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クミのビジネス状況
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「すごい!」
クミは「元気の家」2階にある6畳と、かつての石造り四畳部屋、オプションとして「鉄扉と鉄格子、外には見張り兵」付きからグレードアップ?を果たした自室で、4月の2週間分の売り上げをまとめた資料を見る。
「マジか……こんなに売り上げてるなんて……」
次第に頭で理解してくると資料を持つ両手が震える。
「全部、ギャンブ……」
一瞬、とんでもない方向へと行き出した自身の思考を顔を叩き方向修正……
「ばかやろう!私だけの金じゃねえんだぞ!危なかったぜぇ……それにしても食堂「元気の家」はともかくとして、BAR「スミス」の店長と歯なしおっちゃんとノリで始めた事業がこうもうまくいくとは……」
クミは夜の街案内屋「導き」と書かれた計上表の入った封筒を見る。
あれは4月になって久しぶりに1人で飲みに行った時のことじゃったぁ……
「グハハハ!今日は俺の勝ちだぜ!」
ポーカーに勝利した歯なしおっちゃんは機嫌良く金貨を持っていく。
「何言ってんだよ!その前に3回負けてんだろうが!一回勝ったくらいで調子に乗るんじゃねぇ!」
調子に乗る歯なしおっちゃんに私はキレる。
「ははは!最後に大勝ちしたからわしの勝ちだ!だーははは!!ほれほれ!金貨100枚だぞぅ!」
金貨の入った袋を目の前でちらつかせてくるおっちゃん。
くそぅ……とんでもなく!果てしなーく!歳の離れた私をいじめて楽しみやがって!
「くそー!マスター!イチゴミルク!」
「かしこまりました」
マスターはイチゴの小さなつぶつぶや果肉が入らないように潰しようにこして、牛乳と混ぜて氷の入ったワインプラスへと注ぐ。
最後にミントの葉を添えて他の高級カクテルと差が出ないようにしてくれる。
マスター……優しすぎるだろぅ!涙が出てくるぜ!
それに負けた時は私がお酒を飲まないのを察して素早く提供してくれる。
惚れてしまうだろぅ!
私は心で叫びながら、店の雰囲気にあったお淑やかにイチゴミルクを飲む。
「んー!美味しい!」
相変わらずの美味しさに感動する。
それから……
「まず、このミルクの甘みや脂肪分によるコクを損なわないようにいちごの果汁と混ぜ合わせる技術……」
いつものように味の感想を伝える。
「そして混ぜることにより空気が含まれ柔らかい舌触りにもなる。さらにドリンクの滑らかさを損なわないように異物となる果肉やつぶつぶを一切混入させずに仕上げる」
私はイチゴミルクを掲げて
「マスター……最高の一杯をありがとう」
と、お礼を言う。
「恐悦至極にございます」
胸に右手を当ててお辞儀をするマスター。
「……ぷっ!あははは!ありがとう!マスター!私のお嬢様ごっこに付き合ってくれて!」
「いえいえ……私も楽しいので付き合っているだけですよ」
好好じぃのマスター。
孫になりてぇ!今度申し込んでみるかな?
「ああ……しかし、クミってすげえよな。お前のおかげですっかり客の減っていた「夜街」にも客が来るようになったよな。しかも、全部お前の知り合いと来たもんだ」
虹が好きな歯なしおっちゃんはレインボーカクテルを片手にカウンター席に座る私の隣へとやってきて話しながら座る。
「そうですね。みなさん。クミさんと飲むのが楽しいと会いにやってきている人もいるそうですしね」
普段は客と喋らずに無口に徹するマスターだが、クミと話すのが楽しくて会話へと参加する。
「ふーん……ただ肩組んで酒飲んで騒いで、気がついたら路上で寝たりしてるだけなんだけどなぁ」
私は何がそんなに他と違うのかわからずに頭を傾げる。
「分け隔てなくだからじゃねえか?この前、お前が肩組んで頭を叩いた奴」
「んあ?そんな奴いたっけ?」
「覚えてねぇのかよ!……たく、そいつだけどな……なんと!」
もったいぶる歯なしおっちゃん。
なんだよ!気になるだろ!
「ふふーん!どうしよっかなぁ」
「なんだよ!早く言えよ!天辺ハゲ!」
「お前な……これでもA級冒険者だぞ?そんな俺に向かって……」
「いや。知らんて!それより早く言えよ!頭頂部ハゲ!」
そんな私とおっちゃんのやりとりを見て笑う客とマスター。
なんだよ?何がそんなに面白いんだ?
「ははは……そう言う飾らないところなんでしょうね。みんながクミさんと飲みたいと思うのは」
微笑むマスター。
ん?ただ思ったことを言ってるだけだぞ?
「はぁ……お前が頭を叩いていた奴な。ギルドの副グランドマスターだ……今日も来てるぞ?」
ポーカーを席を指差すおっちゃん。
「いや。どれ?」
「どれって……真ん中のハゲたおっさん」
「ん?……ああ。同族じゃん」
「お前……もう良いわ」
ポーカーの席の真ん中の人……どっかで見た覚えがあるな……
「……あ!冒険者登録した時に受付してくれたおじさんじゃん!」
「ん?知り合いなのか?」
「ああ。ちょっとしたね」
おっちゃんに答えておく。
そうか。あの時のおじさんがねぇ……
「……なぁ、思うんだが、そんなにお前と飲みたい奴がいるなら週一でこの店を使ってみんなでどんちゃん騒ぎするってのはどうだ?飲みながら楽しく金を稼ぐ!」
歯なしおっちゃんが提案してくる。
「……おお!やる!楽しそうじゃん!みんなも不幸にならないし!いいじゃん!」
おっちゃんのナイスな提案に席から風で浮かび上がり店内を飛び回る。
うっへーい!きっもちいいー!
「マスターどうだ?」
おっちゃんがマスターに聞く。
「……」
マスターは答えない。
「マスター!お願い!楽しそうじゃん!」
今度は宙に浮きながら私がマスターにお願いする。
「ええ。いいですよ」
マスターは笑って了承してくれる。
「うっほーい!やったー!」
「ははは…いい笑顔ですね」
こうして、クミと飲む!はっちゃけ事業は始まり、管理はマスターに任せて、私は集まった客と酒を飲んで騒いで酔い潰れるだけ。
「だから、全然記憶がなくてどのくらい売り上げてたか知らなかったけど……
まだ2回しか開催してないのに金貨50枚……マスターってすげえ経営者だな」
私の頭にマスターの顔が浮かぶ。
「ははは。そんなことないですよ」
と笑うマスターの顔が……
クミは「元気の家」2階にある6畳と、かつての石造り四畳部屋、オプションとして「鉄扉と鉄格子、外には見張り兵」付きからグレードアップ?を果たした自室で、4月の2週間分の売り上げをまとめた資料を見る。
「マジか……こんなに売り上げてるなんて……」
次第に頭で理解してくると資料を持つ両手が震える。
「全部、ギャンブ……」
一瞬、とんでもない方向へと行き出した自身の思考を顔を叩き方向修正……
「ばかやろう!私だけの金じゃねえんだぞ!危なかったぜぇ……それにしても食堂「元気の家」はともかくとして、BAR「スミス」の店長と歯なしおっちゃんとノリで始めた事業がこうもうまくいくとは……」
クミは夜の街案内屋「導き」と書かれた計上表の入った封筒を見る。
あれは4月になって久しぶりに1人で飲みに行った時のことじゃったぁ……
「グハハハ!今日は俺の勝ちだぜ!」
ポーカーに勝利した歯なしおっちゃんは機嫌良く金貨を持っていく。
「何言ってんだよ!その前に3回負けてんだろうが!一回勝ったくらいで調子に乗るんじゃねぇ!」
調子に乗る歯なしおっちゃんに私はキレる。
「ははは!最後に大勝ちしたからわしの勝ちだ!だーははは!!ほれほれ!金貨100枚だぞぅ!」
金貨の入った袋を目の前でちらつかせてくるおっちゃん。
くそぅ……とんでもなく!果てしなーく!歳の離れた私をいじめて楽しみやがって!
「くそー!マスター!イチゴミルク!」
「かしこまりました」
マスターはイチゴの小さなつぶつぶや果肉が入らないように潰しようにこして、牛乳と混ぜて氷の入ったワインプラスへと注ぐ。
最後にミントの葉を添えて他の高級カクテルと差が出ないようにしてくれる。
マスター……優しすぎるだろぅ!涙が出てくるぜ!
それに負けた時は私がお酒を飲まないのを察して素早く提供してくれる。
惚れてしまうだろぅ!
私は心で叫びながら、店の雰囲気にあったお淑やかにイチゴミルクを飲む。
「んー!美味しい!」
相変わらずの美味しさに感動する。
それから……
「まず、このミルクの甘みや脂肪分によるコクを損なわないようにいちごの果汁と混ぜ合わせる技術……」
いつものように味の感想を伝える。
「そして混ぜることにより空気が含まれ柔らかい舌触りにもなる。さらにドリンクの滑らかさを損なわないように異物となる果肉やつぶつぶを一切混入させずに仕上げる」
私はイチゴミルクを掲げて
「マスター……最高の一杯をありがとう」
と、お礼を言う。
「恐悦至極にございます」
胸に右手を当ててお辞儀をするマスター。
「……ぷっ!あははは!ありがとう!マスター!私のお嬢様ごっこに付き合ってくれて!」
「いえいえ……私も楽しいので付き合っているだけですよ」
好好じぃのマスター。
孫になりてぇ!今度申し込んでみるかな?
「ああ……しかし、クミってすげえよな。お前のおかげですっかり客の減っていた「夜街」にも客が来るようになったよな。しかも、全部お前の知り合いと来たもんだ」
虹が好きな歯なしおっちゃんはレインボーカクテルを片手にカウンター席に座る私の隣へとやってきて話しながら座る。
「そうですね。みなさん。クミさんと飲むのが楽しいと会いにやってきている人もいるそうですしね」
普段は客と喋らずに無口に徹するマスターだが、クミと話すのが楽しくて会話へと参加する。
「ふーん……ただ肩組んで酒飲んで騒いで、気がついたら路上で寝たりしてるだけなんだけどなぁ」
私は何がそんなに他と違うのかわからずに頭を傾げる。
「分け隔てなくだからじゃねえか?この前、お前が肩組んで頭を叩いた奴」
「んあ?そんな奴いたっけ?」
「覚えてねぇのかよ!……たく、そいつだけどな……なんと!」
もったいぶる歯なしおっちゃん。
なんだよ!気になるだろ!
「ふふーん!どうしよっかなぁ」
「なんだよ!早く言えよ!天辺ハゲ!」
「お前な……これでもA級冒険者だぞ?そんな俺に向かって……」
「いや。知らんて!それより早く言えよ!頭頂部ハゲ!」
そんな私とおっちゃんのやりとりを見て笑う客とマスター。
なんだよ?何がそんなに面白いんだ?
「ははは……そう言う飾らないところなんでしょうね。みんながクミさんと飲みたいと思うのは」
微笑むマスター。
ん?ただ思ったことを言ってるだけだぞ?
「はぁ……お前が頭を叩いていた奴な。ギルドの副グランドマスターだ……今日も来てるぞ?」
ポーカーを席を指差すおっちゃん。
「いや。どれ?」
「どれって……真ん中のハゲたおっさん」
「ん?……ああ。同族じゃん」
「お前……もう良いわ」
ポーカーの席の真ん中の人……どっかで見た覚えがあるな……
「……あ!冒険者登録した時に受付してくれたおじさんじゃん!」
「ん?知り合いなのか?」
「ああ。ちょっとしたね」
おっちゃんに答えておく。
そうか。あの時のおじさんがねぇ……
「……なぁ、思うんだが、そんなにお前と飲みたい奴がいるなら週一でこの店を使ってみんなでどんちゃん騒ぎするってのはどうだ?飲みながら楽しく金を稼ぐ!」
歯なしおっちゃんが提案してくる。
「……おお!やる!楽しそうじゃん!みんなも不幸にならないし!いいじゃん!」
おっちゃんのナイスな提案に席から風で浮かび上がり店内を飛び回る。
うっへーい!きっもちいいー!
「マスターどうだ?」
おっちゃんがマスターに聞く。
「……」
マスターは答えない。
「マスター!お願い!楽しそうじゃん!」
今度は宙に浮きながら私がマスターにお願いする。
「ええ。いいですよ」
マスターは笑って了承してくれる。
「うっほーい!やったー!」
「ははは…いい笑顔ですね」
こうして、クミと飲む!はっちゃけ事業は始まり、管理はマスターに任せて、私は集まった客と酒を飲んで騒いで酔い潰れるだけ。
「だから、全然記憶がなくてどのくらい売り上げてたか知らなかったけど……
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