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常夏の村
第571話、ウッドシャワー
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「まんどれーいく……」
「あるらうねー」
マンドレイクとアルラウネは、温室の近くにある小屋で休んでいた。
マンドレイクは汗をダラダラ流し、水のボトルをゴクゴク飲む。対してアルラウネは、涼しい顔でブドウを食べていた。
マンドレイクは、寒いのは平気だが暑いのは苦手。アルラウネは、寒いのは苦手だが暑いのは平気のようだ。
すると、小屋にウッドが入ってきた。
『フタリトモ、アソボ、アソボ! シャワー、シャワー!』
「!!」
「あるらうねー」
マンドレイクはガバッと起き上がりウッドに抱きつく。
シャワーとは、ウッドが右手から出した根で水を吸い、左手から出した根で雨のように放水する技だ。温室の水くれで大いに役立っている。
夏の今では、ウッドのシャワーはとても気持ちいい。雨のように降らせたり、霧のように噴霧させたりと自由自在で、川べりで休んでいるハイエルフたちに噴霧したら大好評だった。
ウッドは、マンドレイクに抱きつかれながら言う。
『ハイエルフ、ミンナアツイ、アツイ。ウッド、シャワースルトミンナヨロコブ!』
「まんどれーいく!」
『エヘヘ、ウッド、ウレシイ』
ウッドは仲間たちの役に立てるのが嬉しいようだ。
小屋の外に出ると、木陰でグテッとしているシロがいる。
『シロ、アソボ』
『くぅん』
どうやら暑いようだ。
だが、ウッドが遊びたがっているのを見て立ち上がる。
ウッドたちは川へ向かう。そこには、涼みに来ているハイエルフやドワーフたちが大勢いた。
心なしか、川も温い。
ウッドは根を伸ばし、川の水を吸収。そのまま霧状にして噴射した。
「おお~、きもちいい……」
「ウッド、ありがとねぇ~」
「はぁ~……」
「まんどれーいく……」
『くぅ~ん……』
「あるらうねー」
みんな喜んでいた。
ウッドは嬉しくなり、思いきり根を伸ばして霧を噴霧した。
◇◇◇◇◇◇
『……オラ、アツイ』
『ソウカ? イイヒザシジャネェカ』
村の入口では、暑さで全く動かないフンババと、目いっぱい日差しを浴びて気持ちよさげなベヨーテがいた。
フンババは寒さに強いが暑さは苦手。ベヨーテはその逆のようだ。
ベヨーテは、太陽を眺めながら言う。
『ナツ、カ……ナガビキソウダゼ』
夏は、いきなり来る。
期間もバラバラで、数日で終わる夏もあれば、数年、数十年かかる夏もある。
緑龍の村にやってきた夏は、どれほど長引くのか。
熱に強いベヨーテはともかく、フンババは耐えられるだろうか。
以前、冬が来た時。寒さに弱いベヨーテはアシュトの家に避難した。フンババの場合、アシュトの家には入れない。なんとかしなければと思う。
『オイフンババ。ソノヘンノヒカゲデヤスンデナ』
『ウウ……』
フンババはのしのしと、木陰に入った。
今、できることは。相棒の代わりに自分がしっかり門番をすることだけだ。
『オーイ!』
『ン……ウッドカ。ドウシタ? ッテ、ナンダソリャ?』
ウッドが来た。
だが、いつもと違う。背中から何本も根が伸びていた。しかも、とんでもない長さ。
すると、ウッドの両手から根が伸びる。
『フンババ、ベヨーテ、オスソワケ!』
根から冷たい水がシャワーとなって降り注ぐ。
フンババの身体が冷たい水で冷やされ、さらに水を吸収したことで元気になる。ベヨーテはびしょ濡れだったが、どこか気持ちよさそうにしていた。
『フオオ! ウッド、アリガトー! オラ、フッカツ!』
『ナルホドナ、カワニツナガッテルノカ』
ウッドの根は、川まで伸びているようだ。
どうやら、村中回ってシャワーを撒いているらしい。
『ヨーシ! モットモットガンバルゾー!』
この夏。ウッドは緑龍の村で英雄視されることになった。
◇◇◇◇◇◇
村の役場に、エルミナとシェリーがいた。
役場の会議室には、ハイエルフや悪魔族、天使族など、村の種族代表たちが集まっている。
アシュト不在の今、次に権力があるのはアシュトの妻であるエルミナたちだ。
エルミナは、さっそく本題に入る。
「えー、緑龍の村に夏が来ました! 毎日毎日蒸し暑くてもうほんっとに限界……ディミトリが『扇風機』くれなかったら、マジで死人出てたかも」
「ウォッフォン!! フフフ……」
「ホリィシット……!!」
ディミトリが勝ち誇ったように咳をして、アドナエルをチラッと見て笑う。
アドナエルはハンカチを噛み千切らんばかりに悔しがっていた。
「ってわけで。アシュトがいないけど、この夏をなんとか乗り切るために……『水場』の設置をしたいと思います!!」
水場?
と、全員が首を傾げた。
エルミナは説明をする。
「ま、泳げる池みたいなもんね。おっきな穴を掘って、そこに水を貯めて泳ぐの! 以前、天使の国の別荘に行った時に見たのよ」
すると、アドナエルが挙手した。
「ヘイヘイヘイ!! そりゃ『プール』のことダゼ!!」
「プール?」
「オゥイエス!! それなら、アドナエル・カンパニーに任せて欲しいゼ。娯楽なら天使族がどの種族よりも上を行ってる。我が社に任せてくれたら、とびっきりのプールを準備するゼ!!」
「おお、なんかすごそうね。じゃあ、あんたに任せた!!」
「イェェ~~~ッス!! フッフッフ……」
「ぐぬぬ……」
アドナエルが勝ち誇ったようにディミトリ見て笑う。
ディミトリはハンカチを噛み千切らんばかりに悔しがって……実際にハンカチを噛み千切っていた。
エルミナは机をバンと叩く。
「みんな。夏は数日で過ぎることもあれば、何年何十年と続く場合がある。私たちハイエルフの予想だと、たぶん百日以上は続くと思う……ってわけで、村人たちみんなで協力して、乗り切りましょう!!」
と、いい感じに締めた。
そんなエルミナを見て、シェリーが言う。
「お兄ちゃん、帰ってきたら驚きそう……」
「あるらうねー」
マンドレイクとアルラウネは、温室の近くにある小屋で休んでいた。
マンドレイクは汗をダラダラ流し、水のボトルをゴクゴク飲む。対してアルラウネは、涼しい顔でブドウを食べていた。
マンドレイクは、寒いのは平気だが暑いのは苦手。アルラウネは、寒いのは苦手だが暑いのは平気のようだ。
すると、小屋にウッドが入ってきた。
『フタリトモ、アソボ、アソボ! シャワー、シャワー!』
「!!」
「あるらうねー」
マンドレイクはガバッと起き上がりウッドに抱きつく。
シャワーとは、ウッドが右手から出した根で水を吸い、左手から出した根で雨のように放水する技だ。温室の水くれで大いに役立っている。
夏の今では、ウッドのシャワーはとても気持ちいい。雨のように降らせたり、霧のように噴霧させたりと自由自在で、川べりで休んでいるハイエルフたちに噴霧したら大好評だった。
ウッドは、マンドレイクに抱きつかれながら言う。
『ハイエルフ、ミンナアツイ、アツイ。ウッド、シャワースルトミンナヨロコブ!』
「まんどれーいく!」
『エヘヘ、ウッド、ウレシイ』
ウッドは仲間たちの役に立てるのが嬉しいようだ。
小屋の外に出ると、木陰でグテッとしているシロがいる。
『シロ、アソボ』
『くぅん』
どうやら暑いようだ。
だが、ウッドが遊びたがっているのを見て立ち上がる。
ウッドたちは川へ向かう。そこには、涼みに来ているハイエルフやドワーフたちが大勢いた。
心なしか、川も温い。
ウッドは根を伸ばし、川の水を吸収。そのまま霧状にして噴射した。
「おお~、きもちいい……」
「ウッド、ありがとねぇ~」
「はぁ~……」
「まんどれーいく……」
『くぅ~ん……』
「あるらうねー」
みんな喜んでいた。
ウッドは嬉しくなり、思いきり根を伸ばして霧を噴霧した。
◇◇◇◇◇◇
『……オラ、アツイ』
『ソウカ? イイヒザシジャネェカ』
村の入口では、暑さで全く動かないフンババと、目いっぱい日差しを浴びて気持ちよさげなベヨーテがいた。
フンババは寒さに強いが暑さは苦手。ベヨーテはその逆のようだ。
ベヨーテは、太陽を眺めながら言う。
『ナツ、カ……ナガビキソウダゼ』
夏は、いきなり来る。
期間もバラバラで、数日で終わる夏もあれば、数年、数十年かかる夏もある。
緑龍の村にやってきた夏は、どれほど長引くのか。
熱に強いベヨーテはともかく、フンババは耐えられるだろうか。
以前、冬が来た時。寒さに弱いベヨーテはアシュトの家に避難した。フンババの場合、アシュトの家には入れない。なんとかしなければと思う。
『オイフンババ。ソノヘンノヒカゲデヤスンデナ』
『ウウ……』
フンババはのしのしと、木陰に入った。
今、できることは。相棒の代わりに自分がしっかり門番をすることだけだ。
『オーイ!』
『ン……ウッドカ。ドウシタ? ッテ、ナンダソリャ?』
ウッドが来た。
だが、いつもと違う。背中から何本も根が伸びていた。しかも、とんでもない長さ。
すると、ウッドの両手から根が伸びる。
『フンババ、ベヨーテ、オスソワケ!』
根から冷たい水がシャワーとなって降り注ぐ。
フンババの身体が冷たい水で冷やされ、さらに水を吸収したことで元気になる。ベヨーテはびしょ濡れだったが、どこか気持ちよさそうにしていた。
『フオオ! ウッド、アリガトー! オラ、フッカツ!』
『ナルホドナ、カワニツナガッテルノカ』
ウッドの根は、川まで伸びているようだ。
どうやら、村中回ってシャワーを撒いているらしい。
『ヨーシ! モットモットガンバルゾー!』
この夏。ウッドは緑龍の村で英雄視されることになった。
◇◇◇◇◇◇
村の役場に、エルミナとシェリーがいた。
役場の会議室には、ハイエルフや悪魔族、天使族など、村の種族代表たちが集まっている。
アシュト不在の今、次に権力があるのはアシュトの妻であるエルミナたちだ。
エルミナは、さっそく本題に入る。
「えー、緑龍の村に夏が来ました! 毎日毎日蒸し暑くてもうほんっとに限界……ディミトリが『扇風機』くれなかったら、マジで死人出てたかも」
「ウォッフォン!! フフフ……」
「ホリィシット……!!」
ディミトリが勝ち誇ったように咳をして、アドナエルをチラッと見て笑う。
アドナエルはハンカチを噛み千切らんばかりに悔しがっていた。
「ってわけで。アシュトがいないけど、この夏をなんとか乗り切るために……『水場』の設置をしたいと思います!!」
水場?
と、全員が首を傾げた。
エルミナは説明をする。
「ま、泳げる池みたいなもんね。おっきな穴を掘って、そこに水を貯めて泳ぐの! 以前、天使の国の別荘に行った時に見たのよ」
すると、アドナエルが挙手した。
「ヘイヘイヘイ!! そりゃ『プール』のことダゼ!!」
「プール?」
「オゥイエス!! それなら、アドナエル・カンパニーに任せて欲しいゼ。娯楽なら天使族がどの種族よりも上を行ってる。我が社に任せてくれたら、とびっきりのプールを準備するゼ!!」
「おお、なんかすごそうね。じゃあ、あんたに任せた!!」
「イェェ~~~ッス!! フッフッフ……」
「ぐぬぬ……」
アドナエルが勝ち誇ったようにディミトリ見て笑う。
ディミトリはハンカチを噛み千切らんばかりに悔しがって……実際にハンカチを噛み千切っていた。
エルミナは机をバンと叩く。
「みんな。夏は数日で過ぎることもあれば、何年何十年と続く場合がある。私たちハイエルフの予想だと、たぶん百日以上は続くと思う……ってわけで、村人たちみんなで協力して、乗り切りましょう!!」
と、いい感じに締めた。
そんなエルミナを見て、シェリーが言う。
「お兄ちゃん、帰ってきたら驚きそう……」
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