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第五章 蒼と紅の力を合わせて頑張ろう!
49、受け入れ体制準備
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ハイグランド帝国で、本格的に蒼の吸血鬼救出に向けての受け入れ準備が始まった。
現在皇帝の政治を補佐をするのは、五帝院と呼ばれる五つの組織。
軍事を担う獅子院。
祭祀や神事を担う鳳凰院。
農業や工業を担う青龍院。
貿易や商業を担う玄武院。
諜報や工作を担う天蛇院。
獅子院の長であるフォルネウス様はその五帝院会議で無事に可決をもぎ取り、青龍院や玄武院からも協力者を得て、現在新たに開発中の一区画を蒼の吸血鬼達の住居に割り当てられる事に成功された。
「フォルネウス様、難しい顔をされてどうされたのですか?」
「準備は順調に進んでいるのだが、一つ問題があってな」
「どうされたのですか?」
「この国は吸血鬼の住みやすい国として発展してきた。人間に戻った者は魔力も扱えぬし、どうしても生活面においては不便を強いる事になるだろうと、思ってな」
「確かに、魔道具は魔力を通さないと使えませんし、食事だって人間は血を飲んだりしません。活動時間も大きく違いますからね」
「希望者をリグレット王国側が受け入れてくれれば良いのだが、あまりにも月日が経ちすぎた者は自身の故郷があるとも限らぬ。少なからずこちらで過ごす者も出てくるだろう」
「フォルネウス様、足りない部分は補い合って生活すれば良いのです。だってここは愛を重んじる国でしょう?」
「確かに、そうだな」
「それよりも気にかけて欲しいのは、お食事です。人の心を満たすのに衣食住を安定させる事は欠かせないと思いますし……マズイ食事は、辛いのです……」
あのブラッドボトル生活は、本当に辛かった。
「そうだな、アリシア。君にも苦労をかけたな、すまない……」
「そんな謝らないで下さい! 今は毎日とても美味しいご馳走を頂けるので、満足してますから」
「それなら良かった。ただ人の食事を作れる料理人が、こちらには居らぬのだ。菓子職人なら居るが、毎日菓子ばかりではいかぬだろうしな」
「行事でリグレット王国の王族の方々が来られる時は、どうされていたのですか?」
「必要な時はギルテッド公爵に依頼して、料理人と食材を手配してもらっておるのだ。人の味覚は俺達には分からないからな……」
「そうだったのですね。ブラッドボトルはどのように生産されているのですか?」
「牧場で飼っている動物から、死なないように少量ずつ血を分けてもらっているんだ。それがどうしたのだ?」
「リグレット王国では、食用として家畜を飼育しています。お肉は人間にとって貴重な栄養源となります。もし亡くなった家畜を食材として利用出来ればと思ったのですが……」
「大切に育てていても、どうしても寿命で亡くなってしまう家畜は常に発生する。人間の食事用の食材の確保もどうしようかと悩んでいた所だから検討してみよう。アリシア、参考になる意見をありがとう」
「いえ、少しでもお役に立てたのなら嬉しいです」
フォルネウス様と執務室でそんなお話をしていたら、ノックの音がした。
「アリシア様! アリシア様はいらっしゃいますか?!」
「はい。コンラッド先生、そんなに血相を変えてどうされました?」
「魔力検査の結果が出たのでお知らせに!」
いつにも増してハイテンションなコンラッド先生に、どんな結果が出たのかかなり気になった。
「後で伺おうと思ってましたのに、わざわざ足を運んで下さったのですね。ありがとうございます」
「驚く数値が出ていたのです! この感動を一秒でも早くお伝えしたかったもので、どうぞご覧ください!」
フォルネウス様と一緒に結果を見た。
「魔力適正は水属性がA、聖属性がSSS……?! こ、これはどういう事ですか?!」
「驚くのはそこだけではございません、見てくださいこの魔力量! 若様に匹敵せんばかりの数値を示しているのですよ!」
「何れはそうなるだろうとは思っていたが、確かにこの短期間ですごい伸び率だな」
「これもきっと建国祭の恩恵でしょうね! お二人の仲睦まじいご様子に、国民はとても歓喜しておりましたよ! さぞかし濃厚な夜をお過ごしになって、愛を育まれたのですね!」
コンラッド先生の言葉に、フォルネウス様は誤魔化すように盛大な咳払いをされた。
「あの日はフォルネウス様が私のお酒デビューに付き合って下さったんです。ただ早々に酔ってしまって、残念な事に記憶がないんです。フォルネウス様、やはりあの日私はとてつもないご迷惑をおかけしたのでは……?!」
「大丈夫だ、そんなことは……ない」
どこか歯切れの悪いフォルネウス様に、さらに不安が募る。
「ただ晩酌は、式をあげてからに、しよう。じゃないと、俺の身体が色々つらい……」
「若様……ご立派ですぞ!」
何かを察せられたかのように、コンラッド先生は胸の前でぐっと握り拳を作っておられた。
フォルネウス様に辛い思いなんてさせたくない。しばらくお酒飲むのはやめておこうと、私は心に誓った。
「アリシア、回帰魔法でどこまで時を戻せるようになったか、実験してみてもいいか?」
「はい、勿論です!」
「そうだな、帝国にある一番古いものと言えば……」
「確か陛下のお持ちになられている美術品、守護聖獣像ですね。何度も自慢されたので、よく覚えています」
トリー様、嬉しくて色んな人に見せたんだろうな、きっと。何となくそんな光景が浮かんできた。
「よし、じゃあそれで実験しよう!」
「よろしいのですか? トリー様お怒りになるのでは?」
「なに、新品に戻してやるのだから喜ぶだろう」
「フォルネウス様、トリー様の扱いが少し雑ではありませんか?」
「そんなことないぞ。俺は昔から、よく大切なものを直してやるといいながら、結果的に父上に壊されて来たからな。たまには逆があっても、良いだろう?」
「少し笑顔が怖いです、フォルネウス様……」
トリー様とフォルネウス様って、親子というより兄弟みたいね。
現在皇帝の政治を補佐をするのは、五帝院と呼ばれる五つの組織。
軍事を担う獅子院。
祭祀や神事を担う鳳凰院。
農業や工業を担う青龍院。
貿易や商業を担う玄武院。
諜報や工作を担う天蛇院。
獅子院の長であるフォルネウス様はその五帝院会議で無事に可決をもぎ取り、青龍院や玄武院からも協力者を得て、現在新たに開発中の一区画を蒼の吸血鬼達の住居に割り当てられる事に成功された。
「フォルネウス様、難しい顔をされてどうされたのですか?」
「準備は順調に進んでいるのだが、一つ問題があってな」
「どうされたのですか?」
「この国は吸血鬼の住みやすい国として発展してきた。人間に戻った者は魔力も扱えぬし、どうしても生活面においては不便を強いる事になるだろうと、思ってな」
「確かに、魔道具は魔力を通さないと使えませんし、食事だって人間は血を飲んだりしません。活動時間も大きく違いますからね」
「希望者をリグレット王国側が受け入れてくれれば良いのだが、あまりにも月日が経ちすぎた者は自身の故郷があるとも限らぬ。少なからずこちらで過ごす者も出てくるだろう」
「フォルネウス様、足りない部分は補い合って生活すれば良いのです。だってここは愛を重んじる国でしょう?」
「確かに、そうだな」
「それよりも気にかけて欲しいのは、お食事です。人の心を満たすのに衣食住を安定させる事は欠かせないと思いますし……マズイ食事は、辛いのです……」
あのブラッドボトル生活は、本当に辛かった。
「そうだな、アリシア。君にも苦労をかけたな、すまない……」
「そんな謝らないで下さい! 今は毎日とても美味しいご馳走を頂けるので、満足してますから」
「それなら良かった。ただ人の食事を作れる料理人が、こちらには居らぬのだ。菓子職人なら居るが、毎日菓子ばかりではいかぬだろうしな」
「行事でリグレット王国の王族の方々が来られる時は、どうされていたのですか?」
「必要な時はギルテッド公爵に依頼して、料理人と食材を手配してもらっておるのだ。人の味覚は俺達には分からないからな……」
「そうだったのですね。ブラッドボトルはどのように生産されているのですか?」
「牧場で飼っている動物から、死なないように少量ずつ血を分けてもらっているんだ。それがどうしたのだ?」
「リグレット王国では、食用として家畜を飼育しています。お肉は人間にとって貴重な栄養源となります。もし亡くなった家畜を食材として利用出来ればと思ったのですが……」
「大切に育てていても、どうしても寿命で亡くなってしまう家畜は常に発生する。人間の食事用の食材の確保もどうしようかと悩んでいた所だから検討してみよう。アリシア、参考になる意見をありがとう」
「いえ、少しでもお役に立てたのなら嬉しいです」
フォルネウス様と執務室でそんなお話をしていたら、ノックの音がした。
「アリシア様! アリシア様はいらっしゃいますか?!」
「はい。コンラッド先生、そんなに血相を変えてどうされました?」
「魔力検査の結果が出たのでお知らせに!」
いつにも増してハイテンションなコンラッド先生に、どんな結果が出たのかかなり気になった。
「後で伺おうと思ってましたのに、わざわざ足を運んで下さったのですね。ありがとうございます」
「驚く数値が出ていたのです! この感動を一秒でも早くお伝えしたかったもので、どうぞご覧ください!」
フォルネウス様と一緒に結果を見た。
「魔力適正は水属性がA、聖属性がSSS……?! こ、これはどういう事ですか?!」
「驚くのはそこだけではございません、見てくださいこの魔力量! 若様に匹敵せんばかりの数値を示しているのですよ!」
「何れはそうなるだろうとは思っていたが、確かにこの短期間ですごい伸び率だな」
「これもきっと建国祭の恩恵でしょうね! お二人の仲睦まじいご様子に、国民はとても歓喜しておりましたよ! さぞかし濃厚な夜をお過ごしになって、愛を育まれたのですね!」
コンラッド先生の言葉に、フォルネウス様は誤魔化すように盛大な咳払いをされた。
「あの日はフォルネウス様が私のお酒デビューに付き合って下さったんです。ただ早々に酔ってしまって、残念な事に記憶がないんです。フォルネウス様、やはりあの日私はとてつもないご迷惑をおかけしたのでは……?!」
「大丈夫だ、そんなことは……ない」
どこか歯切れの悪いフォルネウス様に、さらに不安が募る。
「ただ晩酌は、式をあげてからに、しよう。じゃないと、俺の身体が色々つらい……」
「若様……ご立派ですぞ!」
何かを察せられたかのように、コンラッド先生は胸の前でぐっと握り拳を作っておられた。
フォルネウス様に辛い思いなんてさせたくない。しばらくお酒飲むのはやめておこうと、私は心に誓った。
「アリシア、回帰魔法でどこまで時を戻せるようになったか、実験してみてもいいか?」
「はい、勿論です!」
「そうだな、帝国にある一番古いものと言えば……」
「確か陛下のお持ちになられている美術品、守護聖獣像ですね。何度も自慢されたので、よく覚えています」
トリー様、嬉しくて色んな人に見せたんだろうな、きっと。何となくそんな光景が浮かんできた。
「よし、じゃあそれで実験しよう!」
「よろしいのですか? トリー様お怒りになるのでは?」
「なに、新品に戻してやるのだから喜ぶだろう」
「フォルネウス様、トリー様の扱いが少し雑ではありませんか?」
「そんなことないぞ。俺は昔から、よく大切なものを直してやるといいながら、結果的に父上に壊されて来たからな。たまには逆があっても、良いだろう?」
「少し笑顔が怖いです、フォルネウス様……」
トリー様とフォルネウス様って、親子というより兄弟みたいね。
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