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9】訓練が終わったら
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9】訓練が終わったら
今日は俺からしたら悪夢のスタートだったが、案外とついている日だったかもしれない。休み返上、雑念抹消の目的で訓練場にやってくればアラン様が来てくれた。コツコツと、俺たちがいる場所から遠く。入り口から響くブーツの音に、思わず耳がピクリと動く。俺が一番に反応を見せたあと、アラン様が登場するものだから近くにいた連中が「うわぁ……」と俺に呆れたが気にしない。俺はアラン様を優先するんだ。(揺るがない自信)
朝の邪念を上書きすべく、目をこれでもかと開き眼球という眼球にアラン様を焼き付ける。隣で「トーマ、怖いぞ」と聞こえたが、これも聞かなかったことにした。
「おはよう。今日も皆、やる気に満ちて訓練していて私も誇らしく、嬉しいぞ」
偉い方なのに、おごることなく。礼儀や挨拶は大切なことだと、俺たちにも気軽に挨拶してくれるアラン様。挨拶をして姿勢良く微笑んだアラン様の顔は、やはり綺麗だった。邪念が少しばかり去ったのか、俺の心臓の方がドキドキとしている。純情過ぎる。
ドキドキドキ。
(アラン様、こっちに来ないかな)
そんな淡い期待をしながら、剣を振り続けたが願いは通じることなく。アラン様を見れただけでも満足しろとでもいうように、アラン様は俺を揶揄う親父たちと談笑していた。(羨まし過ぎる)
だが俺にも、まだチャンスはある。訓練終わりだ。アラン様は、団員同士のコミュニケーションは大切だと時間があれば、最後まで俺達と接してくれる。勿論、お忙しいアラン様だ。今すぐ戻ってしまう可能性だってあるわけだが、そこは神様、アラン様。また心の中で戻らないで下さいと願うしかない。願ってばかりだが、片思いの恋愛なんてそんなものだろう?
チラチラとアラン様を見ながら訓練をしていれば、あっという間に時間は過ぎてゆき────俺の願いが叶ったのかアラン様は最後まで訓練場にいてくれた。
「今日の訓練はここまで!」
「「「「「お疲れ様でした!」」」」」
最後のちゃんと挨拶をして、訓練は一区切り。だが、やはり騎士団としての訓練はそれなりにきつい。「終わったぁ……!」とその場に座りこめば、俺の隣にいた連中が同じく座り込みながら俺の肩を小突いた。
「トーマ、良かったな。アラン様が久しぶりに最後までいらっしゃったぞ。ほら、いつもみたいに飲みに誘えよ。もしかしたら今回こそはOKして貰えるかもしれないぞ」
「……そうだよな? もしかしたら、今日こそ一緒に飲みに行けるかもしれないよな?」
なんて、アラン様については感情が急しい。急に凹んだかと思えば、急に前向きに考えたり。
「トーマ、今日のお誘いは良いのか?」
「そうだそうだ。トーマがしないなら、俺がお誘いしてみようかな」
「なっ! 待てよ! 俺の後にしろよ!」
「トーマ、当たって砕けてみろよ!」
「砕けたくねぇよ!」
なんて。疲れているというのに、これだ。また俺を揶揄う連中が増えつつも、俺はスゥッ……と息を吸い込んでアラン様の名前を呼んだ。
*******
久しぶりに更新しました!
【宣伝】別シリーズ、更新をしていた「異世界転生してみたら、出会った巨人がめちゃくちゃタイプだった件【巨人×人間】」が完結しました。良ければ読んで頂けると嬉しいです
今後は、此方かインキュバス~のどちらかを更新していければと思ってします
トーマメインの話はそんなに長くならない予定です
今日は俺からしたら悪夢のスタートだったが、案外とついている日だったかもしれない。休み返上、雑念抹消の目的で訓練場にやってくればアラン様が来てくれた。コツコツと、俺たちがいる場所から遠く。入り口から響くブーツの音に、思わず耳がピクリと動く。俺が一番に反応を見せたあと、アラン様が登場するものだから近くにいた連中が「うわぁ……」と俺に呆れたが気にしない。俺はアラン様を優先するんだ。(揺るがない自信)
朝の邪念を上書きすべく、目をこれでもかと開き眼球という眼球にアラン様を焼き付ける。隣で「トーマ、怖いぞ」と聞こえたが、これも聞かなかったことにした。
「おはよう。今日も皆、やる気に満ちて訓練していて私も誇らしく、嬉しいぞ」
偉い方なのに、おごることなく。礼儀や挨拶は大切なことだと、俺たちにも気軽に挨拶してくれるアラン様。挨拶をして姿勢良く微笑んだアラン様の顔は、やはり綺麗だった。邪念が少しばかり去ったのか、俺の心臓の方がドキドキとしている。純情過ぎる。
ドキドキドキ。
(アラン様、こっちに来ないかな)
そんな淡い期待をしながら、剣を振り続けたが願いは通じることなく。アラン様を見れただけでも満足しろとでもいうように、アラン様は俺を揶揄う親父たちと談笑していた。(羨まし過ぎる)
だが俺にも、まだチャンスはある。訓練終わりだ。アラン様は、団員同士のコミュニケーションは大切だと時間があれば、最後まで俺達と接してくれる。勿論、お忙しいアラン様だ。今すぐ戻ってしまう可能性だってあるわけだが、そこは神様、アラン様。また心の中で戻らないで下さいと願うしかない。願ってばかりだが、片思いの恋愛なんてそんなものだろう?
チラチラとアラン様を見ながら訓練をしていれば、あっという間に時間は過ぎてゆき────俺の願いが叶ったのかアラン様は最後まで訓練場にいてくれた。
「今日の訓練はここまで!」
「「「「「お疲れ様でした!」」」」」
最後のちゃんと挨拶をして、訓練は一区切り。だが、やはり騎士団としての訓練はそれなりにきつい。「終わったぁ……!」とその場に座りこめば、俺の隣にいた連中が同じく座り込みながら俺の肩を小突いた。
「トーマ、良かったな。アラン様が久しぶりに最後までいらっしゃったぞ。ほら、いつもみたいに飲みに誘えよ。もしかしたら今回こそはOKして貰えるかもしれないぞ」
「……そうだよな? もしかしたら、今日こそ一緒に飲みに行けるかもしれないよな?」
なんて、アラン様については感情が急しい。急に凹んだかと思えば、急に前向きに考えたり。
「トーマ、今日のお誘いは良いのか?」
「そうだそうだ。トーマがしないなら、俺がお誘いしてみようかな」
「なっ! 待てよ! 俺の後にしろよ!」
「トーマ、当たって砕けてみろよ!」
「砕けたくねぇよ!」
なんて。疲れているというのに、これだ。また俺を揶揄う連中が増えつつも、俺はスゥッ……と息を吸い込んでアラン様の名前を呼んだ。
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