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25、兄弟の不仲
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ニナリアの鋭い目つきを見てアレンは結婚式の日のことを思い出した。あの時と同じでニナリアの目はギラリとしている。ニナリアが唯一侯爵に似ているところは、この目つきだなと思った。
(侯爵はニナリアを呼び戻すつもりだから、黒幕は侯爵ではないな。
メイド長がニナリアにそこまでする理由はなんだ?)
(ニナリアは心当たりがありそうだが……。あの目を見ると、俺には話す気がないようだ)
アレンは続けて尋問した。
「毒はまだあるのか?」
『あります。城のメイドの部屋に置いてきました。一番奥の部屋です』
「捜せ」
アレンは騎士に命令した。騎士が一人出て行く。ニナリアはスーザンの行動に驚いた。
(メイドの部屋に忍び込むなんて、大胆な)
「メイド長の他に、このことを知っている者はいるのか?」
『メイド長以外は分かりません』
「毒を入れたのは水差しだけか?」
『はい』
アレンはニナリアのほうを向く。
「ニナリア、食事の途中だったな。戻って食事を取ってくれ。セルマン、ニナリアの食事を温め直すように。その後は、みんなを落ち着かせて、そのまま戻ってくれてかまわない」
「かしこまりました」
「はい」
ニナリアも返事をすると、セルマンと一緒に尋問室を出て行った。
(アレンは気を使ってくれたんだな)
ニナリアは、スーザンもベニーもメイド時代に知っていた。スーザンとはほとんど話したことはないが、来たばかりの頃と結婚前の監禁のときに食事を運んできていた。たまに空の皿を持ってきて置いていったこともあった。ニナリアは、スーザンがどうなってもかまわなかった。
「なぜメイド長はニナリアを狙った?」
『メイド長がニナリアを嫌っていたのは分かりますが、毒殺したい理由は聞いていません』
「お前が同行した目的はこれか?」
『そうです』
「お前はなぜこんな危険なことを引き受けた?」
『報酬で金貨が五枚もらえるからです』
(ニナリアの命が金貨五枚か……。どうせ成功するはずはない。防御の魔法石もあるし、聖女だから毒を飲んでも浄化されて、死ぬことはないだろう)
アレンは冷静だった。この情報もソードマスターの手記からだ。金貨は平民にとってかなりの高額だ。平民の賃金は銀貨で支払われる。金貨を一生触ることがない者がいるのも、アレンは知っていた。
尋問室に、メイドの部屋から包み紙が見つかった報告と現物が持ち込まれた。
「うっ」
スーザンは呻いて覚醒した。
(効果が切れたか)
「ううぅ、う」
スーザンは泣き出した。全部話してしまったからだ。本当は聞かれても嘘を突き通すつもりだった。
「警備署にスーザンを連れていけ」
「お待ちください。どうかお慈悲を。私には幼い子供がおります」
「なら、する前に言うんだったな」
スーザンはガクッとした。侯爵家とは全く違って、ここの使用人たちはのんびりしていた。ここは、言えば聞いてもらえる場所だったのだ。
先にスーザンを連れ出し、後ろの騎士にこそっと耳打ちをした。
「警備署では、メイド長のことは言うな。尋問は済んでいるから、牢に入れるだけでいいと言っておくように」
「分かりました」
(黒幕が分からないから、メイド長は泳がせておこう)
アレンはもう一人のメイドにも話を聞くことにした。シェイラの部屋に行き中に入る。
「スーザンの単独犯行ということで、お二人の容疑は晴れました。今日はここに食事を用意させます。メイドの君も食事を取ってくれ。シェイラ嬢の食事は、代わりの者に用意させる」
シェイラはとりあえずほっとして、スーザンのことを聞いた。
「スーザンはどうなるんですか?」
「警備署に連行しました。侯爵家に戻ることはありません」
「そうですか……」
貴族を殺害しようとしたのだから仕方がない。ただ、自分たちが疑われることがもうないので、良かったと思うしかない。
アレンとベニーが一緒に廊下に出ると、城のメイドが食事の準備のために中に入っていった。警備の騎士も戻っていった。
「君の名前は?」
「ベニーです」
「ベニーに聞きたいことがある」
「はい」
二人は、シェイラの部屋から離れた廊下で止まって話をした。
「スーザンはどういったいきさつで、今回同行したんだ?」
「メイド長が選んだそうです。ベニーが言うには侯爵様からニナリアの、あ、ニナリア様の様子を見るように言われていたので、私達とは別行動をしていました」
(侯爵からは、嘘ということか)
「メイド長のことを聞きたいが、ニナリアを嫌っている理由を知っているか?」
「あ、それは、おそらくマコール様のことが絡んでいると思います。
メイド長はマコール様を大変気に入っていて、ずい分肩入れしています。お嬢様も気になって二人の関係を私に聞いてきたので、私も他のメイドに聞いたのですが、私がお嬢様付きのメイドなので知らないほうがよいと言われて、話してもらえませんでした。
マコール様はニナリア様の父のクリストファー様をたいそう嫌っていたそうです。それと関係しているかと思います」
(なるほど、色恋沙汰が絡んでいるのか)「それと、スーザンには子供がいるのか?」
「いいえ? スーザンは独身で、子供もいません」
(あの女……)
アレンはフッと苦笑いした。ベニーはきょとんとしている。
「ありがとう。私が聞いたことは、シェイラ嬢には言わないでくれ」
「分かりました」
アレンがお礼を言って、二人は別れた。ベニーはアレンに見とれていた。
(はぁ~、アレン様って素敵。ニナリアはいい旦那様のもとに嫁げて良かったわね。メイドのことも気遣ってくれるし、最高だわ)
気の良いベニーはニナリアがメイドの頃は、シェイラのいないところでよく話をしていた。
(それにしても、スーザンは結婚したいって言っていたのにあんなことするなんて……)
貴族の殺害未遂は死刑か、よくても終身強制労働になる。
(でも、収容先で相手が見つかるかも)
ベニーは、そんなことを考えながら食堂へ向かった。
(侯爵はニナリアを呼び戻すつもりだから、黒幕は侯爵ではないな。
メイド長がニナリアにそこまでする理由はなんだ?)
(ニナリアは心当たりがありそうだが……。あの目を見ると、俺には話す気がないようだ)
アレンは続けて尋問した。
「毒はまだあるのか?」
『あります。城のメイドの部屋に置いてきました。一番奥の部屋です』
「捜せ」
アレンは騎士に命令した。騎士が一人出て行く。ニナリアはスーザンの行動に驚いた。
(メイドの部屋に忍び込むなんて、大胆な)
「メイド長の他に、このことを知っている者はいるのか?」
『メイド長以外は分かりません』
「毒を入れたのは水差しだけか?」
『はい』
アレンはニナリアのほうを向く。
「ニナリア、食事の途中だったな。戻って食事を取ってくれ。セルマン、ニナリアの食事を温め直すように。その後は、みんなを落ち着かせて、そのまま戻ってくれてかまわない」
「かしこまりました」
「はい」
ニナリアも返事をすると、セルマンと一緒に尋問室を出て行った。
(アレンは気を使ってくれたんだな)
ニナリアは、スーザンもベニーもメイド時代に知っていた。スーザンとはほとんど話したことはないが、来たばかりの頃と結婚前の監禁のときに食事を運んできていた。たまに空の皿を持ってきて置いていったこともあった。ニナリアは、スーザンがどうなってもかまわなかった。
「なぜメイド長はニナリアを狙った?」
『メイド長がニナリアを嫌っていたのは分かりますが、毒殺したい理由は聞いていません』
「お前が同行した目的はこれか?」
『そうです』
「お前はなぜこんな危険なことを引き受けた?」
『報酬で金貨が五枚もらえるからです』
(ニナリアの命が金貨五枚か……。どうせ成功するはずはない。防御の魔法石もあるし、聖女だから毒を飲んでも浄化されて、死ぬことはないだろう)
アレンは冷静だった。この情報もソードマスターの手記からだ。金貨は平民にとってかなりの高額だ。平民の賃金は銀貨で支払われる。金貨を一生触ることがない者がいるのも、アレンは知っていた。
尋問室に、メイドの部屋から包み紙が見つかった報告と現物が持ち込まれた。
「うっ」
スーザンは呻いて覚醒した。
(効果が切れたか)
「ううぅ、う」
スーザンは泣き出した。全部話してしまったからだ。本当は聞かれても嘘を突き通すつもりだった。
「警備署にスーザンを連れていけ」
「お待ちください。どうかお慈悲を。私には幼い子供がおります」
「なら、する前に言うんだったな」
スーザンはガクッとした。侯爵家とは全く違って、ここの使用人たちはのんびりしていた。ここは、言えば聞いてもらえる場所だったのだ。
先にスーザンを連れ出し、後ろの騎士にこそっと耳打ちをした。
「警備署では、メイド長のことは言うな。尋問は済んでいるから、牢に入れるだけでいいと言っておくように」
「分かりました」
(黒幕が分からないから、メイド長は泳がせておこう)
アレンはもう一人のメイドにも話を聞くことにした。シェイラの部屋に行き中に入る。
「スーザンの単独犯行ということで、お二人の容疑は晴れました。今日はここに食事を用意させます。メイドの君も食事を取ってくれ。シェイラ嬢の食事は、代わりの者に用意させる」
シェイラはとりあえずほっとして、スーザンのことを聞いた。
「スーザンはどうなるんですか?」
「警備署に連行しました。侯爵家に戻ることはありません」
「そうですか……」
貴族を殺害しようとしたのだから仕方がない。ただ、自分たちが疑われることがもうないので、良かったと思うしかない。
アレンとベニーが一緒に廊下に出ると、城のメイドが食事の準備のために中に入っていった。警備の騎士も戻っていった。
「君の名前は?」
「ベニーです」
「ベニーに聞きたいことがある」
「はい」
二人は、シェイラの部屋から離れた廊下で止まって話をした。
「スーザンはどういったいきさつで、今回同行したんだ?」
「メイド長が選んだそうです。ベニーが言うには侯爵様からニナリアの、あ、ニナリア様の様子を見るように言われていたので、私達とは別行動をしていました」
(侯爵からは、嘘ということか)
「メイド長のことを聞きたいが、ニナリアを嫌っている理由を知っているか?」
「あ、それは、おそらくマコール様のことが絡んでいると思います。
メイド長はマコール様を大変気に入っていて、ずい分肩入れしています。お嬢様も気になって二人の関係を私に聞いてきたので、私も他のメイドに聞いたのですが、私がお嬢様付きのメイドなので知らないほうがよいと言われて、話してもらえませんでした。
マコール様はニナリア様の父のクリストファー様をたいそう嫌っていたそうです。それと関係しているかと思います」
(なるほど、色恋沙汰が絡んでいるのか)「それと、スーザンには子供がいるのか?」
「いいえ? スーザンは独身で、子供もいません」
(あの女……)
アレンはフッと苦笑いした。ベニーはきょとんとしている。
「ありがとう。私が聞いたことは、シェイラ嬢には言わないでくれ」
「分かりました」
アレンがお礼を言って、二人は別れた。ベニーはアレンに見とれていた。
(はぁ~、アレン様って素敵。ニナリアはいい旦那様のもとに嫁げて良かったわね。メイドのことも気遣ってくれるし、最高だわ)
気の良いベニーはニナリアがメイドの頃は、シェイラのいないところでよく話をしていた。
(それにしても、スーザンは結婚したいって言っていたのにあんなことするなんて……)
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