心が読める私に一目惚れした彼の溺愛はややヤンデレ気味です。

三月べに

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お試しの居場所編(後)

61 春生まれの可愛い女の子を保護。

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 日曜日の朝。
 起きてみれば、【天使守り隊】のグループルームで、真樹さんが泣き縋っていた。

 【合コン惨敗ぃいいッ! こっぴどくフラれた!! おれだけはないって!!】

 号泣顔の絵文字が、並んでいる。
 時刻は、10時過ぎ。夜の合コンの後のメッセージらしい。

 【なんでここで言う? 天使守り隊の情報共有場じゃなかったのか?】

 新一さんのメッセージからは、呆れている感が伝わった。

 【天使に癒してほしい!!】
 【守り隊、失格か?】
 【頼むよ! 明日デートだって知ってるけど、おれも混ぜてぇ!! 荷物持ちもするから!!】
 【デートに割り込むとか、お前、正気か?】

 癒しを求めたSOSだったのか。
 新一さんは、心底呆れ顔の絵文字を入れた。

 【いや、合コンで惨敗したあとに、カップルのデートに割り込むなんて、普通に傷口に塩だろうが】
 【癒しをください!!! 慈悲をください!!】

 号泣顔の絵文字を連打。それからの泣き崩れるキャラのスタンプ。

 【多分、七羽ちゃんは疲れて今は寝てるだろうから、明日、七羽ちゃんがいいって言うならいいよ(苦笑)】

 数斗さんのメッセージからは、仕方なさそうな苦笑交じりさを感じ取れた。

 【どうせ、いいって言うだろ。傷口を抉らないようにな】と、新一さんは言い当てて、げんなりした顔の絵文字も入れつつ、彼なりに気遣う言葉を添えている。

 【おはようございます。私の方も構いませんよ! 数斗さんがよしとするなら! 真樹さんは、大丈夫ですか?】

 朝の支度を済ませると、数斗さんと真樹さんから返信があった。

 数斗さんは、承諾。私と二人で過ごしたいとは思うだろうけれど、真樹さんも親友で大事だ。泣きつかれれば、断れない。
 空気が読める真樹さんが、デートに割り込むぐらいだから、傷心は相当だろう。
 真樹さんからは、感謝。それから、昨夜の惨敗ぶりの愚痴。

 朝食を終えたあとに、まったりと出掛ける準備。
 白い刺繍のレースをあしらったワンピース。ニーソの模様の黒いストッキング。
 ワンピースの上には、胸下丈の背広風の黒いジャケットを着ておく。薄手なので、暑くはならないはず。
 バレッタでハーフアップにした髪は、いつものように毛先をゆるふわに巻いておく。
 昨夜、塗っておいた赤いネイルが剥げていないかチェックをして、桜を思わせる甘い香水をつけて、準備完了。

 数斗さんに真樹さんと一緒に車で迎えに行くと言われたけれど、昨日も断った。
 合計二時間も行き交いするなんて、時間がもったいないので、私は電車で向かって現地集合。二時間を移動時間に費やすより、ウィンドウショッピングに使うべきだ。と、またメッセージできっぱり言えば、数斗さんもしぶしぶと引き下がって、真樹さんと待ち合わせ場所で待つとのこと。
 気を付けてね。と、数斗さんの心配するメッセージに、ちゃんと気を付けると返して、家を出た。


 私達が出会った駅に到着。
 元々、多くの人が行き交う駅ビルの中。人ごみの心の声に酔わないように、イヤホンで流す音楽の歌詞に集中しておく。

 改札口を出て、待ち合わせ場所へ歩き出す。
 すぐに、足元に白いハンカチが落ちていることに気付く。
 拾ってみれば、白ではなく、うっすらとした淡いピンクだった。周りの白いレースが、かなり凝っていて綺麗すぎる。

 ピンクゴールドの腕時計を確認してみれば、まだ待ち合わせ時間までは10分近くあった。数斗さんのことなら、もう待っていそうだけれど、ちょっと駅員に届けることにしよう。
 私が待ち合わせ場所に5分前にはいるって話を前にしたことあるから。先に待っている可能性は大だ。
 一応、連絡を入れようと、ワンピースのポケットから携帯電話を取り出す。

『どうしよう……ハンカチが。どこに落としたかな……ない』

 ハンカチ。心の声が、聞こえた。
 ガヤガヤとしているから、あまりはっきりとは聞いたわけじゃないけれど、ハンカチのワードは聞き取れたので、もしかしたら、このハンカチの落とし主かもしれない。

 心の声に耳をすませるように、意識を集中した。

 人ごみを掻き分けるように、探る。ざわざわーっと人の声が多すぎて、ちょっと気持ち悪さを覚えた。

『おばあちゃんにもらったばかりなのにっ。ハンカチ……どうしよう』

 女の子の涙声。
 女の子と言っても、私と歳がそう変わらなそうな声だ。

 もう声の特定は出来たので、一息つく。
 気持ち悪さは、すぐに消えた。あんまり、こういう大勢の中から、一つの声を探す行為はしないようにしよう。今の気持ち悪さは、心を読む能力を使いすぎたせいだろうから。
 いつものように、自然と聞こえてくる心の声の中から、彼女の声を辿りつつ、キョロキョロと辺りを見回す。

 見付けた。
 ベージュの網ニットのカーディガンとフリルの白いワンピースと膝下のロングブーツの若い女性。少し顔色悪く、下を見て歩いている。さらりと肩から落ちた長い髪は、ピンクブラウンに艶めく。毛先だけ、しっかりとカールした髪型。身長も私とさほど変わらない小柄な可愛い感じの子。

「すみません。すみません!」

 一度では、自分に声をかけられたとは気付かなかった彼女に、二度声をかければ、びっくりした顔で振り返った。

「何か探しているみたいですけど、これじゃないですか?」

 にこっと笑って見せて、ハンカチを差し出す。

「はっ、はい! あ、ありがとうございますっ!」
『よかった! おばあちゃんの手作りハンカチを失くさないで!』

 泣きそうな顔をした彼女は、両手でしっかりと受け取ると大事そうに抱えた。

 え。それ、手作りレースなの? すご。

「いえいえ。綺麗なレースですね」と、つい、確認するために話しかけた。

「あ、はいっ。おばあちゃん、あのっ、祖母の趣味がレース作りでして……その祖母が、この間の誕生日にくれて……」

 ポッと頬を赤らめつつも、彼女は答えてくれる。血色がよくなって何よりだ。

「誕生日プレゼントでしたか。見付かってよかったですね」
「は、はい! ありがとうございます!」
『い、いい人! 美人さんだし……素敵……』

 ペコッと深く頭を下げた彼女は、顔を上げると、私をじっと見つめてきた。

 び、美人さん……。
 素敵だと初対面から言われるのは、初めてで、くすぐったい。
 もちろん、心の声だけなんだけど。

『ど、どうしよう。この人に、道を尋ねてもいいかな……。甘えすぎ?』と、迷っている。

「この駅は、初めて?」
「へっ? は、はいっ! 初めての友だちと待ち合わせで! どっちかわからなくて! そしたら、ハンカチを落としちゃって!」
『ハッ! 喋りすぎた! 訊かれてないのに!』

 案内してあげようと思って尋ねれば、あわあわとした彼女はプチパニック。

 初めての友だち? 引っかかるワード。
 首を捻りつつも、待ち合わせ場所がわからないと口にしたから、これを口実にすることにした。

「案内しますよ。この駅ビルにはよく来るので」
「い、いいんですかっ?」
『すごいいい人!!』

 感激する彼女に、笑顔で頷いておく。
 差し出された携帯電話の画面に、メッセージで待ち合わせ場所が書かれていた。
 うん、知ってる。こっちだよ、と指差して一緒に歩き出す。
 まだ時間があるし、その距離なら、まだ間に合う。

「さっきので名前を見ちゃったけど、春香(はるか)ちゃんって名前? 誕生日は、春かな? 四月?」
「はいっ! そうなんです! 21歳です!」
「あっ。今私と同い年だね。私は再来月が誕生日で、22歳になるんです。名前は七つの羽って漢字で、ナナハなんだけど、八月生まれ」
「一個上なんですね! ナナハ……可愛い名前ですね」
『とっても可愛い……私なんて、ありがちな名前だもの。別に不満があるわけじゃなけど』

 ホクホクしたように頬を赤らめたまま、会話をする春香ちゃんを見て、こういう子が純真無垢で可愛い子だと思うなぁって。

「ありがとう。春の香りで、春香ちゃんっていう名も可愛いですね。ところで、瑠奈(ルナ)っていう相手って、新しい友だちって言ってましたけど、どういう意味か、訊いてもいいですか?」
「あっ、わたしに敬語要らないです! そのぉ……ツブヤキで知り合った人なんです。好きな曲とか服とか、趣味が合って盛り上がって、ここで初めて会おうってことになったんです」

 手を出せば、春香ちゃんは瑠奈という子の写真を見せてくれる。
 ウェーブのついたセミロングの女性。ハートのスタンプでちょっと顔を隠している。加工修正した写真だ。ツブヤキのアイコンと同じ写真らしい。

「へぇ。私も高校の時に、好きなラノベのチャットで仲良くなった人が、隣の高校のタメだったから、彼から来てくれて一緒に遊んだこともある」
「そ、そうなんですね。い、異性だったんですか……」
『付き合ったのかな……ネットで知り合った男女だもんね』
「ただの男友だちだったよ」
「えっ? そうなんですか? もう会ってないのですか?」
「うん。その子にカノジョが出来たから、それっきり。よくないでしょ? カノジョ持ちの男子と仲良くするなんて」
「確かに……」

 コクリ、と春香ちゃんは頷く。

『わたしは、異性の友だちもいなかったけれど、それは、よくはないって思う』

 ちょっと気弱なところもあるし、異性慣れしていない子か。
 可愛いのに……。カレシなしか。

「ここだよ。相手はいる?」

 待ち合わせ場所に、到着。
 キョロキョロと、春香ちゃんは待ち合わせ相手を探す。私も、一緒に探してあげる。

『いた。春香ちゃんだぁ』と、後ろから、気色悪さを覚える男性の声が聞こえてきた。

「春香ちゃん」

 振り返ると同時に、春香ちゃんの肩を男性が掴んだ。
 びくっと震え上がる春香ちゃんは、見知らぬ男性に名前を呼ばれたことに凍り付く。
 相手は、小綺麗な服装ではあるけれど、野暮ったい三十路近い男性。

「会えて嬉しいな。瑠奈だよ。本名は、裕樹(ひろき)って言うんだ」
「え、でも……わ、わたしっ……」
『え? な、なんで? お、おお、おとこのひと、だなんてっ』
「さぁ、行こう? ショッピングしたら、ゆっくりしようか」
『実物も可愛いなぁ。服をちょっと買ってやったら、すぐにホテルに』

 完全に混乱して動けなくなっている春香ちゃんに、裕樹と名乗る男性は手を握ろうとした。

 咄嗟に、その手が触れないように左腕を差し込んで阻む。その腕で、春香ちゃんを下がらせる。

「ん? 君は誰かな? 春香ちゃんのお友だち?」
『なかなか可愛いじゃないか! 二人も!』

 息を荒くする男に不快感を抱きつつも、春香ちゃんの手を掴む。

「約束はキャンセルで」
「えっ? な、なんで! ちょっと待ってくれよ! 春香ちゃんと約束を!」
「約束は無効です。春香ちゃんは、送られた写真の女性と会うはずだったのですが、あなたは全くの別人。騙したのですから、キャンセルですよ」
「な、なんで! べ、別に、悪くないだろ!」
「騙しておいて悪くない? 触らないでください。追いかけてくるなら、近くにいる私の恋人と友だちが相手しますよ。春香ちゃんにこれ以上関わるなら、ストーカー行為だと通報しますので」

 また手を伸ばしてくるから、春香ちゃんと一緒に下がって避けた。

 慌てて引き留めようとするけれど、通報と言えば、グッと怯んだ。
 その隙に、私は春香ちゃんの手を引いて、道を引き返した。

「春香ちゃん。すぐにあの人のこと、ブロックして? あと、ツブヤキのアカウントも、ブロックしたら、カギをかけて」
「は、はいっ」
「大丈夫。追いかけてきてないよ」

 離れたところで、柱の後ろに春香ちゃんを隠したあとに、肩を撫でて宥める。
 涙目の青い顔のまま、震える手で携帯電話を操作。それを見守りつつ、周囲の心の声に警戒。

「ご、ごめん、なさいっ……わ、わた、し……」
「いいんだよ。騙されちゃったね。あの写真は、きっとネットでテキトーに拾ったものかも。怖かったよね?」

 コクコク、と涙目で春香ちゃんは頷いた。

『で、でも、七羽さんがっ……七羽さんがいてくれてよかったっ……! 救世主(メシア)!』

 ……天使の次は、救世主になっちゃった……。

 落とし物を拾って、道案内して、ネットで知り合った悪いネカマから守ったから…………しょうがないかも。

「また知らない男の人と会うなんて怖いとは思うけれど、私が待ち合わせているカレシと男友だちと合流していい? いい人達だから、少し一緒に居よう? 落ち着いたら、電車に乗るところまで送るよ」

 私は一先ず、遊園地に行った時の写真を見せた。

「この人が、私のカレの数斗さん。この人が、数斗さんの親友の真樹さん。優しい人達なの。私もナンパに遭っていた時に、助けてもらって出会ったんだ」
「えっと……でも、これ以上は……」
『七羽さんの知り合いなら、いい人達だと思うけど……甘えすぎで、迷惑だよね』

 そこまで甘えられないと、春香ちゃんが首を横に振る。

「写真の三人が、レストランで悪そうな人にナンパされた時に助けになってくれてね。落ち着くまで一緒に居てくれたの。あそこの改札口まで送ってくれたんだよ。そのあと、私のカレシの数斗さん。心配だって、私の街の駅の改札口まで送ってくれたんだよ。それから、口説き落とされた」
「へあっ? そ、そう、なんですか?」

 近くにある改札口を指差したあと、そっとお茶目に囁くように言った。
 声を裏返して春香ちゃんは、目をパッチリと見開く。

「心配もしてくれたけれど、一目惚れしてくれたんだって」
「あっ、なるほど……」
『こんなにも可愛くて素敵な人だものね! そういえば、優しそうなイケメンだった!』

 ……めっちゃ納得されてしまった……。

「今日はそのカレが引っ越しをするから、家具とか選ぶためにウィンドウショッピングをするの。初めて来たのなら、せっかくだし、ちょっと観光がてら、フラッとウィンドウショッピングしよう?」
「……い、いいの、でしょうか? 七羽さんに……助けてもらってばかり……」
「いいんだよ。私がお節介したいだけだから」
『ほ、本当にいい人…………救世主(メシア)!』

 ジーンと胸を押さえて、春香ちゃんはうるうるとしながら、感動する。

「ありがと、ございます……七羽さん。お願いします」
「うん。じゃあ、カレに連絡するね。保護したって」
『ほ、保護……。でも、事実……!』

 冗談で言えば、春香ちゃんはギョッとしたあとに、うんうんっと頷いた。

 【女の子を保護したので、今、一緒に行きますね! ちょっと遅刻してごめんなさい!】

 そう数斗さんに送信してから、女の子という表記は、語弊があるなぁ、と気付く。

「改めて、自己紹介しよう。私は古川七羽。高卒のフリーターだよ」
「あっ、わたしは、間宮(まみや)春香です! 同じく、高卒で。今、喫茶店でバイトしてます!」
「おお。おんなじなんだね。私はスーパーの裏方で働いてるの」

 同じ高卒でフリーターとは、びっくりだ。改めて、自己紹介し合って、握手した。

「大丈夫かな? 手を繋いでも」
「え? あ、はい……」
「私って、スキンシップ好きみたいでね。春香ちゃんが嫌じゃなければ」
「だ、大丈夫です! わたしも、友だちと手を繋ぐの、好きです!」
「じゃあ、私と友だちだ」
「!」

 手を繋いだまま、春香ちゃんと歩く。

 新しい友だち。

 春香ちゃんは、ぱぁああっと顔を明るくして笑顔になる。

 うん、可愛い。
 純真無垢さを感じる。天使って、この子の方が、ぴったりじゃないかな。
 なんて思いつつ、足を進めて、ふと気付く。

 ……真樹さんが、好きになりそうでは?

 なんて。


 
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