【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】

彩華

文字の大きさ
10 / 17

10】どこぞのお偉いさんが羨ましい!

しおりを挟む
10】どこぞのお偉いさんが羨ましい!

 今日の訓練も、いつも通りに終了。身体は疲れてはいるが、視線の先にアラン様がいると思うと、嬉しくて元気になるから不思議だ。
地面に座り込みながらも、アラン様を見つめていればコツンと肩を小突かれた。

「トーマ、良かったな。アラン様が久しぶりに最後までいらっしゃったぞ。ほら、いつもみたいに飲みに誘えよ。もしかしたら今回こそはOKして貰えるかもしれないぞ」

これだ。
そりゃあ、アラン様と飲みたい。あわよくば隣の席を陣取って、色んな話がしたい。酔って普段色の白いアラン様の肌が赤く染まっていく様を、至近距離で堪能したい。気分はジェットコースターながら、周囲の言葉に前向きになる俺。ここはアラン様の忠犬らしく、飲みに誘う選択をした。
一度座り込んだ身体を起こし、立ち上がる。俺は此処です! と主張するように、ブンブンと手を振って大きな声で叫ぶ。

「アラン様~! 今日こそ、皆で飲みに行きましょう!」

俺の声に、近くにいた連中以外も「またトーマだ」という雰囲気になる。だがそれで良い。これはある意味、俺なりの牽制。俺がアラン様の忠犬で、アラン様といえば俺だと周囲が認識すれば、ライバルなんかが減らせる……はず!
だが周囲は俺の牽制を気にすることなく。それどころか、便乗するように「はいはい!」と手を上げ始めた。

「アラン様! 俺も飲みたいです!」
「俺も!」

(こ、コイツら~~~~!!)

便乗してきやがった! とクルリと周囲を見れば、ニヤニヤと笑っていた。俺たちの声かけに、脚を止めるアラン様。有難うと言いながら、うーん……と微笑んだ顔が申し訳なさそうな表情へと変わる。その顔を何度も見てきた俺だから、すぐに返事が分かった。

(あ、駄目なやつだ)

「すまない。今日は、これから来客があるんだ」

ほらな。アラン様はお忙しいからな。うんうん、しょうがねぇ。断られるのは初めてじゃねぇし、悲しいことだが慣れている。

「ええ~~!」

と無駄に大きなリアクションをしつつ、気にしていませんよと明るく振る舞ってみる「残念だなぁ」と言いながら、最近どこぞの国のお偉いさんがやって来ると話していたのを思い出した。

「そういえば、今日は隣国のお偉いさんが来ているんでしたね」
「俺も見たぜ! 馬の行列!」

「こら、言葉遣いに注意しておけよ。今日は和睦を結んでいる隣国の騎士団の方々が、
交流に来ると話しただろう」

「ああ! そうでしたね!!」

「明日以降、もしかしたら一緒に稽古をするかもしれない。互いに切磋琢磨することは良い事だ。私は迎えがあるので、ここまでだ」

「アラン様、今度こそ飲みましょうね!」
「トーマお前は、酒の話ばっかりだな」

「良いだろ!」

俺は! アラン様と! 飲みたいんだよ! と思いながら訓練場を後にするアラン様の背中を見送った。

「アラン様! 隣国の方々がお見えになりました」
「連絡有難う。今から向かう」

俺は! アラン様と! 飲みたいんだよ! と思いながら訓練場を後にするアラン様の背中を見送った。

「……トーマ。飲みに行くか」

「おぅ……」

(今日に限って、親父たちが無駄に優しい)

*******
完結済・「くっコロされたい騎士団長様」の部分と少しズレがあるかもしれませんが、そっと見て頂けると嬉しいです(^^)
健全で終わらせるか少し迷い中です><

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。

明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。 新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。 しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…? 冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

無愛想な氷の貴公子は臆病な僕だけを逃さない~十年の片想いが溶かされるまで~

たら昆布
BL
執着ヤンデレ攻め×一途受け

ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために

ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話 ※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。

異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!

めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈ 社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。 もらった能力は“全言語理解”と“回復力”! ……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈ キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん! 出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。 最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈ 攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉ -------------------- ※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

処理中です...