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お父様との時間
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領地で暫く滞在する事にしました。お父様と過ごすのは始めてかもしれません。
「お父様は何でお母様を離れに住まわせたのですか?」
「あの時は母上が居た」
「お祖母様?」
「ああ」
私はお祖父様もお祖母様も記憶にありません。物心ついた時には居なかったのです。
「母上はマーガレットとの結婚を反対していてな」
「どうしてです?」
「マーガレットは子爵令嬢だったんだが、子爵家には借金があってな。母上は身分違いだと反対していたんだ」
「それでもお父様はお母様と結婚したの?」
「学院に入って俺の一目惚れだ。マーガレットも借金があるのは知っていたから弟の為にも侍女になるからと断られた。借金は父上に頼んでお金を用立てて貰った。それからは半ば無理矢理婚約した」
「それってお母様は断われませんよね」
「その為に父上に土下座して頼んだんだ」
「そうですか」
「それから毎日マーガレットと過ごした。勉強を教え、出掛けたり、贈り物も贈った。勿論、好きだ愛してるは毎日伝えた」
「はあ」
「いつも膝の上に座らせていたし、マーガレットの髪を撫でるのが俺は好きだった。少し照れた顔をしながら、安心した顔をして俺に体を預けてくれるんだ。可愛いかったな」
「親の惚気っていたたまれないですね」
「マーガレットの絵を描き、マーガレットを愛でる、それが俺の安らぎの時間だった。マーガレットといるとただマーガレットを眺めているだけで俺は満たされた」
「でもお母様は私とお兄様と離れで住んでました。お父様は母屋だったじゃないですか」
「母上が反対していると言ったな。母上は俺が王宮に行ってる間にマーガレットをネチネチと、あのババア」
「お父様?」
「ネイソンが産まれれば変わると思ったんだが、あのババアは変わらずマーガレットを虐めた。ガネットが産まれてガネットが女だったからな。それでだ」
「お祖母様は男の子が欲しかったのですか?お兄様もいたのに」
「ネイソンはマーガレットに似ているだろ?」
「はい」
「跡継ぎではあるけどな、出来れば俺に似た男児に継がせたかったらしい」
「そんなの」
「顔で選ぶなんておかしい。だがな母上は寂しい人だったんだ。父上は財を得る為に家に寄りつかず財を築いた。金がないのに子供なんて作れるかと子供は俺一人だけだ。母上の愛情は全て俺に注がれた。父上の分もな。
俺がマーガレットに一目惚れして借金を用立ててたのも母上からしたら面白くなかったんだろうな。結婚してからマーガレットに対する仕打ちが酷くなった。俺を自分から取った泥棒猫らしい」
「お母様が?」
「ああ。俺はガネットもマーガレットに似ていて欲しかった。俺に似た子なんて可愛そうだろ?」
「私はお父様に似てますが」
「マーガレットに似たら国一番の美人になれたんだぞ?」
「国一番になりたい訳ではありませんが」
「マーガレットは本当に可愛くて美しい女性だった」
「確かにお母様は美人でしたけど、お父様も見目は良い方かと」
「ふん、見た目など。まあだからガネットも美人になったがな」
「はあ」
「だから俺は離れにマーガレットもネイソンもガネットも隠した」
「お父様も一緒に離れに住めば良かったではありませんか」
「俺まで一緒に住んだらあのババアも一緒に住む事になるんだぞ。それでは意味がない。俺さえ側にいればあのババアはいいんだ」
「それでお父様は母屋で暮らしていたのですね」
「ああ」
「私、お祖父様とお祖母様の記憶がないのですが」
「父上から爵位を継いで母上とここへ閉じ込めた」
「そうでしたか」
「まあ二人とももう亡くなったがな」
「お父様は何でお母様を離れに住まわせたのですか?」
「あの時は母上が居た」
「お祖母様?」
「ああ」
私はお祖父様もお祖母様も記憶にありません。物心ついた時には居なかったのです。
「母上はマーガレットとの結婚を反対していてな」
「どうしてです?」
「マーガレットは子爵令嬢だったんだが、子爵家には借金があってな。母上は身分違いだと反対していたんだ」
「それでもお父様はお母様と結婚したの?」
「学院に入って俺の一目惚れだ。マーガレットも借金があるのは知っていたから弟の為にも侍女になるからと断られた。借金は父上に頼んでお金を用立てて貰った。それからは半ば無理矢理婚約した」
「それってお母様は断われませんよね」
「その為に父上に土下座して頼んだんだ」
「そうですか」
「それから毎日マーガレットと過ごした。勉強を教え、出掛けたり、贈り物も贈った。勿論、好きだ愛してるは毎日伝えた」
「はあ」
「いつも膝の上に座らせていたし、マーガレットの髪を撫でるのが俺は好きだった。少し照れた顔をしながら、安心した顔をして俺に体を預けてくれるんだ。可愛いかったな」
「親の惚気っていたたまれないですね」
「マーガレットの絵を描き、マーガレットを愛でる、それが俺の安らぎの時間だった。マーガレットといるとただマーガレットを眺めているだけで俺は満たされた」
「でもお母様は私とお兄様と離れで住んでました。お父様は母屋だったじゃないですか」
「母上が反対していると言ったな。母上は俺が王宮に行ってる間にマーガレットをネチネチと、あのババア」
「お父様?」
「ネイソンが産まれれば変わると思ったんだが、あのババアは変わらずマーガレットを虐めた。ガネットが産まれてガネットが女だったからな。それでだ」
「お祖母様は男の子が欲しかったのですか?お兄様もいたのに」
「ネイソンはマーガレットに似ているだろ?」
「はい」
「跡継ぎではあるけどな、出来れば俺に似た男児に継がせたかったらしい」
「そんなの」
「顔で選ぶなんておかしい。だがな母上は寂しい人だったんだ。父上は財を得る為に家に寄りつかず財を築いた。金がないのに子供なんて作れるかと子供は俺一人だけだ。母上の愛情は全て俺に注がれた。父上の分もな。
俺がマーガレットに一目惚れして借金を用立ててたのも母上からしたら面白くなかったんだろうな。結婚してからマーガレットに対する仕打ちが酷くなった。俺を自分から取った泥棒猫らしい」
「お母様が?」
「ああ。俺はガネットもマーガレットに似ていて欲しかった。俺に似た子なんて可愛そうだろ?」
「私はお父様に似てますが」
「マーガレットに似たら国一番の美人になれたんだぞ?」
「国一番になりたい訳ではありませんが」
「マーガレットは本当に可愛くて美しい女性だった」
「確かにお母様は美人でしたけど、お父様も見目は良い方かと」
「ふん、見た目など。まあだからガネットも美人になったがな」
「はあ」
「だから俺は離れにマーガレットもネイソンもガネットも隠した」
「お父様も一緒に離れに住めば良かったではありませんか」
「俺まで一緒に住んだらあのババアも一緒に住む事になるんだぞ。それでは意味がない。俺さえ側にいればあのババアはいいんだ」
「それでお父様は母屋で暮らしていたのですね」
「ああ」
「私、お祖父様とお祖母様の記憶がないのですが」
「父上から爵位を継いで母上とここへ閉じ込めた」
「そうでしたか」
「まあ二人とももう亡くなったがな」
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