒは目を大きく開けて「おはようございます。リリアンナ様。今日は珍しく早くいらっしゃいましたね」と一言、私に話しかけてきたので私は「たまには私だってそうときだってあるわよ」とフリードリヒに言い返して私はそのまま、お父様とお母様が応接間に来るまで座って待っていた。
しばらくするとお父様とお母様が応接間にきて、お母様が「あら、珍しいわね。リリアンナ。あなたがこんな早くに応接間に来るだなんて……」と私に声をかけた。そして、ヘレーネが朝食を持ってきてくれて私たちはそれを食べ始めた。
食事を終えた後は、私の部屋に戻って歯を磨いて鞄を持って自分の部屋から出ていって私は玄関に向かって、お父様とお母様とヘレーネとフリードリヒが玄関で私を見送ってくれて私は家の外へと出た。
学校へと歩いて登校していたら相変わらず高級感あふれるロココ建築のような建物、つまりグリュックシュロス高等学園の校舎が見えてきた。そしてその豪華な校舎の中に入るとリラの姿が見えたけれど、彼女はすべって転んでいるところを見てしまったけれど気まずかったので私はすぐさま隠れて見て見ぬフリをした。
リラが座り込んで痛がっていると一瞬だけ男の子かと思ったけれど、その子の制服の下の部分を見ると膝上までのスカートを履いていた。そして、男装の麗人のような女の子がリラに「立てるかい?」と聞いてリラに手を伸ばした。リラは上目遣いをして「は、はい……」と狼狽えたように返事して伸ばされた手を取ってリラは立ち上がった。
リラが立ち上がるとその茶髪のショートヘアでヘーゼルの瞳をした男装の麗人みたいな子が手を離してから「あ、君はリラだったよね。いつもルイーゼと一緒にいるよね」とリラに質問したのちに、リラは俯いて「はい……」と答えると、その男装の麗人みたいな女の子は「私の名前はヴェロニカ。一応、公爵令嬢なんだけどね。じゃあね」といってヴェロニカはリラに手を振って立ち去ってヴェロニカの姿が段々小さくなっていたけれど、リラは呆然としていた。
そしてフレイヤが校舎の中に入ってきたけれど、ルイーゼじゃない女の子二人を連れてフレイヤはリラに挨拶をした。
「リラ、おはよう」
「おはよう、フレイヤ。ってフレイヤ、この二人は誰なの?」
「あぁ、この二人はね、私が参加している慈善活動のメンバーのペトロネラとビアンカだよ」とフレイヤがいったら、ペトロネラとビアンカはリラにお辞儀をして「ごきげんよう、リラ」と挨拶をした。リラもペトロネラとビアンカにお辞儀をして「ごきげんよう。ペトロネラ、ビアンカ」と挨拶をし返した。
そして、リラは不安そうに「フレイヤはもうルイーゼと一緒にいることにしないの?」とフレイヤに質問をすると「うーん、わからない」といってフレイヤはペトロネラとビアンカと一緒にリラを置いてどこかへ行ってしまった。
その後、ルイーゼが登校してきてリラに「おはよう、リラ。あれ? フレイヤは?」と聞くとリラは不安気に「慈善活動のメンバーのペトロネラとビアンカと一緒にどこかへ行ってしまったわ」と答えるとルイーゼは冷たい口調で「あっそう」と答えて、私がいる方向を少しだけ凝視してルイーゼはリラに「行こう、リラ」といってルイーゼとリラは二人で彼女たちの教室へと向かった。
リラたちから隠れていた私は流石にもう大丈夫だろうと思い隠れていた壁から出てきて、私は急いで教室に向かった。
教室に入ると朝礼がちょっとした後に始まり、朝礼ではテストがもうすぐ始まることが告知されて朝礼は終わり、午前の授業が始まってハンスさんとの授業内容と比べてノートに自分の今の思いを書かないように集中して授業に取り組んでいた。そして、午前の授業も終わり、お昼休みになって今日はジークフリートと一緒に食べないで一人で食堂でお昼ご飯を食べて教室に戻り、午後の授業の始まりのチャイムが鳴って午後の授業が始まっては終わってそのまま流れるように終礼となった。
終礼でも、テストのことを担任の先生は話していて私はよっぽど大事なのかな? と私は思った。そして、いよいよ放課後になって下校時間となったし今日もハンスさんとの授業があるので、私は途中ですれ違ったジークフリートに「またね」といって少し早歩きで自宅へと向かった。
家に着くと、使用人のヘレーネが玄関に立っていて「ハンス様が今、応接間にいらっしゃいます」と私に伝えてくれたので、私は急いで自室に向かった。
私が自室に入った後ハンスさんも私の部屋に入ってきて、続いて使用人のフリードリヒが今日の来客用のお菓子と紅茶を持ってきた。そして、二人きりで出されたお菓子を食べながら、ハンスさんの個人授業が始まって二人の距離感にドギマギしながらも授業は続いて、ハンスさんは夕方になると「今日の授業はここまでです。それじゃあ」と笑顔で私に頭を下げていって使用人のヘレーネとフリードリヒと私に見送られながら、ハンスさんは帰っていった。
ハンスさんが帰った後は、すぐに夕食となり応接間にはお父様とお母様がすでにいたので急いで席に着いて夕食を食べ始めて、今日学校でどんなことがあったかをお父様とお母様に話して、夕食も食べ終わり、私は自室に戻りお風呂に入った。
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