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第213話、真実と【暴食】
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『気ぃつけろ相棒……さっきも言ったが、ありゃ強い弱いの次元じゃねぇ。戦うとか以前の問題だ』
カドゥケウスは、フリアエの背後にある巨大な肉塊をそう言った。
ライトはカドゥケウスを構え、肉塊を見つめるフリアエに質問する。
「一応聞いておく。素直に謝れば……少しだけ手加減してぶちのめしてやる」
『なんだそりゃ』
「うるさい。お前は黙ってろ……で、どうする?」
殺気を込めて睨むが、フリアエはまるで意に介していない。
そして、ようやくライトを見た。
「あの時泣いていた子がこんなに強くなって……ふふ」
ライトはフリアエに発砲した。
だが、銃弾は肉塊から伸びた肉の触手があっさり弾く。まるでフリアエを守るかのように。
「ああ、お母様……私を守ってくれたの? ありがとう!!」
「……お母様だと?」
「そう!!」
フリアエの目は、少女のように輝いていた。
「異世界の人間であるレイジの肉や臓器を使って器を作り、私自身に宿らせた最高のギフト……《女神転生》を使ってお母様の魂を呼び出して定着させた。もうすぐ、もうすぐお母様が蘇るの!!」
「…………」
「人間から信仰心を集めて、ギフトをばら撒いて、同胞を利用して……ようやく、ようやく、ようやく!! あと少しで復活する!!」
『おいおい、お前の仲間を利用したことはいいのかよ? お母様が復活しても娘を生贄に復活したって知ったら悲しむんじゃねーの?』
「そんなの些細なことだわ。魔神のあなたにはわからないでしょうけど、お母様が死んでみんな悲しんだのよ? 神界ではお母様を蘇らせようといろんな女神が躍起になった……でも、私たち女神は人間から信仰心を得ないとろくに力を振るえない。だから人間たちの前に姿を現して、ギフトをばら撒いて……ああ、大変だったわぁ。でも、お母様が復活すれば女神のみんなも喜んでくれる。ラスラヌフ、リリティアには申し訳ないけど……」
『…………』
女神フリアエは、こんなにも明るく劇場的な喋り方をするのか。ライトは驚きつつも銃口を向ける。
でも───カドゥケウスは違った。
『く、っくく……だ、だめだ。ああもう、笑わせてくれる』
「……カドゥケウス? どうした」
『いやぁ……実はオレ、すっげぇこと知ってるんだよね。他の【大罪】共も知らない。オレだけしか知らない最ッッッ高に爆笑モンの秘密』
カドゥケウスは、堪えきれないようだった。
ライトも意味がわからない。
『なぁ女神フリアエ、少しオレと話をしようや。っくく、ああもう、おもしれぇ』
「……なに? その嗤い声、癪に障る」
『へへ、女神サマ復活まで時間がある。相棒も付き合ってくれや』
「…………」
カドゥケウスは、ライトに確認するように語る。
『そもそも、なんで母なる女神テレサが死んだと思う?』
「…………」
ライトは黙り、フリアエも黙ってしまう。
カドゥケウスの語りを止める気にはなれなかった。
『ケケケ……なぁ相棒、女神のいる神界に母なる神がいるように、オレらの住む魔界にもいるんだよ。『業』の神デモンっつー、とんでもねぇ神がな』
「話が飛んだな……それがどうしたんだよ」
『わかんねーか? 母なる女神テレサが死んだ理由は、業の神デモンが関わってるんだよ。そして他の大罪連中が知らず、オレだけが知ってる事実もここにある』
「お前、何が言いたいんだ?」
『いいか、相棒もフリアエもよーく聞け。その醜い肉の塊にいるのは母なる女神テレサじゃねぇ』
「「え……」」
ライトとフリアエは同時に驚いた。
まだ、カドゥケウスの話は続く。
『オレがここにいる真の理由。それはな、その肉塊を喰らうためだ』
「お、お前……何を」
『あー、ようやく言えた。悪いな相棒、オレが楽しみたいって理由だけで、おめーまでずっと騙してたぜ』
「…………」
「わ、わけわからない……あなた、狂ってるの? これがお母様じゃないって……あ、あなたにそんなことわかるわけ」
『わかるんだよ。つーかさ……母なる女神テレサは生きてるぜ』
「「……は?」」
またもや、ライトとフリアエは同時に驚く。
『はぁぁ……ネタバレすんのめっちゃ楽しい』
「おい!! ちゃんと話せ。さっきから要領を得ないことばっかり言いやがって」
『はいはい』
もはや、カドゥケウスの独壇場だった。
◇◇◇◇◇◇
『ぶっちゃけると、母なる女神テレサと業の神デモンはデキてやがったんだよ。愛だ愛。これを聞いたときにはブッとびそうだったがね』
「「…………は?」」
『んで、テレサはデモンと一緒になるために神界で死んで魔界で転生した。女神が死ぬと魂は消滅しちまうが、消滅する寸前でデモンがテレサの魂を魔界に引き込んだのさ……まぁ、そんなことしたらデモンもタダじゃ済まねぇが、テレサのために命かけちまってなぁ……』
「「…………」」
『んでんで、晴れて魔界に転生したデモンとテレサはイチャコライチャイチャ……神界で女神フリアエがお母様お母様って泣いてることも知らずにな。おめーが人間界でギフトばら撒いてるって気付いていろいろ調べて察したのさ。信仰心集めて女神テレサを復活させようとしてるってな』
「「…………」」
『テレサとデモンは悩みに悩んでオレに相談したのさ。フリアエのやろうとしてることは失敗する。そんときに出る肉塊を放置すれば人間界は滅びちまうかもしれねぇ、【暴食】のオレに喰って欲しいってな』
「「…………」」
『いろいろ言われたけど了承した。条件として他の大罪連中も人間界へ送ること、肉塊を喰ってやるけどオレの好きにさせることを条件にな。へへ、おかげですっげぇ楽しい冒険ができたぜ』
「「…………」」
つまり、カドゥケウスは……最初から知っていた。
これまでの戦いも、カドゥケウスにとっては参加型の劇場。役者として振舞い、観客として傍観……他の大罪神器も巻き込み、好き勝手やってたのだ。
大罪神器【暴食】カドゥケウス・グラトニー。
ずっと、味方だと……仲間だと思っていた。
だが、こいつは……正真正銘の悪魔だった。
カドゥケウスは、フリアエの背後にある巨大な肉塊をそう言った。
ライトはカドゥケウスを構え、肉塊を見つめるフリアエに質問する。
「一応聞いておく。素直に謝れば……少しだけ手加減してぶちのめしてやる」
『なんだそりゃ』
「うるさい。お前は黙ってろ……で、どうする?」
殺気を込めて睨むが、フリアエはまるで意に介していない。
そして、ようやくライトを見た。
「あの時泣いていた子がこんなに強くなって……ふふ」
ライトはフリアエに発砲した。
だが、銃弾は肉塊から伸びた肉の触手があっさり弾く。まるでフリアエを守るかのように。
「ああ、お母様……私を守ってくれたの? ありがとう!!」
「……お母様だと?」
「そう!!」
フリアエの目は、少女のように輝いていた。
「異世界の人間であるレイジの肉や臓器を使って器を作り、私自身に宿らせた最高のギフト……《女神転生》を使ってお母様の魂を呼び出して定着させた。もうすぐ、もうすぐお母様が蘇るの!!」
「…………」
「人間から信仰心を集めて、ギフトをばら撒いて、同胞を利用して……ようやく、ようやく、ようやく!! あと少しで復活する!!」
『おいおい、お前の仲間を利用したことはいいのかよ? お母様が復活しても娘を生贄に復活したって知ったら悲しむんじゃねーの?』
「そんなの些細なことだわ。魔神のあなたにはわからないでしょうけど、お母様が死んでみんな悲しんだのよ? 神界ではお母様を蘇らせようといろんな女神が躍起になった……でも、私たち女神は人間から信仰心を得ないとろくに力を振るえない。だから人間たちの前に姿を現して、ギフトをばら撒いて……ああ、大変だったわぁ。でも、お母様が復活すれば女神のみんなも喜んでくれる。ラスラヌフ、リリティアには申し訳ないけど……」
『…………』
女神フリアエは、こんなにも明るく劇場的な喋り方をするのか。ライトは驚きつつも銃口を向ける。
でも───カドゥケウスは違った。
『く、っくく……だ、だめだ。ああもう、笑わせてくれる』
「……カドゥケウス? どうした」
『いやぁ……実はオレ、すっげぇこと知ってるんだよね。他の【大罪】共も知らない。オレだけしか知らない最ッッッ高に爆笑モンの秘密』
カドゥケウスは、堪えきれないようだった。
ライトも意味がわからない。
『なぁ女神フリアエ、少しオレと話をしようや。っくく、ああもう、おもしれぇ』
「……なに? その嗤い声、癪に障る」
『へへ、女神サマ復活まで時間がある。相棒も付き合ってくれや』
「…………」
カドゥケウスは、ライトに確認するように語る。
『そもそも、なんで母なる女神テレサが死んだと思う?』
「…………」
ライトは黙り、フリアエも黙ってしまう。
カドゥケウスの語りを止める気にはなれなかった。
『ケケケ……なぁ相棒、女神のいる神界に母なる神がいるように、オレらの住む魔界にもいるんだよ。『業』の神デモンっつー、とんでもねぇ神がな』
「話が飛んだな……それがどうしたんだよ」
『わかんねーか? 母なる女神テレサが死んだ理由は、業の神デモンが関わってるんだよ。そして他の大罪連中が知らず、オレだけが知ってる事実もここにある』
「お前、何が言いたいんだ?」
『いいか、相棒もフリアエもよーく聞け。その醜い肉の塊にいるのは母なる女神テレサじゃねぇ』
「「え……」」
ライトとフリアエは同時に驚いた。
まだ、カドゥケウスの話は続く。
『オレがここにいる真の理由。それはな、その肉塊を喰らうためだ』
「お、お前……何を」
『あー、ようやく言えた。悪いな相棒、オレが楽しみたいって理由だけで、おめーまでずっと騙してたぜ』
「…………」
「わ、わけわからない……あなた、狂ってるの? これがお母様じゃないって……あ、あなたにそんなことわかるわけ」
『わかるんだよ。つーかさ……母なる女神テレサは生きてるぜ』
「「……は?」」
またもや、ライトとフリアエは同時に驚く。
『はぁぁ……ネタバレすんのめっちゃ楽しい』
「おい!! ちゃんと話せ。さっきから要領を得ないことばっかり言いやがって」
『はいはい』
もはや、カドゥケウスの独壇場だった。
◇◇◇◇◇◇
『ぶっちゃけると、母なる女神テレサと業の神デモンはデキてやがったんだよ。愛だ愛。これを聞いたときにはブッとびそうだったがね』
「「…………は?」」
『んで、テレサはデモンと一緒になるために神界で死んで魔界で転生した。女神が死ぬと魂は消滅しちまうが、消滅する寸前でデモンがテレサの魂を魔界に引き込んだのさ……まぁ、そんなことしたらデモンもタダじゃ済まねぇが、テレサのために命かけちまってなぁ……』
「「…………」」
『んでんで、晴れて魔界に転生したデモンとテレサはイチャコライチャイチャ……神界で女神フリアエがお母様お母様って泣いてることも知らずにな。おめーが人間界でギフトばら撒いてるって気付いていろいろ調べて察したのさ。信仰心集めて女神テレサを復活させようとしてるってな』
「「…………」」
『テレサとデモンは悩みに悩んでオレに相談したのさ。フリアエのやろうとしてることは失敗する。そんときに出る肉塊を放置すれば人間界は滅びちまうかもしれねぇ、【暴食】のオレに喰って欲しいってな』
「「…………」」
『いろいろ言われたけど了承した。条件として他の大罪連中も人間界へ送ること、肉塊を喰ってやるけどオレの好きにさせることを条件にな。へへ、おかげですっげぇ楽しい冒険ができたぜ』
「「…………」」
つまり、カドゥケウスは……最初から知っていた。
これまでの戦いも、カドゥケウスにとっては参加型の劇場。役者として振舞い、観客として傍観……他の大罪神器も巻き込み、好き勝手やってたのだ。
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だが、こいつは……正真正銘の悪魔だった。
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