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リリーローズ
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色々と考えた結果、アルビダは直接聞くことにした。
このままでは、良いアイデアも浮かんでこないまま、ただ時が過ぎていくだけ。
「あのうジェイデン様、妹のジュリア様のことが心配で、お茶会どころではないのですよね?」
「……えっ、確かにジュリアのことは心配なのですが……」
〝しまった……表情に出ていたのか?……考えを悟られるなんて失態だ〟
ジェイデンは、自分が心ここに在らずだった事をアルビダに気付かれ、情けなく思い少し落ち込んでしまう。
心の声が聞こえたから、内心がわかっただけで……。
もっと違う言い回しをしたら良かった。
どうしましょう。ええとええと……。
「あっ、いえその……表情に出ていたわけではなくて、ジェイデン様はお優しいので、大切な妹のジュリア様が病に伏せっていたら、きっと心配でお茶会どころではないかなと思いまして……」
〝ああ……なんだそういう事か……って! 僕は表情に出ていたのかって、言葉に出していたのか。そっちの方が恥ずかしいぞ〟
今度は右手で口元を押さえ黙り込むジェイデン。耳だけ少し赤く染まっていた。
「そうではなっ……」
「え?」
「なんでもないです」
危ない危ないですわ。そうではなくて、心の声が聞こえるだけです! と良いそうになってしまいましたわ。
〝とりあえず落ち着け。冷静に、動揺していたらアルビダ嬢を困らせてしまう〟
「んんっ、すまないね。気を使わせてしまって」
……何だかこちらこそすみません。
「いえ、大丈夫です」
「その……。アルビダ嬢の言ってる通り、僕は妹のことが心配で……」
「だって大切な妹さんなんですもの、心配なのは当たり前です」
「ありがとう。ただの病ならここまで心配しないんだ。謎の病にかかったみたいでね。病名が分からないんだ」
ジェイデンは唇を軽く噛み締めた後、少し俯き深呼吸をした。
呼吸を整え、心を落ち着かせたいのだろう。
「何人もの治癒師を呼び治療をして貰いましたが、病相が分からないことには治癒のしようがないのだと、全員から言われました。怪我や欠損まで治せる治癒師でさえ匙を投げた」
「そんな……でも分かります。わたくしのお母様の病気も、治癒師の方は治せませんでした。ですから……わたくしの夢はお母様の病気を治すことでした……っ」
母を思い出したのだろう。アルビダは今にも泣きそうな瞳をしている。
「アルビダ嬢……」
そんなアルビダを切なそうに見つめるジェイデン。自分と姿を重ねているようにも見える。
「え?」
「泣きたい時は我慢しなくて良いんですよ?」
ジェイデンが優しくアルビダの頭を撫でた。
「ふぇ…… あっ、ありがとうございます」
わたくしにお兄様はいませんが、いたらこんな感じでしょうか?
何だか嬉しくて泣きそうですが、妖精さんに泣くのはダメだと言われました。どうにか心を落ち着かせるのです。
「わたくしは大丈夫です。大丈夫じゃないのはジェイデン様ですよね? 妹さんの所に行ってあげてください。今はそれが最優先です」
アルビダは両手を胸の前で強く握り締め鼓舞する。
「アルビダ嬢……すまないね。甘えさせて貰うね」
ジェイデンは再びアルビダの頭をふんわりと撫でた後、急いでその場を去って行った。
「このお礼は必ずするからね」
ジェイデン様の妹ジュリア様の病気が治りますように。
さてと、わたくしは会場に戻りましょう。
アルビダは再びお茶会の会場に戻るのだった。
★★★
何だか、あの場所だけすごく賑わっていますわね。
会場に戻ると、多くの人が集まっているグループが目にとまる。
気になりアルビダはその場所に近寄ると、どうやら一人の少女にたくさんの少女たちが群がっているようす。
なるほど、中央にいる女性にみなさまが注目していますのね。
着ているドレスのデザインが、他の人たちと少し違うようにも思います。オレンジ色の髪色に緑色の瞳……?
————あれ!?
中央にいる方は……もしかしてリリーローズ様では!?
アルビダはこの少女がリリーローズかもと思い、思わず一歩前に出たことで中央にいる少女と目があう。
次の瞬間アルビダと目があった少女の頬が桃色に染まる。
「真紅に煌めく薔薇のように美しい髪……ああっ、あなた様はアルビダ・イングリットバークマン様ですか!?」
少女が少し小刻みに震えながら、アルビダに話しかけた。
そのことにより、その場にいた人の視線がアルビダに集中する。
急に自分が注目されアルビダは、どうして良いのか分からず言葉に詰まる。
大勢の人に見られてると思うだけで、恥ずかしくて耳まで赤く染まっていく。
どうしましょう、こんなに注目されるなんて。
でもお返事をしないのは失礼ですわ。
「イングリットバークマン公爵家が娘。アルビダ・イングリットバークマンです。皆様、仲良くしていただけますと嬉しいです」
アルビダは恥ずかしいのを必死に堪え、精一杯挨拶のカーテシーを披露した。
そんなアルビダの姿を、話しかけてきた少女は瞬きもせず、じっと見つめている。その姿はまるで、一瞬もアルビダの姿を見逃さないようにと見ているかのよう。
「あああっ、なんてなんて美しいのでしょう! 想像が掻き立てられますわ! アルビダ様とお呼びしてもよろしいですか? あっ、自己紹介がまだでしたっ! 私はシュトロン侯爵家が娘リリーローズ・シュトロンと申します! アルビダ様! 是非是非仲良くしてくださいませ!」
頬を染め、鼻息荒く話しながら、興奮気味にアルビダに近寄るリリーローズ。
「ふぇ!?」
そんなリリーローズに圧倒され、アルビダはどうして良いのか分からず固まってしまった。
妖精さん?
リリーローズ様にお会いしましたが、わたくしの想像と違っていたのですが……あのう……本当に……仲良くして、大丈夫ですのよね?
このままでは、良いアイデアも浮かんでこないまま、ただ時が過ぎていくだけ。
「あのうジェイデン様、妹のジュリア様のことが心配で、お茶会どころではないのですよね?」
「……えっ、確かにジュリアのことは心配なのですが……」
〝しまった……表情に出ていたのか?……考えを悟られるなんて失態だ〟
ジェイデンは、自分が心ここに在らずだった事をアルビダに気付かれ、情けなく思い少し落ち込んでしまう。
心の声が聞こえたから、内心がわかっただけで……。
もっと違う言い回しをしたら良かった。
どうしましょう。ええとええと……。
「あっ、いえその……表情に出ていたわけではなくて、ジェイデン様はお優しいので、大切な妹のジュリア様が病に伏せっていたら、きっと心配でお茶会どころではないかなと思いまして……」
〝ああ……なんだそういう事か……って! 僕は表情に出ていたのかって、言葉に出していたのか。そっちの方が恥ずかしいぞ〟
今度は右手で口元を押さえ黙り込むジェイデン。耳だけ少し赤く染まっていた。
「そうではなっ……」
「え?」
「なんでもないです」
危ない危ないですわ。そうではなくて、心の声が聞こえるだけです! と良いそうになってしまいましたわ。
〝とりあえず落ち着け。冷静に、動揺していたらアルビダ嬢を困らせてしまう〟
「んんっ、すまないね。気を使わせてしまって」
……何だかこちらこそすみません。
「いえ、大丈夫です」
「その……。アルビダ嬢の言ってる通り、僕は妹のことが心配で……」
「だって大切な妹さんなんですもの、心配なのは当たり前です」
「ありがとう。ただの病ならここまで心配しないんだ。謎の病にかかったみたいでね。病名が分からないんだ」
ジェイデンは唇を軽く噛み締めた後、少し俯き深呼吸をした。
呼吸を整え、心を落ち着かせたいのだろう。
「何人もの治癒師を呼び治療をして貰いましたが、病相が分からないことには治癒のしようがないのだと、全員から言われました。怪我や欠損まで治せる治癒師でさえ匙を投げた」
「そんな……でも分かります。わたくしのお母様の病気も、治癒師の方は治せませんでした。ですから……わたくしの夢はお母様の病気を治すことでした……っ」
母を思い出したのだろう。アルビダは今にも泣きそうな瞳をしている。
「アルビダ嬢……」
そんなアルビダを切なそうに見つめるジェイデン。自分と姿を重ねているようにも見える。
「え?」
「泣きたい時は我慢しなくて良いんですよ?」
ジェイデンが優しくアルビダの頭を撫でた。
「ふぇ…… あっ、ありがとうございます」
わたくしにお兄様はいませんが、いたらこんな感じでしょうか?
何だか嬉しくて泣きそうですが、妖精さんに泣くのはダメだと言われました。どうにか心を落ち着かせるのです。
「わたくしは大丈夫です。大丈夫じゃないのはジェイデン様ですよね? 妹さんの所に行ってあげてください。今はそれが最優先です」
アルビダは両手を胸の前で強く握り締め鼓舞する。
「アルビダ嬢……すまないね。甘えさせて貰うね」
ジェイデンは再びアルビダの頭をふんわりと撫でた後、急いでその場を去って行った。
「このお礼は必ずするからね」
ジェイデン様の妹ジュリア様の病気が治りますように。
さてと、わたくしは会場に戻りましょう。
アルビダは再びお茶会の会場に戻るのだった。
★★★
何だか、あの場所だけすごく賑わっていますわね。
会場に戻ると、多くの人が集まっているグループが目にとまる。
気になりアルビダはその場所に近寄ると、どうやら一人の少女にたくさんの少女たちが群がっているようす。
なるほど、中央にいる女性にみなさまが注目していますのね。
着ているドレスのデザインが、他の人たちと少し違うようにも思います。オレンジ色の髪色に緑色の瞳……?
————あれ!?
中央にいる方は……もしかしてリリーローズ様では!?
アルビダはこの少女がリリーローズかもと思い、思わず一歩前に出たことで中央にいる少女と目があう。
次の瞬間アルビダと目があった少女の頬が桃色に染まる。
「真紅に煌めく薔薇のように美しい髪……ああっ、あなた様はアルビダ・イングリットバークマン様ですか!?」
少女が少し小刻みに震えながら、アルビダに話しかけた。
そのことにより、その場にいた人の視線がアルビダに集中する。
急に自分が注目されアルビダは、どうして良いのか分からず言葉に詰まる。
大勢の人に見られてると思うだけで、恥ずかしくて耳まで赤く染まっていく。
どうしましょう、こんなに注目されるなんて。
でもお返事をしないのは失礼ですわ。
「イングリットバークマン公爵家が娘。アルビダ・イングリットバークマンです。皆様、仲良くしていただけますと嬉しいです」
アルビダは恥ずかしいのを必死に堪え、精一杯挨拶のカーテシーを披露した。
そんなアルビダの姿を、話しかけてきた少女は瞬きもせず、じっと見つめている。その姿はまるで、一瞬もアルビダの姿を見逃さないようにと見ているかのよう。
「あああっ、なんてなんて美しいのでしょう! 想像が掻き立てられますわ! アルビダ様とお呼びしてもよろしいですか? あっ、自己紹介がまだでしたっ! 私はシュトロン侯爵家が娘リリーローズ・シュトロンと申します! アルビダ様! 是非是非仲良くしてくださいませ!」
頬を染め、鼻息荒く話しながら、興奮気味にアルビダに近寄るリリーローズ。
「ふぇ!?」
そんなリリーローズに圧倒され、アルビダはどうして良いのか分からず固まってしまった。
妖精さん?
リリーローズ様にお会いしましたが、わたくしの想像と違っていたのですが……あのう……本当に……仲良くして、大丈夫ですのよね?
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