滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢

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08 異世界

怒涛のかたり

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 扉が開いたとき、わたしはたまたま床のカーペットが気になって、それを触っていた。
 なんかゴワゴワしてるようなツルツルしているような、変な感触なのだ。


 結果的には、それが幸運だった。
 

 わたしの頭上を正確に貫いた弾丸は、そのまま背後の壁に突き刺さる。

 明らかな発砲音と弾丸の痕跡に、わたしは反射的に机を倒してその裏に隠れ、机の天板を硬化させた。


「申し訳ありません、外しました」

 ビーさんの声がした。
 そっと覗くと、目が合った。


 彼は表情のない顔で、わたしを見ていた。
 

「仕留めろ」

 知らない声。

 わたしは机の陰に逃げ込む。天板に銃弾が突き刺さる。


「待ってください! ビーさん、これはどういう……」

 言いかけたけど、直後に背後に気配を感じ、わたしはとっさに体を反転させて剣を引いて受ける。
 

「なっ……」

 それはビーさんではない、別の人だった。

 彼女は女性で、不安定な姿勢だったから、わたしの力でもそのナイフは簡単に押し返せた。

 少し迷ったけど、わたしは剣を振って斬り返す。

 わたしに反撃され、彼女は驚いたようだった。


 しかし次の瞬間、彼女の姿は消えた。跡形もなく。


 何が起きているのか把握できない。
 わたしはもう回り込まれないように、壁を背にして机を倒し陰に隠れる。
 

「やめてください! どうして襲うんですか!」
「……」

「わたしは戦いに来たんじゃないんです、理由を教えてください!」


 ビーさんは、硬化させた机に再び弾丸を撃ち込む。
 聞き慣れない銃声。思わず肩を縮こめる。
 
 でも、効いてない。しばらくはこのバリゲートでどうにかできそうだ。


「なんで抵抗するのかな、イズミちゃん。大人しく死んでくれる?」

 知らない声が聞こえた。
 若い男、いや子供、少年、いや、少女?

 さっきビーさんに、「仕留めろ」と言った声だ。

 わたしは頭を出さないまま、声に答える。
 

「わたしはエナーシャさんを探してるだけです! どうして攻撃するんですか!」

「どうしてって、殺すためだよ。他にどういう理由があると思うの?」

 呆れたような声だ。笑い声が混ざっている。
 

「わたしは、何も悪いことなんてしないです! エナーシャさんはいないんですか?」

「イズミちゃんが悪人かどうかなんて、僕には、ひいては僕らには関係ないんだよね。そんな女児の格好してくるなんて、嫌がらせか何か知らないけど。僕の可愛い信者たちだって、必死に抗う幼女をぶち殺したいとは思ってないわけだよ。分かる?」


 正体不明の声は嘲笑うように言った。

「理由を説明してください! 急に死ねとか言われても、困ります!」

「誰が困るの? 君、この世界の人間じゃないじゃん。もともとなかったものが、なくなるだけじゃん。何が問題なの?」

 わたしは、なんとなく察した。恐らく、この声が『エナーシャ』だ。


「簡単に言うと、この世界って君が死ねば救われるんだよね。つまり君一人が犠牲になれば、世界は救われるの。実のところ、君が死なないとこの世界は近いうちにぶっ壊れて滅びちゃう。滅びるって分かる? 滅亡、終末、終了。でもびっくり、異世界から転生してきた平凡な男が……ああいや、女の子だったわ。女の子が、その身を犠牲にすることで世界は救われるんだよね。最高に美しい物語じゃない? 素晴らしいストーリーじゃない? これ以上ないくらいにキレーに終わるんだよ。君はなんだよ。救世主なんだから、世界を救ってよね。以上、説明終了。じゃ、そこから出てきて、死んでくれる?」

 身も蓋もない早口で、エナーシャさんらしき人はそう言った。


「い、嫌ですそんな、急に死ねとか言われても……わたしのこと、待ってる人もいるんです!」
「はー?」


 次の瞬間、バリゲートにしていた机が吹っ飛んだ。


 エナーシャさんは、わたしの目の前にいた。
 

 流れるように美しいストレートの金髪、碧い瞳、赤みのさした白い頬。
 中性的なその姿は、目の当たりにしてもなお男女の区別が分からない。

 呆然するわたしの目の前で、エナーシャさんはまくし立てるようにこう言った。


「あのさぁ、都合の悪い人生をポイしておいて、楽しい人生を取捨選択するとかどういう神経してるの? 君の役目はここで死ぬことなの。パパとママの愛情表現のついでのオマケの失敗で、間違えて発生しちゃったクソ以下の生命に比べたら、世界を救う役目を持って生まれて来るなんて、これ以上ないくらいに素晴らしいことだよね? せっかくもらった役目を、責務を、使命を、天命を、遂行しないなんてどういう神経してるの? 自由だった生を否定しておいてなお、不自由な生に不満を垂れるなんて、これだから人間ってのはクソなんだ。崩壊していく世界に遣わされた救世主として、崇め奉られて死ねばいいんだよ、それが君の役目なの。ただ死ぬだけで英雄になれるの。それだけで何もかも終わるの。自己犠牲の美しさを君はよく知ってるでしょ? 無価値に生きることの苦しさを、その罪を、君は誰よりも知ってるでしょ? 心配しなくても、後世には君の英雄譚をしっかりと残しておいてあげるよ。この無様な生き様と、立派な死に様を。ここで死ねば一番キレイなんだよ? ここで死ぬのが一番キレイで、分かりやすい御仕舞おしまいなの。死にゆく君に僕がこの世界の真実を語ってあげるから、君は満足して死んでくれればそれでいいんだよ」

「どう……え? 何の話……ですか?」

 多すぎる情報に頭が混乱し、頭痛がする。なんだか熱が出てきたような気がする。
 
 床に座り込んだわたしの目の前の机の上に、エナーシャさんは腰かけた。
 

「……へぇ、なんだ僕の呪いが効いてないんだ。大抵の人間は逆上して襲い掛かってくるっていうのに。珍し」

「なん……えっと、もう一回、要点だけもう一回お願いします」

「さっきの話は気にしないで、全部嘘だから。改めて名乗るけど、僕はエナーシャ。不死鳥の末裔だよ」

 エナーシャさんは軽く手首を弾ませるようにして飛び上がり、机の上に座った。
 重力を感じさせない身のこなし。世界観に見合っていないせいで、余計に非人じみている。


「せっかくお友達になれそうだったのにぶち殺すことになるなんて、なんだか悲しいね。まあでもさっきも言ったように、それが運命だから諦めてもらって」

「……さっきのは、嘘じゃないんですか?」
「え、なんで僕が嘘つく必要があるの?」

 さっきと言ってることが全然違う。
 わたしは困惑しながら、首を傾げた。
 

「……理由を、聞いてもいいですか?」

 どういう反応をすればいいのか分からない。
 
 エナーシャさんは全然表情が読めなくて、楽しんでいるようにも見えるけど、すごく怒っているようにも見える。
 

「君が死ななきゃいけない理由? 実はこの都市さ、全体的にエネルギーが不足してるんだよね。マナっていうんだけど。それの奪い合いになって、見ての通り人類は滅亡の危機に瀕してるわけだよ。君は『イズミ』ちゃん。つまりそのマナを無限に生み出し続けることができるというわけだよ。正確には、君が死ぬと、マナを取り出すことのできる特別な鉱石……『マナストーン』を遺すらしいんだよね。まあ、実は他の人でもそれは出て来るんだけど、君のは特別。。それを機械に取り込むことで、無限にマナを生産することができるんだ」

 感情の読めないエナーシャさんだけど、とにかく話が長くてすごい勢いで喋るので、なんていうか、情報密度が半端じゃない。


「どうして……わたしが死ぬと、その……マナストーン? っていうのが出て来るって分かったんですか? わたし、死んだことないですけど」

「僕が神様にそうお願いしたからね。別にマナストーンが手に入ればそれで良かったから、人間の内部に宿らせてくれとは頼んでないんだけど、そういうことになってるらしくてさ。できれば面倒くさくない人間を寄越せって頼んだんだけど、君を見る限りめちゃくちゃ面倒だよね。別に神様を信じて神頼みをしてるわけでもなかったけど、僕との契約……お願いには逆らえないはずなのに、その中で上手いこと穴をついたってことだろうね。いやぁ、契約って難しいね。一応僕の部下には見つけ次第仕留めろって言っておいたんだけど、見た目が幼女ちゃんだからちょっと戸惑ったみたいだね。ほら、この世界って子供が死滅しちゃったから。子供=世界の希望みたいなのが残ってて、ましてや見目麗しい女児だったから殺したくなかったみたい。命令したら即発砲したけど。僕が言うのもなんだけど、ビーって本当に人の心がないよね。あ、一応言っておくけどあのお兄さんは決してロリコ、」

「エナーシャさん! お話遮ってすみません! わたし、死にたくないです!」


 一度ターンを渡すと無限に喋り続けるエナーシャさんに、わたしはなんとか割り込んだ。
 
 すると、エナーシャさんはにっこり笑った。


「僕のことはエナって呼んでくれると嬉しいな。別にどっちでもいいんだけど」
「エナ……ってことは、エナさんって女性なんですか?」

「僕、見ての通り人間じゃないから、雌雄の区別とかないんだよね。まあでもイズミちゃんは女の子だし、僕も女の子ってことにしといてくれていいよ。あ、一人称もわたしとかの方がいいのかな?」

 やっぱり、人間じゃないのか……そういえばさっき、「不死鳥の末裔」とか言ってたような気もする。
 

「一人称はなんでも……大丈夫です。あの、わたしも、できればスズネって呼んでほしいです。そう呼ばれてるので」

「あ、そう。……えっと、なんでスズネ? 実の名前じゃないよね、記憶は全部消せって言っといたし。思い出したとか? まあいいけど。でもさっきも言った通り、君は死ぬために生まれて来たんだよ。それは君だけじゃないよ。全部の人間がそう。生まれて来たからこそいつかは死ぬ。でしょ? まさかその見た目のままに、『どうして人は死ななきゃいけないの?』なんて無邪気に尋ねてくるわけでもないよね? まあ尋ねたい気持ちは分かるけども、分からんでもないけども、僕に言わせてみれば、『じゃあ人間が無限に生きたら、どうなるか知ってる?』」


「……わたしのことを、転生させたのはエナさんなんですか?」
「そんなに僕の話聞きたくないの? 傷つくなあ、なんか新鮮な気分。さっきも言ったけど、その通りだよ」

「わたし、醤油さんに聞いたんです。エナさんは神様を倒、」
「えっ、君醤油を知ってるの?」

 エナさんはわたしの言葉を遮って、そう言った。


「それ先に言ってよ、危うく殺すところだったじゃん。なんで黙ってたんだよホント、全く困っちゃったな。死んだらどうするつもりだったの? よしよし、そうとなれば話は別だね。醤油の居場所を吐くまでは死ななくていいよ、イズミじゃなくてスズネちゃん。こんな殺風景な場所じゃなくて、もっと素敵なところでお話しよう。ついて来てくれる?」


 ……エナさんが嫌われるのって、本当に呪いのせいだけなのだろうか。

 わたしは疑問を感じながらも、「分かりました」と頷いた。
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