10 / 11
ジェイデンの闇は妹
しおりを挟む
『おかえり~アビィ。お茶会は楽しめた? リリーローズとはお友達になれた?』
お茶会が終わり、自分の部屋に戻ってきたアルビダ。その姿を見たロビンがベッドから器用に飛び降りトコトコと走ってきた。
「ただいまロビン。いろいろありましたの! 聞いてください! あのね………」
アルビダはお茶会での出来事を興奮気味に話す。その姿は母を亡くしおとなしかった時とはもう別人のよう。楽しそうに表情をくるくる変えこと細やかにロビンに伝えるのだった。
『ふぅん。アビィが楽しかったみたいで僕も嬉しいよ。リリーローズとも仲良くなれたみたいだし、バッチリだね。だ・け・ど! ジェイデンと仲良くなってるじゃん。妖精たちにあれほど近寄るなって言われたのに』
ロビンに注意されると、眉尻を下げ口先をとんがらせる。
「……そうなのですが、これでも頑張って作戦を立てて離れたんですのよ! 話してみて分かったのですが、ジェイデン様は妹想いのとても良い人でした」
「……妖精たちもさ? ジェイデンは悪い人とは入ってないよ? ヤンデレ化しちゃうから近寄るなって言われてんでしょ?』
ロビンはハァ~っと大きなため息を吐いた後、短い腕を器用に腕組みした。
「そっ、そうですが……」
そもそも、わたくしヤンデレの意味がよく分かりませんのに。だけどそんな事ロビンに言ったらバカにされますし……むう。
納得がいかないのか、口を尖らせ黙り込むアルビダの姿を見てロビンはヤレヤレと両手を上げると。
『妖精たちに審議してもらう?』
「妖精さんに?」
『そうそう、今日のあった出来事の報告だよ。今日の配信はまだしてないしね』
ロビンがそう言うと、首から下げられた時計が光り、四角い配信画面が現れる。
『さっ、配信始めるよー』
ロビンがアルビダを映し、黒い画面の中にアルビダの姿が映し出された。
〝アビィー様! 今日はもう配信ないと思ってた〟
〝眼福眼福〟
〝誰だよ、今日の配信ないって言ってたやつ〟
〝待機してて良かった〟
〝仕事終わりに天使降臨とか最高かよ〟
画面がアルビダに切り替わった途端、すごい勢いで文字が羅列されていく。
どうやら配信待機していた妖精たちが多数いたようだ。
スタートして数分もすると、同時接続数が二千をこえる。その数字はどんどんと増えていく一方。
『さっ、今日の報告しないと。みんな待っているよ』
「はい!」
アルビダは恒例の如く挨拶のカーテシーを披露し、今日のお茶会でのことを話し出した。
話がジェイデンの妹の事になると、急にコメントが荒れる。
〝ちょっ、まっ!? 妹!?〟
〝いもうと〟
〝い・も・う・と!?〟
〝ヤンデレジェイデンに妹なんていないだろ!?〟
〝公式の説明にも、妹がいたなんて書かれてないわ!?〟
〝アビィたん、本当に妹なんていたの!?〟
「なになに……え?」
妖精さんが妹さんのことを知らない!? どう言うことですの!?
「ちゃんと妹さんはいましたよ! 原因不明の病気になって、ジェイデン様はすごく心配していました」
アルビダが必死に病気の事を説明すると、妖精たちの反応が変わる。
〝原因不明の病気!?〟
〝ちょっと待って! 公式の説明にちょこっと書かれてる、これの事でありもうすか?〟
〝【ジェイデンは幼少期に大切な人を亡くし心が病む、そこから人への執着が始まる】〟
〝それは知ってたけど……大切な人って妹!?〟
〝ジェイデンの闇は妹の死がトリガーだったのか〟
ええと……大切な人を亡くして……ん? 妹の死!?
「妖精さん! ジェイデン様の妹さんは死んじゃうんですか!」
アルビダは四角い画面に顔をグッと近付ける。
〝はうっ、アビィ様近い近い。美少女のドアップは目がぁ〟
〝はい。視力無くしました〟
〝アビィたん冷静に聞いてね? 妹はこのままだと死ぬ〟
〝設定だからね〟
〝もし……妹が生きてたら、ジェイデンはヤンデレじゃなくなる?〟
〝妹の死を回避〟
〝いや、無理だろ〟
「死……そんなっ……ジェイデン様はあんなにも妹さんの事を大切に思っていたのに! 妖精さんお願いです、その未来は変えられないのですか!?」
〝え、これ……変えれるんか?〟
〝知ってたら、教えてあげたいのは山々なんだけどごめんね〟
〝妹の病気のことは物語のどこにも書かれてないんだ〟
〝妹がいたことさえ今日初めて知ったんだ〟
助かる方法を妖精たちがアドバイスしてくれないかと、アルビダは画面にくらいつき、必死に羅列されていく文字を読んでいく。
———妖精さんも妹さんを助ける方法を知らない!?
ではジェイデン様の妹は、もうすぐわたくしのお母様のように……!!
そんなのは嫌です!
どうにかその未来を変えられないのでしょうか?
「ロビン! わたくし、ジェイデン様の妹さんを助けたいですっ……ううっ」
『アビィ……泣かないで? 優しい気持ちはわかるけどね。未知の病を治す方法はないの知っているでしょ?』
「それはっ……分かっているのですがっ……ふぅぅ」
〝アビィ様、泣かないで〟
〝役立たずの妖精でごめんね〟
〝どうにか方法ないんか〟
〝助かる方法調べるからね、待っててアビィ〟
チャリン♪【500P】
チャリン♪【1200P】
チャリン♪【3000P】
コメントと共にスパチャが飛び交い、画面が黄金色で埋め尽くされていく。
『う~ん……今日の配信はもう無理かな』
ポロポロと涙を流すアルビダを慰めるため、ロビンは配信を停止した。
『アビィ、分かったよ。僕と一緒に助ける方法を考えよう』
「……ロビンッ」
アルビダはロビンをギュッと抱きしめた。
お茶会が終わり、自分の部屋に戻ってきたアルビダ。その姿を見たロビンがベッドから器用に飛び降りトコトコと走ってきた。
「ただいまロビン。いろいろありましたの! 聞いてください! あのね………」
アルビダはお茶会での出来事を興奮気味に話す。その姿は母を亡くしおとなしかった時とはもう別人のよう。楽しそうに表情をくるくる変えこと細やかにロビンに伝えるのだった。
『ふぅん。アビィが楽しかったみたいで僕も嬉しいよ。リリーローズとも仲良くなれたみたいだし、バッチリだね。だ・け・ど! ジェイデンと仲良くなってるじゃん。妖精たちにあれほど近寄るなって言われたのに』
ロビンに注意されると、眉尻を下げ口先をとんがらせる。
「……そうなのですが、これでも頑張って作戦を立てて離れたんですのよ! 話してみて分かったのですが、ジェイデン様は妹想いのとても良い人でした」
「……妖精たちもさ? ジェイデンは悪い人とは入ってないよ? ヤンデレ化しちゃうから近寄るなって言われてんでしょ?』
ロビンはハァ~っと大きなため息を吐いた後、短い腕を器用に腕組みした。
「そっ、そうですが……」
そもそも、わたくしヤンデレの意味がよく分かりませんのに。だけどそんな事ロビンに言ったらバカにされますし……むう。
納得がいかないのか、口を尖らせ黙り込むアルビダの姿を見てロビンはヤレヤレと両手を上げると。
『妖精たちに審議してもらう?』
「妖精さんに?」
『そうそう、今日のあった出来事の報告だよ。今日の配信はまだしてないしね』
ロビンがそう言うと、首から下げられた時計が光り、四角い配信画面が現れる。
『さっ、配信始めるよー』
ロビンがアルビダを映し、黒い画面の中にアルビダの姿が映し出された。
〝アビィー様! 今日はもう配信ないと思ってた〟
〝眼福眼福〟
〝誰だよ、今日の配信ないって言ってたやつ〟
〝待機してて良かった〟
〝仕事終わりに天使降臨とか最高かよ〟
画面がアルビダに切り替わった途端、すごい勢いで文字が羅列されていく。
どうやら配信待機していた妖精たちが多数いたようだ。
スタートして数分もすると、同時接続数が二千をこえる。その数字はどんどんと増えていく一方。
『さっ、今日の報告しないと。みんな待っているよ』
「はい!」
アルビダは恒例の如く挨拶のカーテシーを披露し、今日のお茶会でのことを話し出した。
話がジェイデンの妹の事になると、急にコメントが荒れる。
〝ちょっ、まっ!? 妹!?〟
〝いもうと〟
〝い・も・う・と!?〟
〝ヤンデレジェイデンに妹なんていないだろ!?〟
〝公式の説明にも、妹がいたなんて書かれてないわ!?〟
〝アビィたん、本当に妹なんていたの!?〟
「なになに……え?」
妖精さんが妹さんのことを知らない!? どう言うことですの!?
「ちゃんと妹さんはいましたよ! 原因不明の病気になって、ジェイデン様はすごく心配していました」
アルビダが必死に病気の事を説明すると、妖精たちの反応が変わる。
〝原因不明の病気!?〟
〝ちょっと待って! 公式の説明にちょこっと書かれてる、これの事でありもうすか?〟
〝【ジェイデンは幼少期に大切な人を亡くし心が病む、そこから人への執着が始まる】〟
〝それは知ってたけど……大切な人って妹!?〟
〝ジェイデンの闇は妹の死がトリガーだったのか〟
ええと……大切な人を亡くして……ん? 妹の死!?
「妖精さん! ジェイデン様の妹さんは死んじゃうんですか!」
アルビダは四角い画面に顔をグッと近付ける。
〝はうっ、アビィ様近い近い。美少女のドアップは目がぁ〟
〝はい。視力無くしました〟
〝アビィたん冷静に聞いてね? 妹はこのままだと死ぬ〟
〝設定だからね〟
〝もし……妹が生きてたら、ジェイデンはヤンデレじゃなくなる?〟
〝妹の死を回避〟
〝いや、無理だろ〟
「死……そんなっ……ジェイデン様はあんなにも妹さんの事を大切に思っていたのに! 妖精さんお願いです、その未来は変えられないのですか!?」
〝え、これ……変えれるんか?〟
〝知ってたら、教えてあげたいのは山々なんだけどごめんね〟
〝妹の病気のことは物語のどこにも書かれてないんだ〟
〝妹がいたことさえ今日初めて知ったんだ〟
助かる方法を妖精たちがアドバイスしてくれないかと、アルビダは画面にくらいつき、必死に羅列されていく文字を読んでいく。
———妖精さんも妹さんを助ける方法を知らない!?
ではジェイデン様の妹は、もうすぐわたくしのお母様のように……!!
そんなのは嫌です!
どうにかその未来を変えられないのでしょうか?
「ロビン! わたくし、ジェイデン様の妹さんを助けたいですっ……ううっ」
『アビィ……泣かないで? 優しい気持ちはわかるけどね。未知の病を治す方法はないの知っているでしょ?』
「それはっ……分かっているのですがっ……ふぅぅ」
〝アビィ様、泣かないで〟
〝役立たずの妖精でごめんね〟
〝どうにか方法ないんか〟
〝助かる方法調べるからね、待っててアビィ〟
チャリン♪【500P】
チャリン♪【1200P】
チャリン♪【3000P】
コメントと共にスパチャが飛び交い、画面が黄金色で埋め尽くされていく。
『う~ん……今日の配信はもう無理かな』
ポロポロと涙を流すアルビダを慰めるため、ロビンは配信を停止した。
『アビィ、分かったよ。僕と一緒に助ける方法を考えよう』
「……ロビンッ」
アルビダはロビンをギュッと抱きしめた。
60
あなたにおすすめの小説
王太子妃に興味はないのに
藤田菜
ファンタジー
眉目秀麗で芸術的才能もある第一王子に比べ、内気で冴えない第二王子に嫁いだアイリス。周囲にはその立場を憐れまれ、第一王子妃には冷たく当たられる。しかし誰に何と言われようとも、アイリスには関係ない。アイリスのすべきことはただ一つ、第二王子を支えることだけ。
その結果誰もが羨む王太子妃という立場になろうとも、彼女は何も変わらない。王太子妃に興味はないのだ。アイリスが興味があるものは、ただ一つだけ。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる