美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

花里 美佐

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第七章

ラグジュアリーな結婚

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 出来上がった本店、ビジネス街の支店、都内にあった事務所を一緒にして『ブラッサムフラワー』という会社を興した。もちろん、彼は共同経営者。でも名目上社長は私。

 私は結局、本店の二階にも自分の部屋を作った。そしてそこで忙しいときは寝起きをしたり、創作する場所を確保した。

 椎名さんは最初この本店の建築の話が出た時に、以前ビジネス街の部屋で寝起きしていた私のことを考えて、二階建てにして、上にプライベートスペースを作って創作活動もできるようにしたらどうですかと彼に提案してくれたらしい。

 素晴らしすぎる。もはや、椎名さんはうちの会社に引き抜きたいくらいだ。

 そして、その夜も彼は私の部屋に来ていた。最近は仕事が終わるとなぜかこちらに来る。結婚したわけではないのに、肩身が狭い。

「蓮さん。こちらに来るのは、せめて週末だけとかにしたらどうかしら?」

 なぜか婚約したのに彼は日々機嫌が悪くなっていく。

「ああ、さくら。何のために君はこの街へ戻ってきた?仕事の為じゃなかろうな?」

「店を作ってまで私をここへ戻したのはどこのどなたでしたかしら?」

 彼は私に抱きつくと、ため息をついた。

「やはり、同居しよう。ノースサイドに越してこい。そうじゃなければ僕がここに住む」

「蓮さんたら……」

「結婚式は簡単に済ませれば今の君だってできた。だから、とっととすればよかったのに、ぐちゃぐちゃ周りがうるさいからこういうことになる。別々に暮らすなんて僕は我慢ならない」

 結局、婚前同居することで了解してもらった。本当は嫌だったんだけど、そうも言っていられない。

 彼との婚約は正式に整ったが、結婚式はお家柄もあり、盛大にしないとまずい。

 その結婚式までの準備をする時間が物理的に作りづらい状況にあることを、正直に彼のご両親には話した。

 実は都内の事務所あてに先々の仕事を頂いていたが、半年の保留期間をお願いしていた。とにかく、いったん戻らないことには彼が許してくれないと思ったからだ。店のことを見極めたら都内の仕事も片付けに戻ろうと思っていた。

「結婚式はオーベルージュを使うなら来春がいいわ。ここに住んで、仕事以外の時間はここで打ち合わせをしましょう。事前に意向を聞いておけば私も手伝えるわ。あなたは自分の決めるべきことをやってくれればいい。招待客関連はすべて私達夫婦が考えます」

「ありがとう、母さん」

「わがままを許してくださりありがとうございます。よろしくお願いします」

「さくらさんには新しいここでの生活、立ち居振る舞いなど、最低限結婚式までに覚えてもらえるといいわね。あなた付の人選もしてあるのであとで私のほうからその説明はしますね」

 すると、お父様は別なことを言い出した。

「蓮、二年後に社長職を継ぐようにしてもらおうか」

「父さん」

「頃合いだと言ってあったな。仕事も本格的に共有する。そのつもりでいろ。まあ、結婚式後の一年に集中させるが、ここ一年は結婚式の準備と並行してやっていこう」

 私が神崎邸に入ったときから私付のお世話係の女性がふたりついた。私は若奥様と呼ばれ、私のスケジュールを把握する秘書のような人と神崎蓮の妻としての服装や身の回りのことを一手に引き受ける人がいた。

 秘書のような人は神崎造船の副社長夫人としての私の仕事とフラワーアーティストで花屋を二店舗経営する社長としての私の仕事を管理している。正直彼女の存在は助かった。

 店はほとんど状況把握をすることが主になった。店長は別にいて、定期的に彼女たちとどういう店にするか話し合う。私のほうからコンセプトを提示し、経営者として私の色を出していく。時間があれば店には出るが、個人のフラワーアーティストの仕事もあり、難しくなってきた。

「さくら、やはりすぐに籍を入れよう。式は来春だが、対外的にも君は妻だと伝えるよ。いい?」

「蓮さん、いいの?お父様やお母様は許してくださるの?」

「いや、もうそうすべきだと両親はずっと言っていた。君を紹介するため連れていきたいところも母はあるようだし、僕も君を同伴できれば色々助かる公式行事が多い。父もそのほうがいいだろうと言っていた」

「私はあなたに従います」

「よし、じゃあそうしよう」

「わかりました」

 私は神崎邸に入ってからというもの、自分の足でこの街を歩くことがなくなってしまった。常に車がついている。そして、気軽な格好で歩くことはない。

 彼のインタビュー記事の載った雑誌の記事が出た。このあたりではその噂で一時期もちきりになった。私が戻ってきて店を始めたことも、一年前の噂が本当だったんだと言われ始めた所以だ。

 結婚式は来春で先に籍を入れたことを公表した。この街の機関紙に取り上げられ、インタビューも受けた。左手薬指に婚約指輪をして、彼と常に行動を共にした。

 出かけるときは必ず上から下までドレスアップして貴婦人さながらだった。私の結婚は普通のものではないと最近わかってきた。声をかけられるときに羨望のまなざしを向けられる。

 美しい彼と共に並ぶため、私は自分磨きの時間も必要になった。一緒に造船会社社長婦人会というすごいランチ会におよばれして行った日のこと。お母さまが皆さんに私を紹介された。

 その日の為、私はエステに行き、ドレスを新調してもらった。鏡の前の自分がここ一か月で別人のような貴婦人に変わりつつあることを自覚しないではいられなかった。

「若奥様。お車が参りました」

「ありがとう」

 私には常に車の送迎がついた。そして外に出るときは気軽な格好で出歩くことは一切なくなった。神崎蓮夫人として見られても恥ずかしくない姿で常に外に出るようお母さまから言われた。私の評価は家の評価につながる。個人ではなくなったのだ。

 都内でフラワーアーティストとして仕事があり、ご挨拶するときはその神崎造船副社長夫人としての姿に変身する。マスコミも来るので、お母さまの言う通り、彼の為に恥ずかしくない女性となる。

 今日は店で半日過ごす。着いたら上の階で綿シャツにロングパンツ、エプロン、スニーカーに着替え作業をする。だが、帰りには変身する。神崎蓮夫人として見られても恥ずかしくない姿になるのだ。迎えの車に乗り込むときは別人に近い。

 店先で働く私は昔と何ひとつ変わらないが、この神崎邸での結婚生活はラグジュアリーそのものだ。至れり尽くせり。使用人がいて、料理人がいる。

 私は一般人で決してお嬢様ではなかったが、ここでは若奥様と呼ばれる身分となり、自分で家事や炊事をする必要はなくなってしまった。

 そのせいもあるだろう。いつの間にか、手の荒れも綺麗に治った。医者も呼ばれ、いいお薬を頂いたのだ。

 今日も、新婚の私たちは天蓋のレースが周りにあるキングベッドで寄り添って寝ていた。着ているのはシルクの総レースのナイトドレス。こうやって夜にふたりでその日のことを話す瞬間が大好きだ。人目を気にすることのない二人きりの時間。

「あなたのお陰でサウスエリアの仕事が増えてしまって……店員を増やして良かったわ」
 
 支店の店先には彼の会社のアイコンである帆船の模型がおかれた。つまり、この店は神崎造船と関係がありますと彼が言うところの冠を見せたわけだ。

 するとどうだろう。あっという間に仕事が舞い込んできた。

 サウスエリアにできた新しい商業施設であるショッピングモールの表玄関の装飾もうちに依頼が来た。お正月もうちの花を使ってくれるそうだ。

 サウスエリアは元々海沿いで、彼のもう1つの本社がある。彼の会社の庭だ。

「まあ、当たり前だな。サウスエリアはうちの本拠地だ。海沿いにある船のほとんどもうちのものだ」

「ええ、そうね。クリスマスが近いからしょうがないんだけど、最近ちょっと忙しすぎる」

 この街の本当にロマンチックな季節はもうすぐやってくる。

 クリスマスになると、うちの支店のあるBCストリート沿いや、彼のサウスエリアの本社があるサウスパークの近くはイルミネーションがすごくきれいだ。

 カップルが夜、大勢やってくる。夜まで店を開いておけば、多くの男性が女性に花を買っていく。

「さくら」

「ん?」

「クリスマスだが、どうしたい?」

「仕事よ。あなただって年末だし忙しいじゃない」

「夜の話だ……仕事が終わってからだ」

「え?」

「僕はね、自分の愛する人とクリスマスを過ごすのが初めてだ。なにしろ去年は君と会えなかった」

「それはしょうがないわ。蓮さんだって海外にいたじゃない」

「だから、今年こそは君と……」

 私は彼のたくましい胸に頭を置いた。

「今だって十分毎日がクリスマスよ。このラグジュアリーな結婚生活。本当に夢の国みたい」

「だから、夢の国じゃないとあれほど言ってるだろ。何しろ、両親は毎年クリスマスイブにオーベルージュで食事してそのままいつもの部屋へ泊ってくるんだ」

「そうなの?お二人は本当に仲がいいわね」

 お二人は、記念日はもちろん、イベントのある日は必ずと言っていいほどお出かけになり、ふたりでロマンチックに過ごす。

 それでなくても、日々このロマンチックな洋館で目のやり場に困るくらいラブラブでお過ごしだ。彼が人前にもかかわらず、平気で私に甘い言葉を囁いていたのは、きっとこのご両親の元で育ったせいなのだ。

「他人事みたいになんだよ。僕らは新婚なんだぞ。いつものホテルのスイートを予約してある。イブはあちらに泊まるぞ」

「ええ?!」

「君はこの時期ビジネス街の支店にほとんどいるだろ。あそこからホテルは近いから、仕事終わりにすぐだ」

 チュっと音を立てて私の唇にキスをする。あっけに取られて彼を見る。

「王道のラグジュアリーなクリスマスを僕らも体験してみないか?」

「ありがとう。楽しみだわ」

 彼の胸に顔を寄せた。彼が抱き寄せる。

 最上階のホテルレストランは何度も行った。何しろ噂の出所だ。

 その日はレストランに頼んで、クリスマススペシャルディナーを部屋に運んでもらった。

 イブのホテルレストランだ。私達が現れると、ここで何度も噂になっているので他のカップルのせっかくのロマンチックな雰囲気を壊してしまう。邪魔したくなかった。

 それに、彼が取ってくれたスイートルームで私達二人きりの甘いクリスマスを過ごしたかった。

 私はその日思い出のドレスを身にまとった。彼と再会したツインタワービルのラウンジに着ていったあのピンクのドレスだ。髪はおろした。彼は私の長い髪が好きだと言って、手に私の黒髪を巻いてキスをするのが大好きだ。

 指には彼のくれた婚約指輪。

 彼はホテルで待ち合わせた私の姿を見て、一瞬息をのんだ。

「そうか……よくわかったよ」

「え?」

「君のその姿に……あの時一目ぼれしたんだ。昼間の花屋の君ももちろん自然体でとても良かった。だが、あの日ラウンジで見た君はさなぎから脱皮した蝶のように美しかった」

「……蓮さん」

「それなのに、君は名取のものなのかとがっかりした。すると、君は名取を一度フッたとあの時言った。今だと思った。少々強引に君を囲い込んだ」

 彼は私の手を引いて優しく自分の腕の中に囲った。彼を見上げた。彼だって美しい。今日の彼はシルバーのスーツ。俳優のような整った顔。毎日見ても見飽きないほどの美しさ。私は毎日夢の中にいるようだ。

 彼の生活はノースサイドでも有名な洋館、神崎邸にある。その妻となった私は、あの洋館を中心にセレブの仲間入りを果たし、ラグジュアリーを日々体感している。

 でもそれだけじゃない。私にとっての本当のラグジュアリーは、宝石のような美しい彼を見つめながら常に過ごせるこの瞬間にあるのだ。

「最近、君はまぶしいくらい美しくなった。そのせいで、君を目にした連中が皆口をそろえて僕をからかうんだ。選びに選んだ理由がわかったとね。正直結婚式もしたくない。誰にも君を見せたくない。君を閉じ込めておきたいくらいだ」

 プイっと横を向いて膨れている。何なんだろう。

「このラグジュアリーな結婚生活で、私は皆さんに磨いて頂いただけよ。ただの石ころだったけどあなたの横にいるとあなたの光をもらうことができる。輝いて見えるとしたらあなたの光が当たって反射しているだけよ」

「何を言っているんだか……君は自分の美しさがどれほどか全くわかっていない。美しい君にこれを……」

 ポケットからダイヤのネックレスを取り出した彼は私の首にかけた。

「これ……」

「クリスマスプレゼント。指輪とおそろいにした。ようやくできて来たよ。後ろに二人の名前も入れた」

「とても素敵だわ。本当にありがとう。私もあなたにプレゼントがある」

 彼の腕に私の腕にしていたふたつの腕時計を一つ外して彼につけた。

「ペアよ。刻印も入っているわ。都内にいた時から買ってあったの。一目ぼれしてしまって、あなたのような人にあげるには少し普通過ぎて迷ったの。でもどうしてもあなたとつけたかった」

「ありがとう。うれしいよ。首輪と腕輪。お互い相手を繋いでおきたいんだな」

「うふふ、そうかもしれないわ。蓮さんは、私に繋がれてくれる?」

「一生君に繋がれてあげよう」

「最近ようやくあなたの隣に私がいることを自分で許せるようになった。これからもどうぞよろしく、旦那様」

 彼は私を抱き上げるとベッドへまっしぐら。

「ねえ、せっかくのクリスマスディナーは?」

「少しだけ君を堪能したい。このドレスを脱がせたい」

 耳元で言う。恥ずかしい。

「かわいい、さくら。前も言ったね。君がいないと僕は息ができない。もう離れるのはごめんだ。僕のそばで一生笑っていて」

「……蓮さん」

 彼はドレスを取り、ネックレスひとつにした私をゆっくり優しく愛した。

 その後、お風呂に入り遅いディナーを頂いた。静かな海の灯台の光が見える。この部屋にしたのは灯台まで見えるからだそうだ。さすが造船会社の玲瓏皇子。

「愛してるわ」

 ベッドに戻り、静かに眠っている彼の顔を見ながら囁く。すると、彼がぱちりと大きな目を開けた。

「……いま、愛してるって言った?」

「……ええ」

「初めて言ってくれた」

「自信がなかったの……口にしたら別れられなくなると思ってた。わたしあなたの奥さんなんだもの、もう大丈夫よね?」

 彼は何も言わず私を抱き寄せると口づけた。それが答えだと言うように……。

 窓の外には美しいクリスマスツリーが見える。きらめくイルミネーションが光の渦のようだ。

 この街で初めて愛する人とのクリスマスを満喫した。素晴らしい夜となった。まさか毎年それが続いていくなんて、その時は想像もしていなかった。

fin.

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