あなたの月 8月

渋谷かな

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地球神アースと地上テレビ

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「退屈だ。」
 天界の神は退屈だった。
「どうして神なのに退屈しなければいけない!?」
 神の名は地球神アース。主人公ネームのアースは遂に神の座を手に入れた。
「人間の様子でも見るか。」
 人間は神様の退屈しのぎに作られた生きものであった。

「今日の魔物は黒い馬ナイトメアが5匹とマシンキラーが5匹。これぐらいならみんなでも倒せるわね。さあ、クラスのみんなに教えてあげて成績をアップさせてあげようっと。」
 女教師バルゴ。
「もう、いい! 私は生涯独身で生きて死んでやる!」
 彼女は乙女座らしく彼氏ができたことはなかった。
「お金持ちの男なんて、この世にはいないもんね。」
 まだ若いが既におばさん臭いバルゴ。

「ということで事件です。世界戦略として日本以外の所にも修学旅行としてモンスター退治に行ってもらいます。まずはお隣の中国の万里の長城です。第9月戌組はモンスター退治に出撃してください。」
 バルゴが第9月戌組に新たなミッションを告げる。世界でウケるためにも戦いの舞台は多く変えた方がいい。エジプトのピラミッドでミイラとか、アメリカで自由の女神像と戦った方がいい。
「zzz。」
 いつも通り長月は寝ている。
「ワンッ!?」
(起きろ!? 長月!?)
 長月の師匠が戌の干支ドック。
「無理ですよ。長月は寝たら起きないんだから。」
 諦めているのが長月の親友セプテンバー。
「ワンッ!」
(そんなことはない!)
 ガブッと長月を噛みまくるドック。
「長月ってバカね。」
「やっぱりサファイア様じゃないと。」
「そうそう、役者が違うのよ。」
 クラスの女子、リンドウ、芙蓉、桔梗はサファイア親衛隊である。
「事件? 事件は私にお任せください! 私が華麗に解決して見せましょう! ワッハッハー!」
 自信満々なサファイア。
「キャアアアアアアー! サファイア様!」
 熱狂的なファンのサファイア親衛隊。
「ワッハッハー! 私に不可能はない!」
「キャアアアアアアー!」
 これがサファイアの日常。
「はあ・・・・・・。後始末するの俺なんだけど。」
 アイオライトはサファイアの不幸な陰である。
「zzz。」
 長月はドックにかじられながらも眠っていた。少し血は流れている。

「でやあー! 私を相手にしたことを恨むがいい!」
 サファイアたちがモンスターと戦っている。
「がんばれー! サファイア様!」
 親衛隊は応援している。
「私の必殺技を見せてやろう! サファイア! マーベラス・アタック!」
 ドカーンっと必殺技をかますサファイア。
「ああ・・・・・・周辺が粉々だ。誰が復旧作業をすると思っているんだ? まったく。」
 負傷したアイオライトは戦後の後始末を考えていた。いつものことだ。
「グルグル~。」
 パワーを使い果たしたサファイア、衝撃の被害に巻き込まれたサファイア親衛隊は目を回して倒れていた。
「カッカッカー! 地獄の中国3丁目へ、ようこそ!」
 そこに悪魔が現れる。
「私は傲慢のルシファー!」
「新しい悪魔だぞ!? やっとマモンから変わった! 嬉しい!」
「何をゴチャゴチャ言っている! ここをおまえたちの墓場にしてやろう!」
 現れたのは七つの大罪の悪魔ルシファー。
「死ね! 人間ども! ルシファー・ビーム!」
 襲い掛かるルシファー。
「ここまでか!?」
 死を覚悟するアイオライト。他のサファイアたちは気絶している。
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・無理。棺桶を引きながら泳いで海を渡って、さらに中国に上陸して陸地で棺桶を引く。やっとたどり着いたぞ。万里の長城。」
 そこにセプテンバーが棺桶を引いてやって来た。
「なんだ!? おまえは!?」
「棺桶引士だ。」
 呪われた棺桶引士。
「棺桶がどうしたというのだ?」
「この中には俺たちの希望が入っているんだ!」
 セプテンバーは棺桶を開ける。
「はあはあはあ!? 窒息して死ぬかと思った!?」
 中から長月が現れる。
「いいかげん空気穴くらいは開けてくれ!? って、ここはどこだよ!?」
「すまん。ここは中国だ。」
「中国!?」
 まだ棺桶には空気を吸う穴がなかったようだ。さすがの眠れる長月も目が覚めた。
「待たせたな。」
 状況が理解できない長月。
「そういえば中国なら悪魔は孫悟空とかでいいはずだ。なぜ悪魔の私が登場しているんだろう?」
 首を傾げるルシファー。
「俺は戌の干支の干支守だ! ・・・・・・俺の・・・・・・俺の眠りを妨げる奴は許さねえー!」
 眠っている間にエネルギーを充電する長月の力が爆発する。
「俺はただ寝たいだけなんだー!」
 長月は刀を構える。
「戌干支流奥義! チャイナ・ドック!」
 強大なエネルギー破がルシファーに向けて飛ばされる。
「ギャアアアアアアー!? 不意打ちとは卑怯な!? 覚えてろよ!?」
 悪魔は撤退した。
「やったー! 勝ったぞー! 長月!」
 喜ぶセプテンバー。
「zzz。」
「・・・・・・もう寝てる。」
 勝利に喜ぶどころか長月は眠りに入った。
「おまえも大変だな。」
「俺もおまえの気持ちが分かるぞ。」
「どうやって日本に帰るんだよ!?」
 慰め合うセプテンバーとアイオライト。
「そういえばドックは一緒じゃないんだな?」
「ずっと骨をしゃぶっているよ。」
「ワン!」
(美味しい!)
 いつも戌の干支様のドックは大好物の骨に夢中で世界平和を忘れていた。

「私にかかれば、どんな事件でも解決してみせます! ワッハッハー!」
 手柄は自分のモノにするサファイアに悪気はない。
「サファイア様! 素敵!」
 サファイア親衛隊もサファイアが事件を解決したものと思っている。
「zzz。」
 なぜなら長月は眠っているので反論しないからだ。
 つづく
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