4 / 23
3】昼ごはん時
しおりを挟む
3】昼ごはん時
新しいクラスにも、少しずつ慣れてきた。3年にもなれば、わりと一度は同じクラスだったことがあるクラスメイトも多い。だがら、すぐにクラスとしても落ち着いた気がする。
3年初日、担任の先生が高校最後の年だ。受験が控えていると言われたのは記憶に新しい。だが一日一日が、変わらず過ぎていく。流石に高校最後の学年だと思うと、俺以外にも周囲は何となく思うところはあるだろうが、口に出すのはまだ早い気がして、皆高校生活を謳歌している。特にモテる春樹は、今年卒業するんだ。後輩たちが思いだけでも伝えようとしているんだろう。スタートダッシュのように、告白ラッシュが続いている。(その気持ち、分かるし)中3年の時も同じだったなと思い出す。
ちなみに今日も春樹は、女の子に呼び出されている。昼ご飯を一緒に食べていると、「春樹」と控えめに呼び出されて行った。大声で呼び出さなかったのは、滅茶苦茶良いと思う。田中、お前いい奴だな。
「葵は昼飯、食べてていいからな」
「安心しろ。そのつもりだから」
「ぴえん。少しは待つ素振り見せてくれよ」
「ぴえんって柄じゃないだろ」
「葵が冷たい……」
「春樹~」
「悪い、今行く」
「ほら、行ってこい」
軽やかに教室の入口へ。何年生か分からないが、緊張している様子なのが見えた。一人になり、変わらず昼ご飯を食べ始めると春樹が座っていた場所に田中がやって来て座った。
「今日も春樹は呼び出されてんねぇ」
「田中、さっきの呼び出し滅茶苦茶良かった。気遣いが出来る良い男だよ、お前は」
「いやぁ~。だろ? もっと言ってくれて良いんだぜ」
「はいはい」
唐揚げを1つ頬張れば、黙ったまま田中が俺を見ながら言った。
「なぁ。、春樹もだけどさ、葵も二人は彼女とか作らないのか?」
「何なに? 何だか面白そうな話してるな。俺も混ぜてくれよ」
ガタンと田中が楽しそうに話したのが、隣にいた山口の耳にも入ったらしい。面白そうだと、俺の隣に椅子を持って来て俺と同じように昼ご飯を食べ始めた。山口はパンを頬張っている。
「俺たちより、田中や山口どうなんだよ」
「彼女欲しいに決まってるだろ」
「俺も」
「春樹って、モテるじゃん? 何で彼女ってか、恋人作らないのかな~と思って。付き合い長いみたいだし、葵なら何か知ってるかなって」
「そうそう。春樹もだけど、意外と葵もモテてるの知ってたか?」
「何それ。初耳なんだけど。俺、モテてたの?」
「らしいぜ。結構ファンいるぞ」
「ってことは……俺も、そのうち告白されたらどうしよう!」
なんて。合わせるように返事した。あはは! と笑って、再び箸を進める。とりあえず会話が終わったようで安堵しながら、内心また告白されている春樹に彼女が出来ないことを願った。
*****
お気に入り有難うございます
新しいクラスにも、少しずつ慣れてきた。3年にもなれば、わりと一度は同じクラスだったことがあるクラスメイトも多い。だがら、すぐにクラスとしても落ち着いた気がする。
3年初日、担任の先生が高校最後の年だ。受験が控えていると言われたのは記憶に新しい。だが一日一日が、変わらず過ぎていく。流石に高校最後の学年だと思うと、俺以外にも周囲は何となく思うところはあるだろうが、口に出すのはまだ早い気がして、皆高校生活を謳歌している。特にモテる春樹は、今年卒業するんだ。後輩たちが思いだけでも伝えようとしているんだろう。スタートダッシュのように、告白ラッシュが続いている。(その気持ち、分かるし)中3年の時も同じだったなと思い出す。
ちなみに今日も春樹は、女の子に呼び出されている。昼ご飯を一緒に食べていると、「春樹」と控えめに呼び出されて行った。大声で呼び出さなかったのは、滅茶苦茶良いと思う。田中、お前いい奴だな。
「葵は昼飯、食べてていいからな」
「安心しろ。そのつもりだから」
「ぴえん。少しは待つ素振り見せてくれよ」
「ぴえんって柄じゃないだろ」
「葵が冷たい……」
「春樹~」
「悪い、今行く」
「ほら、行ってこい」
軽やかに教室の入口へ。何年生か分からないが、緊張している様子なのが見えた。一人になり、変わらず昼ご飯を食べ始めると春樹が座っていた場所に田中がやって来て座った。
「今日も春樹は呼び出されてんねぇ」
「田中、さっきの呼び出し滅茶苦茶良かった。気遣いが出来る良い男だよ、お前は」
「いやぁ~。だろ? もっと言ってくれて良いんだぜ」
「はいはい」
唐揚げを1つ頬張れば、黙ったまま田中が俺を見ながら言った。
「なぁ。、春樹もだけどさ、葵も二人は彼女とか作らないのか?」
「何なに? 何だか面白そうな話してるな。俺も混ぜてくれよ」
ガタンと田中が楽しそうに話したのが、隣にいた山口の耳にも入ったらしい。面白そうだと、俺の隣に椅子を持って来て俺と同じように昼ご飯を食べ始めた。山口はパンを頬張っている。
「俺たちより、田中や山口どうなんだよ」
「彼女欲しいに決まってるだろ」
「俺も」
「春樹って、モテるじゃん? 何で彼女ってか、恋人作らないのかな~と思って。付き合い長いみたいだし、葵なら何か知ってるかなって」
「そうそう。春樹もだけど、意外と葵もモテてるの知ってたか?」
「何それ。初耳なんだけど。俺、モテてたの?」
「らしいぜ。結構ファンいるぞ」
「ってことは……俺も、そのうち告白されたらどうしよう!」
なんて。合わせるように返事した。あはは! と笑って、再び箸を進める。とりあえず会話が終わったようで安堵しながら、内心また告白されている春樹に彼女が出来ないことを願った。
*****
お気に入り有難うございます
82
あなたにおすすめの小説
【完結】大学で再会した幼馴染(初恋相手)に恋人のふりをしてほしいと頼まれた件について
kouta
BL
大学で再会した幼馴染から『ストーカーに悩まされている。半年間だけ恋人のふりをしてほしい』と頼まれた夏樹。『焼き肉奢ってくれるなら』と承諾したものの次第に意識してしまうようになって……
※ムーンライトノベルズでも投稿しています
ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために
ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話
※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。
小石の恋
キザキ ケイ
BL
やや無口で平凡な男子高校生の律紀は、ひょんなことから学校一の有名人、天道 至先輩と知り合う。
助けてもらったお礼を言って、それで終わりのはずだったのに。
なぜか先輩は律紀にしつこく絡んできて、連れ回されて、平凡な日常がどんどん侵食されていく。
果たして律紀は逃げ切ることができるのか。
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
諦めた初恋と新しい恋の辿り着く先~両片思いは交差する~【全年齢版】
カヅキハルカ
BL
片岡智明は高校生の頃、幼馴染みであり同性の町田和志を、好きになってしまった。
逃げるように地元を離れ、大学に進学して二年。
幼馴染みを忘れようと様々な出会いを求めた結果、ここ最近は女性からのストーカー行為に悩まされていた。
友人の話をきっかけに、智明はストーカー対策として「レンタル彼氏」に恋人役を依頼することにする。
まだ幼馴染みへの恋心を忘れられずにいる智明の前に、和志にそっくりな顔をしたシマと名乗る「レンタル彼氏」が現れた。
恋人役を依頼した智明にシマは快諾し、プロの彼氏として完璧に甘やかしてくれる。
ストーカーに見せつけるという名目の元で親密度が増し、戸惑いながらも次第にシマに惹かれていく智明。
だがシマとは契約で繋がっているだけであり、新たな恋に踏み出すことは出来ないと自身を律していた、ある日のこと。
煽られたストーカーが、とうとう動き出して――――。
レンタル彼氏×幼馴染を忘れられない大学生
両片思いBL
《pixiv開催》KADOKAWA×pixivノベル大賞2024【タテスクコミック賞】受賞作
※商業化予定なし(出版権は作者に帰属)
この作品は『KADOKAWA×pixiv ノベル大賞2024』の「BL部門」お題イラストから着想し、創作したものです。
https://www.pixiv.net/novel/contest/kadokawapixivnovel24
泣き虫で小柄だった幼馴染が、メンタルつよめの大型犬になっていた話。
雪 いつき
BL
凰太朗と理央は、家が隣同士の幼馴染だった。
二つ年下で小柄で泣き虫だった理央を、凰太朗は、本当の弟のように可愛がっていた。だが凰太朗が中学に上がった頃、理央は親の都合で引っ越してしまう。
それから五年が経った頃、理央から同じ高校に入学するという連絡を受ける。変わらず可愛い姿を想像していたものの、再会した理央は、モデルのように背の高いイケメンに成長していた。
「凰ちゃんのこと大好きな俺も、他の奴らはどうでもいい俺も、どっちも本当の俺だから」
人前でそんな発言をして爽やかに笑う。
発言はともかく、今も変わらず懐いてくれて嬉しい。そのはずなのに、昔とは違う成長した理央に、だんだんとドキドキし始めて……。
俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした
たっこ
BL
【加筆修正済】
7話完結の短編です。
中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。
二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。
「優、迎えに来たぞ」
でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる