127 / 702
8(中学編)
雨の日の電話
しおりを挟む
6月に入ったばかりで梅雨入りの声は聞こえてこないのに、連日の雨でちょっと気持ちもアンニュイな、そんな日の夜のこと。
自室で宿題をしていると、こんこん、とノックの音がした。
「はーい?」
「華、ちょっといいかしら」
「どうぞー」
入ってきた敦子さんは、ちょっと浮かない顔。
(どうしたのかな?)
「華、あのね、婚約披露パーティーなんだけど」
「うん?」
「延期、になりました」
「ふーん?」
私は首を傾げた。
(なんでたろ?)
「……もう少しびっくりするとかショック受けるとかしなさいよ」
「うーん」
ふふ、と笑うと「ほんとにお子様なんだから」と敦子さんは苦笑した。
「あのね、樹くんの大叔母様が亡くなられて」
「えっ」
「静子さんの妹さんなんだけど」
「そっかぁ……」
お悔やみにいかなくては。
静子さん、樹くん、大丈夫かな……。
「静子さんは、気にせず開催しましょうと仰ってくれているのだけど、そんなわけにも行かないでしよう」
「うん、そのほうがいいと思う」
「それもあって、樹くんのご両親が予定を前倒しして、帰国されるの。でもすぐにとんぼ返りになるそうなんだけど、八月には長期で帰国されるそうなのね。その時お会いできたらって」
「あ、そうなんだ」
「とりあえずまた外商さんに来ていただくから、お洋服見繕ってもらって。着物で形式張るよりいいでしょう」
「夏だしね~」
着物で夏はちょっと苦手だったりする。
「圭の服もね」
「わかりました」
そう返事をして、敦子さんが部屋を出たあと、お子様ケータイで樹くんのスマホに電話をしてみる。忙しいかなぁ。
『どうした?』
案外すぐ出た。
「大叔母様のこと、きいて。大丈夫?」
『ああ、わざわざすまん、俺は平気だ、京都に嫁がれていて、あまり会ったこともない方だったしな。祖母は……わからん、あんな人だから気丈に振る舞っているが』
「そっかぁ」
でも、ショックだよね。こういう時、なんて言えばいいかわからない。精神的にはかなり大人なはず、なんだけど。
「静子さんにもよろしく伝えてね」
こんな風に言うので精一杯。ごめんね。
『うむ……ああ、両親のことは聞いたか?』
「あ、うん」
『すまん、予定がころころと」
「とんでもないよ。こんな時だけど、ご両親とお会いできるのは嬉しいよ?」
樹くんのご両親、どんな人か気になってたんだよね。おんなじような性格とかなのかな。
『そう言ってくれて助かる』
「うん」
『ああ、そうだ、イタリア土産が届いた。また持っていく』
「別便だったんだっけ」
『荷物だけな』
樹くんはサッカーのキャリアを順調に重ねてて、5月の半ばから10日間ほど、イタリアで開催された15歳以下の国際大会に、日本代表として出場していた、らしい。結果はベスト8。
らしいというのは、ウチにはテレビもないしネットも(敦子さんはパソコン持ってるけど見せてくれない)ないので、サッカー雑誌を買うしか情報がないのだ。
『取材があったので、来月号に載る、かもしれん。分からんが』
「え、ほんと!? 絶対買う」
『しかし、エコノミークラスというのは、さすがに閉口した』
「あは」
全員でエコノミーで行ったらしい。ビジネスかファーストクラスにしか乗ったことのなかった樹くんは、相当驚いたと帰国後語っていた。
『……さすがにA代表ともなったらビジネスには乗れるよな?』
「それはしらないけど」
私はくすくす笑う。なんだか普段は大人でしっかりしているように見える樹くんも、なんだかんだ世間知らずのおぼっちゃまなとこも、ある。まぁ実は結構お子様なのも知ってるけどさ。てか基本年相応だよね、とは思ってる。
「なーんか、樹くんすごい人になりつつあるなぁ」
『どうした?』
「遠い世界の人? ってかんじ」
かたや世界的な企業のお坊ちゃんでサッカー日本代表で、一流の私立中学に通ってて、その上イケメンで何でもできて。
いっぽうの(一応)許婚である私は、少しばかり成績がいいだけ、の平凡な中学生だ。中身はアラサーだけど。あと食欲が少しばかり旺盛です。
「釣り合わないよねぇ」
ふふ、と笑いながら言うと樹くんは押し黙った。
「……樹くん?」
『俺は』
「うん」
声のトーンがふと真剣になったので、私もちょっと気を引き締める。
(変なこと言っちゃったかな)
『俺は、華がいるから頑張れて、いる』
「? 私?」
『ああ』
「なにもしてないけど」
たまに会ってご飯かケーキ食べるくらいで。
『……、いつか、家のこととか関係なく、華が俺を婚約者だと胸を張って言えるようになりたいと思っていて』
「うん?」
『できればそのためにも、家のことと全く関係なく評価してもらえる世界にいたいと思って、いてだな』
「うん」
『もちろんサッカーは好きだし、こう言ってはなんだが、華のためにサッカーをしているわけではない』
そりゃそうだ。首をかしげる。
『だが、華が、俺のモチベーションのひとつであることは忘れないで欲しい』
「ふうん?」
なるほど、わからん。
声に分かっていないのが出ていたのか、電話の向こうで樹くんは苦笑した。
『すまん、俺も考えがまとまっていない。だが、釣り合わないなどと言わないで欲しい。俺はそんなに大層な人間じゃない』
「そうかな? でもまー、樹くんは樹くんだよね」
どんだけすごい人になったって、樹くんは変わらない。初めて会った日は無愛想な子だなと思った。その影に見え隠れする優しさが可愛らしいとも思った。背が伸びて、声が低くなっても、それは変わらない。
「ずっとそのままの樹くんでいてね」
『……ああ』
電話の向こうで、樹くんが微笑んだのがわかった。
窓の外では雨がさあさあと降っている。そろそろ紫陽花が綺麗に咲くはずだ。
「樹くん、もう少ししたら紫陽花見に行こうねぇ」
のんびり言うと、樹くんは「そうしよう」と嬉しげに答えてくれる。
(ああ、またこの声)
こんな風な優しい声は、多分同年代の女の子だったら勘違いしちゃう。
("ゲームの華"は、きっとこの樹くんの優しさを勘違いしちゃったんだね)
少し切なくなる。ヒロインちゃんに、同じトーンで話しかける樹くんの声をきいて、"ゲームの華"がどんな気持ちになったのか。
(だからって、いじめたり、嫌がらせしちゃいけないけど)
窓の外ではやっぱりさあさあと雨が降り続いている。
そしてやっぱり私もアンニュイみたいで、「おやすみ」と電話を切ったあとも、しばらくこの謎の胸の痛みと戦うのだった。
自室で宿題をしていると、こんこん、とノックの音がした。
「はーい?」
「華、ちょっといいかしら」
「どうぞー」
入ってきた敦子さんは、ちょっと浮かない顔。
(どうしたのかな?)
「華、あのね、婚約披露パーティーなんだけど」
「うん?」
「延期、になりました」
「ふーん?」
私は首を傾げた。
(なんでたろ?)
「……もう少しびっくりするとかショック受けるとかしなさいよ」
「うーん」
ふふ、と笑うと「ほんとにお子様なんだから」と敦子さんは苦笑した。
「あのね、樹くんの大叔母様が亡くなられて」
「えっ」
「静子さんの妹さんなんだけど」
「そっかぁ……」
お悔やみにいかなくては。
静子さん、樹くん、大丈夫かな……。
「静子さんは、気にせず開催しましょうと仰ってくれているのだけど、そんなわけにも行かないでしよう」
「うん、そのほうがいいと思う」
「それもあって、樹くんのご両親が予定を前倒しして、帰国されるの。でもすぐにとんぼ返りになるそうなんだけど、八月には長期で帰国されるそうなのね。その時お会いできたらって」
「あ、そうなんだ」
「とりあえずまた外商さんに来ていただくから、お洋服見繕ってもらって。着物で形式張るよりいいでしょう」
「夏だしね~」
着物で夏はちょっと苦手だったりする。
「圭の服もね」
「わかりました」
そう返事をして、敦子さんが部屋を出たあと、お子様ケータイで樹くんのスマホに電話をしてみる。忙しいかなぁ。
『どうした?』
案外すぐ出た。
「大叔母様のこと、きいて。大丈夫?」
『ああ、わざわざすまん、俺は平気だ、京都に嫁がれていて、あまり会ったこともない方だったしな。祖母は……わからん、あんな人だから気丈に振る舞っているが』
「そっかぁ」
でも、ショックだよね。こういう時、なんて言えばいいかわからない。精神的にはかなり大人なはず、なんだけど。
「静子さんにもよろしく伝えてね」
こんな風に言うので精一杯。ごめんね。
『うむ……ああ、両親のことは聞いたか?』
「あ、うん」
『すまん、予定がころころと」
「とんでもないよ。こんな時だけど、ご両親とお会いできるのは嬉しいよ?」
樹くんのご両親、どんな人か気になってたんだよね。おんなじような性格とかなのかな。
『そう言ってくれて助かる』
「うん」
『ああ、そうだ、イタリア土産が届いた。また持っていく』
「別便だったんだっけ」
『荷物だけな』
樹くんはサッカーのキャリアを順調に重ねてて、5月の半ばから10日間ほど、イタリアで開催された15歳以下の国際大会に、日本代表として出場していた、らしい。結果はベスト8。
らしいというのは、ウチにはテレビもないしネットも(敦子さんはパソコン持ってるけど見せてくれない)ないので、サッカー雑誌を買うしか情報がないのだ。
『取材があったので、来月号に載る、かもしれん。分からんが』
「え、ほんと!? 絶対買う」
『しかし、エコノミークラスというのは、さすがに閉口した』
「あは」
全員でエコノミーで行ったらしい。ビジネスかファーストクラスにしか乗ったことのなかった樹くんは、相当驚いたと帰国後語っていた。
『……さすがにA代表ともなったらビジネスには乗れるよな?』
「それはしらないけど」
私はくすくす笑う。なんだか普段は大人でしっかりしているように見える樹くんも、なんだかんだ世間知らずのおぼっちゃまなとこも、ある。まぁ実は結構お子様なのも知ってるけどさ。てか基本年相応だよね、とは思ってる。
「なーんか、樹くんすごい人になりつつあるなぁ」
『どうした?』
「遠い世界の人? ってかんじ」
かたや世界的な企業のお坊ちゃんでサッカー日本代表で、一流の私立中学に通ってて、その上イケメンで何でもできて。
いっぽうの(一応)許婚である私は、少しばかり成績がいいだけ、の平凡な中学生だ。中身はアラサーだけど。あと食欲が少しばかり旺盛です。
「釣り合わないよねぇ」
ふふ、と笑いながら言うと樹くんは押し黙った。
「……樹くん?」
『俺は』
「うん」
声のトーンがふと真剣になったので、私もちょっと気を引き締める。
(変なこと言っちゃったかな)
『俺は、華がいるから頑張れて、いる』
「? 私?」
『ああ』
「なにもしてないけど」
たまに会ってご飯かケーキ食べるくらいで。
『……、いつか、家のこととか関係なく、華が俺を婚約者だと胸を張って言えるようになりたいと思っていて』
「うん?」
『できればそのためにも、家のことと全く関係なく評価してもらえる世界にいたいと思って、いてだな』
「うん」
『もちろんサッカーは好きだし、こう言ってはなんだが、華のためにサッカーをしているわけではない』
そりゃそうだ。首をかしげる。
『だが、華が、俺のモチベーションのひとつであることは忘れないで欲しい』
「ふうん?」
なるほど、わからん。
声に分かっていないのが出ていたのか、電話の向こうで樹くんは苦笑した。
『すまん、俺も考えがまとまっていない。だが、釣り合わないなどと言わないで欲しい。俺はそんなに大層な人間じゃない』
「そうかな? でもまー、樹くんは樹くんだよね」
どんだけすごい人になったって、樹くんは変わらない。初めて会った日は無愛想な子だなと思った。その影に見え隠れする優しさが可愛らしいとも思った。背が伸びて、声が低くなっても、それは変わらない。
「ずっとそのままの樹くんでいてね」
『……ああ』
電話の向こうで、樹くんが微笑んだのがわかった。
窓の外では雨がさあさあと降っている。そろそろ紫陽花が綺麗に咲くはずだ。
「樹くん、もう少ししたら紫陽花見に行こうねぇ」
のんびり言うと、樹くんは「そうしよう」と嬉しげに答えてくれる。
(ああ、またこの声)
こんな風な優しい声は、多分同年代の女の子だったら勘違いしちゃう。
("ゲームの華"は、きっとこの樹くんの優しさを勘違いしちゃったんだね)
少し切なくなる。ヒロインちゃんに、同じトーンで話しかける樹くんの声をきいて、"ゲームの華"がどんな気持ちになったのか。
(だからって、いじめたり、嫌がらせしちゃいけないけど)
窓の外ではやっぱりさあさあと雨が降り続いている。
そしてやっぱり私もアンニュイみたいで、「おやすみ」と電話を切ったあとも、しばらくこの謎の胸の痛みと戦うのだった。
20
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
古堂 素央
恋愛
【完結】
「なんでわたしを突き落とさないのよ」
学園の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた公爵令嬢ハナコ。
階段から転げ落ちたことをきっかけに、ハナコは自分が乙女ゲームの世界に生まれ変わったことを知る。しかもハナコは悪役令嬢のポジションで。
しかしなぜかヒロインそっちのけでぐいぐいハナコに迫ってくる攻略対象の王子。その上、王子は前世でハナコがこっぴどく振った瓶底眼鏡の山田そっくりで。
ギロチンエンドか瓶底眼鏡とゴールインするか。選択を迫られる中、他の攻略対象の好感度まで上がっていって!?
悪役令嬢? 断罪ざまぁ? いいえ、冴えない王子と結ばれるくらいなら、ノシつけてヒロインに押しつけます!
黒ヒロインの陰謀を交わしつつ、無事ハナコは王子の魔の手から逃げ切ることはできるのか!?
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
人生の攻略本を拾いました~彼女の行動がギャルゲー感覚で予測できるので、簡単にハーレム……とおもいきや誰かが死んでしまうらしい~
星上みかん(嬉野K)
恋愛
ギャルゲーマスターに攻略本を与えた結果。
この作品は、
【カクヨム】
【ノベルアップ+】
【アルファポリス】
に投稿しております。
☆
会話が苦手で、女性と楽しく話すなんて縁がない主人公。
ある日『人生の攻略本』と書かれた本を拾う。その本には学校でもトップクラスの美少女4人の攻略法が示されていた。まるで未来予知のように、彼女たちの行動が示されていたのである。
何を言えば好感度が上がるのか。どの行動をすれば告白されるのかまで、詳しく書かれていた。
これを使えば簡単に彼女およびハーレムが作れる、と浮足立つ主人公。
しかし攻略本を読み進めていくと、どうやらとあるキャラクターが死んでしまうようで。
その人の死は回避したい。しかし誰が死んでしまうのかはわからない。
ということで、全員と仲良くならないといけない。
仕方がなく、やむを得ず、本意ではないけれどハーレムを作ることになってしまう。
あくまでも人命救助に必要なだけですよ。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる