継母の心得

トール

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第二部 第3章

431.風と水の神殿と、ディバイン公爵家の関係 〜 テオバルド視点 〜

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テオバルド視点


天井にぶつかると思い、凍らせようとした瞬間、天井を通り抜け、神殿ではなく草原に立っていたのだ。

『おぼっちゅん、だんなさん、かぜのちゅっでんに、ちゅきやちゅた』
「ここが、風の神殿だと?」
「おしょとよ?」

木々や花、風の匂いまで感じるのだ。ノアの言う通り、外で間違いない。

『よ~くできた、げんえいまほうっちゅ』
「感触や、まして匂いまで感じられる幻影魔法など存在するのか……」
『そんざいちゅるっちゅ』
「わぁ~、あれ、かわ、よ!」

ノアが川の方へ走っていこうとするので、抱き上げ止める。

「川は危険だ」
「あぶない……? あっ、おとぅさま、おみじゅの、ちんじゅー、じょこ?」

川から連想し、水の神獣を思い出したのか、落着きがなくなった。

『おぼっちゅん、みちゅの、ちゅっじゅーは、ちゅたでござんちゅ』
「ちゅた?」

『ちゅた』とは何だ、というように見上げてこられても、困るのだが……。蔦の事か?

『どちゅらさんも、おちゅかれで、ござんちゅう。おちゅでもいかがで、ござんせんちゅか?』
「おちゅ?」

ノア、だから私に聞くな。

『おちゅとは、これのことで、ござんちゅ』

風の神獣はそう言って、飲み物を宙に浮かべ、目の前まで持ってきたのだ。

「おちゃ!」
『そうでござんちゅ。これがおちゅ、でござんちゅよ』

机と椅子、テーブルクロスまで飛んできて、アフタヌーンティーがセットされる。

モモンガにしては気が利くようだ。ノアも疲れているようだし、休憩にするか。


『───おぼっちゅんと、だんなさんは、ディバインこうちゅくけの、おひとに、おみうけちゅるで、ござんちゅ』
「しょうよ。わたち、ノア・きんばりー・でぃばいんでしゅ」
「私はテオバルド・アロイス・ディバインだ」
『アオは、アオ!!』

風の神獣は、目をぱちぱちさせると、『やっぱりで、ござんちゅか……』とお茶請けのナッツを両手で掴んだまま、ノアと私の顔をじっと見つめた。

『じちゅは、ディバインこうちゅくけの、ごせんぞが、このちゅっでんの、かんりちゅを、ちゅていたんで、ござんちゅ』

「ちゅ」が気になって話が入ってこない。

「かんりちゃ! あ、かんりちゅ! わたち、かんりちゅ、なりに、きまちた」
『!? おぼっちゅん、かんりちゅに、なっちゅくれるので、ござんちゅか!?』
「はい!」
『かんりちゅが、どういうものか、ちゅってるで、ござんちゅか?』
「はい! ちゅってりゅ。あかいとりさん、おちえて、もりゃいまちた」
『あかいちゅり……もちゅかちゅて、ふちゅちゅーのことで、ござんちゅか!?』

「ふちゅちゅー」が何かわからん! ちゅを止めろ。

「しょうよ。ひのちんでんの、あかいとりさん」
『おぼっちゅん、だんなさん、ふちゅちゅーは、おおざっぱなところが、ござんちゅ』

確かに、あの鳥は大雑把だ。

『あっちゅから、かんりちゅにちゅいて、もういちゅど、せちゅめい、させていただきやちゅ』

モモンガが言う、神殿の管理者と神獣とは、

・神獣の神殿は、この世界の東西南北、そして中央に存在する。
・世界を安定させるために、創造神様が創られた。
・人間が魔力で維持できるように創られている。
・魔力を注いでくれていた前代が亡くなってから、神獣の力で保たせてはいるが、魔力とは別物である為、維持するのが困難。(ここでいう、神殿の維持とは、神殿の修繕や魔法技術の稼働、掃除などの事)
・管理者が全ての神殿に揃わなければ、数百年後には世界が滅ぶ
・各神殿に管理者が必要。
・管理者の仕事は、ひと月に一度、魔力を注ぎ、神殿の維持。
・神託を人間に伝える。(数百年に一度)
・管理者は神獣の力を一部共有できる。

らしい。

『そちゅて、かんりちゅになると、とっても、けんこうに、なるんで、ござんちゅ』

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