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私は貴方の妻ですか?
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私には旦那様がいます。私は旦那様を愛していました。そう結婚一年目までは…。
そして今日は三年目の結婚記念日。私は玄関ホールの前で旦那様をお迎えする為にお待ちしています。
ボーンボーン…
鐘の音が12回鳴り日付が変わりました。
旦那様は帰って来ませんでした。
私は朝「今日は何の日かご存知ですか」と、そして「今日は早く帰って来て下さいね」と旦那様にお伝えしました。
旦那様は騎士です。お義父様は騎士隊をまとめる騎士団長です。そして旦那様は第一騎士隊の隊長です。いずれお義父様の跡を継いで騎士団長になるお方です。
騎士隊は休みがないと旦那様から聞いています。帰る事も出来ない、遠征もあるとても忙しい所だそうです。
「ジェームス」
私は家令を呼びました。
「例の書類を」
私は手を出し受け取ります。不備がないか確かめて、
「ではこれで進めて下さい」
「承知しました、奥様」
「ふふっ、奥様ね…」
「お嬢様の方がよろしいですか?」
「そうね。これからはそう呼んで頂戴」
「承知しました、お嬢様」
「アンネ」
私はメイドを呼んで、
「早速準備します」
「もう準備は出来てます」
アンネは気の利くメイドだわ。
「ありがとう。では明日の朝一決行します」
「「承知しました」」
私は部屋に戻り確認します。
「アンネは本当に出来たメイドだわ」
夫婦の寝室も今日で最後です。寝るつもりはありません。それでも見納めをしようと入っただけです。
私は部屋のソファーに座り外を眺めています。
コンコン
「お嬢様、お時間です」
「分かったわ、ありがとう」
私は夫婦の寝室のベッドの上に旦那様への最後の恋文を置いて部屋を後にします。
お兄様が迎えの馬車を用意してくれると言っていたので馬車が着いたのでしょう。
玄関へ行くと旦那様の執事が居ました。
「奥様どちらにお出かけですか」
「ごめんなさいね、最近調子が悪いものだからお兄様が一度帰って来いとおっしゃるの。迎えの馬車も寄こしてお兄様は過保護で困るわ」
「はあ」
「一度お兄様に顔を見せれば安心すると思うから」
「旦那様はご存知ですか?」
「昨日話をする予定でいたのだけど…。ほら旦那様は忙しいようだから…」
「旦那様の許可なく奥様を送り出す事は致しかねます」
「お手紙を書いてあるから大丈夫だわ。それに旦那様は今日から一週間遠征ではなかったかしら。もう出立させてるだろうし、この邸には一週間後しかお戻りにならないと思うの。そうではなくて?」
「そうですが」
「私も旦那様がお戻りになるまでには戻れると思うの。お兄様次第だけど…」
「分かりました。では必ず一週間でお戻りになられて下さい」
「そうね。出来るだけ努力するわ」
私はアンネと馬車に乗り込み実家へ向かいました。
実家の離れの別邸の玄関に馬車が横付けされ中へ入ります。
「ガネット」
「お兄様」
「よく戻って来た」
「お兄様すみません。出戻りになりました」
「構うものか」
「お義姉様にも申し訳がないわ」
「アビーも喜んでるから大丈夫だ」
「受理されるまでご迷惑をおかけします」
「俺もアビーもいつまでもここにいてくれて構わないと思ってる。もう一度考え直さないか?」
「お気持ちは嬉しいけど、私の気持ちは変わらないの」
「分かった。今日は一緒に夕食を食べよう」
「はい、お兄様」
少ない荷物を部屋に片付け、私は旦那様と出会った頃を思い出していた。
そして今日は三年目の結婚記念日。私は玄関ホールの前で旦那様をお迎えする為にお待ちしています。
ボーンボーン…
鐘の音が12回鳴り日付が変わりました。
旦那様は帰って来ませんでした。
私は朝「今日は何の日かご存知ですか」と、そして「今日は早く帰って来て下さいね」と旦那様にお伝えしました。
旦那様は騎士です。お義父様は騎士隊をまとめる騎士団長です。そして旦那様は第一騎士隊の隊長です。いずれお義父様の跡を継いで騎士団長になるお方です。
騎士隊は休みがないと旦那様から聞いています。帰る事も出来ない、遠征もあるとても忙しい所だそうです。
「ジェームス」
私は家令を呼びました。
「例の書類を」
私は手を出し受け取ります。不備がないか確かめて、
「ではこれで進めて下さい」
「承知しました、奥様」
「ふふっ、奥様ね…」
「お嬢様の方がよろしいですか?」
「そうね。これからはそう呼んで頂戴」
「承知しました、お嬢様」
「アンネ」
私はメイドを呼んで、
「早速準備します」
「もう準備は出来てます」
アンネは気の利くメイドだわ。
「ありがとう。では明日の朝一決行します」
「「承知しました」」
私は部屋に戻り確認します。
「アンネは本当に出来たメイドだわ」
夫婦の寝室も今日で最後です。寝るつもりはありません。それでも見納めをしようと入っただけです。
私は部屋のソファーに座り外を眺めています。
コンコン
「お嬢様、お時間です」
「分かったわ、ありがとう」
私は夫婦の寝室のベッドの上に旦那様への最後の恋文を置いて部屋を後にします。
お兄様が迎えの馬車を用意してくれると言っていたので馬車が着いたのでしょう。
玄関へ行くと旦那様の執事が居ました。
「奥様どちらにお出かけですか」
「ごめんなさいね、最近調子が悪いものだからお兄様が一度帰って来いとおっしゃるの。迎えの馬車も寄こしてお兄様は過保護で困るわ」
「はあ」
「一度お兄様に顔を見せれば安心すると思うから」
「旦那様はご存知ですか?」
「昨日話をする予定でいたのだけど…。ほら旦那様は忙しいようだから…」
「旦那様の許可なく奥様を送り出す事は致しかねます」
「お手紙を書いてあるから大丈夫だわ。それに旦那様は今日から一週間遠征ではなかったかしら。もう出立させてるだろうし、この邸には一週間後しかお戻りにならないと思うの。そうではなくて?」
「そうですが」
「私も旦那様がお戻りになるまでには戻れると思うの。お兄様次第だけど…」
「分かりました。では必ず一週間でお戻りになられて下さい」
「そうね。出来るだけ努力するわ」
私はアンネと馬車に乗り込み実家へ向かいました。
実家の離れの別邸の玄関に馬車が横付けされ中へ入ります。
「ガネット」
「お兄様」
「よく戻って来た」
「お兄様すみません。出戻りになりました」
「構うものか」
「お義姉様にも申し訳がないわ」
「アビーも喜んでるから大丈夫だ」
「受理されるまでご迷惑をおかけします」
「俺もアビーもいつまでもここにいてくれて構わないと思ってる。もう一度考え直さないか?」
「お気持ちは嬉しいけど、私の気持ちは変わらないの」
「分かった。今日は一緒に夕食を食べよう」
「はい、お兄様」
少ない荷物を部屋に片付け、私は旦那様と出会った頃を思い出していた。
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