【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】

彩華

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4】今回は……?

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4】今回は……?

 春樹が呼び出された昼休み。まだ休み時間に余裕はあるが、春樹は昼ご飯をほどほどに出て行ってしまった。田中たちは、話すだけ話して席へ戻った。まぁ、俺と春樹にきっと彼女は当分出来ないだろうなと言ったら、つまらないとボヤいていた。

(だって、本当に俺に彼女なんて当分出来ないし)

当分どころか、一生出来ないかもと、まだまだ人生長いのにそんなことを考えてしまう。春樹を諦めて、異性を好きになったらと思ったこともあるけれど、それは相手にも失礼だし。俺自身が、春樹以外考えられなかった。

(なんて思いながら、未だにズルズル告白する勇気もないんだけど)

「葵、ただいま」

「……待ってないし」

嘘だ。待ってた。それこそ、わざわざ春樹の席で。俺が席に座っていても、嫌な顔一つせず、「葵~」なんて簡単に呼ぶから、内心俺の方が嬉しくなってしまう。俺が平常心と言い聞かせるなか、無い食わぬ顔で教室に戻ってきた春樹。周囲は今回はどうだったんだろうかと思っている雰囲気が、チラリと春樹に向けられた視線で分かった。

(春樹も大変だな。毎回こんな風で)

つくづくモテる男は大変だなと思う。一々周囲に結果を伺われるのは、俺だったらたまったもんじゃない。

「まだ少し腹減ってるから、途中だった残りを食べるかな」

なら席を立たなくてはと、ガタンと春樹の椅子から立ち上がる。春樹も戻って来たし、俺も席に戻ろうかとすれば「葵」と手を握られて名前を呼ばれた。

「何だよ」

「前の席空いているし、まだいいだろ」

「俺、昼食べ終わったし」

「やだ。一人で食べるの、寂しいじゃん」

唇を尖らせて甘えたような仕草をするのは、昔から変わらない。不覚にも、こういう一面が可愛く思えてしまうくらい、長年の片思いは充分に拗らせているらしい。いや、自覚はあるけれど。

(ぐぬぬっ……)

「仕方ないなぁ」

春樹が言うからだぞ? という素振りをすれば、「ありがと」と言われた。

「なぁ、春樹。今回は……?」

そっと、クラスメイトが意を決して、春樹に言った。俺もチラリと春樹を見れば、フルフルと首を横に振っていた。つまり、お断りしたらしい。クラスの「今回もかぁ……」という空気になったが、すぐに「気持ちがないのに、付き合うのは失礼だろ」と真っ当な意見を述べていた。

「好きじゃないのに、付き合うのは相手にも失礼だろ。俺も、ちゃんと相手のこと好きでいたいし」

「……」

(良かった)

ごめん。こんなこと思って。ごめん、片思いしてて。
そんな思いを胸に、春樹を見つめることしか出来なかった。

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