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第八章
白き魔帝ニュクス・アースガルズ
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全滅した。
『暴食』の魔人アベルは、人間を舐めて滅ぼされた。
『傲慢』の魔人ヒュブリスは、表に出過ぎて討伐された。
『嫉妬』の魔人レイヴィニアは、あっけなく降伏した。
『怠惰』の魔人ニスロクは、最初からやる気がなかったように見えた。
『憤怒』の魔人オウガは、ジャガーノートに敗北した。
新たな『嫉妬』の魔人バハムートは、幼稚な戦法で敗北した。
新たな『怠惰』の魔人ミドガルズオルムは、やはりジャガーノートに敗北した。
『色欲』の魔人フロレンティアは、調子に乗りすぎて敗北した。
『暴喰』の魔人テュポーンは、最初から失敗作だった。
残されたのは、『強欲』の魔人ベルゼブブ。
ベルゼブブは、仲間の死などどうでもいいのか、上機嫌で紅茶の支度をしていた。
「ふんふんふ~~~ん♪ ふふふふふん、ふんふ~ん♪」
鼻歌を謳い、お湯を沸かし、仕入れてきた高級茶葉の香りを嗅ぐ。
「認めなければなりませんね……人間の食文化は素晴らしい」
とある隠れ家にて、ベルゼブブは思う。
「さて。お茶の支度もできました。いざ主の元へ!!」
頭にあるのはつねに『主』のこと。
つまり、完全復活が近い『魔帝ニュクス・アースガルズ』だ。
ベルゼブブは、ティーカートを押してニュクス・アースガルズの寝室へ。
そこは、巨大なベッドだけがある『広すぎる部屋』だ。天井は高さ百メートルを超え、部屋の広さも村一つすっぽり入る大きさだ。
ベルゼブブは、ティーカートを押してベッドの傍へ。
「我が主。お茶の支度ができました」
優雅に一礼するベルゼブブ。
執事服が異様に似合うベルゼブブ。この服を着ているのは、従者は主に付き従う存在で、この服は正装だと知ったからだ。衣服という文化を生んだ人間は素晴らしい、それは認めなければならなかった。
ベッドの上には、黒いモヤが漂っている。
モヤは《手》のような形になり、ベルゼブブが用意した紅茶を包み込む。すると、紅茶は綺麗さっぱり消えていた。
「もう間もなく、ですね」
モヤがベルゼブブの周りを漂う。
そして、黒いモヤが灰色になり───白くなった。
「お、おおお!? ま、まさか……まさか、主!?」
『…………イ、け。ルか、モ』
「おぉぉぉぉぉぉぉ……」
黒から純白になったモヤは、徐々に、徐々に形を成していく。
ただの『手』だったモヤが、ヒトの形に。
モヤが少しずつ塊になっていく。気体から固体に変わっていく。
骨、内蔵、血管、筋肉、血……ベルゼブブの目の前で、形を成していく。ベルゼブブは恍惚の表情でそれを見守っていた。
筋肉が形成され、皮膚、体毛が生え……ベッドの上には、一人の『人間』がいた。
「っぷっっはぁ……どう? ヒトになってる? 変になってない? 腕は二本、足も二本、顔……目は二つ、耳も二つ、鼻は一個……うん、ちゃんと人間だ!」
そこにいたのは、『少女』だった。
十六歳ほどの少女だった。純白の肌、真っ白なロングストレートヘア、空色の瞳。人形のような美しさの少女が、全裸のままベッドで横になる。
「む……胸、もっと大きくしとけばよかったな。はぁ~……やぁっと人間の『形』になれた。封印破ったはいいけど、まさか身体をバラバラにされて空気状にして保存されるなんてねぇ」
「主……」
「ま、なんとか封印破って身体を再構築できたけど……ねぇ、何年くらい経った?」
「あるじぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
「うわわっ!?」
ベルゼブブが泣き崩れた。
少女は驚き、ベッドからひっくり返ってしまう。
起き上がり、全裸のままベッドから降り、ベルゼブブに近づいてしゃがんだ。
「ありがとね。ベルゼブブのおかげで助かった」
「おっほぉぉぉぉぉぉ!! むぉったいないおことぶぁぁぁぁぁぁんんっ!!」
「うん。で、あれから何年くらい経った?」
「ふぅ……約五十年ほどですな」
「五十年……けっこう経ったねぇ」
「はい。主、お召し物をご用意します。食事の準備も整えておりますので」
「ん、ありがとね。じゃあ、ごはん食べながらいろいろ聞かせてよ」
こうして、魔帝ニュクス・アースガルズは復活した。
◇◇◇◇◇◇
白と青を基調とした服だった。
どこか騎士服のような堅苦しさだ。だが、ズボンではなくミニスカートで、可愛らしいブーツもセットになっている。腰近くまで伸びている髪は、青い髪留めで固定した。
シンは、その場でくるっと回る。
「いいじゃん。ベルゼブブ、センスあるね」
「ありがとうございます」
「それじゃ、次はごはんね」
「はっ」
シンは、ベルゼブブが用意した食事を食べる。
パン、スープ、野菜サラダ、鶏の照り焼き……シンプルだが、満足いく内容だった。
食後の紅茶を啜りながら、シンはベルゼブブにいろいろ質問していた。
「そっか。みんな死んじゃったのか……」
「はい。役立た……いえ、全員、魔帝様のために……全員ではないですが、命を捧げて復活に助力いたしました」
「うん。でも大丈夫、肉体は滅びても魂は生きている。あっちの世界で受肉すれば、また会えるよね」
「はい。その通りです」
アルフェンやウィルにやられた魔人は魂まで消滅した。だがベルゼブブは余計なことは言わない。
そして、シンは言った。
「ジャガーノートは?」
「……完全侵食を得て、意識は消滅したものと思われます。器の人間に同志は滅ぼされました」
「そっか……ふふ、完全侵食ね」
「……魔帝様?」
「いや、なんでもなーい。さーて、おなかいっぱいになったし行ってみよっか」
「え?……どちらへ?」
「もちろん、挨拶しに」
次の瞬間、シンの左手が巨大化した。
指先から肩までが異形と化す。だが、その異形はあまりにも神々しかった。
例えるなら純白の鎧。青いラインが走り、キラキラと輝いていた。
そして、シンの左半身は白く変色し、左の白目が赤く、瞳が黄金に輝いていた。
全てが、アルフェンと真逆だった。
「こ、これはまさか……」
「そ、あたしの魂には『ドレッドノート』がいるの。たぶんみんな知らないよねぇ~……あたしが世界で初めての『寄生型』なんてさ」
「おぉぉ……ドレッドノート」
「あはは。あたしは女王様とお呼び!!」
「はっ!! 女王様!!」
「いや冗談……ま、まぁいっか」
シンは、おもむろに左手を突き出す。
すると、空間がぐにゃりと歪み、大きな穴が開いた。
「じゃ、行くよ」
「え……ど、どちらへ?」
「いいから、ほらおいで」
「はっ!!」
魔帝の命令は絶対。
シンとベルゼブブは『穴』をくぐった。
一瞬の浮遊感が二人を包み、すぐに明るくなった。
そして、到着したのは───……。
「え……」
「到着っと。へぇ~……懐かしいなぁ」
「ま、魔帝様、ここ、は……」
そこは、豪華な装飾が施された空間だった。
絨毯、シャンデリア、壁画と全てが豪華絢爛。
その空間には、大勢の人間がいた。
いきなり現れたシンとベルゼブブに注目が集まる。
シンは、にっこり笑って言った。
「久しぶり、アースガルズ王国。あたしは帰ってきた」
そこは、アースガルズ王城・謁見の間。
壁際に並んでいるのは、二十一人の英雄たち。
王と謁見しているのは、此度の戦いで勝利をつかみ取ったS級召喚士。
今まさに、戦いの褒美を受け取っている最中だった。
「な……え、だ、誰だ?」
そう声を発したのは、アルフェンだった。
シンを見た瞬間───……。
「───あ、っづぅ!?」
右目が焼けるように熱くなった。
アルフェンの右目が『第三の瞳』に代わる。
「ああ、見つけた……ジャガーノート、そこだね?」
アルフェンの右目と、シンの左目が合わさった。
アルフェンは瞬間的に構え、右腕を変化させた。
シンもまた、左腕を巨大化させる。
「ふふ、王と女王、右と左、青と赤、黒と白、男と女……あたしときみ、どこまでも対照的だね」
「なっ……お、お前」
「初めまして。あたしの名前はニュクス・アースガルズ……あなたたちが魔帝と呼ぶ存在よ」
こうして、アルフェンとシンは出会った。出会ってしまった。
『暴食』の魔人アベルは、人間を舐めて滅ぼされた。
『傲慢』の魔人ヒュブリスは、表に出過ぎて討伐された。
『嫉妬』の魔人レイヴィニアは、あっけなく降伏した。
『怠惰』の魔人ニスロクは、最初からやる気がなかったように見えた。
『憤怒』の魔人オウガは、ジャガーノートに敗北した。
新たな『嫉妬』の魔人バハムートは、幼稚な戦法で敗北した。
新たな『怠惰』の魔人ミドガルズオルムは、やはりジャガーノートに敗北した。
『色欲』の魔人フロレンティアは、調子に乗りすぎて敗北した。
『暴喰』の魔人テュポーンは、最初から失敗作だった。
残されたのは、『強欲』の魔人ベルゼブブ。
ベルゼブブは、仲間の死などどうでもいいのか、上機嫌で紅茶の支度をしていた。
「ふんふんふ~~~ん♪ ふふふふふん、ふんふ~ん♪」
鼻歌を謳い、お湯を沸かし、仕入れてきた高級茶葉の香りを嗅ぐ。
「認めなければなりませんね……人間の食文化は素晴らしい」
とある隠れ家にて、ベルゼブブは思う。
「さて。お茶の支度もできました。いざ主の元へ!!」
頭にあるのはつねに『主』のこと。
つまり、完全復活が近い『魔帝ニュクス・アースガルズ』だ。
ベルゼブブは、ティーカートを押してニュクス・アースガルズの寝室へ。
そこは、巨大なベッドだけがある『広すぎる部屋』だ。天井は高さ百メートルを超え、部屋の広さも村一つすっぽり入る大きさだ。
ベルゼブブは、ティーカートを押してベッドの傍へ。
「我が主。お茶の支度ができました」
優雅に一礼するベルゼブブ。
執事服が異様に似合うベルゼブブ。この服を着ているのは、従者は主に付き従う存在で、この服は正装だと知ったからだ。衣服という文化を生んだ人間は素晴らしい、それは認めなければならなかった。
ベッドの上には、黒いモヤが漂っている。
モヤは《手》のような形になり、ベルゼブブが用意した紅茶を包み込む。すると、紅茶は綺麗さっぱり消えていた。
「もう間もなく、ですね」
モヤがベルゼブブの周りを漂う。
そして、黒いモヤが灰色になり───白くなった。
「お、おおお!? ま、まさか……まさか、主!?」
『…………イ、け。ルか、モ』
「おぉぉぉぉぉぉぉ……」
黒から純白になったモヤは、徐々に、徐々に形を成していく。
ただの『手』だったモヤが、ヒトの形に。
モヤが少しずつ塊になっていく。気体から固体に変わっていく。
骨、内蔵、血管、筋肉、血……ベルゼブブの目の前で、形を成していく。ベルゼブブは恍惚の表情でそれを見守っていた。
筋肉が形成され、皮膚、体毛が生え……ベッドの上には、一人の『人間』がいた。
「っぷっっはぁ……どう? ヒトになってる? 変になってない? 腕は二本、足も二本、顔……目は二つ、耳も二つ、鼻は一個……うん、ちゃんと人間だ!」
そこにいたのは、『少女』だった。
十六歳ほどの少女だった。純白の肌、真っ白なロングストレートヘア、空色の瞳。人形のような美しさの少女が、全裸のままベッドで横になる。
「む……胸、もっと大きくしとけばよかったな。はぁ~……やぁっと人間の『形』になれた。封印破ったはいいけど、まさか身体をバラバラにされて空気状にして保存されるなんてねぇ」
「主……」
「ま、なんとか封印破って身体を再構築できたけど……ねぇ、何年くらい経った?」
「あるじぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
「うわわっ!?」
ベルゼブブが泣き崩れた。
少女は驚き、ベッドからひっくり返ってしまう。
起き上がり、全裸のままベッドから降り、ベルゼブブに近づいてしゃがんだ。
「ありがとね。ベルゼブブのおかげで助かった」
「おっほぉぉぉぉぉぉ!! むぉったいないおことぶぁぁぁぁぁぁんんっ!!」
「うん。で、あれから何年くらい経った?」
「ふぅ……約五十年ほどですな」
「五十年……けっこう経ったねぇ」
「はい。主、お召し物をご用意します。食事の準備も整えておりますので」
「ん、ありがとね。じゃあ、ごはん食べながらいろいろ聞かせてよ」
こうして、魔帝ニュクス・アースガルズは復活した。
◇◇◇◇◇◇
白と青を基調とした服だった。
どこか騎士服のような堅苦しさだ。だが、ズボンではなくミニスカートで、可愛らしいブーツもセットになっている。腰近くまで伸びている髪は、青い髪留めで固定した。
シンは、その場でくるっと回る。
「いいじゃん。ベルゼブブ、センスあるね」
「ありがとうございます」
「それじゃ、次はごはんね」
「はっ」
シンは、ベルゼブブが用意した食事を食べる。
パン、スープ、野菜サラダ、鶏の照り焼き……シンプルだが、満足いく内容だった。
食後の紅茶を啜りながら、シンはベルゼブブにいろいろ質問していた。
「そっか。みんな死んじゃったのか……」
「はい。役立た……いえ、全員、魔帝様のために……全員ではないですが、命を捧げて復活に助力いたしました」
「うん。でも大丈夫、肉体は滅びても魂は生きている。あっちの世界で受肉すれば、また会えるよね」
「はい。その通りです」
アルフェンやウィルにやられた魔人は魂まで消滅した。だがベルゼブブは余計なことは言わない。
そして、シンは言った。
「ジャガーノートは?」
「……完全侵食を得て、意識は消滅したものと思われます。器の人間に同志は滅ぼされました」
「そっか……ふふ、完全侵食ね」
「……魔帝様?」
「いや、なんでもなーい。さーて、おなかいっぱいになったし行ってみよっか」
「え?……どちらへ?」
「もちろん、挨拶しに」
次の瞬間、シンの左手が巨大化した。
指先から肩までが異形と化す。だが、その異形はあまりにも神々しかった。
例えるなら純白の鎧。青いラインが走り、キラキラと輝いていた。
そして、シンの左半身は白く変色し、左の白目が赤く、瞳が黄金に輝いていた。
全てが、アルフェンと真逆だった。
「こ、これはまさか……」
「そ、あたしの魂には『ドレッドノート』がいるの。たぶんみんな知らないよねぇ~……あたしが世界で初めての『寄生型』なんてさ」
「おぉぉ……ドレッドノート」
「あはは。あたしは女王様とお呼び!!」
「はっ!! 女王様!!」
「いや冗談……ま、まぁいっか」
シンは、おもむろに左手を突き出す。
すると、空間がぐにゃりと歪み、大きな穴が開いた。
「じゃ、行くよ」
「え……ど、どちらへ?」
「いいから、ほらおいで」
「はっ!!」
魔帝の命令は絶対。
シンとベルゼブブは『穴』をくぐった。
一瞬の浮遊感が二人を包み、すぐに明るくなった。
そして、到着したのは───……。
「え……」
「到着っと。へぇ~……懐かしいなぁ」
「ま、魔帝様、ここ、は……」
そこは、豪華な装飾が施された空間だった。
絨毯、シャンデリア、壁画と全てが豪華絢爛。
その空間には、大勢の人間がいた。
いきなり現れたシンとベルゼブブに注目が集まる。
シンは、にっこり笑って言った。
「久しぶり、アースガルズ王国。あたしは帰ってきた」
そこは、アースガルズ王城・謁見の間。
壁際に並んでいるのは、二十一人の英雄たち。
王と謁見しているのは、此度の戦いで勝利をつかみ取ったS級召喚士。
今まさに、戦いの褒美を受け取っている最中だった。
「な……え、だ、誰だ?」
そう声を発したのは、アルフェンだった。
シンを見た瞬間───……。
「───あ、っづぅ!?」
右目が焼けるように熱くなった。
アルフェンの右目が『第三の瞳』に代わる。
「ああ、見つけた……ジャガーノート、そこだね?」
アルフェンの右目と、シンの左目が合わさった。
アルフェンは瞬間的に構え、右腕を変化させた。
シンもまた、左腕を巨大化させる。
「ふふ、王と女王、右と左、青と赤、黒と白、男と女……あたしときみ、どこまでも対照的だね」
「なっ……お、お前」
「初めまして。あたしの名前はニュクス・アースガルズ……あなたたちが魔帝と呼ぶ存在よ」
こうして、アルフェンとシンは出会った。出会ってしまった。
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