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第12話 しあわせな魔法と小さな妖精
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屋敷の西洋風の庭園は緑にあふれていて、整えられた花壇には、様々な色とりどりの花が、綺麗に咲いていた。
青い空に、緑がとても綺麗に映える。
そもそもランドルフ家は、草木や大地の加護を受けている家系らしい。
だから、昔から屋敷の庭園も緑豊かで、草花も綺麗によく育つのだと、マリアンヌさんが教えてくれた。
この国の人たちは、私達の世界とは違い、生まれつき魔法や異能がある人もいるそうだけど、生まれた家系によって大きく影響を受けたりするそうだ。
マリアンヌさんも何か力を持っているのだろうか。
私がふと気になっていると、表情に出ていたのか、マリアンヌさんが、ふふっと小さく笑った。
「私はね、大したことは出来ないのだけど」
そう言って、両の手のひらで蕾を作るように合わせると、パッと花が開くように空に向けて開いた。
すると、そこから綺麗な花びらが、まるで結婚式のチャペルで撒かれるフラワーシャワーのように飛び出して、キラキラと光の粒と一緒にを宙を舞った。
「わあ、綺麗!」
思わず、感嘆の声を上げる。
マリアンヌさんらしくて、とても可愛らしい。
「私もね、母がランドルフ家の遠い縁者の家系だから、少しだけ緑の加護を受けているの。あ、あとは、これね!」
近くのチューリップに手をかざすと、チューリップが楽しげにゆらゆら揺れた。
あ、なんかこんな玩具あった。
音に反応して踊るやつ。ダンシングフラワーだっけ?
マリアンヌさんは眉を下げて、困ったように笑う。
「あまり役には立たなくて」
「でも、私は好きです!優しくて、見た人が、とても幸せになれる魔法だと思います!」
「ふふ、ありがとう。子どもたちも喜んでくれるから、まあ良かったのかしらって思うわ」
マリアンヌさんがそう言ったとき、キラキラと嬉しそうに咲くチューリップの中に、小さな小さな女の子が見えた。
赤いチューリップから顔を覗かせていたと思ったら、もそもそと出てくる。
手のひらくらいの大きさの女の子。
花の妖精だ。
私が驚かないのは、実は子どもの頃にも見えていたから。
普通の人には、見えないものなんだって知ったのは、小学校に入る頃で。
それまで幼い頃の私は、たいていの人が見えていて、見えることが不思議なことではないんだと思っていた。
なぜなら、パパも見えていたから。
お蔭で気味が悪いとか、嘘つきとかいじめられたこともあって、お友達つきあいが難しい時代があった。
見えてしまうことが嫌で、いつの間にか見ないようにして、妖精の存在に敢えて気づかないふりをしていたせいか、成長するにつれて、日常では目にすることもなくなったのだけれど。
この世界に来たからかな……。
久しぶりに見てしまった。
大人になって、子どもの頃のことは、私の幻覚か勘違いだったのかなって思うようにもなっていたけれど、やっぱり今もはっきり見えている。
赤い服を着た小さな妖精の女の子と、バッチリ目があっていて、大きな口を開けて笑ってる。
「ミツキ?」
マリアンヌさんに名前を呼ばれてハッとする。
「あ!お誕生パーティーにも最高ですよね!」
なんとなく、妖精が見えることは、やっぱり触れないでおくことにした。
妖精とは目が合っていないフリをして、すぅっと妖精から目をそらす。
あー……私は、見えてませんよ、何も見えてない。
アナタとは目、合ってないです。
私はマリアンヌさんのほうを向いて、にっこりと笑った。
「そうなの!パーティーには大活躍よ、ふふふ」
マリアンヌさんは、嬉しそうに両手をパチンと合わせた。
そして、当主であるレイはもっとすごい力を持っている、ということを教えてくれた。
だからこそ、まだ19歳という若さで、ランドルフ家の当主であり、近衛騎士団長として一目置かれているのだと。
もちろん剣の強さもこの国で1、2番の腕前だそうだけど、魔力もなかなかなものだそうだ。
なんかあの紺青の瞳に、めちゃくちゃ綺麗な顔で、さらに無表情で強いときたら、容赦なくて怖そうだな。
アニメやネット小説の見過ぎかな……。
青い空に、緑がとても綺麗に映える。
そもそもランドルフ家は、草木や大地の加護を受けている家系らしい。
だから、昔から屋敷の庭園も緑豊かで、草花も綺麗によく育つのだと、マリアンヌさんが教えてくれた。
この国の人たちは、私達の世界とは違い、生まれつき魔法や異能がある人もいるそうだけど、生まれた家系によって大きく影響を受けたりするそうだ。
マリアンヌさんも何か力を持っているのだろうか。
私がふと気になっていると、表情に出ていたのか、マリアンヌさんが、ふふっと小さく笑った。
「私はね、大したことは出来ないのだけど」
そう言って、両の手のひらで蕾を作るように合わせると、パッと花が開くように空に向けて開いた。
すると、そこから綺麗な花びらが、まるで結婚式のチャペルで撒かれるフラワーシャワーのように飛び出して、キラキラと光の粒と一緒にを宙を舞った。
「わあ、綺麗!」
思わず、感嘆の声を上げる。
マリアンヌさんらしくて、とても可愛らしい。
「私もね、母がランドルフ家の遠い縁者の家系だから、少しだけ緑の加護を受けているの。あ、あとは、これね!」
近くのチューリップに手をかざすと、チューリップが楽しげにゆらゆら揺れた。
あ、なんかこんな玩具あった。
音に反応して踊るやつ。ダンシングフラワーだっけ?
マリアンヌさんは眉を下げて、困ったように笑う。
「あまり役には立たなくて」
「でも、私は好きです!優しくて、見た人が、とても幸せになれる魔法だと思います!」
「ふふ、ありがとう。子どもたちも喜んでくれるから、まあ良かったのかしらって思うわ」
マリアンヌさんがそう言ったとき、キラキラと嬉しそうに咲くチューリップの中に、小さな小さな女の子が見えた。
赤いチューリップから顔を覗かせていたと思ったら、もそもそと出てくる。
手のひらくらいの大きさの女の子。
花の妖精だ。
私が驚かないのは、実は子どもの頃にも見えていたから。
普通の人には、見えないものなんだって知ったのは、小学校に入る頃で。
それまで幼い頃の私は、たいていの人が見えていて、見えることが不思議なことではないんだと思っていた。
なぜなら、パパも見えていたから。
お蔭で気味が悪いとか、嘘つきとかいじめられたこともあって、お友達つきあいが難しい時代があった。
見えてしまうことが嫌で、いつの間にか見ないようにして、妖精の存在に敢えて気づかないふりをしていたせいか、成長するにつれて、日常では目にすることもなくなったのだけれど。
この世界に来たからかな……。
久しぶりに見てしまった。
大人になって、子どもの頃のことは、私の幻覚か勘違いだったのかなって思うようにもなっていたけれど、やっぱり今もはっきり見えている。
赤い服を着た小さな妖精の女の子と、バッチリ目があっていて、大きな口を開けて笑ってる。
「ミツキ?」
マリアンヌさんに名前を呼ばれてハッとする。
「あ!お誕生パーティーにも最高ですよね!」
なんとなく、妖精が見えることは、やっぱり触れないでおくことにした。
妖精とは目が合っていないフリをして、すぅっと妖精から目をそらす。
あー……私は、見えてませんよ、何も見えてない。
アナタとは目、合ってないです。
私はマリアンヌさんのほうを向いて、にっこりと笑った。
「そうなの!パーティーには大活躍よ、ふふふ」
マリアンヌさんは、嬉しそうに両手をパチンと合わせた。
そして、当主であるレイはもっとすごい力を持っている、ということを教えてくれた。
だからこそ、まだ19歳という若さで、ランドルフ家の当主であり、近衛騎士団長として一目置かれているのだと。
もちろん剣の強さもこの国で1、2番の腕前だそうだけど、魔力もなかなかなものだそうだ。
なんかあの紺青の瞳に、めちゃくちゃ綺麗な顔で、さらに無表情で強いときたら、容赦なくて怖そうだな。
アニメやネット小説の見過ぎかな……。
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