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第三章 トラウマを乗り越えて
2-18 隠されたその花は ★ウィリアム視点
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ウィリアム視点です。
――*――
ガードナー侯爵家の通用門近くで身を潜めていると、オースティン伯爵家の『影』から、合図があった。
優秀な魔法騎士でもある彼は、事前に曲がり角に『霧』と『声』の媒介となるガラス玉を仕込んでいるはずだ。きちんと『対象』を目的の場所まで誘導するだろう。そうしたら、あとはエヴァンズ子爵たちと、シナモンに任せておけば問題ない。
通用門には警備用の魔道具が置かれていたが、今朝方、使用人たちの出勤が終わったのを見計らって、無効化してある。
登録されている人間を自動で認証して解錠する魔道具で、それ以外の人間が通ろうとするとブザーが鳴って鍵が閉まる仕組みだ。
魔道具の仕組みを設計段階から知り尽くしている俺には、一時的にセキュリティを無効化するぐらい造作もない。魔法師団で様々な魔道具に触れてきた経験が役に立った。
「ウィル、来たね。もう少しで『対象』が路地から出るから、ちょっとだけ待って」
「はい」
侯爵家の敷地に足を踏み入れた俺は、高い木の枝に座り、目を閉じて集中する彼に返事をして、しばらく待つ。
「……あはは、よくできました、俺氏」
彼は、ガラス玉に口を付けてそう言ってから、目を開いてひらりと木の枝から降りてきた。
『影』と違って、本人はきっちりとした詰襟のセットアップを身に纏う、背が高く細身の成人男性である。
共通しているのは、青い髪を後ろで一括りにまとめている所ぐらいか。もちろん仮面は付けていない。
「お待たせ。終わったよ」
「ありがとうございます、アイザック兄上」
「いいっていいって。最近領地に引きこもって当主代理の仕事ばっかだったからさ、久々に遊べて楽しかったし」
今回、『影』として立候補してくれたのが、オースティン伯爵家の長兄、アイザック兄上だった。
アイザック兄上は、魔力を込めたガラス玉を媒介にして、『霧』による幻影や声を発生させる魔法を得意としている。
水魔法の一種だが、非常に複雑で繊細な機構の魔法だ。かなりの集中力と器用さ、また魔法への深い理解を必要とするため、開発者である兄上以外の人間には到底扱えるものではない。
現在は魔法騎士団を退団し、伯爵家の当主代理として忙しくしているが、現役の騎士だった時は『ヴェント隊』に所属する諜報員だった。
魔法騎士団には、四つの実働部隊がある。
『守護』を司る、地のテーラ隊。
『頭脳』を司る、水のアクア隊。
『攻撃』を司る、火のイグニ隊。
『撹乱』を司る、風のヴェント隊。
その四つの中隊に、補給部隊や衛生部隊などが加わる。
ちなみに、俺はアクア隊に配属される予定だ。
攻撃特化型で『紫電』の二つ名を持つシナモンは、逆行前と同じなら、イグニ隊に配属されるだろう。
「ところでさ、これ、どう思う? 中見てみる?」
「納屋のようですね……罠がないとも言い切れませんが……」
「うーん、ちょっと霧を流してみるか」
兄上は魔法を唱えると、納屋に向かって霧を放つ。
扉の隙間から、薄い霧が中へ入り込んでいく。
「……これは……?」
「どうされたのですか?」
「開けるよ」
兄上は、説明もなく、躊躇もなく、納屋の扉をノックした。
中からの返事も待たずに、扉を開く。
俺は、兄上の後ろから部屋の入り口を覗き込んだ。
「……住居? それにしては……」
そこは、住居と呼ぶにはあまりにも粗末な、居住空間になっていた。
傾いているボロボロのベッドに、つぎはぎのシーツ、穴の空いた毛布。
木の板を重ねただけのテーブルには、欠けたマグカップが載っている。
「君は、確か――」
兄上が、何かを思い出しながら語りかけるような声をあげた。
俺は納屋の中に足を踏み入れ、兄上の視線を追う。
そこには、幽鬼のように顔を青白くして佇む、ひとりの姿があった。
古いお仕着せを身に纏った、灰色の髪の女性。これ以上ないほどに痩せており、まともに食事を与えられていないことは明らかだ。
薄い褐色の虹彩には、怯えと拒絶が色濃く滲んでいる。
「――ずいぶん変わってしまったけれど、君は」
「……違います」
「まだ何も言っていないよ」
「なら……どうか捨て置いて下さいませ」
灰色髪の女性は、見た目と異なり、丁寧な言葉遣いが染み付いているようだった。
兄上は、彼女と面識があるらしい。俺は、成り行きを見守る。
「でも、ここから出るチャンスだよ? 今なら、俺たちが君を安全に外へ連れ出してあげられる」
「待っている人がいるのです。私を救い出せるのはその人だけ。私が勝手にいなくなったら、その人は殺されてしまうかもしれません」
「……そっか。わかった、なら無理強いはしないよ」
女性は安心したように、柔らかく目を細めた。
「そのかわりに、少し話を聞かせてもらってもいいかな?」
「あまり時間はありませんわ。『紅い目の男』が戻ってきてしまいます」
「『紅い目の男』? 誰?」
「恐ろしく冷酷で、悪夢のような男です。数年前に父がどこからか連れてきて、ずっと側に置いています。思えば、その頃からです……父がおかしくなったのは」
「おかしくなったって、どういう風に?」
「……何もかも、ですわ。母がいなくなったのも、私たち姉妹を物のように扱うようになったのも、その頃から。それまでは、仲の良い家族でしたのに」
女性は、悲しげに目を伏せる。
「……怪しげな事業を始め、怖い人たちと付き合うようになって。役立たずの私を閉じ込めたかと思うと、一日中刺繍をさせたりして」
女性の目線の先には、質素な生活スペースと同じくらいの広さがある作業台があった。
その上には、刺繍途中の布地と数種類の糸、針や指抜き、刺繍枠などの道具、そして作業前の布地が大量に載っている。布は全て純白、メインとなる糸は黒や紺色のようだ。
作業台の左横には、小箱が数箱置かれていて、刺繍済みのストールやハンカチが種類ごとに積んであった。
「見てもいい?」
「どうぞご自由に」
「ブティック・ル・ブラン……」
兄上の呟く声に、俺は彼の近くに寄って箱の中を見た。
一番上に積まれていたストールには、以前ミアの元で見たことのある刺繍が入っている。
「この刺繍は?」
「全ての布に、そう刺繍するようにと」
「不自然に何ヶ所か空いているね」
「空いているスペースに、後から別の方が石を縫い付るのだそうです。完成品は、私も見たことがございません」
「そっか……完成品はどこにあるか知ってる?」
「いえ……そこまでは」
女性は、悲しげにかぶりを振った。
兄上は、間髪をいれずに彼女へ問いを投げかける。
「ねえ。だったら、石を縫い付ける前のものをひとつ、譲ってもらえないかな?」
「それは構いませんが……」
「やった、ありがとう!」
自然に譲歩を引き出した兄上は、満足そうに、小さな皮袋を懐から取り出す。
その中に煌めくものをひとつ忍ばせてから、袋を女性に差し出した。
「じゃあ、これ、お代ね」
女性は、兄上に刺繍入りのハンカチを渡すと、代わりに皮袋を恐る恐る受け取り、中をのぞいた。
「これは……携帯用の保存食? それに、これ、こんな大金――」
「任務が長引いた時に自分で食べるために持ってきた物だから、毒は入ってないよ。外に出ることを望まないのなら、せめて、少しでも栄養取って。残ったものは、困った時に使うといいよ」
「……いつかお返ししたいと思いますが、今は、ありがたく頂戴致します。ですが、そろそろ」
「ああ、『紅い目の男』か。じゃあ、そいつが戻って来る前に、俺たちはお暇するね」
「はい。お気をつけて」
「君もね」
「お気遣いありがとうございました……オースティン様」
女性はボロボロのお仕着せの裾を摘んで膝を曲げ腰を落とす。
それはまさに、貴族令嬢のカーテシー。優雅な百合のようだった。
名乗ってもいないのに、俺たちの名を知っていた女性……帰り際になって、ようやく俺は彼女の正体に思い至ったのだった。
――*――
ガードナー侯爵家の通用門近くで身を潜めていると、オースティン伯爵家の『影』から、合図があった。
優秀な魔法騎士でもある彼は、事前に曲がり角に『霧』と『声』の媒介となるガラス玉を仕込んでいるはずだ。きちんと『対象』を目的の場所まで誘導するだろう。そうしたら、あとはエヴァンズ子爵たちと、シナモンに任せておけば問題ない。
通用門には警備用の魔道具が置かれていたが、今朝方、使用人たちの出勤が終わったのを見計らって、無効化してある。
登録されている人間を自動で認証して解錠する魔道具で、それ以外の人間が通ろうとするとブザーが鳴って鍵が閉まる仕組みだ。
魔道具の仕組みを設計段階から知り尽くしている俺には、一時的にセキュリティを無効化するぐらい造作もない。魔法師団で様々な魔道具に触れてきた経験が役に立った。
「ウィル、来たね。もう少しで『対象』が路地から出るから、ちょっとだけ待って」
「はい」
侯爵家の敷地に足を踏み入れた俺は、高い木の枝に座り、目を閉じて集中する彼に返事をして、しばらく待つ。
「……あはは、よくできました、俺氏」
彼は、ガラス玉に口を付けてそう言ってから、目を開いてひらりと木の枝から降りてきた。
『影』と違って、本人はきっちりとした詰襟のセットアップを身に纏う、背が高く細身の成人男性である。
共通しているのは、青い髪を後ろで一括りにまとめている所ぐらいか。もちろん仮面は付けていない。
「お待たせ。終わったよ」
「ありがとうございます、アイザック兄上」
「いいっていいって。最近領地に引きこもって当主代理の仕事ばっかだったからさ、久々に遊べて楽しかったし」
今回、『影』として立候補してくれたのが、オースティン伯爵家の長兄、アイザック兄上だった。
アイザック兄上は、魔力を込めたガラス玉を媒介にして、『霧』による幻影や声を発生させる魔法を得意としている。
水魔法の一種だが、非常に複雑で繊細な機構の魔法だ。かなりの集中力と器用さ、また魔法への深い理解を必要とするため、開発者である兄上以外の人間には到底扱えるものではない。
現在は魔法騎士団を退団し、伯爵家の当主代理として忙しくしているが、現役の騎士だった時は『ヴェント隊』に所属する諜報員だった。
魔法騎士団には、四つの実働部隊がある。
『守護』を司る、地のテーラ隊。
『頭脳』を司る、水のアクア隊。
『攻撃』を司る、火のイグニ隊。
『撹乱』を司る、風のヴェント隊。
その四つの中隊に、補給部隊や衛生部隊などが加わる。
ちなみに、俺はアクア隊に配属される予定だ。
攻撃特化型で『紫電』の二つ名を持つシナモンは、逆行前と同じなら、イグニ隊に配属されるだろう。
「ところでさ、これ、どう思う? 中見てみる?」
「納屋のようですね……罠がないとも言い切れませんが……」
「うーん、ちょっと霧を流してみるか」
兄上は魔法を唱えると、納屋に向かって霧を放つ。
扉の隙間から、薄い霧が中へ入り込んでいく。
「……これは……?」
「どうされたのですか?」
「開けるよ」
兄上は、説明もなく、躊躇もなく、納屋の扉をノックした。
中からの返事も待たずに、扉を開く。
俺は、兄上の後ろから部屋の入り口を覗き込んだ。
「……住居? それにしては……」
そこは、住居と呼ぶにはあまりにも粗末な、居住空間になっていた。
傾いているボロボロのベッドに、つぎはぎのシーツ、穴の空いた毛布。
木の板を重ねただけのテーブルには、欠けたマグカップが載っている。
「君は、確か――」
兄上が、何かを思い出しながら語りかけるような声をあげた。
俺は納屋の中に足を踏み入れ、兄上の視線を追う。
そこには、幽鬼のように顔を青白くして佇む、ひとりの姿があった。
古いお仕着せを身に纏った、灰色の髪の女性。これ以上ないほどに痩せており、まともに食事を与えられていないことは明らかだ。
薄い褐色の虹彩には、怯えと拒絶が色濃く滲んでいる。
「――ずいぶん変わってしまったけれど、君は」
「……違います」
「まだ何も言っていないよ」
「なら……どうか捨て置いて下さいませ」
灰色髪の女性は、見た目と異なり、丁寧な言葉遣いが染み付いているようだった。
兄上は、彼女と面識があるらしい。俺は、成り行きを見守る。
「でも、ここから出るチャンスだよ? 今なら、俺たちが君を安全に外へ連れ出してあげられる」
「待っている人がいるのです。私を救い出せるのはその人だけ。私が勝手にいなくなったら、その人は殺されてしまうかもしれません」
「……そっか。わかった、なら無理強いはしないよ」
女性は安心したように、柔らかく目を細めた。
「そのかわりに、少し話を聞かせてもらってもいいかな?」
「あまり時間はありませんわ。『紅い目の男』が戻ってきてしまいます」
「『紅い目の男』? 誰?」
「恐ろしく冷酷で、悪夢のような男です。数年前に父がどこからか連れてきて、ずっと側に置いています。思えば、その頃からです……父がおかしくなったのは」
「おかしくなったって、どういう風に?」
「……何もかも、ですわ。母がいなくなったのも、私たち姉妹を物のように扱うようになったのも、その頃から。それまでは、仲の良い家族でしたのに」
女性は、悲しげに目を伏せる。
「……怪しげな事業を始め、怖い人たちと付き合うようになって。役立たずの私を閉じ込めたかと思うと、一日中刺繍をさせたりして」
女性の目線の先には、質素な生活スペースと同じくらいの広さがある作業台があった。
その上には、刺繍途中の布地と数種類の糸、針や指抜き、刺繍枠などの道具、そして作業前の布地が大量に載っている。布は全て純白、メインとなる糸は黒や紺色のようだ。
作業台の左横には、小箱が数箱置かれていて、刺繍済みのストールやハンカチが種類ごとに積んであった。
「見てもいい?」
「どうぞご自由に」
「ブティック・ル・ブラン……」
兄上の呟く声に、俺は彼の近くに寄って箱の中を見た。
一番上に積まれていたストールには、以前ミアの元で見たことのある刺繍が入っている。
「この刺繍は?」
「全ての布に、そう刺繍するようにと」
「不自然に何ヶ所か空いているね」
「空いているスペースに、後から別の方が石を縫い付るのだそうです。完成品は、私も見たことがございません」
「そっか……完成品はどこにあるか知ってる?」
「いえ……そこまでは」
女性は、悲しげにかぶりを振った。
兄上は、間髪をいれずに彼女へ問いを投げかける。
「ねえ。だったら、石を縫い付ける前のものをひとつ、譲ってもらえないかな?」
「それは構いませんが……」
「やった、ありがとう!」
自然に譲歩を引き出した兄上は、満足そうに、小さな皮袋を懐から取り出す。
その中に煌めくものをひとつ忍ばせてから、袋を女性に差し出した。
「じゃあ、これ、お代ね」
女性は、兄上に刺繍入りのハンカチを渡すと、代わりに皮袋を恐る恐る受け取り、中をのぞいた。
「これは……携帯用の保存食? それに、これ、こんな大金――」
「任務が長引いた時に自分で食べるために持ってきた物だから、毒は入ってないよ。外に出ることを望まないのなら、せめて、少しでも栄養取って。残ったものは、困った時に使うといいよ」
「……いつかお返ししたいと思いますが、今は、ありがたく頂戴致します。ですが、そろそろ」
「ああ、『紅い目の男』か。じゃあ、そいつが戻って来る前に、俺たちはお暇するね」
「はい。お気をつけて」
「君もね」
「お気遣いありがとうございました……オースティン様」
女性はボロボロのお仕着せの裾を摘んで膝を曲げ腰を落とす。
それはまさに、貴族令嬢のカーテシー。優雅な百合のようだった。
名乗ってもいないのに、俺たちの名を知っていた女性……帰り際になって、ようやく俺は彼女の正体に思い至ったのだった。
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