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グランドファーザー&マザー
第477話、ドラゴン祖父母
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ドラゴンロード王国。
国王ガーランドの執務室で、ガーランドは真面目に執務を行っていた。
真面目な顔で書類の山を処理していく姿は、どこからどう見ても立派な国王だ。
だが、何気ない呟き。
「はぁ~……温泉入りたい」
真面目な顔で言うガーランド。
妻のアルメリアがいたら殴られるかもしれない。だが、アルメリアは現在、魔法王国の使者と話をしている最中だ。ここにいるのはガーランドと、宰相である半龍人のアーカルムだけ。
アーカルムは、大きなため息を吐いた。
「ガーランド陛下……温泉とは?」
「いや、温泉知らんのかお前は。温泉ってのは」
「温泉は知っています! なぜ執務中に温泉……」
「入りたいから」
「はぁ~……」
アーカルムはため息を吐く。
ガーランドは人望も威厳もあり、誰よりも強く優しい。だが、たまに子供のように駄々をこねてはアルメリアやアーカルムを困らせる。娘である姉妹の甘やかしっぷりも凄まじかった。
ガーランドの筆は、すでに止まっていた。
「知っているか? 緑龍の村が妖狐族という種族と交流を始めたんだ。アシュトくんが妖狐族の奇病を解決したお礼に、妖狐族の里の温泉にいつでも入れるようになったんだと。ふふふ……これは行かねば」
「ガーランド陛下。そんな暇は……」
「ふっふっふ……あるだろう、休みが?」
「…………」
そう、ガーランドにも休暇があった。
年に一度、国王はまとまった休みを取ることができる。ここ数年、勝手にオーベルシュタインに入ってローレライやクララベルの元へ向かったりしたので、その休みは消えてしまった。
だが、この一年ほどは休みを取っていない。クララベルのお菓子屋の完成式典にも呼ばれたが、休暇を万全に取るため泣く泣く諦めたのだ。
休暇は二十日。その間、宰相であるアーカルムが国王代理となる。
「頼んだぞ、国王代理!! がーっはっはっは!!」
「荷が重すぎますよ……まぁ、仕方ありませんね。ガーランド様、ずっと我慢されてましたし」
「うむ!! 愛する娘たちとの休暇を楽しむために我慢したのだ!! アルメリアもきっと同じだろう」
「……そうですね」
アーカルムは苦笑した。
本当に、子供のような喜びをする国王だ。アーカルムはそう思った。
すると、執務室のドアがノックされ、アーカルムの部下が慌てて入ってきた。
「し、失礼いたします!! 大至急お伝えすることが!!」
「騒々しい!! 王の御前であるぞ!!」
「まぁまぁ。で、どうしたんだ?」
ガーランドはアーカルムを諫めた……なんと軽い王だろうか。
部下は、ガーランドの前に跪き報告する。
「そ、それが……」
部下の報告に、ガーランドもアーカルムも目を見開いた。
◇◇◇◇◇◇
ガーランドとアルメリアは、慌てて応接間にやってきた。
来客との話、執務は後回し。来客のがずっと大事だ。
ガーランドは、応接間のドアを勢いよく開ける。
「親父!!」
そして、叫ぶ……「親父」と。
応接間のソファには、腰の曲がった八十歳くらいの老人が、杖を持ったまま座っていた。
そして、ガーランドを見るとニッコリ笑う。
「おお、久しいなぁ息子よ。元気してたかぁ?」
「親父……それに、お袋も」
お袋。
老人の隣には、八十を超えた老婆がお茶を飲んでいた。
こちらも、優し気な瞳をガーランドに向ける。
「ガーランドちゃん。久しぶりねぇ……ふふ、立派にやってるそうじゃない」
「お袋、ちゃんはやめろって。十年ぶりだな、山奥で隠居してたんじゃないのか?」
ガーランドとアルメリアは老人たちの向かい側へ座る。
すると、またもやドアが開く。
「父ちゃん母ちゃんだって!?」
「げっ……姉ちゃん」
「父ちゃん、母ちゃん!! わぁ~久しぶりぃ!!」
「フォルテシモちゃんまで……ふふ、家族が揃うのはいいねぇ」
ガーランドの姉フォルテシモと、その夫イクシオンが入ってきた。
ガーランドの隣に座り、ガーランドをグイグイ押しのける。
「四千年ぶりくらいかな? ガーランドとは最近会ったんでしょ?」
「ああ。十年くらい前かのぉ……孫が生まれたと聞いて飛んできたんじゃが、八年かかったわい」
「そうだねぇ……爺さん、ここと違う方に飛んでいくからねぇ。結局、赤ん坊じゃなくて可愛い女の子になっちまってねぇ……可愛かったからいいけどねぇ」
老人ことアンフィスバエナ、老婆ことジルニトラ。
二人はのんびりとお茶を啜る。
アルメリアとイクシオンは、話を聞く方に回った。
「で、親父とお袋。何かあったのか?」
「うんにゃ……たまには都会の空気でも吸おうかと、婆さんと散歩がてら来たんじゃ」
「ええ、ガーランドちゃんやフォルテシモちゃん。アルメリアちゃんやイクシオンちゃんの顔も見れたしねぇ……また二十年くらいかけて、のんびりお山に帰ろうかしら」
「おいおい、もっと休んでからにしてくれよ。オレも姉ちゃんも話したいことあるし」
「そうそう! 父ちゃん母ちゃん、今日はお酒でも飲んでさ、美味しいものいっぱい食べよ! ほらガーランド、美味しい食事の支度させなさいよ!」
「はいはい。姉ちゃんは相変わらずだな」
夕食は豪勢に、美味しいお酒もいっぱい出そうとガーランドは決めた。
そして、ふと思った。
「……なぁ親父、お袋。温泉入りたくないか?」
「温泉?……ああ、いいのぉ……温まりたいのぉ」
「そうねぇ……温泉……いいわねぇ」
「それにさ、娘たちに会いたくないか? ローレライとクララベル、それとアイオーン。デカくなったぞお!」
「ガーランド、あんたまさか」
「ふっふっふ。その通りだ姉ちゃん! 親父とお袋を連れて、緑龍の村に行こう! アルメリア、休暇は緑龍の村で親父たちと過ごすぞ!」
「……それもいいわね。ふふ、家族団らんも悪くないわ。ね、イクシオン」
「ええ。姉上の言う通りです」
こうして、ドラゴン王族の春の休暇は、緑龍の村で温泉になった。
国王ガーランドの執務室で、ガーランドは真面目に執務を行っていた。
真面目な顔で書類の山を処理していく姿は、どこからどう見ても立派な国王だ。
だが、何気ない呟き。
「はぁ~……温泉入りたい」
真面目な顔で言うガーランド。
妻のアルメリアがいたら殴られるかもしれない。だが、アルメリアは現在、魔法王国の使者と話をしている最中だ。ここにいるのはガーランドと、宰相である半龍人のアーカルムだけ。
アーカルムは、大きなため息を吐いた。
「ガーランド陛下……温泉とは?」
「いや、温泉知らんのかお前は。温泉ってのは」
「温泉は知っています! なぜ執務中に温泉……」
「入りたいから」
「はぁ~……」
アーカルムはため息を吐く。
ガーランドは人望も威厳もあり、誰よりも強く優しい。だが、たまに子供のように駄々をこねてはアルメリアやアーカルムを困らせる。娘である姉妹の甘やかしっぷりも凄まじかった。
ガーランドの筆は、すでに止まっていた。
「知っているか? 緑龍の村が妖狐族という種族と交流を始めたんだ。アシュトくんが妖狐族の奇病を解決したお礼に、妖狐族の里の温泉にいつでも入れるようになったんだと。ふふふ……これは行かねば」
「ガーランド陛下。そんな暇は……」
「ふっふっふ……あるだろう、休みが?」
「…………」
そう、ガーランドにも休暇があった。
年に一度、国王はまとまった休みを取ることができる。ここ数年、勝手にオーベルシュタインに入ってローレライやクララベルの元へ向かったりしたので、その休みは消えてしまった。
だが、この一年ほどは休みを取っていない。クララベルのお菓子屋の完成式典にも呼ばれたが、休暇を万全に取るため泣く泣く諦めたのだ。
休暇は二十日。その間、宰相であるアーカルムが国王代理となる。
「頼んだぞ、国王代理!! がーっはっはっは!!」
「荷が重すぎますよ……まぁ、仕方ありませんね。ガーランド様、ずっと我慢されてましたし」
「うむ!! 愛する娘たちとの休暇を楽しむために我慢したのだ!! アルメリアもきっと同じだろう」
「……そうですね」
アーカルムは苦笑した。
本当に、子供のような喜びをする国王だ。アーカルムはそう思った。
すると、執務室のドアがノックされ、アーカルムの部下が慌てて入ってきた。
「し、失礼いたします!! 大至急お伝えすることが!!」
「騒々しい!! 王の御前であるぞ!!」
「まぁまぁ。で、どうしたんだ?」
ガーランドはアーカルムを諫めた……なんと軽い王だろうか。
部下は、ガーランドの前に跪き報告する。
「そ、それが……」
部下の報告に、ガーランドもアーカルムも目を見開いた。
◇◇◇◇◇◇
ガーランドとアルメリアは、慌てて応接間にやってきた。
来客との話、執務は後回し。来客のがずっと大事だ。
ガーランドは、応接間のドアを勢いよく開ける。
「親父!!」
そして、叫ぶ……「親父」と。
応接間のソファには、腰の曲がった八十歳くらいの老人が、杖を持ったまま座っていた。
そして、ガーランドを見るとニッコリ笑う。
「おお、久しいなぁ息子よ。元気してたかぁ?」
「親父……それに、お袋も」
お袋。
老人の隣には、八十を超えた老婆がお茶を飲んでいた。
こちらも、優し気な瞳をガーランドに向ける。
「ガーランドちゃん。久しぶりねぇ……ふふ、立派にやってるそうじゃない」
「お袋、ちゃんはやめろって。十年ぶりだな、山奥で隠居してたんじゃないのか?」
ガーランドとアルメリアは老人たちの向かい側へ座る。
すると、またもやドアが開く。
「父ちゃん母ちゃんだって!?」
「げっ……姉ちゃん」
「父ちゃん、母ちゃん!! わぁ~久しぶりぃ!!」
「フォルテシモちゃんまで……ふふ、家族が揃うのはいいねぇ」
ガーランドの姉フォルテシモと、その夫イクシオンが入ってきた。
ガーランドの隣に座り、ガーランドをグイグイ押しのける。
「四千年ぶりくらいかな? ガーランドとは最近会ったんでしょ?」
「ああ。十年くらい前かのぉ……孫が生まれたと聞いて飛んできたんじゃが、八年かかったわい」
「そうだねぇ……爺さん、ここと違う方に飛んでいくからねぇ。結局、赤ん坊じゃなくて可愛い女の子になっちまってねぇ……可愛かったからいいけどねぇ」
老人ことアンフィスバエナ、老婆ことジルニトラ。
二人はのんびりとお茶を啜る。
アルメリアとイクシオンは、話を聞く方に回った。
「で、親父とお袋。何かあったのか?」
「うんにゃ……たまには都会の空気でも吸おうかと、婆さんと散歩がてら来たんじゃ」
「ええ、ガーランドちゃんやフォルテシモちゃん。アルメリアちゃんやイクシオンちゃんの顔も見れたしねぇ……また二十年くらいかけて、のんびりお山に帰ろうかしら」
「おいおい、もっと休んでからにしてくれよ。オレも姉ちゃんも話したいことあるし」
「そうそう! 父ちゃん母ちゃん、今日はお酒でも飲んでさ、美味しいものいっぱい食べよ! ほらガーランド、美味しい食事の支度させなさいよ!」
「はいはい。姉ちゃんは相変わらずだな」
夕食は豪勢に、美味しいお酒もいっぱい出そうとガーランドは決めた。
そして、ふと思った。
「……なぁ親父、お袋。温泉入りたくないか?」
「温泉?……ああ、いいのぉ……温まりたいのぉ」
「そうねぇ……温泉……いいわねぇ」
「それにさ、娘たちに会いたくないか? ローレライとクララベル、それとアイオーン。デカくなったぞお!」
「ガーランド、あんたまさか」
「ふっふっふ。その通りだ姉ちゃん! 親父とお袋を連れて、緑龍の村に行こう! アルメリア、休暇は緑龍の村で親父たちと過ごすぞ!」
「……それもいいわね。ふふ、家族団らんも悪くないわ。ね、イクシオン」
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こうして、ドラゴン王族の春の休暇は、緑龍の村で温泉になった。
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