『「稀世&三朗」のデートを尾行せよ!」謎の追跡者の極秘ミッション~偽りのチャンピオン・アナザーストーリー』

M‐赤井翼

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「東海道57次デート編」

「東海道56次目 枚方宿①「くずはモール」」

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「東海道56次目 枚方宿①「くずはモール」」

 稀世の作ったサンドイッチ・ホットサンドを完食し、稀世と三朗は枚方市の「くずは」に向かった。途中で稀世が一件の寄り道を求めた。
「サブちゃん、第26代の継体天皇って知ってる?大阪北部に凄く由縁のある天皇陛下で、「モリカドネット」でも取り上げる予定やねん。いろいろと「訳あり・・・」やった第25代の武烈天皇が急死して、急遽、福井の越前から呼び寄せられた天皇陛下やねんけど、当時の都の「奈良」に入らんと「くずは」に都を開いたんやて。
 ちなみに大阪で開かれた都って「難波宮」とその「樟葉宮」だけやねんて。まあ、継体天皇が「宙船そらぶね」で飛んで・・・やってきたっていうのが交野市の「交野妙見宮」で、その後、開いたのが「樟葉宮」。そして継体天皇は淀川流域の物流や貿易を発展させて、「諸説あり」やけど高槻にある誰でも入れる「前方後円墳」と「屋外展示埴輪」がある「今城塚古墳」に祀られてるんやて。
 樟葉宮は跡地なんで写真だけ取らせてもらうだけやから時間かからへんけど、交野と高槻はゆっくりと行きたいから、また今度一緒に行こな!」

 楽しそうに話しかける稀世の話に笑顔で頷いているうちに「樟葉宮跡」に到着した。稀世は「一緒に見に行こうか?もちろん手を繋いでな!」と誘い、三朗も笑顔で受け入れた。跡地入口から人気ひとけのない参道の数十メートル往復の短い手つなぎデートだったが二人の満足度は高かった。
 車に戻ると、枚方市のおしゃれショッピングのナンバーワンスポットの「くずはモール」までの道中、稀世は今晩泊まるランコッドホテルについてスマホで検索をかけていた。
「きゃー、凄いなぁ!ホテルの中にフィットネスやプールもあるんやて。サブちゃん、デートの最中やけど、夕食前のトレーニングがUCWW参戦前からのルーチンになってしもてるから1時間だけ体を動かさせてもらってええかな?良かったらサブちゃんも一緒に泳ごうや!
 イタリアンレストランは平日限定で5種の選べるメインディッシュ以外に40種のビュッフェがあるんやて。お腹空かせて食べる方が絶対に美味しいでなぁ!」

 助手席ではしゃぐ笑顔の稀世を見ながら、三朗は「稀世の水着姿」を想像して心拍数が上がった。
「はい、稀世さんがそうしたいんやったら全然OKですよ。希望があったら何でも言ってくださいね。」
と答えると車は「くずはモール」に到着した。

 先に男性向けカジュアルウェアショップで三朗の衣装を稀世が選んだ。「きゃー、サブちゃんかっこええよ!」、「うーん、こっちも捨てがたいなぁ…。」、「がおっ、このかっこしてたら他の女が寄ってきてしまうからこれは無しやな!」とにぎやかに試着候補を持って来ては売り場と試着室の往復を繰り返す稀世を三朗は優しい目で追った。
 約20分で三朗のコーディネートが決まると、稀世が「これは、私からのプレゼントにさせてな。」とカードを切った。

 続いて、稀世のジャケット、ブラウス、パンツを選びに行った。後々、仕事でも着られるような「機能美」優先で選ぶ稀世のチョイスに三朗から「否定的」な返事が全く出ないことに
「もう、少しは意見言ってや!私のかっこなんかどうでもいいっていうてんのと一緒やで。ぷんぷん。」
と稀世が少し拗ねて見せると、三朗の
「何着ても稀世さんは常に最高ですよ。まあ、大人の稀世さんが見てみたいかな。」
の一言で稀世はシックな黒ジャケットと白のパンツの組み合わせを選択した。

 続いて、スポーツ用品店に向かい、トレーニングウェアと水着を選んだ。問題は稀世の胸のサイズに合う水着が見つからないことだった。店員がバタバタしている。
「サブちゃん、水着の試着は見られたらちょっと恥ずかしいから決まったら電話鳴らすからしばらくの間、どこかで待っててな。」
 稀世から言われて、隣の家電店に三朗は移動した。(あっ、せっかくのデートなのに「ツーショット写真」一枚も撮ってないわ。せっかくやから1枚は稀世さんと写りたいよな…。ひらパーでツーショットをお願いしてみようかな…?)と思い、店員に声をかけた。
「すみません、夕方でもよく映るデジカメとコンパクトな三脚ありますか?」

 三朗は最新式のコンパクトデジカメと三脚を購入した。いつもであれば(ちょっと高いかな?)と思う価格ではあったが、UCWWの賭けの配当と稀世を少しでもきれいに撮りたいと思う気持ちから高級モデルを勧められるがままに選んだ。
 その場で箱から出してもらい、取説と付属品を紙袋に入れてもらうと、デジカメはストラップを通し首からぶら下げ、三脚はポケットにしまった。
「サブちゃん、今どこ?水着買ったからさっきの店まで戻ってきてくれる?」
との電話で三朗は家電用品店を後にした。

 車に戻ると時刻は2時を過ぎていた。洋服を後部座席に積み込むと稀世が三朗に元気に言った。
「さあ、ひらパーに行きますか!偶然「ひらパー兄さん」に会えたらサインもらわなあかんな!そない思ってマジックも持って来てるねん。ひらパー兄さんも格闘技の達人やからちょっとチャレンジさせてもろたり、一緒に「おまっ!」って言うのもええかもな。ケラケラケラ。」
 ご機嫌な稀世を横に乗せ、淀川を右に見ながら旧国道一号線を大阪方面に向けて走りだした。

 車中では稀世の「枚方宿」についての講釈が始まった。旧の街並みが残っている事や「くらわんか船」の由来についておもしろおかしく語るので三朗も大きな声で笑った。
「江戸時代に朝一に行った伏見から大阪(※大坂)までを往復する三十穀船の乗船客に近づいて食べものを売る「煮売舟」っていう売り言葉は「喰らわんか」やってんて。
 十返舎一九の東海道中膝栗毛では弥次さん、喜多さんも「くらわんか船」からご飯を買ってるシーンがあるんやで。みんな弥次さん、喜多さんは京都で江戸に帰ったって思ってるもんな。何とか、京橋ゴールの東海道57次、あわよくばその先の、高麗橋から堺までの大阪街道ルートも大阪の盛り上げのためにメジャーにしたいよね。
ちなみに「枚方宿」は徳川吉宗の時代にはベトナムから来た象も泊まった記録もあんねんで。江戸時代に「象」って凄いよな。次の「暴れん坊将軍」では枚方で象に跨ってさっそうと登場して欲しいな。ケラケラケラ。」

 枚方市駅を越え「ひらパー」がある「枚方公園駅」の手前で渋滞にはまった。稀世はふと左側の小山を見つめて呟いた。
「サブちゃん、この左にある「意加美おかみ神社」って行ったことある?」
「いや、無いですけど…。何か有名な神社なんですか?」
 なかなか動かない車の中で、三朗が答えると稀世が少し照れたような顔をして話し出した。
「あのね、この「意加美おかみ神社」は末社の「琴平神社」に祀られてるかわいい「ゆる狛犬」も有名やねんけど、それ以上に有名なんが「ゼロ磁場」なんよ!」
「ん?「ぜろじば・・・・」って何ですか?初めて聞く言葉ですけど?」
 短いセンテンスの会話が続いた後、稀世が「意加美神社」の境内の階段の3段目と4段目は長野県伊那市の「分岐峠」や伊勢神宮、諏訪大社、高野山にもあるコンパスが効かない「ゼロ磁場」スポットがあるという。

 「それがどうしたんですか?「磁場」が無くていいことって何かあるんですか?」
稀世が何を言いたいのかわからない三朗はストレートに尋ねた。
「サブちゃん、正直に聞くけど京都競馬場で私をおんぶして正直「重い」って感じたんとちゃう?私、中学の時から「体重」がコンプレックスやねん。今も、59.8キロの壁とずっと闘ってるんよ。今日は朝にサンドイッチの味見でいつもの朝ごはんよりたくさん食べてしもてて「重力3倍デー・・・・・・」みたいになってしもてたから…。
男の人は「デブ」な女って嫌がるやろ?サブちゃんにどうせおんぶしてもらうんやったら、「意加美神社」の「ゼロ磁場」でしてもらったらめっちゃ「軽く」感じてもらえてよかったかなって思っててん…。」
 稀世は真っ赤な顔をして三朗に呟いた。その呟きに対して三朗は大きな声で笑いだした。笑う三朗を見て稀世は不貞腐れた。
「なんでそんなに笑うんよ!私本気で悩んでんのに!もうサブちゃんなんか嫌い!」


「おまけ」
「ホテル編」までおいておこうかと思いましたが「お色気が欲しい」と言うリクエストが来てたので。「くずはモール」で稀世ちゃんが買ったスポーツウェアと水着を先行公開(笑)!





(※ネタバレになりますが、稀世ちゃんの水着は「競泳水着」で「胸のサイズが合うものが無かった」という設定です(笑)。
決して「サブちゃん」への「色仕掛け」の為の選択ではありません!(。-人-。) 
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