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第二章 目指せ、一人前の吸血鬼!
19、過去を美化されすぎても困ります
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吸血鬼として身に付けておくべき知識と魔法の扱い方を一通り学んだ私はこの日、メルムの案内のもと、初めて城下街を訪れていた。
馬車から降りると、活気のある夜の街は、特に何か特別なイベントが行われているわけでもないのに、まるでお祭りのように賑わっていた。
「メルム、あれを見て! お洒落なチョーカーがたくさん並んでるわ!」
「この国では男性から大切な女性に、自分の誕生石のついたチョーカーを御守りとして渡す風習があるのですよ」
「メルムがつけているのも、大切な人からもらったの?」
「これは父からもらったものなんです。いつか素敵な男性が現れたら、その方からチョーカーをもらうのが夢なんです!」
「そうなんだ。素敵な人が現れるといいね」
「はい、ありがとうございます!」
「あそこの行列は、何を売ってるのかな?」
「城下で今話題のブラッドタピオカドリンクですよ。気軽に栄養もとれて、若者の間で大人気なのです」
「じゃああっちは……」
田舎町に住んでいた私には、目に映るもの全てが珍しかった。屋台では、人の国で売られているようなお菓子も多数あった。
栄養は取れないけれど、甘味を感じる事は出来る。味覚が変わってしまったため、淡白に感じはしたものの、ブラッドドリンクよりは美味しいため、それなりに味わって食べた。
露店街を充分に満喫した後、中央広場で少しのんびり休憩して帰る事にした。緑豊かなその場所は、普段は散歩コースとして人気高いそうで、寛いでいる市民の姿が多数ある。
広場の中央まで歩いてきた時、ある銅像が目についた。何故こんな所にこのような少女の銅像があるのか、思わず聞かずには居られなかった。
「ねぇ、メルム。この銅像は何なのかな?」
尋ねた私の表情は、とてもひきつっているに違いない。だってどう見てもこの銅像、小さい頃の私じゃないか!
「こちらは奇跡の聖女様の銅像です。血嫌いの若様を虜にした人間の少女がモデルとなっていまして、その当時の姿を再現してあるのですよ。フフフ、姫様は子供の時からとても可愛らしかったのですね」
自分の置かれている境遇を少なからず理解して戸惑っていた。
やはりだ。どうやら見まちがいではなかったらしい。そこには、子供の頃の自分を思わせる精巧に作られた銅像があった。
背中にはご丁寧に木イチゴ採取用のカゴまで背負っている。この姿を見てどこが聖女なのか問いただしたい気分に駆られるのは、私だけではないはずだ。
しかし、この国ではこの少女像が聖女として大事に崇められているらしい。聖女像に向かって両手を合わせてお祈りをしていく者、花を供えていく者と、何かのご利益がありそうな雰囲気を漂わせている。
そんな光景を見て、過去の自分が美化されすぎている現実に、思わず乾いた笑いが漏れた。
「あの頃からずっと、姫様に仕えるのを心待ちにしておりました」
まるで恋する少女のように恍惚とした表情で、メルムは聖女像を見つめている。
「あの、メルム……銅像を作ってもらえるほど私は偉くも立派でもないんだけど……」
「そのようなことはありません! 我が国にとって、姫様の存在はまさに希望なのですよ! 若様は魔力に覚醒されてから、誰の血を口にしても不味いと拒絶されてきました。愛のある結婚しか許されていないわが国において、これは由々しき事態です。これでは伴侶を持つことも、お世継ぎを作ることも絶望的です。このままでは始祖の血は途絶え、ハイグランド帝国は滅亡の一途を辿るだけでした。そこへ、アリシア様が奇跡の如く現れたのです! その清らな御身に流れる血は、我が国の希望。まさに、奇跡の聖女様なのです! 未来の皇太子妃候補の誕生に、国中は歓喜し、三日三晩飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ、本当に楽しかったです」
当時の出来事に思いを馳せるメルムの隣で、変な単語続出の話に、私は頭を抱えていた。メルムの話を要約すると、自分はこの国でフォルネウス様の伴侶として求められているということになる。
私が、フォルネウス様の伴侶に……
ないない、なんておこがましいと、慌てて頭を振った。少し回復魔法が使えるだけのただの田舎娘である私が、皇太子様の隣に相応しいわけがない。
それに飢えた時に食べたものは、何でも美味しく感じるのが普通だ。その記憶があるせいで、フォルネウス様がそう思い込んでいるだけなのじゃないかとさえ思ってしまった。
「メルム、私なんかがフォルネウス様の隣に居たってきっと迷惑だよ。フォルネウス様は、とても優しい方だから私を気にかけて下さるけど、与えてもらってばかりで、私はなにも返せていない。今のままじゃ、どうしたって相応しくないの。だからこれからは自立して、しっかりと地に足をつけた生活をしていきたいと思ってるんだ」
がっかりさせてしまっただろうか。恐る恐るメルムの様子を窺うと「姫様、格好いいです!」と予想外の言葉が返ってきた。
「すみません、姫様の気持ちも考えずに押し付けるような事を言ってしまって。若様の事を見ようともせずに、財力や権力に目が眩む方だったら正直、私は姫様にお仕えしたくなかったと思います。でもそうやって、若様の事をきちんと考えて下さった上で、自分の道へ進もうとされる姫様はとても格好いいです!」
「ありがとう、メルム」
「(そんな格好いい姫様だからこそ、若様とお似合いだと思うのに……)」
メルムの葛藤する独り言が聞こえてくる。
「(いやいや、でもそれは私が押し付ける事ではなくて、若様が頑張るべき事なのです!)」
どうやらメルムは心の声を口に出してしまっている事に気付いてないようで、聞こえないふりをした。するとメルムの中で何らかの答えが出たようで、すっきりした顔で拳を胸の前で熱く握りしめていた。
「では姫様、そろそろ帰りましょうか。遅くなると、若様が心配されますし」
「うん。今日はありがとう。色々勉強になったよ」
城下街を見学しながら、私はひそかに求人募集している店を探していた。何店舗か貼り紙がしてある店があったのを確認し、実際にその店を利用して下見が出来たのは大変貴重な経験だった。連れてきてくれたメルムに感謝だわ!
帰りの馬車を待たせている大通りまで向かおうとした時、何故か周囲を囲まれている事に気付いた。
「おい、本物の聖女様だぞ!」
「どこだ?! 俺にも見せてくれよ」
「キャー! 聖女様! 応援してます、頑張って下さい!」
聖女像の近くで長居しすぎたせいか、どうやら市民達に正体を気付かれてしまったらしい。集まった吸血鬼達が遠巻きにこちらを見ていた。
「なー聖女様の血って、美味しいのかな?」
「そりゃー美味いに決まってるだろ! なんたってあの血嫌いで有名な皇太子様が絶賛されていたんだ」
「いいなー味わってみてぇなぁ……」
「一口、一口でいいから分けてくれねぇかなぁ……」
理性を抑えきれていない若い青年の吸血鬼達が、よだれをすすりながら虚ろな目をしてこちらへ近づいてくる。
「姫様、危ないので私の後ろへ」
「メルム、これどういう事?!」
「いけません! 私としたことが、話に夢中になりすぎて、隠密魔法が解けていたようです! 姫様、申し訳ありません!」
「誰にだって失敗はあるし、落ち込まないで。それよりもメルム、今はここを抜け出す方法を考えよう」
「はい、姫様! ここはまた、私の魔法で……」
「無理しないで、メルム。こんなにたくさんの人相手に使ったら貴方の身がもたないわ」
「大丈夫です、姫様。時間を稼ぐだけです。すでに最終手段は講じておりますので、ご安心下さい」
綺麗な星空に大きな雷が走り、こちらに近付いてきていた吸血鬼達の前に稲妻が落ちた。
「姫様、もう大丈夫ですよ。若様が到着されたようです」
メルムの視線の先を辿り空を見上げると、そこには確かに漆黒のマントを靡かせ佇むフォルネウス様の姿があった。見間違いでなければ、何もない空中に浮いているようにしか見えない。ど、どういうこと!?
「ねぇ、メルム。フォルネウス様、浮いてない?」
「若様くらい魔力が高いと、変化しなくても空だって自由に飛べるんです」
「そ、そうなんだ……」
姿を変えずに魔法で空まで飛べるとは……改めてフォルネウス様の凄さを感じた。
上空から優雅に降りてきたフォルネウス様は、私に襲いかかろうとした若い青年の吸血鬼達の前に着地すると、恐ろしい笑みを浮かべてこう告げた。
「お前達、アリシアにもし指一本でも触れてみろ。その時はどうなるか、分かっているだろうな?」
あまりの恐ろしさに、正気を取り戻した彼等はその場でかしづき、「申し訳ありませんでした」と頭を垂れている。
「反省したのならもうよい。面を上げよ」
フォルネウス様の許しを経て、若い青年吸血鬼達は恐る恐るといった様子で顔をあげた。そんな彼等に、フォルネウス様は表情を緩めて声をかける。
「アリシアはこの国に来てまだ日が浅い。魅力的なのはよく分かるが、あまり驚かせてはくれるなよ」
「はい、勿論でごさいます! アリシア様、本当に申し訳ありませんでした!」
どこからともなく拍手がわき起こり、民衆からは「若様、万歳! アリシア様、万歳!」と、熱いエールがわき起こった。
フォルネウス様が民衆に慕われるのはよく分かる。しかし、こんな声援を送られるほど私は何もしていない。
このままではいけないわ……
場違い感をひしひしと感じながら、私は強い焦燥感に駆り立てられていた。
馬車から降りると、活気のある夜の街は、特に何か特別なイベントが行われているわけでもないのに、まるでお祭りのように賑わっていた。
「メルム、あれを見て! お洒落なチョーカーがたくさん並んでるわ!」
「この国では男性から大切な女性に、自分の誕生石のついたチョーカーを御守りとして渡す風習があるのですよ」
「メルムがつけているのも、大切な人からもらったの?」
「これは父からもらったものなんです。いつか素敵な男性が現れたら、その方からチョーカーをもらうのが夢なんです!」
「そうなんだ。素敵な人が現れるといいね」
「はい、ありがとうございます!」
「あそこの行列は、何を売ってるのかな?」
「城下で今話題のブラッドタピオカドリンクですよ。気軽に栄養もとれて、若者の間で大人気なのです」
「じゃああっちは……」
田舎町に住んでいた私には、目に映るもの全てが珍しかった。屋台では、人の国で売られているようなお菓子も多数あった。
栄養は取れないけれど、甘味を感じる事は出来る。味覚が変わってしまったため、淡白に感じはしたものの、ブラッドドリンクよりは美味しいため、それなりに味わって食べた。
露店街を充分に満喫した後、中央広場で少しのんびり休憩して帰る事にした。緑豊かなその場所は、普段は散歩コースとして人気高いそうで、寛いでいる市民の姿が多数ある。
広場の中央まで歩いてきた時、ある銅像が目についた。何故こんな所にこのような少女の銅像があるのか、思わず聞かずには居られなかった。
「ねぇ、メルム。この銅像は何なのかな?」
尋ねた私の表情は、とてもひきつっているに違いない。だってどう見てもこの銅像、小さい頃の私じゃないか!
「こちらは奇跡の聖女様の銅像です。血嫌いの若様を虜にした人間の少女がモデルとなっていまして、その当時の姿を再現してあるのですよ。フフフ、姫様は子供の時からとても可愛らしかったのですね」
自分の置かれている境遇を少なからず理解して戸惑っていた。
やはりだ。どうやら見まちがいではなかったらしい。そこには、子供の頃の自分を思わせる精巧に作られた銅像があった。
背中にはご丁寧に木イチゴ採取用のカゴまで背負っている。この姿を見てどこが聖女なのか問いただしたい気分に駆られるのは、私だけではないはずだ。
しかし、この国ではこの少女像が聖女として大事に崇められているらしい。聖女像に向かって両手を合わせてお祈りをしていく者、花を供えていく者と、何かのご利益がありそうな雰囲気を漂わせている。
そんな光景を見て、過去の自分が美化されすぎている現実に、思わず乾いた笑いが漏れた。
「あの頃からずっと、姫様に仕えるのを心待ちにしておりました」
まるで恋する少女のように恍惚とした表情で、メルムは聖女像を見つめている。
「あの、メルム……銅像を作ってもらえるほど私は偉くも立派でもないんだけど……」
「そのようなことはありません! 我が国にとって、姫様の存在はまさに希望なのですよ! 若様は魔力に覚醒されてから、誰の血を口にしても不味いと拒絶されてきました。愛のある結婚しか許されていないわが国において、これは由々しき事態です。これでは伴侶を持つことも、お世継ぎを作ることも絶望的です。このままでは始祖の血は途絶え、ハイグランド帝国は滅亡の一途を辿るだけでした。そこへ、アリシア様が奇跡の如く現れたのです! その清らな御身に流れる血は、我が国の希望。まさに、奇跡の聖女様なのです! 未来の皇太子妃候補の誕生に、国中は歓喜し、三日三晩飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ、本当に楽しかったです」
当時の出来事に思いを馳せるメルムの隣で、変な単語続出の話に、私は頭を抱えていた。メルムの話を要約すると、自分はこの国でフォルネウス様の伴侶として求められているということになる。
私が、フォルネウス様の伴侶に……
ないない、なんておこがましいと、慌てて頭を振った。少し回復魔法が使えるだけのただの田舎娘である私が、皇太子様の隣に相応しいわけがない。
それに飢えた時に食べたものは、何でも美味しく感じるのが普通だ。その記憶があるせいで、フォルネウス様がそう思い込んでいるだけなのじゃないかとさえ思ってしまった。
「メルム、私なんかがフォルネウス様の隣に居たってきっと迷惑だよ。フォルネウス様は、とても優しい方だから私を気にかけて下さるけど、与えてもらってばかりで、私はなにも返せていない。今のままじゃ、どうしたって相応しくないの。だからこれからは自立して、しっかりと地に足をつけた生活をしていきたいと思ってるんだ」
がっかりさせてしまっただろうか。恐る恐るメルムの様子を窺うと「姫様、格好いいです!」と予想外の言葉が返ってきた。
「すみません、姫様の気持ちも考えずに押し付けるような事を言ってしまって。若様の事を見ようともせずに、財力や権力に目が眩む方だったら正直、私は姫様にお仕えしたくなかったと思います。でもそうやって、若様の事をきちんと考えて下さった上で、自分の道へ進もうとされる姫様はとても格好いいです!」
「ありがとう、メルム」
「(そんな格好いい姫様だからこそ、若様とお似合いだと思うのに……)」
メルムの葛藤する独り言が聞こえてくる。
「(いやいや、でもそれは私が押し付ける事ではなくて、若様が頑張るべき事なのです!)」
どうやらメルムは心の声を口に出してしまっている事に気付いてないようで、聞こえないふりをした。するとメルムの中で何らかの答えが出たようで、すっきりした顔で拳を胸の前で熱く握りしめていた。
「では姫様、そろそろ帰りましょうか。遅くなると、若様が心配されますし」
「うん。今日はありがとう。色々勉強になったよ」
城下街を見学しながら、私はひそかに求人募集している店を探していた。何店舗か貼り紙がしてある店があったのを確認し、実際にその店を利用して下見が出来たのは大変貴重な経験だった。連れてきてくれたメルムに感謝だわ!
帰りの馬車を待たせている大通りまで向かおうとした時、何故か周囲を囲まれている事に気付いた。
「おい、本物の聖女様だぞ!」
「どこだ?! 俺にも見せてくれよ」
「キャー! 聖女様! 応援してます、頑張って下さい!」
聖女像の近くで長居しすぎたせいか、どうやら市民達に正体を気付かれてしまったらしい。集まった吸血鬼達が遠巻きにこちらを見ていた。
「なー聖女様の血って、美味しいのかな?」
「そりゃー美味いに決まってるだろ! なんたってあの血嫌いで有名な皇太子様が絶賛されていたんだ」
「いいなー味わってみてぇなぁ……」
「一口、一口でいいから分けてくれねぇかなぁ……」
理性を抑えきれていない若い青年の吸血鬼達が、よだれをすすりながら虚ろな目をしてこちらへ近づいてくる。
「姫様、危ないので私の後ろへ」
「メルム、これどういう事?!」
「いけません! 私としたことが、話に夢中になりすぎて、隠密魔法が解けていたようです! 姫様、申し訳ありません!」
「誰にだって失敗はあるし、落ち込まないで。それよりもメルム、今はここを抜け出す方法を考えよう」
「はい、姫様! ここはまた、私の魔法で……」
「無理しないで、メルム。こんなにたくさんの人相手に使ったら貴方の身がもたないわ」
「大丈夫です、姫様。時間を稼ぐだけです。すでに最終手段は講じておりますので、ご安心下さい」
綺麗な星空に大きな雷が走り、こちらに近付いてきていた吸血鬼達の前に稲妻が落ちた。
「姫様、もう大丈夫ですよ。若様が到着されたようです」
メルムの視線の先を辿り空を見上げると、そこには確かに漆黒のマントを靡かせ佇むフォルネウス様の姿があった。見間違いでなければ、何もない空中に浮いているようにしか見えない。ど、どういうこと!?
「ねぇ、メルム。フォルネウス様、浮いてない?」
「若様くらい魔力が高いと、変化しなくても空だって自由に飛べるんです」
「そ、そうなんだ……」
姿を変えずに魔法で空まで飛べるとは……改めてフォルネウス様の凄さを感じた。
上空から優雅に降りてきたフォルネウス様は、私に襲いかかろうとした若い青年の吸血鬼達の前に着地すると、恐ろしい笑みを浮かべてこう告げた。
「お前達、アリシアにもし指一本でも触れてみろ。その時はどうなるか、分かっているだろうな?」
あまりの恐ろしさに、正気を取り戻した彼等はその場でかしづき、「申し訳ありませんでした」と頭を垂れている。
「反省したのならもうよい。面を上げよ」
フォルネウス様の許しを経て、若い青年吸血鬼達は恐る恐るといった様子で顔をあげた。そんな彼等に、フォルネウス様は表情を緩めて声をかける。
「アリシアはこの国に来てまだ日が浅い。魅力的なのはよく分かるが、あまり驚かせてはくれるなよ」
「はい、勿論でごさいます! アリシア様、本当に申し訳ありませんでした!」
どこからともなく拍手がわき起こり、民衆からは「若様、万歳! アリシア様、万歳!」と、熱いエールがわき起こった。
フォルネウス様が民衆に慕われるのはよく分かる。しかし、こんな声援を送られるほど私は何もしていない。
このままではいけないわ……
場違い感をひしひしと感じながら、私は強い焦燥感に駆り立てられていた。
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