【完結・BL】今をときめく大型新人の専属マネージャーになることになったわけだが!【タレント×マネージャー】

彩華

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1】俺のいつもの日常

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■今をときめく大型新人の専属マネージャーになることになったわけだが!■

1】俺のいつもの日常

 俺の名前は高橋夏希。年は26になった。
最初の頃は、いくつか職を変え。社会の荒波に揉まれながら、今は芸能事務所に所属するマネージャーに落ち着いている。言ってはなんたが、結構敏腕マネージャーなんて呼ばれていたりもする。自慢するわけでは無いが、俺はそこそこ仕事が出来るらしい。(嬉しい)
おかげで以前なら電車通勤をしていたが、職業柄もあってか今は自家用車通勤だ。福利厚生の行き届いた事務所のおかげで、駐車場代だって、家賃だってある程度支給してくれているのだからありがたい。

(といっても、家には帰って寝るだけの生活なんだが)

帰れれば、の話だが。マネージャーということもあり、ホテル泊も多い。家にいるのとホテルにいる日でいえば、同じくらいかもしれない。

「お、コレ美味いな」

無音な部屋では寂しいと、点けたテレビをろくに見ることもなく。買ってきた総菜を食べれば、美味くて声が漏れた。エビとブロッコリーの組み合わせに外れないし、ドレッシングが美味い。また買おうとテンションが上がった。

「さて、明日は……」

分厚い手帳を開きながら、片手に携帯を開く。スケジュールを確認しつつ、受け持っている数名に連絡を取る。寝坊しないようだとか、体調はどう? だとか。受け持っているのは、同性ばかりだが、このご時世だ。あまりしつこくないようにだとか、結構気を遣う。マネージャーといいつつ、まるで母親のようだと思う。

「しかし、複数受け持つのは大変だな」

うーん、チェックしながら呟いた。出来れば誰か一人の専属になれれば、もう少しゆっくり時間も取れて受け持った子に時間をさけるのだけれど。もしくは、出来れば受け持っている子を減らしたい。

「一度、上に相談してみるか」

ふーっ……と息を吐きながら、俺はまた美味しかった総菜を口に運んだ。

******
****

 次の日。
いつものように、スーツに着替えて職場へ。割と自由に出勤できるのは有難い。通勤ラッシュの時に、満員電車で何度も潰されたことを思い出すたびに車通勤最高! と思っている。街中に見える広告に、担当いた子たちがいるのが嬉しい。その中でも、とりわけ大きな広告が目についた。

『氷の心も溶けてしまいそう』

そんなキャッチコピーと一緒に映っているのは、大型新人・吹雪。モデルだけに留まらず、タレントとして彗星の如く現れたかと思えば、その顔立ちと雰囲気に一気に人気者へと駆けのぼった。俺が勤めている事務所に所属しているらしいが、まだ実際に会ったことはない。まぁ、忙しい事務所だし良くあることだ。

「しっかし、本当に綺麗な顔をしているな」

白い肌に、白髪の髪の毛。中世的な整った顔立ちに、瞳の青色はまるで宝石だ。確かに、あの広告は目が離せない。あの広告の新発売である化粧品は、すぐに完売したと聞いた。今は急いで補充している最中で、そういえばお礼にと貴重な化粧品が社内に置いてあったっけ。女性陣が嬉しそうに、色を選んでいたのを思い出す。

「まぁ、頑張って欲しいな」

そんな風に、知らない新人にエールを送りつつ。俺は慣れた手つきでハンドルを切った。

*******

 「おはようございます」

「あ、高橋さん。おはようございます」
「おはようございます」

事務所にいるのが多いのは、やはり事務方。ちらほらと、テレビや雑誌で見かけるモデルやアイドル、俳優陣の姿もあるが今では慣れてしまったの。別段、うぉぉ!!! 芸能人だ!! と反応することはなくなった。

(それこそ、彼らもこういう時は、普通の人だしな)

芸能人という肩書は、どこへ行っても有名料だと彼らの「個人」を失わせてしまう。

(事務所でくらい、ゆっくりして欲しいな)

だから俺は、過剰に反応しないでスルーすることにしている。
とりあえず自分の席について、昨日連絡をした子たちに再度連絡。きちんと起きて仕事に向かった子なんかは、「ちゃんと起きれました!」と現場の写真と一緒に送ってくれていたりする。やはり母親のような気持になりながら、「撮影頑張って」と返信。俺より受け持っている人は勿論いるが、やはり見落としなんかもあるから担当人数の相談しようと思いつつ。業務を進めて暫くすると声が掛かった。

「高橋さん、呼ばれてますよ」

「俺?」

「はい。場所は会議室です」

「今日って、会議あったっけ?」

「そういうわけじゃないんですけど……来てからのお楽しみって言われていて」

誰に、とは言われなかった。ただ、俺に声をかけてくれた女性表情が照れていて、イケメンがいたのか? と思った。

「とりあえず、行ってみるか」

呼ばれているんだ。きっと俺より上の人だ。待たせるのは悪いと、知った会議室へ。別段変化のない「会議室」と書かれたドアをノックする。

「失礼します、高橋です」

「入ってくれ」

(うん? この声って)

ガチャリと開いた先にいたのは上司どころではない。

「社長? どうしたんですか」

社長だ。穏やか社長は、俺が前職の時からお世話になっている。社長といっても、偉ぶるでもなく、俺たち同じくマネージャー業もしている。だが、社長の背後にもう一人。思わず席に座っている社長に視線が映ったが、すぐに後ろに立っている人物を見て驚いた。

「吹雪……!?」

呼び捨てにしてしまったと、すぐに口元を覆う。社長は気にする様子は無く、「高橋君、落ち着いて」と俺を席に着かせる。

「あの、社長が俺に何の用でしょうか? しかも、あの。吹雪さんも一緒で」

「うん。高橋君を吹雪君の専属マネージャー任命しようと思って」

「は……はい……??」

ニコリと微笑む社長と吹雪、それからぽかんと口を開いた俺だけが会議室にいた。いつもの日常に、ちょっとした変化が起きた朝だった。

********
新しく始めてみました。
緩くお付き合い頂けますと幸いです。宜しくお願い致します
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