転生したら竜でした。が、マスターが性的に俺の上に乗っかろうとしています。

曙なつき

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外伝 その王子と恋に落ちたら大変です  第七章 新たなる黄金竜の誕生

第九話 名前

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 シルヴェスター王子の伴侶であるユーリス=バンクールが、小さな小さな黄金竜の雛を育てている。
 その話はたちまち王城の中で話題となり、入れ替わり立ち代わり、ユーリスの働く部屋を、城の者達が覗きにやって来た。

 ユーリスは胸元に布袋を入れ、そこに小さな雛を入れて肌に密着させていた。
 雛は温かなユーリスの胸元で、日中、大抵眠っているのだが、お腹が空いた時に「キュイキュイキュイ」と可愛らしく声を上げ、食事をねだる。ユーリスは目を細め、用意していた干し肉や果物を差し出すと、喜んで小さな竜はそれを食べていた。食欲の旺盛な小さな竜は、すぐさま大きくなるかと思っていたのに、食事量とその体躯は比例することなく、いつまでたっても、ユーリスの胸元の袋の中に入る、手乗りサイズのままだった。

 そのことを心配するユーリスに、黄金竜ウェイズリーは苦々しい口調で言っていた。

「キュルルルキュウキュウキュゥゥゥゥゥゥゥ(お前の胸元が気持ちいいから、小さい雛のサイズのままでいるんだろう)」

 生まれたばかりの黄金竜の雛に、ユーリスの胸元の温かな場所をすっかり独占され、不機嫌になっているウェイズリー。ウェイズリーが、隙あればユーリスの胸元に飛んでいこうとすると、雛は「シャー!!」と鋭い歯を剥き出しにして威嚇し、ユーリスの胸元では「キュイキュイキルルルルゥゥ」と甘えて鳴く。その二面性にウェイズリーは驚き呆れ、頭に来て、いつもユーリスの膝の上で尻尾をピシピシと打ち付けていた。

「キュイキュイキュッキュッキュー!!!!(こいつ、ユーリスの前では可愛い子ぶりやがって!!!!)」

「ウェイズリー、私の膝に尻尾を打ち付けないでくれ」

「キュイキュイキュウキュウキュルルルルルルルル!!!!(雛の時からこんなに性格が悪いとは。成長したら一体どんな奴になるのか。まったく末恐ろしいぞ!!!!)」

 そんな風に憤るウェイズリーの中の、シルヴェスター王子は、黄金竜ウェイズリーが、ユーリスだけを大切にして、他の者達に対しては本当に適当で、残酷で無関心であったことを知っていた。黄金竜ウェイズリーにとっては番のユーリスだけが全てであった。それを鑑みれば、この生まれたばかりの黄金竜はウェイズリーによく似ていた。

 いつかこの小さな黄金竜の雛にも、番が現れる。
 その番を、やはり、黄金竜は大切に、一途に想うのだろうか。


 黄金竜の雛は、ルドガーと名付けられた。
 すでに言語を解する素振りを見せていたルドガーは、名を付けられた時は嬉しそうに黄金色の瞳を輝かせ、ピンと尻尾を立てて喜びを露わにしたのだった。
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