悪役令嬢は高らかに笑う。

アズやっこ

文字の大きさ
6 / 17

6 本当の勝者は

しおりを挟む

私はメアリの手によって綺麗に着飾り王宮のエドワード王子の私室へ向かった。


コンコン

「シャーロットです」

「入れ」


私室に入ればエドワード王子の隣には腰に手を回し仲良く寄り添うレーナさんがいた。周りには側近達の姿もある。


「エドワード王子、お話とは何でしょう」

「私は真実の愛を知った。私に愛を教えてくれたレーナを愛している。私はレーナを妃にと望んでいる」


エドワード王子は気づいているのかしら。婚約者の私がいながら他の女性にうつつを抜かすのは浮気。それに体の関係もあるなら不貞。分が悪いのはエドワード王子の方なのよ?

エドワード王子は自分を正当化したいようだけど、どうかしらね。



「そうですか」

「お前は私の愛しいレーナに嫌がらせをした」

「エドワード、だからあれは私の勘違いって言ったじゃない」

「レーナが心優しい女性なのは知っている。こんな女を庇う事はないんだ。私は王子として見逃す事は出来ない。

シャーロット、お前のような性悪女に私の婚約者の資格はない。よってお前とは婚約破棄する。

性悪女に相応しいの場所を用意した。この国で一番厳しい修道院へ入れる。そして悔やめ、私の愛しいレーナを傷つけた事を。そして一生かけて償え。

レーナのような心優しく綺麗な心になれるとは思わないが、死ぬまでには改心するであろう。本来なら処刑でもおかしくないのだぞ。処刑されないだけありがたいと思え。婚約者としての最後の慈悲だ」



そう、修道院を選択したのね。


「何とか言ったらどうだ」


どうやらその時が来たようね。


「では、私からも」


私は後ろにいる方に合図した。後ろにいる方は私の隣に立った。


「誰だ!お前に従者がいたのか」

「こちらは私の従者ではありません。こちらは王宮の事務官です。

すみません、エドワード王子に説明をお願いできますか?」

「お任せ下さい」


事務官はエドワード王子を見据える。


「エドワード王子は今の段階でシャーロット公爵令嬢と婚約しています。婚約中にも関わらずエドワード王子は隣に仲睦まじく寄り添っているレーナ男爵令嬢と浮気をし不貞をしました」

「お、おい!」

「それと、エドワード王子はシャーロット公爵令嬢の婚約者でありながら婚約者としての役目を果たさずシャーロット公爵令嬢を蔑ろにしてきました。

婚約者との月に一度のお茶会を半年欠席されています。いずれもレーナ男爵令嬢との逢瀬を楽しまれていました。

それにここ一年、婚約者のシャーロット公爵令嬢には何一つ贈り物をしていません。婚約者を伴い出席する卒業パーティーに着るドレス、宝石も贈りませんでした。

隣のレーナ男爵令嬢にはここ一年贈り物をしています。高価なドレス、宝石を何度も贈りましたが、その予算は本来婚約者のシャーロット公爵令嬢に充てる予算です。それをご存知ですか?

本来充てる予算を別の人に充てるのは不正行為です」

「私の予算を使った」

「エドワード王子の予算はご自分で全て使用しています」

「そんなはずはない」

「ではそうですね、その上着、高級な生地を使用し作られた上着です。エドワード王子の服は全て高級な生地で作られています。それを月に何度も作り、服に合わせて宝石まで購入していたら、エドワード王子の予算は底をつきます。

エドワード王子の不貞の証拠、婚約者のシャーロット公爵令嬢を蔑ろにした証拠、こちらを議会に通します」

「ま、待ってくれ!私が廃嫡されるではないか!」

「そうですね」

「そうですねだと!」

「ありがとうございました。ここからは私が」

「分かりました」


事務官は一歩下がった。


「エドワード王子、交渉しましょう」

「交渉だと!」

「ええ。事務官が言ったように私には何ら非はありません。それなのに修道院ですか?」

「それは…」

「ここはエドワード王子の私室、ここに居る者達が口を噤めば露見しません」

「そうだ」

「ではもう一度聞きます。私は修道院ですか?」

「修道院は取り消す。それでいいか!」

「そうですね。証拠は私が厳重に保管します。今後エドワード王子が私に非があるように言うのなら直ぐにこの証拠を公にします」

「わ、分かった」


エドワード王子の悔しがる顔を見れただけでも良しとしますか。


「あ、それと私との婚約は破棄でいいんですね?」

「それは変わらない。お前との婚約は破棄だ!」


そう。



「あはははは、分かりました。婚約破棄お受けします。私は私なりにエドワード王子をお慕いしてましたがそれさえもエドワード王子には届いていなかったのは残念です…。

ですがエドワード王子が真実の愛だという隣の男爵令嬢と婚姻したいのなら、とても残念ですが私は身を引きたいと思います。

エドワード王子、今までありがとうございました。お優しいエドワード王子の婚約者として隣に立てたこと、とても幸せでした」


私は笑顔でエドワード王子の私室から立ち去った。



しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。 エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。 エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。 それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。 エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。 妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。 そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。 父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。 釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。 その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。 学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、 アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。

婚約破棄?ああ、どうぞお構いなく。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢アミュレットは、その完璧な美貌とは裏腹に、何事にも感情を揺らさず「はぁ、左様ですか」で済ませてしまう『塩対応』の令嬢。 ある夜会で、婚約者であるエリアス王子から一方的に婚約破棄を突きつけられるも、彼女は全く動じず、むしろ「面倒な義務からの解放」と清々していた。

愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?

日々埋没。
恋愛
 公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。 「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」  しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。 「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」  嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。    ※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。  またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ

リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。 先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。 エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹? 「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」 はて、そこでヤスミーンは思案する。 何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。 また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。 最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。 するとある変化が……。 ゆるふわ設定ざまああり?です。

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

処理中です...