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マリエとカナリアの場合のバレンタイン
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とあるテラスでマリア達のお茶会の様子を見ていた一人、マリエは優雅に紅茶を飲んでいた。
そして何故かカナリアも隣に立ち、呆れていた。
「ふん、やはりあの王子二人が残ったのね…」
つまらなそうに薔薇模様の扇を煽って溜息を吐いた。
カナリアは遠くから次々倒れていった男達を見てマリアのマフィンを見ながら震えていた。
「あの子、手先器用だから料理とか得意だと思ってたけど…何あの殺人鬼お菓子は」
「ふふ、可愛いらしいマリアでしょう」
愛しい目でマリアの様子を見て楽しむマリエにカナリアは呆れた顔でその場を立ち去る。
「…あー、私とりあえず用事あるんで。失礼しまーす」
カナリアと、入れ違いでトムがマリエの元に来た。
「マリエお嬢様らしくない、イタズラですね?こんな遠回しな事をして」
トムは椅子に座っていたマリエの後ろで話しをかける。
「…私はね、妹のマリアが可愛いのよ」
「えぇ知ってます」
「…トム知ってた?あの子小さい頃から…私の後ろについてきてきたけどね…いつも、そう私を通してエリオス様を見ていたのよ」
「僕はマリアお嬢様の一番はマリエお嬢様だと今でもそう思いますが…?」
「ふふ…一番とかそういう問題ではないのよ。…もしあの子がエリオス様を慕っている事を気づいたのであれば私は応援すべきだと思うけど…相手は王子。この先、色々と苦労と試練があるわ。まだあの子は知らない事が沢山あるの。だから私はー」
「見守りましょう。マリアお嬢様を。彼女は貴女の妹で強い方ですよ」
ニコッと微笑むトムにマリエは頰を赤らめた。
「ふふ、そうね。でも私ねやっぱりいつも余裕見せているエリオス様は気に食わないのよ。まだマリアは私から離れて欲しくないわね…」
寂しそうにしていたマリエにトムは薔薇の花束を渡した。
「まだまだお嬢様達には敵いませんが…はい、これ。薔薇の花がまた沢山咲きました。どうか受け取ってください」
ヘラッとたぬき顔で照れて笑うトムにマリエはまた顔を赤らめた。
「…っ。あ、あああ、貴方は本当ずるい男だわ…」
カナリアは人気のないベンチに座り、自分が作ったチョコレートプリンとフルーツゼリーを見ながら
「ま、ヒロインちゃんの手作りなんて誰も食べないもんね。トム先輩…薔薇の花束持ってたから渡したんだろうし」
自分の作ったチョコレートプリンを黙々と一人で食べていたら、
「情報屋、お前手作りなんてガラじゃねえだろう」
目の前には顔が青いスクアーロが立っていた。マリアのマフィンを食べて倒れたのが原因だとカナリアは知っていた。
「その情報屋という呼び方やめてもらえますかー、チョロアーロ」
反抗的な態度のカナリアにスクアーロは可愛くねぇなとボヤいていた。スクアーロはカナリアが食べていた
ゼリーを見てひょいっと手にとった。
「…渡さそうとして渡さなかったのか?トムに」
「だから何んですかー」
「ふーん…食ってい?」
「は?…別にいいけど…」
スクアーロは無言で食べた。カナリアも自分のチョコレートプリンを黙々と食べた。
長い沈黙が続いた。
食べ終わったスクアーロはフゥとひと息ついて
「悪かったな。前にトムはやめとけよと言って」
「やめるも何も別になんとも思ってないし…」
また長い沈黙が続いた。
スクアーロは席を立ち、
「ゼリー美味かった。今度はトムにきちんと渡せよ?ま、渡したらマリエ嬢に殺されるかもなー。じゃあな
カナリア」
「貴方も“お友達“に遠慮ばかりして、マリアに自分の気持ちを言えずじまいならないようにね。
スクアーロ」
スクアーロは目が丸くなり、ハハッと笑った。
「お前やっぱり性格悪いわ」
そう言って立ち去った。そんなスクアーロに舌を出すカナリア。
「攻略キャラでは一番好みでない貴方に言われたくないわ」
そう呟き、教室へ戻った。
そして何故かカナリアも隣に立ち、呆れていた。
「ふん、やはりあの王子二人が残ったのね…」
つまらなそうに薔薇模様の扇を煽って溜息を吐いた。
カナリアは遠くから次々倒れていった男達を見てマリアのマフィンを見ながら震えていた。
「あの子、手先器用だから料理とか得意だと思ってたけど…何あの殺人鬼お菓子は」
「ふふ、可愛いらしいマリアでしょう」
愛しい目でマリアの様子を見て楽しむマリエにカナリアは呆れた顔でその場を立ち去る。
「…あー、私とりあえず用事あるんで。失礼しまーす」
カナリアと、入れ違いでトムがマリエの元に来た。
「マリエお嬢様らしくない、イタズラですね?こんな遠回しな事をして」
トムは椅子に座っていたマリエの後ろで話しをかける。
「…私はね、妹のマリアが可愛いのよ」
「えぇ知ってます」
「…トム知ってた?あの子小さい頃から…私の後ろについてきてきたけどね…いつも、そう私を通してエリオス様を見ていたのよ」
「僕はマリアお嬢様の一番はマリエお嬢様だと今でもそう思いますが…?」
「ふふ…一番とかそういう問題ではないのよ。…もしあの子がエリオス様を慕っている事を気づいたのであれば私は応援すべきだと思うけど…相手は王子。この先、色々と苦労と試練があるわ。まだあの子は知らない事が沢山あるの。だから私はー」
「見守りましょう。マリアお嬢様を。彼女は貴女の妹で強い方ですよ」
ニコッと微笑むトムにマリエは頰を赤らめた。
「ふふ、そうね。でも私ねやっぱりいつも余裕見せているエリオス様は気に食わないのよ。まだマリアは私から離れて欲しくないわね…」
寂しそうにしていたマリエにトムは薔薇の花束を渡した。
「まだまだお嬢様達には敵いませんが…はい、これ。薔薇の花がまた沢山咲きました。どうか受け取ってください」
ヘラッとたぬき顔で照れて笑うトムにマリエはまた顔を赤らめた。
「…っ。あ、あああ、貴方は本当ずるい男だわ…」
カナリアは人気のないベンチに座り、自分が作ったチョコレートプリンとフルーツゼリーを見ながら
「ま、ヒロインちゃんの手作りなんて誰も食べないもんね。トム先輩…薔薇の花束持ってたから渡したんだろうし」
自分の作ったチョコレートプリンを黙々と一人で食べていたら、
「情報屋、お前手作りなんてガラじゃねえだろう」
目の前には顔が青いスクアーロが立っていた。マリアのマフィンを食べて倒れたのが原因だとカナリアは知っていた。
「その情報屋という呼び方やめてもらえますかー、チョロアーロ」
反抗的な態度のカナリアにスクアーロは可愛くねぇなとボヤいていた。スクアーロはカナリアが食べていた
ゼリーを見てひょいっと手にとった。
「…渡さそうとして渡さなかったのか?トムに」
「だから何んですかー」
「ふーん…食ってい?」
「は?…別にいいけど…」
スクアーロは無言で食べた。カナリアも自分のチョコレートプリンを黙々と食べた。
長い沈黙が続いた。
食べ終わったスクアーロはフゥとひと息ついて
「悪かったな。前にトムはやめとけよと言って」
「やめるも何も別になんとも思ってないし…」
また長い沈黙が続いた。
スクアーロは席を立ち、
「ゼリー美味かった。今度はトムにきちんと渡せよ?ま、渡したらマリエ嬢に殺されるかもなー。じゃあな
カナリア」
「貴方も“お友達“に遠慮ばかりして、マリアに自分の気持ちを言えずじまいならないようにね。
スクアーロ」
スクアーロは目が丸くなり、ハハッと笑った。
「お前やっぱり性格悪いわ」
そう言って立ち去った。そんなスクアーロに舌を出すカナリア。
「攻略キャラでは一番好みでない貴方に言われたくないわ」
そう呟き、教室へ戻った。
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