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第七章
変幻自在
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アルフェンとテュポーンの戦いは激化していた。
リグヴェータ邸は半壊し、茶会の会場も滅茶苦茶だ。だが、そんなことはお構いなしに、アルフェンはテュポーンめがけて拳を振るう。
「この、野郎がっ!!」
右手を硬化させテュポーンを殴る。
だが、テュポーンは自らの身体の一部を盛り上がらせ防御する。そして、硬化した部分を切り離し、アルフェンの能力に対抗していた。
アルフェンは、テュポーンの『経絡核』もいくつか破壊した。だが、テュポーンにはまるで効いていない。
『第三の瞳』の眼で見た通り、テュポーンはいくつも経絡核を持つようだ。ヒュブリスのように経絡核を破壊することで死を迎えるということはない。
なので、消耗するのはアルフェンの体力のみ。
「くそ……」
アルフェンの息が荒い。
だが、テュポーンはケロリとしていた。
「あなた、つよいね」
テュポーンは、息切れひとつ起こしていない。
あまりにも、異質だった。
これまで出会った魔人とは違う奇妙さだ。腕や足が『口』になり、全身至る所から触手が伸びている。さらに、触手だけではなく肉の塊が全身から盛り上がり、アルフェンの拳を防御していた。
「もうあきちゃった。あなた食べて、食事再開しよっと」
「ふっざけんな!!」
アルフェンは、殴るのではなく『掴む』攻撃に変えた。
殴って攻撃を分散されるなら、掴んで圧死させる。そう考え、右腕を限界まで巨大化させる。
「摑め、『獣の拘束』!!」
五指を限界まで開き、テュポーンの頭上から押しつぶすように叩き付ける。
だが……テュポーンの背中から、アルフェンの右手を同じような大きさの『肉塊』が生み出された。
「『まねっこ』」
「なっ……!?」
四つん這いになったテュポーンの背中から飛び出した肉塊は、アルフェンの右手そっくりの形に。そして、アルフェンの右手と真正面からぶつかった。
アルフェンの能力でテュポーンの『肉塊』が硬化する。だが、テュポーンはあっさりと背中の肉塊を切り捨てて離脱した。
「ふむふむ……あなたの技、まねっこしやすいね」
「こいつ……」
アルフェンは気付いた。
テュポーンは、戦いの最中に成長している。水を吸って膨らむ紙のように、テュポーンは戦いを通じて成長していた。
アルフェンは息を整えながら構えを取る。すると……。
「あ~ら、いいオトコノコがいるわねぇ?」
上空から、さらに別の魔人が現れた。
長い髪の女だ。褐色肌にツノが生え、大鎌を持っている。
テュポーンは、女を……『色欲』の魔人フロレンティアを見て顔をしかめた。
「む~……あなた、どこいってたの?」
「ちょっと偵察~♪ ふふ、おっきな国はいいオトコがいっぱい♪ 魔帝様が復活したら最初にここを落とすだろうし、いい子にはツバ付けとかないと♪」
「なに……?」
アルフェンはフロレンティアを見た。
どこかで見覚えがあったような気がして思い出す。
「……お前、あの村にいた……!!」
「あら? 知ってるのかしら。うふふ、お姉さんってば罪な女ねぇ?」
「『色欲』……ウィルの仇か!!」
「うふふ。ちょっとこの子の暴れっぷりを見てたんだけど……いい男がいると我慢できないのよねぇ。まぁ、この子に注意が向いてるから、まさか私がいるなんて思われてないでしょうし、可愛い子選び放題、ってわけ♪」
フロレンティアはクネクネとした動きでアルフェンを誘惑する。当然だが、アルフェンは魔人の女に誘惑されなびくような男ではない。右目がギロリと輝きフロレンティアを睨む。
「あらぁ? フラれちゃったぁ♪」
「うるっせぇ!!」
アルフェンは、フロレンティアめがけて右拳を伸ばした。
「うふふ♪」
「───おわっ!?」
だが、フロレンティアに届くことなく、見えない壁に阻まれスリップしたように右手の軌道が変わる。
そして思い出す。フロレンティアの能力は『男の攻撃を無効化する』ことに。
「男殺しかよ、この野郎……!!」
「うふふ。ねぇ、あなたの大事なものってなぁに? お姉さん、めちゃくちゃにしてやりたいわぁ♪」
「む、おばさん。これはわたしのごはん」
「あなたは町に行っといで。町にはおいしいご飯がいっぱいあるから」
「おいしいごはん……」
テュポーンは舌なめずりする。
アルフェンはテュポーンに注意を向けるが、すぐにフロレンティアの方へ。
フロレンティアは、アルフェンと戦う気満々だ。
「くっ……」
「ごはん、またね」
テュポーンが触手を半壊したリグヴェータ邸に伸ばした。
そのまま屋根に向かい、城下町へ向かうつもりらしい。
アルフェンはテュポーンを止めようと腕を伸ばそうとするが、フロレンティアが立ちはだかる。
「あなたはお姉さんと遊びましょ?」
「どけよ!! クソ、あいつを止めないと……」
「ダメダメ。あの子は囮になってもらうんだから。あの子を暴れさせてる間に、私は私でお楽しみタイムってわけ……ふふ、遊びましょ♪」
フロレンティアは大鎌をクルクル回す。
そして、テュポーンは屋根の上から城下町を眺め、くんくんと匂いを嗅いだ。
「いいにおい……ごはん、いっぱい!!」
そして、城下町に向かって跳躍した。
「ブチまけろ───『機関銃』!!」
「んお?」
跳躍と同時に、別の民家の屋根から跳躍した狼……マルコシアスの背に乗ったウィルが、巨大化させた左腕の銃口から、翡翠の弾丸をばら撒いた。
テュポーンの全身が肉塊となり弾丸を防御。再ヘンリーグヴェータ邸の庭に落下する。
フロレンティアは顔をしかめ、リグヴェータ邸の屋根に着地した狼を見た。
「もう、なぁにあれ……?」
「───遅いっての」
アルフェンはニヤリと笑った。
屋根に立つ狼の隣に、緑色の巨大鳥が舞い降りたのだ。
そして、巨大な鳥……グリフォンの背に乗ったメルは、全員に聞こえるように命令する。
「王女命令よ───S級、戦闘準備!!」
アルフェンは右手を構え、ウィルが左手を向け、グリフォンから飛び降りたアネルの足が輝き、マルコシアスとグリフォンが唸りを上げる。
S級召喚士が、魔人討伐にやってきた。
リグヴェータ邸は半壊し、茶会の会場も滅茶苦茶だ。だが、そんなことはお構いなしに、アルフェンはテュポーンめがけて拳を振るう。
「この、野郎がっ!!」
右手を硬化させテュポーンを殴る。
だが、テュポーンは自らの身体の一部を盛り上がらせ防御する。そして、硬化した部分を切り離し、アルフェンの能力に対抗していた。
アルフェンは、テュポーンの『経絡核』もいくつか破壊した。だが、テュポーンにはまるで効いていない。
『第三の瞳』の眼で見た通り、テュポーンはいくつも経絡核を持つようだ。ヒュブリスのように経絡核を破壊することで死を迎えるということはない。
なので、消耗するのはアルフェンの体力のみ。
「くそ……」
アルフェンの息が荒い。
だが、テュポーンはケロリとしていた。
「あなた、つよいね」
テュポーンは、息切れひとつ起こしていない。
あまりにも、異質だった。
これまで出会った魔人とは違う奇妙さだ。腕や足が『口』になり、全身至る所から触手が伸びている。さらに、触手だけではなく肉の塊が全身から盛り上がり、アルフェンの拳を防御していた。
「もうあきちゃった。あなた食べて、食事再開しよっと」
「ふっざけんな!!」
アルフェンは、殴るのではなく『掴む』攻撃に変えた。
殴って攻撃を分散されるなら、掴んで圧死させる。そう考え、右腕を限界まで巨大化させる。
「摑め、『獣の拘束』!!」
五指を限界まで開き、テュポーンの頭上から押しつぶすように叩き付ける。
だが……テュポーンの背中から、アルフェンの右手を同じような大きさの『肉塊』が生み出された。
「『まねっこ』」
「なっ……!?」
四つん這いになったテュポーンの背中から飛び出した肉塊は、アルフェンの右手そっくりの形に。そして、アルフェンの右手と真正面からぶつかった。
アルフェンの能力でテュポーンの『肉塊』が硬化する。だが、テュポーンはあっさりと背中の肉塊を切り捨てて離脱した。
「ふむふむ……あなたの技、まねっこしやすいね」
「こいつ……」
アルフェンは気付いた。
テュポーンは、戦いの最中に成長している。水を吸って膨らむ紙のように、テュポーンは戦いを通じて成長していた。
アルフェンは息を整えながら構えを取る。すると……。
「あ~ら、いいオトコノコがいるわねぇ?」
上空から、さらに別の魔人が現れた。
長い髪の女だ。褐色肌にツノが生え、大鎌を持っている。
テュポーンは、女を……『色欲』の魔人フロレンティアを見て顔をしかめた。
「む~……あなた、どこいってたの?」
「ちょっと偵察~♪ ふふ、おっきな国はいいオトコがいっぱい♪ 魔帝様が復活したら最初にここを落とすだろうし、いい子にはツバ付けとかないと♪」
「なに……?」
アルフェンはフロレンティアを見た。
どこかで見覚えがあったような気がして思い出す。
「……お前、あの村にいた……!!」
「あら? 知ってるのかしら。うふふ、お姉さんってば罪な女ねぇ?」
「『色欲』……ウィルの仇か!!」
「うふふ。ちょっとこの子の暴れっぷりを見てたんだけど……いい男がいると我慢できないのよねぇ。まぁ、この子に注意が向いてるから、まさか私がいるなんて思われてないでしょうし、可愛い子選び放題、ってわけ♪」
フロレンティアはクネクネとした動きでアルフェンを誘惑する。当然だが、アルフェンは魔人の女に誘惑されなびくような男ではない。右目がギロリと輝きフロレンティアを睨む。
「あらぁ? フラれちゃったぁ♪」
「うるっせぇ!!」
アルフェンは、フロレンティアめがけて右拳を伸ばした。
「うふふ♪」
「───おわっ!?」
だが、フロレンティアに届くことなく、見えない壁に阻まれスリップしたように右手の軌道が変わる。
そして思い出す。フロレンティアの能力は『男の攻撃を無効化する』ことに。
「男殺しかよ、この野郎……!!」
「うふふ。ねぇ、あなたの大事なものってなぁに? お姉さん、めちゃくちゃにしてやりたいわぁ♪」
「む、おばさん。これはわたしのごはん」
「あなたは町に行っといで。町にはおいしいご飯がいっぱいあるから」
「おいしいごはん……」
テュポーンは舌なめずりする。
アルフェンはテュポーンに注意を向けるが、すぐにフロレンティアの方へ。
フロレンティアは、アルフェンと戦う気満々だ。
「くっ……」
「ごはん、またね」
テュポーンが触手を半壊したリグヴェータ邸に伸ばした。
そのまま屋根に向かい、城下町へ向かうつもりらしい。
アルフェンはテュポーンを止めようと腕を伸ばそうとするが、フロレンティアが立ちはだかる。
「あなたはお姉さんと遊びましょ?」
「どけよ!! クソ、あいつを止めないと……」
「ダメダメ。あの子は囮になってもらうんだから。あの子を暴れさせてる間に、私は私でお楽しみタイムってわけ……ふふ、遊びましょ♪」
フロレンティアは大鎌をクルクル回す。
そして、テュポーンは屋根の上から城下町を眺め、くんくんと匂いを嗅いだ。
「いいにおい……ごはん、いっぱい!!」
そして、城下町に向かって跳躍した。
「ブチまけろ───『機関銃』!!」
「んお?」
跳躍と同時に、別の民家の屋根から跳躍した狼……マルコシアスの背に乗ったウィルが、巨大化させた左腕の銃口から、翡翠の弾丸をばら撒いた。
テュポーンの全身が肉塊となり弾丸を防御。再ヘンリーグヴェータ邸の庭に落下する。
フロレンティアは顔をしかめ、リグヴェータ邸の屋根に着地した狼を見た。
「もう、なぁにあれ……?」
「───遅いっての」
アルフェンはニヤリと笑った。
屋根に立つ狼の隣に、緑色の巨大鳥が舞い降りたのだ。
そして、巨大な鳥……グリフォンの背に乗ったメルは、全員に聞こえるように命令する。
「王女命令よ───S級、戦闘準備!!」
アルフェンは右手を構え、ウィルが左手を向け、グリフォンから飛び降りたアネルの足が輝き、マルコシアスとグリフォンが唸りを上げる。
S級召喚士が、魔人討伐にやってきた。
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