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秋の訪れ
第597話、みんなで狩ろう山の幸
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ある日。
俺は屋敷の裏庭で、揺り椅子に座って読書していた。
傍のテーブルには数冊の本とカーフィーカップ。シルメリアさんが淹れてくれたカーフィーは湯気が立っている。
揺り椅子を揺らしながらのんびり読書し、カーフィーを啜る。
「苦い……」
だが、この苦さが溜まらない。
カーフィーを飲み干すと、シルメリアさんがお代わりを注いでくれた。
お茶請けのクッキーをかじり、本のページをめくる。
のんびりした読書だ……仕事も休みだし、こんな時間も悪くない。
裏庭には、傍仕えのシルメリアさんと俺しかいない……っと。
『にゃあ』
「なんだ、お前か」
俺の太腿の上に、猫が乗って丸くなる。
クッキーを小さく砕き、口元へ持っていくと、猫はぺろりと食べてしまった。
軽く撫で、読書を再開。
カーフィーに手を伸ばすと……ふわりと、真っ赤な葉が落ちてカーフィーの上に。
「お……なんともまぁ、風情のある」
ゆらゆらと、赤い葉っぱがカップで揺れる。
上を見ると、大樹の葉が真っ赤に染まっていた。
普段は緑色の葉なのだが、秋になると葉が赤くなるのだ。村にある樹木たちも、葉っぱがいろんな色に変わっていた。
黄色、赤、茶色……秋しか見れない『紅葉』だ。
気温も、夏にくらべるとずいぶんと寒い。だが、そのぶんカーフィーが美味しい。
夏が終わり、秋になった。
「シルメリアさん。今日の夕飯はなにかな?」
「本日は、マーメイド族から届いたエビ、イカ、カニを使った料理です。何かご希望はありますか?」
「そうだなー……全部そのまま焼いても美味いけど、イカとエビを使ったコメの炒め物美味しかったな」
「かしこまりました。マーメイド族曰く、エビとカニとイカは、今が『旬』らしいので、身も大きく味わい深くなっているそうです」
「しゅん?」
「食べごろ、という意味でございます」
「へぇ~……」
『にゃぁぁ~』
「わかったわかった。お前たちもな」
猫たちにもエビやカニを食べてもらうか。もちろん、銀猫たちも。
森の中で食べる海鮮は何とも言えない味。しかも料理上手の銀猫たちによって、とんでもない美味さの料理になる。
毎日美味いメシ食えるのはいいけど、体重も増えるんだよなぁ。
俺はそうでもないけど、ミュディがけっこう気にしていた。もちろん、口が裂けても『ミュディ、太った?』なんて言えんけどね。
カーフィーを飲んでいると、来客が。
「やっほーアシュト。遊び行こっ」
「エルミナか。お前、仕事はいいのか?」
「今日はお休み。いやー、新酒開発も楽じゃないわ」
エルミナは、自分の肩を揉む。
エルミナの仕事は『新酒開発』だ。新しいお酒を造る研究をしている。
もう一つの揺り椅子に座り、ゆらゆら揺れているとシルメリアさんが紅茶を淹れて出してくれた。
エルミナは「ありがと」と言いつつ紅茶を啜る。
「ん~おいしい。さっすがシルメリア」
「ありがとうございます」
「で、アシュト。お出かけしない?」
「お出かけ? 村の散歩か」
「ちがう違う。この近くにいい場所あるのよ。シレーヌが狩りして見つけたの」
「いい場所?」
「うん。秋ならではの、いい場所よ」
「……?」
「ほらほら。バルギルドにも声かけたから、お昼前に行くわよ。あ、シルメリアも一緒に来てくれない? 調理担当で!」
「調理……わかりました、お任せください」
調理と聞いて、シルメリアさんがぺこりと頭を下げた。
どこに行くのか知らないけど、バルギルドさんがいるなら安心かな。
◇◇◇◇◇◇
村の入口に向かうと、ハイエルフたちとバルギルドさんがいた。
メージュ、ルネア、シレーヌ、エレイン。エルミナの幼馴染たち。そして、巨大な籠を背負っているバルギルドさん……なんだ、あの籠?
そして、大きな木箱を背負ったシルメリアさんも合流。
「……持つか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
お、バルギルドさんが気を遣ってシルメリアさんに話しかけた。
だがシルメリアさんはやんわり拒否。なるほど、あの木箱には調理道具が入っているんだな。
人が揃い、エルミナが言う。
「さて、そろそろネタばらしね。アシュト、我々がどこへ行くのかわかる?」
「わからん。そのデカい籠がヒントなんだろうけど……狩りにでも行くのか?」
「半分正解。狩りは狩りでも、山菜、きのこ狩りよ!」
「きのこ狩り……?」
「ええ」
エルミナは胸を張る。こういう説明する時の癖だな。
すると、メージュがエルミナを押しのけた。
「あのね、山菜採りしてたら、きのこの群生地を見つけたの。すっごいたくさんの種類のきのこだよ!」
「ちょ、私が言いたかったのにぃ!」
きのこの群生地かぁ。
さらに、ルネアが俺の前に出て言う。
「綺麗な川も流れてたし、きのこを調理して食べる……」
「いいな。きのこか……焼いても美味いし、汁物でも美味い。そういえば、ビッグバロッグ王国に住んでたころ、シャヘル先生と山に薬草採取に出掛けた時にきのこを見つけて取ったなぁ。家で網焼きにしたけど、これがまた絶品でさ」
「村長、きのこ好き?」
「ああ。好きだぞ」
「……わたしも好き」
なぜかルネアは赤くなりモジモジする……そんなにきのこが好きなのか。
すると、ルネアを横へ押してシレーヌとエレインが言う。
「きのこだけじゃなくて、山菜もいっぱいあったよ」
「きのこと山菜のお吸い物なんていいかもですねぇ~」
「いいなぁ……うー、腹減ってきた」
ほんわり想像していると、エルミナが俺の背中を叩いた。
「さ、行くわよ! ここから歩いて一時間くらいだから、お昼にちょうどいいわ」
「おう。じゃあ、さっそく行くか」
「みゃう」
「にゃあーっ」
「くぅん」
『わぅーん』
と、ここで可愛らしいネコと犬の声。
振り返ると、ルミナとミュアちゃん、ライラちゃんと柴犬が一匹いた。
ミュアちゃんは言う。
「ご主人さま、どこ行くの?」
「ちょっときのこ狩りにね。ミュアちゃんは遊んでたのかな?」
「にゃあ。ルミナとライラとわんこで、追いかけっこしてたの」
追いかけっこか。子供らしくてかわいいね。
なんとなくミュアちゃんの頭を撫でると、ルミナが言う。
「みゃうぅ……お前、遊びにいくのか。あたいも行くぞ」
「遊び……んー、遊びなのか?」
「遊びに決まってるでしょ! きのこ狩りよきのこ狩り!」
「じゃあいく」
ルミナは俺にぴったりくっついた。
すると、ライラちゃんと柴犬も。
「きのこ……わたし、きのこ好き。いいなー」
『くぅん』
「ライラちゃん……」
「にゃあ。わたしも行きたいー! ご主人さま、シルメリア……だめ?」
シルメリアさんは俺をチラッと見た。
メージュたち、バルギルドさんを見ても「任せる」みたいな感じだし。
まぁ、ルミナはこうなったら離れないし、ミュアちゃんたちはダメってわけにはいかないか。
「よし。じゃあみんなできのこ狩りに行こうか」
「にゃったー!」
「わぅぅん。うれしい!」
『わんわんっ!』
「ふん、さっさといくぞ」
こうして、みんなできのこ狩りへ行くことになった。
◇◇◇◇◇◇
一時間、山を歩く。
昔の俺ならヒィヒィ言ってただろうが……残念だな。
今の俺は、昔に比べて体力がある! つまり……山歩きは何ら問題ない!
「はぁ、はぁ、はぁ……くはっ、疲れた」
「アシュト、体力ないわね」
「う、うっさい……」
すみません、噓です。
いや、体力は付いたの間違いない。でも……起伏が激しいんだよ。
登って、ちょっとした斜面を下って、また少し登って……の繰り返し。
「わぁ~……やっぱり、この時期はいいね。秋って感じ」
「きれい……」
景色を見ると、やはり美しい。
赤、黄色、茶色、オレンジ、そして緑。葉の色が秋色に染まっている。
見上げると、木々の色がなんとも言えないコントラスト。
「はぁ、はぁ……」
「村長……乗るか?」
「…………」
バルギルドさん……『籠』に入れと?
さすがに情けなさすぎるから遠慮する。女の子ばかりの集団で、俺だけバルギルドさんの背負う籠に入って運ばれるとか、とんでもない拷問だよ。
でも、これはなんとかしなければ。きのこ狩りなのに狩ることすらできず体力を消費してる。
仕方ない……俺は『緑龍の知識書』を開く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
植物魔法・補助
『行動補助の蔦』
これを全身に巻くとパワーアップ!
辛い坂道や登坂なんてスーイスイ!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ほうほう、これはいいな。
俺は杖を抜き、詠唱する。
「アドバンス、アドレス、アドヴァンテージ、バンス、バンクーバー。『行動補助の蔦』」
よくわからん呪文だな……お?
緑龍の杖から種がポトッと落ち、緑色の包帯みたいな植物がぐんぐん成長する。
そして、包帯みたいな植物の葉が、俺の両足、両腕、身体に巻き付いた。
「うぉぉぉぉ!?」
「ちょ、なにしてんのアシュト!?」
「ま、待った。これ、俺の魔法なんだ……お?」
軽い。
なんだこれ? 足が軽い。足だけじゃない。背中もまっすぐ伸びるし、腕もすごく上がる。
試しに、近くの木に向かってジャンプ───って、おい!?
「うおぉぉ!? す、すっげぇ軽い……なんだこれ」
なんと、ジャンプしただけで数メートル上の枝に飛び乗れた。
もしかしてと思い飛び降りると、ふわりと痛みを感じることなく降りれた。
「す、すごい……身体能力が上がってる。運動を補助する植物魔法か」
「にゃあ! ご主人さますごい!」
これなら、疲れることなく歩けるぞ!!
すると、エルミナがジト目で言う。
「アシュトばっかりズルいし!!」
「ず、ずるいって……いや、俺は体力ないし、このままだとみんなから遅れそうだから」
「私もそれ使いたい! 私も!」
「わ、わかったよ……」
エルミナがわがままを言うので、仕方なくエルミナに……ああもう、そんな目で見るなよメージュたち……ハイエルフたちに『行動補助の蔦』を使った。
子供たちは元気いっぱいなので必要なし、バルギルドさん、シルメリアさんも必要ないという。
さて、きのこ狩りに向かいますか!
◇◇◇◇◇◇
『行動補助の蔦』のおかげで、スイスイ歩けた。
エルミナたちなんて、木のよじ登って遊びながら進んでた。ミュアちゃんたちも真似してよじ登るし、勘弁してほしい。
それから進むこと十分。
「……なんか、薄暗くなってきたな」
「それに、ジメジメしている……なるほど、きのこの群生地か」
バルギルドさんがニヤリと笑う。
到着したのは、薄暗いジメジメした倒木だらけの場所だった。
驚いたのは、倒木に大量のきのこが生えていることだ。俺でもわかったが、かなりの種類がある。
「見ろ。この倒木……なぎ倒されたようだ。まるで、魔獣同士がここで争い、木々が倒れてこうなったような。さらにこの場所、日当たりが最悪だ。この湿気と相成って、きのこにとって最高の環境なのだろう。まさに、天然の狩場だ」
「おお……」
「よし!! みんな、さっそく狩るわよ!! きのこ狩り!!」
「はいはーい!! あたしとシレーヌとエレインは、近くで山菜狩りするから、きのこは任せた!!」
山菜って狩るモンなのかな。
メージュがルネアに「がんばれ」とか言ってたけど、なんのことだろう。
ま、いいや。さっそくきのこ狩りといきますか。
「にゃあ。ご主人、きのこ」
「うん。いっぱい……って、ちょっと待った。エルミナ、ルネア、こんなに種類あるんだ。毒キノコとか」
「あのねー……ハイエルフにとって、きのこや山菜は当たり前に食べてきたのよ?」
「毒キノコ、ちゃんとわかる」
「よ、よかった……よし。ミュアちゃん、ルミナ、ライラちゃん、あと柴犬。念のため、きのこは素手で触っちゃダメだぞ」
「にゃあーっ」
「みゃあ」
「わん。お兄ちゃん、わたし、匂いでなんとなくわかるよ」
『わん』
「よし。じゃあライラちゃん、毒キノコには触らないように。ミュアちゃん、ルミナもライラちゃんの言うことを聞くんだぞ」
「大丈夫。私がちゃんと見てるから。よーしミュア、ルミナ、ライラ、行くわよ!!」
「にゃあ!」
「あたい、一人で……みゃう!? さわるなーっ!!」
「わぅん。わんこ、お兄ちゃんのこと手伝ってあげて!!」
『わん!』
エルミナは、ルミナを抱えて行ってしまった。
残されたのは、俺とシルメリアさんと柴犬。
シルメリアさんは、抱えていた木箱から調理道具を出してるし、バルギルドさんは周囲を警戒すると言って見回りに行ってしまった。
「村長、いこ」
「ああ、ルネア、よろしくな」
「……うん」
『わぅん』
「はは、お前もよろしくな」
柴犬を撫で、俺たちもきのこ狩りを開始した。
◇◇◇◇◇◇
「これは?」
「これ、ドクヒラタケ。食べると痺れてヤバい」
「う……じゃあこれは?」
「おお、これはシロタケ。焼いて食べると絶品」
「よし」
『わん』
俺、ルネア、柴犬はきのこ狩りを開始した。
ルネアの知識は深い。
薬草なんかの知識は俺のが上だけど、山菜やきのこはルネアのが詳しい。
向こうの方では、エルミナが子供たちにきのこの説明をしているし、山菜狩りから帰ってきたメージュたちは、シルメリアさんの手伝いをしてる。
バルギルドさんは……なんか、デカい鳥を投石で落としてた。今は血抜きして羽をむしり、川の水で綺麗に洗ってシルメリアさんに渡している。
シルメリアさんの荷物にデカい鍋があったみたいで、山菜を鍋に入れて煮込んでる。
「村長、みてこれ。ナナマガリタケ」
「はは。曲がってる……変な形」
すごい歪曲したきのこをルネアは見せてくれた。
ふと、思う。
「そういえばルネア、腕は大丈夫か?」
「うん」
少し前、ルネアは腕を大怪我した。
俺が手術をしてなんとか回復したけど……あの時、かなりヤバかった。
腕を見ると、手術跡も見えないし、筋力もしっかり戻っている。
腕が千切れかけたなんて、初見では絶対にわからないだろう。
「村長のおかげ。本当にありがとう」
「うん、よかった」
「……ね、村長」
「ん?」
「わたし……村長のこと、好きだよ」
「ははは。俺も好きだぞ。メージュもルネアも、シレーヌとエレインも」
「むぅ……そういうのじゃないのに」
「え?」
ルネアはそっぽ向いてしまった。
ハイエルフたちとは長い付き合いだ。好きか嫌いかで言えば間違いなく好きだ。
すると、ミュアちゃんがこっちに来た。
「ご主人さまっ! そろそろお昼だってー」
「お、もうそんな時間か。ルネア、けっこうきのこ採れたし、戻ろう」
「うん」
ルネアは、ぼそりと言った。
「まだ、いっぱい時間あるし……別にいいや」
◇◇◇◇◇◇
採ったきのこをシルメリアさんに渡すと、シルメリアさんは張り切って調理を始めた。
シルメリアさん。料理の腕がメキメキ上達してるんだよな。
妖狐族から新しいアゲ物を習ったり、悪魔族や天使族の友達から料理の本を借りたりしてるし。
ミュアちゃんも手伝い、テーブルにはたくさんのきのこ・山菜料理が並んだ。
「「「「「おおぉ~……っ!!」」」」」
「これはすごいな……」
「にゃうー!」
「みゃあ……おなかへった」
「くぅん。きのこいっぱい!」
『わん!』
きのこの網焼き、きのこのスープ、きのこと鳥肉の煮物、きのこ・山菜の天プラ……という妖狐族の料理、きのこと一緒に炊いたコメ。
すごい。とんでもない量のきのこ料理だ。
「シルメリアさん、すごい……!!」
「にゃあ、わたしもー」
「うん、ミュアちゃんも」
「にゃうぅーっ」
どことなく誇らしげなシルメリアさんとミュアちゃんだった。
さて、熱いうちに食べましょうかね。
「じゃ、いただきます!」
「「「「「いただきます!」」」」」
さっそくスープを飲む……わぁ、きのこの旨味がすごい!!
さらに山菜ときのこの天プラ。これもサクサクしておいしい!!
きのこと一緒に炊いたコメもすっごく天プラに合うし、煮物もうまい!!
「これは素晴らしい……」
バルギルドさんも感動していた。
ハイエルフたちなんて、天プラを取り合うように食べてるし。
ライラちゃんは、柴犬に煮物を食べさせていた。
ルミナも満足してるのか、尻尾がすごいフリフリ動いてるし。
「きのこ狩り、大成功だな」
「今度はミュディたちも連れてくるわよ!」
エルミナは、きのこの網焼きを頬張りながら笑っていた。
俺たちはきのこ料理を満喫し、お土産のきのこを狩って帰るのだった。
きのこ狩り、また来よう!!
俺は屋敷の裏庭で、揺り椅子に座って読書していた。
傍のテーブルには数冊の本とカーフィーカップ。シルメリアさんが淹れてくれたカーフィーは湯気が立っている。
揺り椅子を揺らしながらのんびり読書し、カーフィーを啜る。
「苦い……」
だが、この苦さが溜まらない。
カーフィーを飲み干すと、シルメリアさんがお代わりを注いでくれた。
お茶請けのクッキーをかじり、本のページをめくる。
のんびりした読書だ……仕事も休みだし、こんな時間も悪くない。
裏庭には、傍仕えのシルメリアさんと俺しかいない……っと。
『にゃあ』
「なんだ、お前か」
俺の太腿の上に、猫が乗って丸くなる。
クッキーを小さく砕き、口元へ持っていくと、猫はぺろりと食べてしまった。
軽く撫で、読書を再開。
カーフィーに手を伸ばすと……ふわりと、真っ赤な葉が落ちてカーフィーの上に。
「お……なんともまぁ、風情のある」
ゆらゆらと、赤い葉っぱがカップで揺れる。
上を見ると、大樹の葉が真っ赤に染まっていた。
普段は緑色の葉なのだが、秋になると葉が赤くなるのだ。村にある樹木たちも、葉っぱがいろんな色に変わっていた。
黄色、赤、茶色……秋しか見れない『紅葉』だ。
気温も、夏にくらべるとずいぶんと寒い。だが、そのぶんカーフィーが美味しい。
夏が終わり、秋になった。
「シルメリアさん。今日の夕飯はなにかな?」
「本日は、マーメイド族から届いたエビ、イカ、カニを使った料理です。何かご希望はありますか?」
「そうだなー……全部そのまま焼いても美味いけど、イカとエビを使ったコメの炒め物美味しかったな」
「かしこまりました。マーメイド族曰く、エビとカニとイカは、今が『旬』らしいので、身も大きく味わい深くなっているそうです」
「しゅん?」
「食べごろ、という意味でございます」
「へぇ~……」
『にゃぁぁ~』
「わかったわかった。お前たちもな」
猫たちにもエビやカニを食べてもらうか。もちろん、銀猫たちも。
森の中で食べる海鮮は何とも言えない味。しかも料理上手の銀猫たちによって、とんでもない美味さの料理になる。
毎日美味いメシ食えるのはいいけど、体重も増えるんだよなぁ。
俺はそうでもないけど、ミュディがけっこう気にしていた。もちろん、口が裂けても『ミュディ、太った?』なんて言えんけどね。
カーフィーを飲んでいると、来客が。
「やっほーアシュト。遊び行こっ」
「エルミナか。お前、仕事はいいのか?」
「今日はお休み。いやー、新酒開発も楽じゃないわ」
エルミナは、自分の肩を揉む。
エルミナの仕事は『新酒開発』だ。新しいお酒を造る研究をしている。
もう一つの揺り椅子に座り、ゆらゆら揺れているとシルメリアさんが紅茶を淹れて出してくれた。
エルミナは「ありがと」と言いつつ紅茶を啜る。
「ん~おいしい。さっすがシルメリア」
「ありがとうございます」
「で、アシュト。お出かけしない?」
「お出かけ? 村の散歩か」
「ちがう違う。この近くにいい場所あるのよ。シレーヌが狩りして見つけたの」
「いい場所?」
「うん。秋ならではの、いい場所よ」
「……?」
「ほらほら。バルギルドにも声かけたから、お昼前に行くわよ。あ、シルメリアも一緒に来てくれない? 調理担当で!」
「調理……わかりました、お任せください」
調理と聞いて、シルメリアさんがぺこりと頭を下げた。
どこに行くのか知らないけど、バルギルドさんがいるなら安心かな。
◇◇◇◇◇◇
村の入口に向かうと、ハイエルフたちとバルギルドさんがいた。
メージュ、ルネア、シレーヌ、エレイン。エルミナの幼馴染たち。そして、巨大な籠を背負っているバルギルドさん……なんだ、あの籠?
そして、大きな木箱を背負ったシルメリアさんも合流。
「……持つか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
お、バルギルドさんが気を遣ってシルメリアさんに話しかけた。
だがシルメリアさんはやんわり拒否。なるほど、あの木箱には調理道具が入っているんだな。
人が揃い、エルミナが言う。
「さて、そろそろネタばらしね。アシュト、我々がどこへ行くのかわかる?」
「わからん。そのデカい籠がヒントなんだろうけど……狩りにでも行くのか?」
「半分正解。狩りは狩りでも、山菜、きのこ狩りよ!」
「きのこ狩り……?」
「ええ」
エルミナは胸を張る。こういう説明する時の癖だな。
すると、メージュがエルミナを押しのけた。
「あのね、山菜採りしてたら、きのこの群生地を見つけたの。すっごいたくさんの種類のきのこだよ!」
「ちょ、私が言いたかったのにぃ!」
きのこの群生地かぁ。
さらに、ルネアが俺の前に出て言う。
「綺麗な川も流れてたし、きのこを調理して食べる……」
「いいな。きのこか……焼いても美味いし、汁物でも美味い。そういえば、ビッグバロッグ王国に住んでたころ、シャヘル先生と山に薬草採取に出掛けた時にきのこを見つけて取ったなぁ。家で網焼きにしたけど、これがまた絶品でさ」
「村長、きのこ好き?」
「ああ。好きだぞ」
「……わたしも好き」
なぜかルネアは赤くなりモジモジする……そんなにきのこが好きなのか。
すると、ルネアを横へ押してシレーヌとエレインが言う。
「きのこだけじゃなくて、山菜もいっぱいあったよ」
「きのこと山菜のお吸い物なんていいかもですねぇ~」
「いいなぁ……うー、腹減ってきた」
ほんわり想像していると、エルミナが俺の背中を叩いた。
「さ、行くわよ! ここから歩いて一時間くらいだから、お昼にちょうどいいわ」
「おう。じゃあ、さっそく行くか」
「みゃう」
「にゃあーっ」
「くぅん」
『わぅーん』
と、ここで可愛らしいネコと犬の声。
振り返ると、ルミナとミュアちゃん、ライラちゃんと柴犬が一匹いた。
ミュアちゃんは言う。
「ご主人さま、どこ行くの?」
「ちょっときのこ狩りにね。ミュアちゃんは遊んでたのかな?」
「にゃあ。ルミナとライラとわんこで、追いかけっこしてたの」
追いかけっこか。子供らしくてかわいいね。
なんとなくミュアちゃんの頭を撫でると、ルミナが言う。
「みゃうぅ……お前、遊びにいくのか。あたいも行くぞ」
「遊び……んー、遊びなのか?」
「遊びに決まってるでしょ! きのこ狩りよきのこ狩り!」
「じゃあいく」
ルミナは俺にぴったりくっついた。
すると、ライラちゃんと柴犬も。
「きのこ……わたし、きのこ好き。いいなー」
『くぅん』
「ライラちゃん……」
「にゃあ。わたしも行きたいー! ご主人さま、シルメリア……だめ?」
シルメリアさんは俺をチラッと見た。
メージュたち、バルギルドさんを見ても「任せる」みたいな感じだし。
まぁ、ルミナはこうなったら離れないし、ミュアちゃんたちはダメってわけにはいかないか。
「よし。じゃあみんなできのこ狩りに行こうか」
「にゃったー!」
「わぅぅん。うれしい!」
『わんわんっ!』
「ふん、さっさといくぞ」
こうして、みんなできのこ狩りへ行くことになった。
◇◇◇◇◇◇
一時間、山を歩く。
昔の俺ならヒィヒィ言ってただろうが……残念だな。
今の俺は、昔に比べて体力がある! つまり……山歩きは何ら問題ない!
「はぁ、はぁ、はぁ……くはっ、疲れた」
「アシュト、体力ないわね」
「う、うっさい……」
すみません、噓です。
いや、体力は付いたの間違いない。でも……起伏が激しいんだよ。
登って、ちょっとした斜面を下って、また少し登って……の繰り返し。
「わぁ~……やっぱり、この時期はいいね。秋って感じ」
「きれい……」
景色を見ると、やはり美しい。
赤、黄色、茶色、オレンジ、そして緑。葉の色が秋色に染まっている。
見上げると、木々の色がなんとも言えないコントラスト。
「はぁ、はぁ……」
「村長……乗るか?」
「…………」
バルギルドさん……『籠』に入れと?
さすがに情けなさすぎるから遠慮する。女の子ばかりの集団で、俺だけバルギルドさんの背負う籠に入って運ばれるとか、とんでもない拷問だよ。
でも、これはなんとかしなければ。きのこ狩りなのに狩ることすらできず体力を消費してる。
仕方ない……俺は『緑龍の知識書』を開く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
植物魔法・補助
『行動補助の蔦』
これを全身に巻くとパワーアップ!
辛い坂道や登坂なんてスーイスイ!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ほうほう、これはいいな。
俺は杖を抜き、詠唱する。
「アドバンス、アドレス、アドヴァンテージ、バンス、バンクーバー。『行動補助の蔦』」
よくわからん呪文だな……お?
緑龍の杖から種がポトッと落ち、緑色の包帯みたいな植物がぐんぐん成長する。
そして、包帯みたいな植物の葉が、俺の両足、両腕、身体に巻き付いた。
「うぉぉぉぉ!?」
「ちょ、なにしてんのアシュト!?」
「ま、待った。これ、俺の魔法なんだ……お?」
軽い。
なんだこれ? 足が軽い。足だけじゃない。背中もまっすぐ伸びるし、腕もすごく上がる。
試しに、近くの木に向かってジャンプ───って、おい!?
「うおぉぉ!? す、すっげぇ軽い……なんだこれ」
なんと、ジャンプしただけで数メートル上の枝に飛び乗れた。
もしかしてと思い飛び降りると、ふわりと痛みを感じることなく降りれた。
「す、すごい……身体能力が上がってる。運動を補助する植物魔法か」
「にゃあ! ご主人さますごい!」
これなら、疲れることなく歩けるぞ!!
すると、エルミナがジト目で言う。
「アシュトばっかりズルいし!!」
「ず、ずるいって……いや、俺は体力ないし、このままだとみんなから遅れそうだから」
「私もそれ使いたい! 私も!」
「わ、わかったよ……」
エルミナがわがままを言うので、仕方なくエルミナに……ああもう、そんな目で見るなよメージュたち……ハイエルフたちに『行動補助の蔦』を使った。
子供たちは元気いっぱいなので必要なし、バルギルドさん、シルメリアさんも必要ないという。
さて、きのこ狩りに向かいますか!
◇◇◇◇◇◇
『行動補助の蔦』のおかげで、スイスイ歩けた。
エルミナたちなんて、木のよじ登って遊びながら進んでた。ミュアちゃんたちも真似してよじ登るし、勘弁してほしい。
それから進むこと十分。
「……なんか、薄暗くなってきたな」
「それに、ジメジメしている……なるほど、きのこの群生地か」
バルギルドさんがニヤリと笑う。
到着したのは、薄暗いジメジメした倒木だらけの場所だった。
驚いたのは、倒木に大量のきのこが生えていることだ。俺でもわかったが、かなりの種類がある。
「見ろ。この倒木……なぎ倒されたようだ。まるで、魔獣同士がここで争い、木々が倒れてこうなったような。さらにこの場所、日当たりが最悪だ。この湿気と相成って、きのこにとって最高の環境なのだろう。まさに、天然の狩場だ」
「おお……」
「よし!! みんな、さっそく狩るわよ!! きのこ狩り!!」
「はいはーい!! あたしとシレーヌとエレインは、近くで山菜狩りするから、きのこは任せた!!」
山菜って狩るモンなのかな。
メージュがルネアに「がんばれ」とか言ってたけど、なんのことだろう。
ま、いいや。さっそくきのこ狩りといきますか。
「にゃあ。ご主人、きのこ」
「うん。いっぱい……って、ちょっと待った。エルミナ、ルネア、こんなに種類あるんだ。毒キノコとか」
「あのねー……ハイエルフにとって、きのこや山菜は当たり前に食べてきたのよ?」
「毒キノコ、ちゃんとわかる」
「よ、よかった……よし。ミュアちゃん、ルミナ、ライラちゃん、あと柴犬。念のため、きのこは素手で触っちゃダメだぞ」
「にゃあーっ」
「みゃあ」
「わん。お兄ちゃん、わたし、匂いでなんとなくわかるよ」
『わん』
「よし。じゃあライラちゃん、毒キノコには触らないように。ミュアちゃん、ルミナもライラちゃんの言うことを聞くんだぞ」
「大丈夫。私がちゃんと見てるから。よーしミュア、ルミナ、ライラ、行くわよ!!」
「にゃあ!」
「あたい、一人で……みゃう!? さわるなーっ!!」
「わぅん。わんこ、お兄ちゃんのこと手伝ってあげて!!」
『わん!』
エルミナは、ルミナを抱えて行ってしまった。
残されたのは、俺とシルメリアさんと柴犬。
シルメリアさんは、抱えていた木箱から調理道具を出してるし、バルギルドさんは周囲を警戒すると言って見回りに行ってしまった。
「村長、いこ」
「ああ、ルネア、よろしくな」
「……うん」
『わぅん』
「はは、お前もよろしくな」
柴犬を撫で、俺たちもきのこ狩りを開始した。
◇◇◇◇◇◇
「これは?」
「これ、ドクヒラタケ。食べると痺れてヤバい」
「う……じゃあこれは?」
「おお、これはシロタケ。焼いて食べると絶品」
「よし」
『わん』
俺、ルネア、柴犬はきのこ狩りを開始した。
ルネアの知識は深い。
薬草なんかの知識は俺のが上だけど、山菜やきのこはルネアのが詳しい。
向こうの方では、エルミナが子供たちにきのこの説明をしているし、山菜狩りから帰ってきたメージュたちは、シルメリアさんの手伝いをしてる。
バルギルドさんは……なんか、デカい鳥を投石で落としてた。今は血抜きして羽をむしり、川の水で綺麗に洗ってシルメリアさんに渡している。
シルメリアさんの荷物にデカい鍋があったみたいで、山菜を鍋に入れて煮込んでる。
「村長、みてこれ。ナナマガリタケ」
「はは。曲がってる……変な形」
すごい歪曲したきのこをルネアは見せてくれた。
ふと、思う。
「そういえばルネア、腕は大丈夫か?」
「うん」
少し前、ルネアは腕を大怪我した。
俺が手術をしてなんとか回復したけど……あの時、かなりヤバかった。
腕を見ると、手術跡も見えないし、筋力もしっかり戻っている。
腕が千切れかけたなんて、初見では絶対にわからないだろう。
「村長のおかげ。本当にありがとう」
「うん、よかった」
「……ね、村長」
「ん?」
「わたし……村長のこと、好きだよ」
「ははは。俺も好きだぞ。メージュもルネアも、シレーヌとエレインも」
「むぅ……そういうのじゃないのに」
「え?」
ルネアはそっぽ向いてしまった。
ハイエルフたちとは長い付き合いだ。好きか嫌いかで言えば間違いなく好きだ。
すると、ミュアちゃんがこっちに来た。
「ご主人さまっ! そろそろお昼だってー」
「お、もうそんな時間か。ルネア、けっこうきのこ採れたし、戻ろう」
「うん」
ルネアは、ぼそりと言った。
「まだ、いっぱい時間あるし……別にいいや」
◇◇◇◇◇◇
採ったきのこをシルメリアさんに渡すと、シルメリアさんは張り切って調理を始めた。
シルメリアさん。料理の腕がメキメキ上達してるんだよな。
妖狐族から新しいアゲ物を習ったり、悪魔族や天使族の友達から料理の本を借りたりしてるし。
ミュアちゃんも手伝い、テーブルにはたくさんのきのこ・山菜料理が並んだ。
「「「「「おおぉ~……っ!!」」」」」
「これはすごいな……」
「にゃうー!」
「みゃあ……おなかへった」
「くぅん。きのこいっぱい!」
『わん!』
きのこの網焼き、きのこのスープ、きのこと鳥肉の煮物、きのこ・山菜の天プラ……という妖狐族の料理、きのこと一緒に炊いたコメ。
すごい。とんでもない量のきのこ料理だ。
「シルメリアさん、すごい……!!」
「にゃあ、わたしもー」
「うん、ミュアちゃんも」
「にゃうぅーっ」
どことなく誇らしげなシルメリアさんとミュアちゃんだった。
さて、熱いうちに食べましょうかね。
「じゃ、いただきます!」
「「「「「いただきます!」」」」」
さっそくスープを飲む……わぁ、きのこの旨味がすごい!!
さらに山菜ときのこの天プラ。これもサクサクしておいしい!!
きのこと一緒に炊いたコメもすっごく天プラに合うし、煮物もうまい!!
「これは素晴らしい……」
バルギルドさんも感動していた。
ハイエルフたちなんて、天プラを取り合うように食べてるし。
ライラちゃんは、柴犬に煮物を食べさせていた。
ルミナも満足してるのか、尻尾がすごいフリフリ動いてるし。
「きのこ狩り、大成功だな」
「今度はミュディたちも連れてくるわよ!」
エルミナは、きのこの網焼きを頬張りながら笑っていた。
俺たちはきのこ料理を満喫し、お土産のきのこを狩って帰るのだった。
きのこ狩り、また来よう!!
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