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常夏の村
第572話、プールで遊ぼう
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緑龍の村の片隅にできたのは、シンプルな円形のため池……ではなく、天使族の娯楽施設である『プール』だった。
大きな円形で、ミスリルをふんだんに使ってタイルを敷き、水場周りも整備した。これらは全てエルダードワーフの仕事だ。建築関係において、エルダードワーフに敵う種族はいない。
なぜミスリルを使ったのかというと、ミスリルは熱を吸収する特性があり、プールに張った水が、いつまでも温くならないからだ。
夏が終われば無用の長物になるので、その時はため池として使う予定だ。そのために、シンプルな形状にしたと言っても過言ではない。
そして、プール傍には男女別の更衣室があり、更衣室内にはタヌスケ商店による『ミズギ』の有料レンタルができるようになっていた。
全ての作業を終え、プールに水を張り……プールは、無事に解放された。
解放初日、さっそくエルミナはプールにやってきた。
「ふんふ~ん♪ さ、ミュア、好きな水着選んで! ライラもアセナも遠慮しないでね」
「にゃあー」
「わん! ありがとー」
「エルミナさん、ありがとうございます」
今日も気温は40度近い。更衣室内なのに、常夏セミがミンミン鳴いているのが聞こえた。
ミュアたちは水着を選び、着替え、プールに出た。
プールの傍に、豆狸族がいた。
「へっへっへ……浮き輪はいかがです?」
「にゃ! これ知ってる。浮かぶやつ!」
ミュアは知っていた。
砂漠のオアシスで使った浮き輪だった。ミュアは上手く泳げないのでひとつ借りる。すると、ライラとアセナも借りた。
「さ、まずは準備運動ね。しっかり身体をほぐさないと、足をつるわよ」
「つる……よくわかんない」
「私もです。足が、つる……?」
「にゃうー、とにかく運動しないと! シルメリアに怒られるー」
ミュアたちは、エルミナの真似をしながら体を動かす。
すると、浮き輪に浮かぶ一人の男が近づいてきた。
「よおエルミナ。子供たちの子守か?」
「ん? ああブラン、あんた何してんの?」
「見ての通り、夏を満喫してんだよ」
デーモンオーガのブランが、浮き輪を使ってプカプカ浮いていた。
視線の先には、水着姿の天使族や悪魔族。なんとなく察したエルミナは無視した。
「さ、入るわよー」
「にゃう! ライラ、アセナ、泳ぎはわたしに任せて!」
「わぅぅ……ちょっと怖い」
「わ、私も……川などは行きますが、こういう深いところは初めてで」
プールはそこそこ深い。
エルミナの肩が見えるか見えないかほどの深さで、子供たちは頭がすっぽり隠れてしまう深さ。なので、浮き輪を使って水に入る。
「わぅぅ……つめたくて気持ちいい」
「はぁ~……火照った身体が冷えますぅ」
「にゃあ! エルミナ泳ごう!」
「よーし!」
ちなみに、このプールは天使族が魔法によって監視している。もし仮に誰かが溺れるようなら、転移魔法を使い一瞬で救出することができるようになっていた。
エルミナたちが遊んでいると、メージュとルネアがプールに入ってきた。
「やっほ、エルミナ」
「やほー」
「あ、メージュにルネア。あんたらも涼みに来たの?」
「もちろん。プール、マジで最高よね。外は超暑いのに、冷たい水に浸かってのんびりできるし……海とはまた違う趣があっていいわー」
「いいわ~……」
ルネアはプカプカ浮かびながら流されてしまった。
ミュアたちは、浮き輪で浮かびながらクルクル回って遊んでいたので、エルミナはメージュとプールサイドに座る。
「いやー、盛況ね」
「だね。エルミナ、やるじゃん」
「えへへ」
プールの発案者はエルミナだ。
エルミナは照れつつ、太陽を見上げる。
「ねぇ、ハイエルフの里の夏、覚えてる?」
「当たり前……毎日毎晩暑くてさ、ブドウの木は枯れちゃうし、夜は寝苦しいし、水はがぶ飲みしちゃうし、海で泳いだりして遊んだり……はぁ、けっこう最悪だったわ」
「海はよかったけどねー」
「うんうん。でも、取引でもないのに海にばかり行くなって、長に言われたじゃん」
「そうそう。おじいちゃんってば余計なことを……」
と、昔の思い出に浸っていると、水着姿のシェリーがやってきた。
水色を基調としたワンピースだ。シェリーにとてもよく似合っている。
「やっほ、二人とも」
「シェリーじゃない。学園はいいの?」
「今日は授業ないからね。それより二人とも、あっちによく冷えた果実水冷えてるけど、どう?」
「「飲む!!」」
プールサイドにはテーブル、パラソルが置かれ、そこでエルダードワーフたちが酒盛りしていた。
水を張った木桶に、大量の果実水や酒が浸してあり、シェリーの出した氷が浮かんでいる。
二人はボトルを取り、一気に飲んだ。
「ッぷはぁ!! さいっこうね!!」
「ん~!! おいっしい!!」
「よかったぁ。よーし、あたしも少し泳いでこよっと」
シェリーがプールに飛び込み、泳ぎだす。
エルミナたちは椅子に座り、パラソルの下で眺めていた。
「そういやエルミナ、村長帰って来ないの?」
「さぁ? でも、そろそろ帰ってくるんじゃない?」
「あんた、それくらい知っておきなさいよ」
「どうでもいいわよ。ローレライたちが一緒だし、寂しくないでしょ」
「あんたは寂しいんじゃないの~?」
「う、うっさいわね」
すると、プールから上がったルネアがエルミナの隣に座る。
「二人で冷たいの飲んでずるい……」
「あんたの分もあっちにあるから、取ってきなさいよ」
「そうする」
常夏セミがミンミン鳴き、日差しがさらに強く照り付ける。
子供たちが浮き輪を回転させて遊び、ブランに激突。怒ったブランを鬼に追いかけっこが始まる。そこに、シェリーや他のハイエルフたちも混ざり、プール内での鬼ごっことなっていた。
「よーし!! 今日はとことん遊ぶわよ!! メージュ、ルネア、行くわよ!!」
「おーっ!!」
「ごくごく……果実水、冷えてておいしい」
数日後、アシュトが戻り……アシュトは大変驚くことになるのであった。
大きな円形で、ミスリルをふんだんに使ってタイルを敷き、水場周りも整備した。これらは全てエルダードワーフの仕事だ。建築関係において、エルダードワーフに敵う種族はいない。
なぜミスリルを使ったのかというと、ミスリルは熱を吸収する特性があり、プールに張った水が、いつまでも温くならないからだ。
夏が終われば無用の長物になるので、その時はため池として使う予定だ。そのために、シンプルな形状にしたと言っても過言ではない。
そして、プール傍には男女別の更衣室があり、更衣室内にはタヌスケ商店による『ミズギ』の有料レンタルができるようになっていた。
全ての作業を終え、プールに水を張り……プールは、無事に解放された。
解放初日、さっそくエルミナはプールにやってきた。
「ふんふ~ん♪ さ、ミュア、好きな水着選んで! ライラもアセナも遠慮しないでね」
「にゃあー」
「わん! ありがとー」
「エルミナさん、ありがとうございます」
今日も気温は40度近い。更衣室内なのに、常夏セミがミンミン鳴いているのが聞こえた。
ミュアたちは水着を選び、着替え、プールに出た。
プールの傍に、豆狸族がいた。
「へっへっへ……浮き輪はいかがです?」
「にゃ! これ知ってる。浮かぶやつ!」
ミュアは知っていた。
砂漠のオアシスで使った浮き輪だった。ミュアは上手く泳げないのでひとつ借りる。すると、ライラとアセナも借りた。
「さ、まずは準備運動ね。しっかり身体をほぐさないと、足をつるわよ」
「つる……よくわかんない」
「私もです。足が、つる……?」
「にゃうー、とにかく運動しないと! シルメリアに怒られるー」
ミュアたちは、エルミナの真似をしながら体を動かす。
すると、浮き輪に浮かぶ一人の男が近づいてきた。
「よおエルミナ。子供たちの子守か?」
「ん? ああブラン、あんた何してんの?」
「見ての通り、夏を満喫してんだよ」
デーモンオーガのブランが、浮き輪を使ってプカプカ浮いていた。
視線の先には、水着姿の天使族や悪魔族。なんとなく察したエルミナは無視した。
「さ、入るわよー」
「にゃう! ライラ、アセナ、泳ぎはわたしに任せて!」
「わぅぅ……ちょっと怖い」
「わ、私も……川などは行きますが、こういう深いところは初めてで」
プールはそこそこ深い。
エルミナの肩が見えるか見えないかほどの深さで、子供たちは頭がすっぽり隠れてしまう深さ。なので、浮き輪を使って水に入る。
「わぅぅ……つめたくて気持ちいい」
「はぁ~……火照った身体が冷えますぅ」
「にゃあ! エルミナ泳ごう!」
「よーし!」
ちなみに、このプールは天使族が魔法によって監視している。もし仮に誰かが溺れるようなら、転移魔法を使い一瞬で救出することができるようになっていた。
エルミナたちが遊んでいると、メージュとルネアがプールに入ってきた。
「やっほ、エルミナ」
「やほー」
「あ、メージュにルネア。あんたらも涼みに来たの?」
「もちろん。プール、マジで最高よね。外は超暑いのに、冷たい水に浸かってのんびりできるし……海とはまた違う趣があっていいわー」
「いいわ~……」
ルネアはプカプカ浮かびながら流されてしまった。
ミュアたちは、浮き輪で浮かびながらクルクル回って遊んでいたので、エルミナはメージュとプールサイドに座る。
「いやー、盛況ね」
「だね。エルミナ、やるじゃん」
「えへへ」
プールの発案者はエルミナだ。
エルミナは照れつつ、太陽を見上げる。
「ねぇ、ハイエルフの里の夏、覚えてる?」
「当たり前……毎日毎晩暑くてさ、ブドウの木は枯れちゃうし、夜は寝苦しいし、水はがぶ飲みしちゃうし、海で泳いだりして遊んだり……はぁ、けっこう最悪だったわ」
「海はよかったけどねー」
「うんうん。でも、取引でもないのに海にばかり行くなって、長に言われたじゃん」
「そうそう。おじいちゃんってば余計なことを……」
と、昔の思い出に浸っていると、水着姿のシェリーがやってきた。
水色を基調としたワンピースだ。シェリーにとてもよく似合っている。
「やっほ、二人とも」
「シェリーじゃない。学園はいいの?」
「今日は授業ないからね。それより二人とも、あっちによく冷えた果実水冷えてるけど、どう?」
「「飲む!!」」
プールサイドにはテーブル、パラソルが置かれ、そこでエルダードワーフたちが酒盛りしていた。
水を張った木桶に、大量の果実水や酒が浸してあり、シェリーの出した氷が浮かんでいる。
二人はボトルを取り、一気に飲んだ。
「ッぷはぁ!! さいっこうね!!」
「ん~!! おいっしい!!」
「よかったぁ。よーし、あたしも少し泳いでこよっと」
シェリーがプールに飛び込み、泳ぎだす。
エルミナたちは椅子に座り、パラソルの下で眺めていた。
「そういやエルミナ、村長帰って来ないの?」
「さぁ? でも、そろそろ帰ってくるんじゃない?」
「あんた、それくらい知っておきなさいよ」
「どうでもいいわよ。ローレライたちが一緒だし、寂しくないでしょ」
「あんたは寂しいんじゃないの~?」
「う、うっさいわね」
すると、プールから上がったルネアがエルミナの隣に座る。
「二人で冷たいの飲んでずるい……」
「あんたの分もあっちにあるから、取ってきなさいよ」
「そうする」
常夏セミがミンミン鳴き、日差しがさらに強く照り付ける。
子供たちが浮き輪を回転させて遊び、ブランに激突。怒ったブランを鬼に追いかけっこが始まる。そこに、シェリーや他のハイエルフたちも混ざり、プール内での鬼ごっことなっていた。
「よーし!! 今日はとことん遊ぶわよ!! メージュ、ルネア、行くわよ!!」
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「ごくごく……果実水、冷えてておいしい」
数日後、アシュトが戻り……アシュトは大変驚くことになるのであった。
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