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友達
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「次、カロヤカさん、読んでみろ。」
「はい。」
無事に入学式を終えたカロヤカさん。今は、普通に国語の授業を受けている。国語教師の名前は、伊集院苺。
「春はあけぼの。ようよう白くなり行く山際。」
カロヤカさんが清少納言の徒然草を読んでいく。
「キャア!?」
悲鳴を上げて、クラスメイト達が倒れていく。
「どうした!? 大丈夫か!?」
「先生!? みんながカロヤカさんの美声を聞いて、泡を吹いて気絶しています!?」
生徒たちはカロヤカさんの本読みに目をハートにしてうっとり倒れ込んでいた。
「少し明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる。」
「ギャア!?」
国語の教科書を読み進めるカロヤカさん。彼女の美声によって重軽傷者は増えていく。
「読むな!? カロヤカ!」
思わず教師はカロヤカさんの朗読を止めに入る。
「ムカ。先生だからって、呼び捨てにされる道理はありません。夏は夜。月の頃はさらなり。」
カロヤカさんは、名前を呼び捨てにされたことをムカつき、徒然草を読み進めようとする。
「やめてくれ!? やめて下さい!? カロヤカさん!? ゲホッ!?」
こうして国語教師が断末魔にカロヤカさんに謝罪して、事なきを得た。
「救急車!? タンカーはまだ!?」
「急いで!? みんな死んじゃうよ!?」
教室はパニックになっていた。
「お昼のニュースです。東京都の紅葉高校で熱中症で生徒が20人緊急搬送されました。」
「いや~怖いですね。教室の中でも暑いと人間は倒れちゃうんですね。」
ちょっとしたニュースでも放送された。
「次、カロヤカさんは飛ばして、その後ろ。」
「え? 先生。私は教科書を読まなくていいんですか?」
「カロヤカさんは、本読み禁止だ! これ以上、本を読まれたら、学校で死者が出るでしょ!」
これ以降、カロヤカさんは、授業中はマスクをさせられるようになった。
「カロヤカさん、無敵だな。」
「どうだ? 絶対無敵カロヤカさんだ! ワッハッハー!」
2年生のライト文芸部部長の春夏冬天と文学部員の宇賀神麗の友達2人がカロヤカさんを話題にしている。ライト文芸部、通称、ラノベ部。
「でも、どうやって、カロヤカさんをラノベ部に入部させるんだ? どこの部活動も入部を断られ続けているぞ?」
「フッフッフ、甘いな、麗は。」
「そうか? どちらかというと汗で塩辛いと思うのだが?」
「体を舐めるな!」
軽いジャブを放つ宇賀神麗。
「ああいう、無意識に完璧な人間は、普通ではない所に引かれるものだよ。」
「そういうものかな?」
「部員2人の我がラノベ部も、カロヤカさんをゲットして、部活動に昇格するぞ!」
「天は、部活に昇格して、予算が欲しいだけだろう。」
「バレたか!? 部費で脚本を書く口実で、旅行しまくるぞ! ワッハッハー!」
「この罰当たりめ。」
ラノベ部。正確には、ラノベ愛好会である。愛好会設立2年目。
「私が高校生の間に全国47都道府県に行けるかどうかは、カロヤカさんの獲得にかかっている!」
「今何都道府県行ったんだ?」
「4つ。東京、千葉、神奈川、埼玉。」
「聞いた私がバカだったよ。」
この1年、ラノベ部に部員が入って来ない理由が分かるような部長と部員の会話である。
「安心しろ! 私は、カロヤカさんの弱点を知っている!」
「はいはい、嘘つき。」
「本当だって!? 私はカロヤカさんの弱点を知っているんだって!」
こうしてラノベ部による、カロヤカさん鹵獲作戦が計画されていた。
「カロヤカさん、筆箱を忘れたの。鉛筆を貸して。ニコッ。」
「はい。」
カロヤカさんの席の隣の女の子が忘れ物をしたので、カロヤカさんに鉛筆を借りている。ちなみにカロヤカさんの席の隣の女の子の名前は、越後屋笑(エチゴヤエミ)。
「カロヤカさん、消しゴムも借りていい。ニコッ。」
「筆箱を忘れたのなら、仕方がないな。」
「カロヤカさん、教科書も見せて下さい。ニコッ。」
「なんでそんなに忘れ物が多いのよ!?」
あまりにも忘れ物が多いので温厚なカロヤカさんもキレた。
「だってカバンを忘れたんだもの! ウエ~ン!」
あまりの恐ろしさに泣き出す笑。
「何しに学校にやって来たんだよ!?」
「お弁当を食べるために。キラ~ン!」
「カバンを忘れて、弁当を手で持ってきたのか!?」
笑は自慢げにお弁当を見せつける。不思議ちゃんのような、ドジっ子のような笑にさすがのカロヤカさんもお手上げである。
「面白い。笑みがカロヤカさんに絡んでいる所が。」
「どこがだ!?」
そして、もう片一方のカロヤカさんの席の隣に座っている女の子がいる。
「おまえの名前の方が面白いわ!」
「そんなこと言わないでよ!? 好きで、こんな名前を名乗っているんじゃないんだから!?」
女の子の名前は、小田急大蛇。
「恨むんならキラキラネームをつけた親を怨むんだな。」
「お父さん、お母さん、私を生んでくれてありがとう。キラ~ン。」
大蛇は、昼間だが空に向かって感謝した。
「どうして、そんな名前になったの?」
「親が蛇が好きだったの。」
「最悪。」
「まだマシよ。」
「どうして?」
「本当は大蛇じゃなくて、八岐大蛇になるかもしれなかったんだもの。」
「良かったね。大蛇で。ニコッ。」
「ありがとう。笑。」
「頭が痛くなってきた。私、この二人に挟まれて生きていく自身が無いんだけど。」
何をやらしても完璧にこなす、絶対無敵のカロヤカさんも人間関係には悩まされるのだった。
「私、ドジっ子だから、カロヤカさんに助けてもらって生きるの。ニコッ。」
「私もラノベが好きだから、カロヤカさんみたいな、スーパースターと友達になれるのは嬉しいな。アハッ。」
「私の友達はスマホだけでいいよ。グッタリ。」
こうして近寄りがたいはずのカロヤカさんにも、何も考えないで近づいてきた笑と大蛇という二人の友達ができた。
つづく。
「はい。」
無事に入学式を終えたカロヤカさん。今は、普通に国語の授業を受けている。国語教師の名前は、伊集院苺。
「春はあけぼの。ようよう白くなり行く山際。」
カロヤカさんが清少納言の徒然草を読んでいく。
「キャア!?」
悲鳴を上げて、クラスメイト達が倒れていく。
「どうした!? 大丈夫か!?」
「先生!? みんながカロヤカさんの美声を聞いて、泡を吹いて気絶しています!?」
生徒たちはカロヤカさんの本読みに目をハートにしてうっとり倒れ込んでいた。
「少し明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる。」
「ギャア!?」
国語の教科書を読み進めるカロヤカさん。彼女の美声によって重軽傷者は増えていく。
「読むな!? カロヤカ!」
思わず教師はカロヤカさんの朗読を止めに入る。
「ムカ。先生だからって、呼び捨てにされる道理はありません。夏は夜。月の頃はさらなり。」
カロヤカさんは、名前を呼び捨てにされたことをムカつき、徒然草を読み進めようとする。
「やめてくれ!? やめて下さい!? カロヤカさん!? ゲホッ!?」
こうして国語教師が断末魔にカロヤカさんに謝罪して、事なきを得た。
「救急車!? タンカーはまだ!?」
「急いで!? みんな死んじゃうよ!?」
教室はパニックになっていた。
「お昼のニュースです。東京都の紅葉高校で熱中症で生徒が20人緊急搬送されました。」
「いや~怖いですね。教室の中でも暑いと人間は倒れちゃうんですね。」
ちょっとしたニュースでも放送された。
「次、カロヤカさんは飛ばして、その後ろ。」
「え? 先生。私は教科書を読まなくていいんですか?」
「カロヤカさんは、本読み禁止だ! これ以上、本を読まれたら、学校で死者が出るでしょ!」
これ以降、カロヤカさんは、授業中はマスクをさせられるようになった。
「カロヤカさん、無敵だな。」
「どうだ? 絶対無敵カロヤカさんだ! ワッハッハー!」
2年生のライト文芸部部長の春夏冬天と文学部員の宇賀神麗の友達2人がカロヤカさんを話題にしている。ライト文芸部、通称、ラノベ部。
「でも、どうやって、カロヤカさんをラノベ部に入部させるんだ? どこの部活動も入部を断られ続けているぞ?」
「フッフッフ、甘いな、麗は。」
「そうか? どちらかというと汗で塩辛いと思うのだが?」
「体を舐めるな!」
軽いジャブを放つ宇賀神麗。
「ああいう、無意識に完璧な人間は、普通ではない所に引かれるものだよ。」
「そういうものかな?」
「部員2人の我がラノベ部も、カロヤカさんをゲットして、部活動に昇格するぞ!」
「天は、部活に昇格して、予算が欲しいだけだろう。」
「バレたか!? 部費で脚本を書く口実で、旅行しまくるぞ! ワッハッハー!」
「この罰当たりめ。」
ラノベ部。正確には、ラノベ愛好会である。愛好会設立2年目。
「私が高校生の間に全国47都道府県に行けるかどうかは、カロヤカさんの獲得にかかっている!」
「今何都道府県行ったんだ?」
「4つ。東京、千葉、神奈川、埼玉。」
「聞いた私がバカだったよ。」
この1年、ラノベ部に部員が入って来ない理由が分かるような部長と部員の会話である。
「安心しろ! 私は、カロヤカさんの弱点を知っている!」
「はいはい、嘘つき。」
「本当だって!? 私はカロヤカさんの弱点を知っているんだって!」
こうしてラノベ部による、カロヤカさん鹵獲作戦が計画されていた。
「カロヤカさん、筆箱を忘れたの。鉛筆を貸して。ニコッ。」
「はい。」
カロヤカさんの席の隣の女の子が忘れ物をしたので、カロヤカさんに鉛筆を借りている。ちなみにカロヤカさんの席の隣の女の子の名前は、越後屋笑(エチゴヤエミ)。
「カロヤカさん、消しゴムも借りていい。ニコッ。」
「筆箱を忘れたのなら、仕方がないな。」
「カロヤカさん、教科書も見せて下さい。ニコッ。」
「なんでそんなに忘れ物が多いのよ!?」
あまりにも忘れ物が多いので温厚なカロヤカさんもキレた。
「だってカバンを忘れたんだもの! ウエ~ン!」
あまりの恐ろしさに泣き出す笑。
「何しに学校にやって来たんだよ!?」
「お弁当を食べるために。キラ~ン!」
「カバンを忘れて、弁当を手で持ってきたのか!?」
笑は自慢げにお弁当を見せつける。不思議ちゃんのような、ドジっ子のような笑にさすがのカロヤカさんもお手上げである。
「面白い。笑みがカロヤカさんに絡んでいる所が。」
「どこがだ!?」
そして、もう片一方のカロヤカさんの席の隣に座っている女の子がいる。
「おまえの名前の方が面白いわ!」
「そんなこと言わないでよ!? 好きで、こんな名前を名乗っているんじゃないんだから!?」
女の子の名前は、小田急大蛇。
「恨むんならキラキラネームをつけた親を怨むんだな。」
「お父さん、お母さん、私を生んでくれてありがとう。キラ~ン。」
大蛇は、昼間だが空に向かって感謝した。
「どうして、そんな名前になったの?」
「親が蛇が好きだったの。」
「最悪。」
「まだマシよ。」
「どうして?」
「本当は大蛇じゃなくて、八岐大蛇になるかもしれなかったんだもの。」
「良かったね。大蛇で。ニコッ。」
「ありがとう。笑。」
「頭が痛くなってきた。私、この二人に挟まれて生きていく自身が無いんだけど。」
何をやらしても完璧にこなす、絶対無敵のカロヤカさんも人間関係には悩まされるのだった。
「私、ドジっ子だから、カロヤカさんに助けてもらって生きるの。ニコッ。」
「私もラノベが好きだから、カロヤカさんみたいな、スーパースターと友達になれるのは嬉しいな。アハッ。」
「私の友達はスマホだけでいいよ。グッタリ。」
こうして近寄りがたいはずのカロヤカさんにも、何も考えないで近づいてきた笑と大蛇という二人の友達ができた。
つづく。
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