継母の心得

トール

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第二部 第3章

429.ぅんちょとよぃちょ 〜 ノア視点 〜

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ノア視点


「おとぅさま、ちんでん、はいれないの……」

とびら、どこにもないのよ。おやしゅみかちら?

「転移陣があるのかもしれん。もしくは、扉や窓を見えないよう幻影魔法がかけられている可能性もある。少し調べてみよう」
「はい!」

おとぅさま、ちんでん、ぐりゅっとまわったの。でもね、なんにもないのよ。

「転移陣は無さそうだが……」
『テオ、ここ、マークある!!』

アオ、なにかみちゅけた?

「これは……ディバイン公爵家の紋章か」

おとぅさまのおめめ、ちょっとおっきくなって、もんちょ……?、さわったの。そちたら、ブワーッて、おかぜふいて、わたちのかみ、ボサボサよ。

「びっくりちた」
「やはり、幻影魔法のようなものがかけられていたらしい」
『とびら、しゅつげーん!!』

とびりゃ、でてきたのね。

「この神殿は、ディバイン公爵家と関わりがありそうだ……」

しょうなの? ちんじゅーと、おともだち、なのかちら?

『テオ、ノア、はいる!!』
「ちんでん、なか、はいれる、のね!」

おとぅさま、ゆっくりすすむの。しょろしょろ、おろちてくれないかちら。わたちね、ありゅきたいのよ。

「ノア、まだ何が起こるかわからない。降ろすのは、安全が確認出来てからだ」

なんにも、おはなち、ちてないのに、わかったの?

「おとぅさま、どうちて、わたち、ありゅきたいって、わかったの?」
「……チラチラと地面を見ているだろう」
『めは、くちほどに、ものをいう!! ベルが、いってた!!』

わたちのおめめ、おしゃべりちた!?

「ノア、目を隠すな。目は話さん」

おめめ、おててでかくちたら、おとぅさま、おめめ、おしゃべりちないって。

「びっくりちた……」
「フッ……、先ほどから驚いてばかりだな」

おとぅさま、わらってりゅ。

『あー!! とびら、しまった!!』

ちんでんのなか、はいったら、とびりゃ、バタンッて、ひとりでにちまったのよ。

「何があるかわからん。油断するなよ」
「はい!」

どきどきしゅりゅの。
おとぅさまに、ぎゅってちて、ちんでんのなか、みたのよ。

「ちろいの」
「ああ。窓すら無いにも関わらず、中が明るいとは、何らかの魔法か……?」
「まほー?」

あっ、おかぁさまの、まほー、ピカーッしゅる!

「おかぁさま、かくれんぼ、ちてる?」
「ベルが? なぜそんな考えになる……」

おかぁさま、わたちない、さびちぃ! むかえ、きてくれたのね!

「おかぁさま、じょこ?」
「ノア、ベルはここにはいない」
「おとぅさま、おかぁさまいりゅ。ピカーッ、ちてる」
「確かにベルは輝いているが……部屋の灯りとは違うだろう」

ちがう……?

『ノア、ベルきてない。いま、ぺーと、いっしょ!!』
「おかぁさま、ぺーちゃんと、いっちょ……」

わたちない、さびちぃ、ない?

「ノア、ベルもノアと私がそばにいないと、寂しいだろう。だから、早く管理者になって、ベルの元へ帰るぞ」
「はい!」

ちゅよくなって、おかぁさまのおそば、かえりゅ!

「この神殿は、上に進むようだ」

くりゅくりゅ、かいだんね。

「おとぅさま、わたち、じぶんで、かいだんのぼりゅ!」
「大丈夫なのか? お前のその手足では、みじか……ゴホンッ」
「だいじょぶなのっ」
「……わかった」

おとぅさまのだっこ、おろちてもらったのよ。
おててちゅないで、かいだん、のぼりゅの。

「ぅんちょ、ぅんちょ」
「……」
「よぃちょ、よぃちょ」
「何だ、その掛け声は」
「? ぅんちょと、よぃちょ!」
「……そうか」

おとぅさま、へんなおかおね。

「どこまで上がればいいのか……」
『テオ、かいだん、まだぜんぜん、のぼってない!! じゅーだん!!』
「……黙れキノコ」

アオもおとぅさまも、ケンカ、めっ、よ。

ふたりが、ケンカちてたら、ちんでんのじゅーっと、じゅーっと、うえから、なにかおちてきたの。

「あれ、なにかちら?」

ふわふわの、ちっさいの……


『───どちゅらさまも、おひかえなちゅって!』

ふわ~って、わたちたちのまえ、おちてきて、きゅうに、おはなちしたの!

「……モモンガ……?」

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