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<ジルベール>恋愛ルート
26<ジルベール>視点
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―― 夢かな
目が覚めて、ベットの上で思う。
レイザードと、恋人になれた。正確には違うけど断られると思っていたから、機会をもらえたことが凄くうれしい。
口が滑ってしまったときは、血の気が引いたけれど結果的に良かったのかもしれない。じゃないと一生言えずにいた可能性もある。
―― 大丈夫だよな、現実だよな
身だしなみを整えていると、不安が襲ってきた。
レイザードに好きだと伝えたこと、機会をもらえて付き合えるようになったこと。現実だと思っているけど、俺の願望が強すぎて夢な様な気がしてきた。
―― 大丈夫だ。夢じゃない
昨日のことを思い返して、自分を納得させる。あと現実じゃないと、立ち直れる気がしない。
でも不安もあるけれど、嬉しい気持ちも凄くある。気分がすごく良い。いまならユージスにも、笑顔で挨拶できる気がする。そんな日は、一生こないと思っていたけれど。
―― 迎えに行ったら、迷惑かな
気持ちを伝えて機会をもらえて、凄くうれしい。けど今まで通りだと、せっかくレイザードにもらえて機会を無駄にしてしまう。
―― 好きになってもらえるように、頑張らないとな
勇気を出して少しは、恋人らしいことをしようって考えて一つ浮かんだ。学園までレイザードと、一緒に行きたいって。一応は恋人なんだから、おかしくないはず……そこまで考えて、恋人らしいことが何か分からないことに気づく。
―― 聞ける相手がいない
誰かと付き合ったことがない。そもそも付き合いたいと思ったことがない。レイザードが初恋で、恋人になりたいなんて思ったのも彼だけだ。
だから思いつかないのもしょうがないのかもしれないけれど、恋人ならこうするっていうのが思いつかない。
―― お茶は……
一緒に出かけてお茶をして、恋人らしいかなと思った。けどレイザードは友達でも、お茶に誘って応じてくれている。代り映えしない気がする。
―― あいつには、聞きたくない
色ごと慣れていそうなユージスの顔が、浮かんだ。あいつは見かけるたびに別人を連れていたから、恋人らしいなんて考えなくても分かるだろう。きっと好きになった相手とも、簡単に付き合える。それを羨ましいと思ったことは、ないけれど。
―― 止めた
あいつがどうだろうと、俺とは違う。そもそもとっかえひっかえされて、それでも喜んでいるような相手と彼を一緒にしたくない。
それに前にレイザードは、あいつより俺のほう良いって言ってくれた。友達としてだけれど、それでも俺のほうがって。だからあいつならどうするなんて、考えるのは止めよう。
分からなくてもいい案が浮かばなくても、ちゃんと自分で考えて動こう。
「とりあえず第一歩だ。頑張れ」
背をたたいてくれる人なんていないから、声に出して自分を励ます。こんな姿を見られたら、ユージスのよい笑いの種だ。
格好悪いとは思う。けどせめて好きな人の前では、格好良くいよう。
そんな決意は意を決して向かったレイザードの家の前で、あっけなく崩れた。
目が覚めて、ベットの上で思う。
レイザードと、恋人になれた。正確には違うけど断られると思っていたから、機会をもらえたことが凄くうれしい。
口が滑ってしまったときは、血の気が引いたけれど結果的に良かったのかもしれない。じゃないと一生言えずにいた可能性もある。
―― 大丈夫だよな、現実だよな
身だしなみを整えていると、不安が襲ってきた。
レイザードに好きだと伝えたこと、機会をもらえて付き合えるようになったこと。現実だと思っているけど、俺の願望が強すぎて夢な様な気がしてきた。
―― 大丈夫だ。夢じゃない
昨日のことを思い返して、自分を納得させる。あと現実じゃないと、立ち直れる気がしない。
でも不安もあるけれど、嬉しい気持ちも凄くある。気分がすごく良い。いまならユージスにも、笑顔で挨拶できる気がする。そんな日は、一生こないと思っていたけれど。
―― 迎えに行ったら、迷惑かな
気持ちを伝えて機会をもらえて、凄くうれしい。けど今まで通りだと、せっかくレイザードにもらえて機会を無駄にしてしまう。
―― 好きになってもらえるように、頑張らないとな
勇気を出して少しは、恋人らしいことをしようって考えて一つ浮かんだ。学園までレイザードと、一緒に行きたいって。一応は恋人なんだから、おかしくないはず……そこまで考えて、恋人らしいことが何か分からないことに気づく。
―― 聞ける相手がいない
誰かと付き合ったことがない。そもそも付き合いたいと思ったことがない。レイザードが初恋で、恋人になりたいなんて思ったのも彼だけだ。
だから思いつかないのもしょうがないのかもしれないけれど、恋人ならこうするっていうのが思いつかない。
―― お茶は……
一緒に出かけてお茶をして、恋人らしいかなと思った。けどレイザードは友達でも、お茶に誘って応じてくれている。代り映えしない気がする。
―― あいつには、聞きたくない
色ごと慣れていそうなユージスの顔が、浮かんだ。あいつは見かけるたびに別人を連れていたから、恋人らしいなんて考えなくても分かるだろう。きっと好きになった相手とも、簡単に付き合える。それを羨ましいと思ったことは、ないけれど。
―― 止めた
あいつがどうだろうと、俺とは違う。そもそもとっかえひっかえされて、それでも喜んでいるような相手と彼を一緒にしたくない。
それに前にレイザードは、あいつより俺のほう良いって言ってくれた。友達としてだけれど、それでも俺のほうがって。だからあいつならどうするなんて、考えるのは止めよう。
分からなくてもいい案が浮かばなくても、ちゃんと自分で考えて動こう。
「とりあえず第一歩だ。頑張れ」
背をたたいてくれる人なんていないから、声に出して自分を励ます。こんな姿を見られたら、ユージスのよい笑いの種だ。
格好悪いとは思う。けどせめて好きな人の前では、格好良くいよう。
そんな決意は意を決して向かったレイザードの家の前で、あっけなく崩れた。
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