71 / 143
08 異世界
デバッグ入場制限
しおりを挟む
レイスさんが爽やかな笑顔で匙を投げた後も、わたしたちは最善を尽くして木の中に入ろうとした。
ロイドさんを説得し、ホーンウルフたちと一緒に木を揺らしてみたり。
アリスメードさんが矢を打ち込んでみたり。
シアトルさんが魔法陣を書こうとしたり。
キースは無駄に鳴いて威嚇したり。
ホーンウルフたちとスードルが風や魔力の流れを読んで、どこかに穴が空いてないかと探してくれた。
わたしも、何か起きるかもしれないと思って大樹に実る光る木の実を投げつけてみたり、意味深な形に並べてみたりした。
あと、どうやっても持ち出せないツナマヨおにぎりを、なんとかキースに食べさせようとしてみたりした。
……いや、後半ちょっと飽きて遊んでたことは否定しないけど、でも最善を尽くしたつもりだ。
木を揺らしたら、鳥の巣が落ちてきて親子共々串刺しになった。
魔法陣を書こうとしたインクは、謎の力に弾かれた。
キースの威嚇は、ツナマヨおにぎりを投げつけるわたしに怒っていたのかもしれない。
ホーンウルフたちとスードルは、木にも部屋にも虫食い一つ見つけられなかった。
「気が進まないけど……スズネに一人で行ってもらうしかない」
そういう結論になるのは、仕方のないことだった。
「イヤ! スズ、イッショ!」
キースは大声を上げてそう言う。
「スズ、マモル! ヒトリ、ダメ!」
キースはわたしのお腹にリュックサックみたいに張り付いた。
装備がなかったら、鉤爪でズタズタにされてそう。
「仕方ないじゃん。だって入れないし」
わたしは地面に座って、諦めモードだ。
「そうよね、なんとかして入れればいいんだけど……」
「スードルに補助してもらったあたしの魔術で、吹っ飛ばなかったのに? 王都が2つくらい消し飛ぶくらいの威力で撃ったのに、ほとんど吸収されたんだよ!」
「吸収されなかったらどうするつもりだったんだよ」
「わたしたちが無事だったのが奇跡だったんですね」
知らないうちに命の危機だったみたいだ。世界が滅びる前に死ぬとこだった。
「アリス、知り合いの宮廷魔術師とかいないのか。解呪を頼めよ」
とロイドさんが言う。
「でもこの部屋の結界って、魔術なんですか? ダンジョンのトラップと同じ構造なら、解呪なんてできませんよ」
とスードル。
「そうなんだよな。なんとかしたいんだけど……」
やっぱり、幼女一人を未知の都市へ送り出すというのに抵抗を感じているらしく、全員がなかなか踏み切れない。
アリスメードさんの顔色を伺ってるだけのような気もするけど。
「大丈夫ですよ。わたし、行きます。一人で」
結局、そういうことだ。わたしはなんとなく知っていた。
たぶん、最初からそういう予定だったんだと思う。
「ダメ! イヤナヨカン!」
「そのフラグみたいな台詞がダメなんだよ。一方通行ってわけじゃなさそうだし、危険なら戻って来られそうだし、大丈夫だよ」
木の中は不自然なまでの螺旋階段になっている。
どこまでもどこまでも降りている。
「他の人を待ってても、時間の無駄遣いになっちゃうかもしれないし。大丈夫ですよ! わたし、成長しましたから」
そう、わたしはここに来たばかりのときのわたしとは全然違う。
生きる目的もその手段も、仲間も道具も全部ある。
今更、一人旅に出たって、それは孤独な旅じゃないはずなのだ。
……もし、アリスメードさんたちがわたしと出会わなかったとしても、暇を持て余したわたしは、いずれこの入り口を見つけたと思う。
そしてわたしは、この階段を降りたはずだ。
一人で降りるっていう事実は変わらない。
わたしを転生させた、神様か天使様の思惑通り。ちょっと危険、かもしれない。
けど、ただ一人で行くのとは、その装備も心持ちも全然違う。
だから大丈夫。
「だって、みなさんとは2回くらいお別れしたけど、結局また会えたし。だから今回も大丈夫です。絶対に! キースもそうでしょ? わたしが強いってこと、よく知ってるじゃん」
「……キー」
キースはしょんぼりしてわたしから離れ、そして大きくなり、人の姿に変わった。
雪山で見たときは夜だったからよく見えなかったけど、森の中で佇むキースは、幼女のわたしから見てもめちゃくちゃに可愛い女の子で、まるで森の妖精さんみたいに見えた。
白くて滑らかな肌をしていて、ふわふわの毛皮は、そのまま暖かそうな服へと変貌を遂げている。
つぶらで大きな瞳は、左右の色が違う。
片方の眼は、魔力を受けてギラギラ輝き、中の模様が光っている。
何か能力があるのか、それとも人になれるということ自体が能力なのか、わたしには分からない。
いずれにしても、それは吸い込まれそうなくらいに綺麗だ。
「スズ。これ、貸して、あげる」
キースは自分の足首につけたメダルを、その手で外す。
それはキースの体を離れた瞬間に輪の部分が広がり、鎖へと形を変えた。
驚く間もなく、キースはそれをわたしの首にかけた。
「えっ、いいの? だって、これないとキース、困るんじゃないの?」
キースはここに魔力を貯めることで、いつでも大きくなったり小さくなったりしていた。
いわばこれはキースの携帯食料。いつも肌身離さず持っている。
「大丈夫。この森、おなか、空かない。待ってるだけ。だから、平気」
「でもわたし、魔力はいっぱいあるもん。大丈夫だよ」
「いいの! ……お守り、だから。持って行ってほしい。お願い」
キースは両方の目にいっぱい涙を浮かべて、わたしを抱きしめた。
わたしは、触り慣れたもふもふの毛皮を、いつもと同じように撫でる。
「うん、ありがと。絶対返すね」
そしてわたしは、階段を降り始めた。
ロイドさんを説得し、ホーンウルフたちと一緒に木を揺らしてみたり。
アリスメードさんが矢を打ち込んでみたり。
シアトルさんが魔法陣を書こうとしたり。
キースは無駄に鳴いて威嚇したり。
ホーンウルフたちとスードルが風や魔力の流れを読んで、どこかに穴が空いてないかと探してくれた。
わたしも、何か起きるかもしれないと思って大樹に実る光る木の実を投げつけてみたり、意味深な形に並べてみたりした。
あと、どうやっても持ち出せないツナマヨおにぎりを、なんとかキースに食べさせようとしてみたりした。
……いや、後半ちょっと飽きて遊んでたことは否定しないけど、でも最善を尽くしたつもりだ。
木を揺らしたら、鳥の巣が落ちてきて親子共々串刺しになった。
魔法陣を書こうとしたインクは、謎の力に弾かれた。
キースの威嚇は、ツナマヨおにぎりを投げつけるわたしに怒っていたのかもしれない。
ホーンウルフたちとスードルは、木にも部屋にも虫食い一つ見つけられなかった。
「気が進まないけど……スズネに一人で行ってもらうしかない」
そういう結論になるのは、仕方のないことだった。
「イヤ! スズ、イッショ!」
キースは大声を上げてそう言う。
「スズ、マモル! ヒトリ、ダメ!」
キースはわたしのお腹にリュックサックみたいに張り付いた。
装備がなかったら、鉤爪でズタズタにされてそう。
「仕方ないじゃん。だって入れないし」
わたしは地面に座って、諦めモードだ。
「そうよね、なんとかして入れればいいんだけど……」
「スードルに補助してもらったあたしの魔術で、吹っ飛ばなかったのに? 王都が2つくらい消し飛ぶくらいの威力で撃ったのに、ほとんど吸収されたんだよ!」
「吸収されなかったらどうするつもりだったんだよ」
「わたしたちが無事だったのが奇跡だったんですね」
知らないうちに命の危機だったみたいだ。世界が滅びる前に死ぬとこだった。
「アリス、知り合いの宮廷魔術師とかいないのか。解呪を頼めよ」
とロイドさんが言う。
「でもこの部屋の結界って、魔術なんですか? ダンジョンのトラップと同じ構造なら、解呪なんてできませんよ」
とスードル。
「そうなんだよな。なんとかしたいんだけど……」
やっぱり、幼女一人を未知の都市へ送り出すというのに抵抗を感じているらしく、全員がなかなか踏み切れない。
アリスメードさんの顔色を伺ってるだけのような気もするけど。
「大丈夫ですよ。わたし、行きます。一人で」
結局、そういうことだ。わたしはなんとなく知っていた。
たぶん、最初からそういう予定だったんだと思う。
「ダメ! イヤナヨカン!」
「そのフラグみたいな台詞がダメなんだよ。一方通行ってわけじゃなさそうだし、危険なら戻って来られそうだし、大丈夫だよ」
木の中は不自然なまでの螺旋階段になっている。
どこまでもどこまでも降りている。
「他の人を待ってても、時間の無駄遣いになっちゃうかもしれないし。大丈夫ですよ! わたし、成長しましたから」
そう、わたしはここに来たばかりのときのわたしとは全然違う。
生きる目的もその手段も、仲間も道具も全部ある。
今更、一人旅に出たって、それは孤独な旅じゃないはずなのだ。
……もし、アリスメードさんたちがわたしと出会わなかったとしても、暇を持て余したわたしは、いずれこの入り口を見つけたと思う。
そしてわたしは、この階段を降りたはずだ。
一人で降りるっていう事実は変わらない。
わたしを転生させた、神様か天使様の思惑通り。ちょっと危険、かもしれない。
けど、ただ一人で行くのとは、その装備も心持ちも全然違う。
だから大丈夫。
「だって、みなさんとは2回くらいお別れしたけど、結局また会えたし。だから今回も大丈夫です。絶対に! キースもそうでしょ? わたしが強いってこと、よく知ってるじゃん」
「……キー」
キースはしょんぼりしてわたしから離れ、そして大きくなり、人の姿に変わった。
雪山で見たときは夜だったからよく見えなかったけど、森の中で佇むキースは、幼女のわたしから見てもめちゃくちゃに可愛い女の子で、まるで森の妖精さんみたいに見えた。
白くて滑らかな肌をしていて、ふわふわの毛皮は、そのまま暖かそうな服へと変貌を遂げている。
つぶらで大きな瞳は、左右の色が違う。
片方の眼は、魔力を受けてギラギラ輝き、中の模様が光っている。
何か能力があるのか、それとも人になれるということ自体が能力なのか、わたしには分からない。
いずれにしても、それは吸い込まれそうなくらいに綺麗だ。
「スズ。これ、貸して、あげる」
キースは自分の足首につけたメダルを、その手で外す。
それはキースの体を離れた瞬間に輪の部分が広がり、鎖へと形を変えた。
驚く間もなく、キースはそれをわたしの首にかけた。
「えっ、いいの? だって、これないとキース、困るんじゃないの?」
キースはここに魔力を貯めることで、いつでも大きくなったり小さくなったりしていた。
いわばこれはキースの携帯食料。いつも肌身離さず持っている。
「大丈夫。この森、おなか、空かない。待ってるだけ。だから、平気」
「でもわたし、魔力はいっぱいあるもん。大丈夫だよ」
「いいの! ……お守り、だから。持って行ってほしい。お願い」
キースは両方の目にいっぱい涙を浮かべて、わたしを抱きしめた。
わたしは、触り慣れたもふもふの毛皮を、いつもと同じように撫でる。
「うん、ありがと。絶対返すね」
そしてわたしは、階段を降り始めた。
61
あなたにおすすめの小説
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~
御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。
異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。
前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。
神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。
朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。
そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。
究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる