召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~

さとう

文字の大きさ
132 / 178
第七章

どこまでも広がる青空の向こう

しおりを挟む
「ガハッ……」

 ウィルは血を吐き、自身の抉れた……いや、ほぼ両断された肩を見た。
 右腕はもう動かなかった。血が止まらず、とても眠い。
 向かってくるアネルとガーネットが見えた。

「ばかばかばかぁ!! なんでこんなぁ!!」
「やか、ましい……おい、ババァ……あいつ、逃がすな!!」
「わかっている!! だがお前の止血が」
「逃がすな!!」
「っ……この、クソガキめ!!」

 ガーネットは忌々しげにウィルを睨み、フロレンティアを拘束しに向かう。
 だが、ウィルは気付いた。忌々しさの奥に、悲しみが含まれていることに。
 それに気付いた瞬間、力が抜ける。

「チッ……」
「ウィル!!」

 アネルがウィルを支える。
 柔らかな胸、そして甘い匂いがした。最後は女に抱かれるのも悪くない。
 ウィルは、冷たくなりつつある身体に最後の力を籠める。

「おい、あとは……任せるぞ」
「駄目!! アンタ、自分の手でケリ付けるっていったじゃん!! あいつまだ死んでない!! あんたがトドメを刺さないで誰が……」
「任せるっつったんだ……あーくそ、眠い……まぁ、こんなモンだ」
「なにを……」

 猛烈な眠気がウィルを襲う───……そして。

「ぐ、がっはぁ!?」

 ガーネットが、何かに弾かれ吹き飛ばされた。
 ボロボロの状態で壁に叩きつけられ、血を吐く。

「せ、先生!?」
「して、やられたね……アネル、構え、な……」
「え……っ!?」
 
 フロレンティアが吹き飛ばされた方向に、何かがいた。
 
『やぁ~~~ってくれたわねぇぇぇぇ~~~っ!?』
「え……」

 それは、『大蛇』のような『何か』だった。
 長い尾が伸び、時計塔に巻き付いていた。
 蛇のような下半身に、禍々しい山姥のような女性の上半身が生えていた。さらにその山姥には、一本五メートル以上ある多関節の腕が八本も生えていた。
 その八本の手にはすべて、フロレンティアの持っていた大鎌が握られている。

「これ、が……」

 『色欲』の魔人フロレンティア。召喚獣としての姿だった。
 フロレンティアは、老婆のようになった顔でアネルを睨む。

『この姿になるつもりなかったけど……テメェらは許さねぇ!! バラバラにして食ってやらぁぁ!!』

 フロレンティアは怒り狂っていた。
 アネルはウィルから静かに離れる。ウィルは立てなくなったのか崩れ落ちた。

「ウィル……すぐに戻るから」
「…………」
「アイツは、アタシが倒す!!」

 アネルの両足から蒸気が噴き出される。
 構え、気合を入れたアネルは叫んだ。

「『完全侵食エヴォリューション』!!」

 足だけを覆っていた装甲が全身を包み込む。
 女性型の機械人形となったアネルは、全身の装甲を開き蒸気を吐き出す。そして両手から巨大な鉄杭を展開し、桃色の雷を纏わせた。
 フロレンティアは、山姥のような顔を歪ませる。

『お嬢ちゃん硬そうだねぇ? ……まずはバラバラにして中身ほじくり出してやるよ!!』
「やれるもんならやってみろ!! アタシは……アタシは負けない!!」

 アネルは、背中のブースターユニットから炎を噴射。フロレンティアに向かって突っ込んだ。
 
 ◇◇◇◇◇◇

 ウィルは、明滅する意識をなんとかつなぎとめていた。
 すぐ近くにはガーネットが倒れている。
 油断したのだろう。骨が何本も折れ、全身血濡れだった。

「ば、バァ……」

 口を動かすのも億劫だった。
 今気付いたが、しゃがみ込んだウィルの周りには血だまりができている。
 そして、呼ばれたのに気付いたのか、ガーネットが呻きながら起き上がり……血を吐いた。

「ガッハ!? っく……あぁ、内蔵やられてるねぇ。こりゃ死ぬわ」
「…………」
「生きてるかい?」
「…………」
「フン。情けない……子供に命張られて、老いぼれがこうして寝転がるなんてねぇ」
「……フン」

 ウィルは笑った。
 すぐ近くでは、アネルとフロレンティアが戦っている。
 まるで、ウィルとガーネットのいる場所だけ、時間がゆっくり流れているような気がした。
 ガーネットは、震える手で煙草に火を付ける。

「あぁ───……これが最後の一服だぁ……ふふ、あんたの隣で吸うのも、悪くないねぇ」
「……そう、かよ」
「ああ……馬鹿なガキめ」

 次の瞬間───ガーネットがウィルに覆いかぶさった。
 
「あ……?」
「ガハッ……」

 ガーネットの背中には、フロレンティアの鎌が突き刺さっていた。
 アネルが何かを叫び、フロレンティアが嘲笑っている。
 そう、フロレンティアはアネルをいたぶろうと、ウィルを狙って鎌を投げたのだ。

『あぁ~失敗。お前の愛する男を殺してやろうと思ったのに』
「お前ぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 もう、ウィルには聞こえていなかった。
 目の前に、ガーネットがいる。

「な、んで……」
「決まってる。お前が……あたしの生徒だからさ」

 ガーネットは、優しく微笑んだ。
 大量の血が流れ、ウィルの流した血だまりと混ざり合う。
 ウィルの目から、一筋の涙がこぼれた。

「ウィル……死ぬんじゃないよ」
「え……?」
「復讐をやめろなんて言わない。でも……全部終わったら、胸張って生きな。あんたの家族も、あたしも……それを願ってる」
「ば、ばぁ……」
「フン、最後まで忌々しいガキだね。あと、一つだけ……」

 ガーネットは、胸元から一つの包みを取り出した。
 その包みを開け、ウィルに押し付ける。
 それは……シンプルなデザインの煙管と、煙草だった。

「煙草なんてやめなって言ったが……これがまた癖になる。吸うなら、ほど、ほど……に……ね……」
「ぁ……」

 ガーネットの命が消えた。
 ほんの少しの説教と、煙草を残して。

「…………くっだら、ねぇ」

 そして、全ての力がウィルから抜けた。

 ◇◇◇◇◇◇



『───お兄ちゃん』



 ◇◇◇◇◇◇

「……あ?」

 目が覚めると、そこは……ウィルの家だった。
 自分の部屋だった。着ている服も、昔着ていた服だ。
 
「…………くっだらねぇ」

 これはユメだ。
 わかっている。ユメと現実の区別はできる。
 それでも、失われた故郷にウィルは帰ってきた。
 そして───……。

「お兄ちゃん」
「あ……」
「おかえり」

 妹のサラが、ウィルを起こしに来た。
 ウィルの唇が震えた。涙があふれ、止まらなかった。
 優しく微笑むサラは───……なぜか、透けて見えた。

「お兄ちゃん」
「サラ……」
「すぐ、行かないと」
「……ごめん。ごめんサラ!! 兄ちゃん、お前のこと守れなくて……」
「いいの。あたしはもう大丈夫だから──」

 すると、景色が変わる。
 牧場。ウィルの家の牧場だった。
 そこにいるのは、サラだけではない。
 
「爺ちゃん、婆ちゃん……」

 ウィルの祖父母が、優しく微笑んでいた。
 その後ろには、この村の住人たちが微笑んでいる。

「おふくろ……」

 母は、サラの隣で微笑む。
 懐かしい母の笑顔に、ウィルの胸は締め付けられる。

「親父……」
「ウィル。やれるな?」
「……あったりまえだ。オレは親父の息子だぜ?」
「フン、生意気言いやがって……お前、オレにそっくりだよ」
「へへ……」
「それと、帽子。似合ってるぞ」
「…………」

 ウィルは、父の形見であるテンガロンハットをそっと押さえた。
 そして、もう一人。

「……ババァ」
「フン。さっさと行っちまいな、クソガキ」
「ああ……ありがとうな、ガーネット」
「うん。いい男になりなよ」
「……おう」
「ほら、来たよ」

 すると、上空───どこまでも澄んだ青空を舞う、一羽の鷹が飛んできた。
 ウィルは迷わず左腕を掲げると、鷹も迷わず着地する。

「ヘンリー……」
『遅くなってゴメン』
「いいさ。相棒」
『ようやく決心できた。ウィル……一つになろう』
「いいのか?」
『うん。この魂がウィルと一つになっても、寂しくないから』

 ヘンリーは、ウィルの家族たちを見る。
 ウィルの心にあるこの景色は、これから決して色褪せることはない。
 
『ウィルの心。今まで真っ暗だった……でも、こうして闇が晴れて、どこまでも澄んだ青空が広がった。もう、大丈夫……怖くないよ』
「ああ、ありがとう……みんなのおかげだ」

 ウィルは家族を、そしてサラを見た。
 サラはウィルに近づき、にんまり笑う。

「えへへ。お兄ちゃん、カッコいいところ見せてね。あたしの大好きなお兄ちゃんは、誰よりも強くて誰よりもカッコいいんだから」
「へへ、ありがとよ。見てろ……オレとヘンリーの強さをな!!」
「うん!!」

 サラのまぶしい笑顔。
 そして、空間が光に包まれていく。

「いくぜ、ヘンリー」

 ウィルは、左手を構えた。
 ヘンリーの身体が透き通り、エメラルドグリーンの光となって同化する。
 ウィルはテンガロンハットをくいッと傾け、呟いた。

「『完全侵食エヴォリューション』」

 ◇◇◇◇◇◇

「ぐ、あぁっ!?」
『おぉぉ~~~っほっほぉ!! 楽しい、楽しいねぇ!!』
「くっ……」

 アネルはフロレンティアの鎌で少しずつ刻まれていた。
 フロレンティアの大鎌は鋭いが、アネルの装甲を両断できるほどではない。少しずつ、少しずつ削られていく。それに対し、アネルの武装は威力が強すぎるせいで、市街戦には向いていない。電撃を纏った拳や蹴りだけで戦っていた。

『おっほっほぉぉぉ!! 削って削って、中身をむき出しに───……んんん?』
「え……?」

 フロレンティアとアネルの動きが止まった。
 
「…………」

 ウィルが、無言で立っていた。
 左手をフロレンティアに向けたまま。
 そして───……ウィルが変わっていく。

「え、これって……まさか」
『わぁお♪』

 ウィルの身体が変化していく。
 エメラルドグリーンの左腕は、両腕に変化する。
 身体を覆うのは、翡翠が変化したような軽鎧。上半身と下半身を軽鎧が覆い、足は膝下が猛禽類のように変化した。
 そして、顔は人間のようなコンドル、カラス、ワシを混ぜたような顔立ちに。大きな口を開けた鳥の、口の中に顔が生えたように見えた。
 最大の変化は背中。ウィルの背中に、翡翠を集めたようなオオワシの翼が生えたのだ。
 ヒト型のコンドル、カラス、ワシ、イーグルの集合体。それが今のウィルだった。

「え、『完全侵食エヴォリューション』……ウィル」
『ふふ♪ かっこよくなっちゃって……でも、どんな相手だろうと、わたしの身体に触れることはできない。もう二度と、あなたはわたしに触れない』
「……フン」

 ウィルは左手、そして右手を向けた。
 ウィルの両腕の人差し指が銃口になる。そう、ウィルは元々二丁拳銃スタイルだ。
 両手から発射された弾丸は、フロレンティアに向かって飛ぶ。

『無駄だって───』

 弾丸は、フロレンティアの腕を貫通した。

『いっ!? ギャァァァァァァァァァァァ!?』
「え、通じた!? なんで……」

 ウィルは背中の翼を大きく広げ、ゆっくりと浮かぶ。
 両腕を構えたまま、ウィルは言った。

「いいこと教えてやる。ヘンリーはな……オレの相棒にして『恋人』だぜ」
『なっ……』
「こ、恋人……?」
『……まさか!?』

 ウィルは不敵な笑みを浮かべた。

「そう、ヘンリーはメスだ。ヘンリーと完全に融合した今のオレは、男と女みてぇなモンだ。テメェの能力は男を拒絶するが、ヘンリーの女の部分までは拒絶できない。つまり、曖昧なままのオレの攻撃はテメーに通るってわけだ」
『ば、馬鹿な……そんな』
「これが現実だ。さぁ……覚悟しやがれ。ここでテメーとケリ付けてやる!!」

 ウィルの復讐……いや、戦いが始まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~

テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。 しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。 ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。 「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」 彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ―― 目が覚めると未知の洞窟にいた。 貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。 その中から現れたモノは…… 「えっ? 女の子???」 これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

処理中です...