聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!

さくしゃ

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エマユリ人類最強化計画!② とにかく振るベシ!

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 その後、朝食を食べ、座学でグレース先生の緑のパンツに吐き気を覚えながら、迎えた午後の実技。
 
 他のみんなは素振り3000回に対して、エマとユリは10000回!

 「私たちにやらせるならお前もやれ」

 木剣を渡された私は、2人と仲良く素振り。

 「ふっ!ふっ!ふっ!」

 素振りだけは省エネモードでいくらでも振れる。

 「なんでだ?走る体力は私たちより全然ないのに素振りだけは私たちより速いし持久力もあるし」

 私の隣で5000回目に到達したエマが素振りを続けながら聞いてくる。

 「それはね。鍛錬の先に手にするいわば成熟という「サボり」ができているからだよ」
 「なるほど……それくらいになるまで振り続ければ最強ってことか」
 「そういうこと」

 エマは納得した面持ちで素振りへと戻っていく。

 現在素振りを初めて10分……

 「6000!」
 「5500!」

 予想以上に早い成長を見せてくれる2人……
私が10分で6000回を振れるようになるまで3歳から始めさせられてから2年かかった。

化け物すぎるぞ。2人とも……

 「くおおお!負けてられるかぁ!
さらに一万回じゃぁ!」

 師匠のメンツを保つために頑張る!しかし、腕がやばい!まじで上がらない!そこで

 「風魔法ーーーー疾風の奏者」

 神龍との対決からひっそりと訓練していた魔法を披露。
 風がわたしの体の周りに集まり、勝手に体を動かしてくれる。

 「……あれ?なんか、急に魔力が……」

 日頃から魔力訓練を怠らないユリだけが勘づく。

 ええ!ほとんど自然の風と変わらないようにしてんのに!この微弱な魔力を感じ取れるようになっていたとは!もはや魔法の分野においてはA級並み……

 「師匠冥利に尽きるぜ」

 弟子の成長が心から嬉しい私。

 「けど、今じゃねぇ!」

 私の師匠としての威厳が損なわれる!

 「ちくしょう!バレるわけにはいかねぇ!」

 私はユリにバレる前に風の魔力を解く。

 「こうなったらやけじゃあ!やったらぁぁ!」

 朝の走り込みによる筋肉痛と素振り一万回によって本来ならもはや上がらない腕を根性でなんとか振るう。

 「ぐおおお!」
 
 そんな気合の入った私に触発される周りのクラスメート達……

 「すごい!お金が絡んでないのに!」
 「珍しくやる気を出してる!」
 「私達も負けてられないわね!」

 エマやユリ、その他のみんなのやる気が向上、

 「クミに続け!やり切るぞ!みんなぁ!」
 「おお!」

 私を中心にみんなで一つにまとまった連帯感……友情…すばら

 「全然素晴らしくねぇ!急にやる気を見せんじゃねぇ!」

 私の腕がぁぁ!

 しかし、私にもプライドがある!

 「うおおおお!」

 1時間後……

 「な、南無ぅぅぅ……」

 私、倒れた。

 そして、次の日の小テスト……

 ほふく前進でなんとか学校へ向かった。

 「か、体が動かねェェ!!」

 なんとか席に腰掛けだが、ペンが持てない!

 夏休み、ビーチで待つ水着美女天国!

 「絶対に諦めるわけにはいかね……南無ぅぅ」

 力を振り絞ったが、ダメだった。

 私の水着美女天国がぁぁ!
補習になってしまうぅぅ!

 ちなみに、エマとユリは強化する必要などおこがましいほどたくましく育ってました。

 「ぐおおお!くそ!この俺がこんな少女達に負けるなんて!」

 2人とも単独でA級冒険者のクラウドを倒しちゃいました。

 なお、クラウドのメンタルは、

 「南無ぅぅ」

 しました。
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