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第3章
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「コーディー伯爵令嬢の身内に不幸があったらしくてな。令嬢はパーティも欠席されるし、仕方あるまい」
クライブ殿下から説明を受ければ、私も頷かざるを得ない。急な辞退も仕方ない。コーディ伯爵令嬢が自身が候補になったのをとても喜んでいたのを知っていたから、緊急事態にも可哀想だという気持ちが先立った……けれど、視線の先で殿下が右の口角を上げたのが見えた途端、悠長な気持ちはなくなる。何度か見たことがあるが、これは危険な前兆だ。
「あの、殿下……」
「ついては別の候補を用意しなくてはいけないが、何しろ時間がない。ご家族の許可も必要だが、普通の令嬢にそれを今からお願いしていては間に合わない」
「で、殿下!それならば開催時刻を変えては如何でしょうか。豊穣の女神になりたい方は沢山いらっしゃいます。先にパーティを開催して、その間に使者を飛ばせば準備も間に合います」
豊穣の女神に選ばれると、その後の縁談にもプラスに働く。歴代の女神には王族に嫁いだ女性も多いのだし、なりたい令嬢は多いのだ。ただ、候補に選ばれるには他薦しかない。しかも美貌も知性も品格などが要件になるので、皆が納得する人物でなければ推薦する人間の品性が疑われる。
かくして、選出前にはかなりの腹の探り合いがあるらしいが結局毎年まずまずの候補者が揃う、という結果になる。勿論、女神候補の人数は決まっているので、それより多かった場合には生徒会執行部の責任で5人に絞られるのだけど。
「今年は5人の候補に入れなかったけれど、推薦のあった方が2名いらしたはず。その方々に早急にお話をして……」
「それは難しい。2人共に候補になれるならまだしも、1人だけを候補にすれば後々に禍根が残る。特に今回落選した2人はどんぐりの背比べだったしな」
「でしたら、このまま開催するのは如何ですか?前例はないですが、事情が事情ですから4人の候補から選出するのもありだとは思います」
残っている候補はエルフリーデ先輩と、侯爵令嬢が2人に美貌で有名な伯爵令嬢が1人。4年生の侯爵令嬢は王太子妃候補として名前も上がっている令嬢だし、5年生の伯爵令嬢は殿下とクラスが同じで仲が良いと噂もある。勿論、私の大本命エルフリーデ先輩もいるからゲームイベントとしても問題ないし、学内イベントとしても華やかに開催できるだろう。
我ながら良い落とし所を見つけたと悦に入っていると、目の前で呆れたような声が聞こえた。
「それは、ない。候補は毎年5人だ。それを曲げるつもりはない。だからリディア、お前が出るんだ」
あまりの発言に私の顔は盛大に驚きを表したのだろう。殿下の顔を凝視すると、ぷっと吹き出した。
クライブ殿下から説明を受ければ、私も頷かざるを得ない。急な辞退も仕方ない。コーディ伯爵令嬢が自身が候補になったのをとても喜んでいたのを知っていたから、緊急事態にも可哀想だという気持ちが先立った……けれど、視線の先で殿下が右の口角を上げたのが見えた途端、悠長な気持ちはなくなる。何度か見たことがあるが、これは危険な前兆だ。
「あの、殿下……」
「ついては別の候補を用意しなくてはいけないが、何しろ時間がない。ご家族の許可も必要だが、普通の令嬢にそれを今からお願いしていては間に合わない」
「で、殿下!それならば開催時刻を変えては如何でしょうか。豊穣の女神になりたい方は沢山いらっしゃいます。先にパーティを開催して、その間に使者を飛ばせば準備も間に合います」
豊穣の女神に選ばれると、その後の縁談にもプラスに働く。歴代の女神には王族に嫁いだ女性も多いのだし、なりたい令嬢は多いのだ。ただ、候補に選ばれるには他薦しかない。しかも美貌も知性も品格などが要件になるので、皆が納得する人物でなければ推薦する人間の品性が疑われる。
かくして、選出前にはかなりの腹の探り合いがあるらしいが結局毎年まずまずの候補者が揃う、という結果になる。勿論、女神候補の人数は決まっているので、それより多かった場合には生徒会執行部の責任で5人に絞られるのだけど。
「今年は5人の候補に入れなかったけれど、推薦のあった方が2名いらしたはず。その方々に早急にお話をして……」
「それは難しい。2人共に候補になれるならまだしも、1人だけを候補にすれば後々に禍根が残る。特に今回落選した2人はどんぐりの背比べだったしな」
「でしたら、このまま開催するのは如何ですか?前例はないですが、事情が事情ですから4人の候補から選出するのもありだとは思います」
残っている候補はエルフリーデ先輩と、侯爵令嬢が2人に美貌で有名な伯爵令嬢が1人。4年生の侯爵令嬢は王太子妃候補として名前も上がっている令嬢だし、5年生の伯爵令嬢は殿下とクラスが同じで仲が良いと噂もある。勿論、私の大本命エルフリーデ先輩もいるからゲームイベントとしても問題ないし、学内イベントとしても華やかに開催できるだろう。
我ながら良い落とし所を見つけたと悦に入っていると、目の前で呆れたような声が聞こえた。
「それは、ない。候補は毎年5人だ。それを曲げるつもりはない。だからリディア、お前が出るんだ」
あまりの発言に私の顔は盛大に驚きを表したのだろう。殿下の顔を凝視すると、ぷっと吹き出した。
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