悪役令嬢は高らかに笑う。

アズやっこ

文字の大きさ
17 / 17

番外編 シャーロットの未来

しおりを挟む

この国は傾きかけている。第一王子と妾を王子妃が殺し処刑。王子妃は一躍有名の悪女となった。

そして王子と妾の一途な恋、障害があっても一途にお互いを思う恋物語として観劇になった。


スカーレット様の実家の公爵家は取潰になり、公爵家だけじゃなく親戚筋も取潰になった。


でも暴君王子が暴露されてからは今度は王家が矢面に立った。

元婚約者の私や妃のスカーレット様を蔑ろにし妾の体に溺れ快楽に溺れ婚約者として夫として浮気をし不貞をし続けた事が明るみになり、妾と一日中部屋に籠もり情事をしていて王子としての政務もしていなかった事が明るみになった。

こんな王子を次期国王にしようとしていた現国王は貴族、平民、この国の民を敵に回した。

息子一人まともに育てられないのか!
王子の状況を知っていて、あえて見てみぬふりをしたのか!
スカーレット王子妃殺し!

国王に毒杯を!
王家に毒杯を!

この国の民の声は日に日に大きくなっていった。

その打開策として唯一生き残っている私に第二王子の婚約者になってほしいって言われたわ。王子妃教育も終わっているしね。

でも丁重にお断りさせてもらった。

第二王子には代わりに侯爵家の令嬢を紹介したわ。お父様が侯爵家の後ろ盾になって王家と和解って形にしたの。侯爵家も公爵家が後ろ盾に付いてくれれば安心だしね。

そうなの。お父様が公爵家当主になったのよ。だから私もまた公爵令嬢になったわ。広大の土地を所有し、老舗の商会を持ち、裏の顔の元締め。三家になった公爵家の中でも一番の影響力を持つ公爵家になった。

元お父様はあれから快楽に溺れ公爵当主としての役目を果たさなかった。種無しの事実も明るみに出ていたし、当主の権利を剥奪され次男のお父様に当主の座が移った。

今はお父様が所有する邸にサーラと義母と3人で暮らしているわ。まあ、幽閉みたいなものよ。そこで毎日元お父様とサーラは情事に励み、義母は使用人になっているわ。どれだけ情事に励んでも子が出来ないんだから好きなだけ楽しんで?


でも私も騙されたわ。

「あの女は強かだぞ。自分の娘を兄上に差し出したんだからな」

お父様に聞いた時は驚いたわ。だけど良く考えれば分かるわよね。あの義母が強かなのも、自分の生活を護る為にサーラを元お父様の愛人にしたのも。

義母とサーラは親子だもの。サーラが行くところに自分は付いていけるでしょ?自分はもうお払い箱なら代わりにまだ若い娘を差し出す。サーラを言いくるめるのは造作もないもの。

元お父様の愛人になれば綺麗なドレスも宝石も好きなだけ買って貰える、とでも言えばあの物欲の塊のサーラなら二つ返事で元お父様の愛人になるわね。それで自分はおこぼれを貰う。

でもそう画策したとしても自分の娘を生贄にするとはね…。

もう私には関係ない人達だわ。好きに生きて?どうせそこから一生出れないんだもの。

でもいつまで生きていられるかしらね。3人で暮らすには明らかに少ない食料しか貰えないのよ?それにお金もない。そこで誰が死のうが、誰にも気づかれない。だってそこ、地図上にはない所なの。諜報員の死の墓場って呼ばれているのよ?



お父様が公爵当主になった事で伯爵家はいずれ私の子が二人出来た時に一人の子に継がせれるように公爵家の分家としてお父様が今も持っている。元々領地はない爵位だもの。

公爵当主になったお父様だけど住まいは伯爵家よ?公爵家は更地にしたわ。あそこには良い思い出もないしね。それにここにはお母様も眠っている。お母様の側にいたいお父様がここから動く訳がないわ。


私は公爵家の血を受け継ぐ唯一の存在。

縁談の話は来るわよ?

エドワード王子に婚約破棄されて傷もの令嬢になったけど、暴君王子が世に知れ渡って私は同情されるようになった。

同情なんていらないわ。

婚約解消したかったのは私だもの。
それなのに王子に蔑ろにされて傷ついているんでしょ?って腫れ物に触るようにされるの。

結局傷心令嬢って言われてるの。


でもね…、私が幸せになってもいいの?私が作り上げた乙女ゲームの世界はエドワード王子、スカーレット王子妃、レーナさん、3人の犠牲者が出たわ。

これでも責任を感じているの。

だから私が幸せにならないように、婚約者を蔑ろにして婚約破棄した侯爵令息と婚約したわ。

一度した人は同じ事をするもの。

私は公爵家の血を受け継ぐ子を産めればいいの。だから初めに言ったの。


「貴方が愛人を作ろうが私は気にしません。ただ、もし愛人に子が出来ても公爵家とは関係のない子です。私の血を受け継ぐ子だけが公爵家を継げます。もし乗っ取ろうと画策しているのなら、覚悟、を持って下さいね?」

「俺は一度婚約者を蔑ろにして婚約破棄した。勘当されなかったのが奇跡だと思っている。それに、エドワード元王子のようにはなりたくない」


そうよね。暴君王子の醜態は観劇で世に広まった。これからも広まり続けるわ。それだけ女性を敵に回したの。

浮気夫の末路は死

誰に殺された、誰が殺した、よりも、末路は死、それがメインの物語なんだもの。誰だって命は惜しい。なら正妻を婚約者を大事にしよう、他の女性にうつつを抜かさない、そう心に誓う人もいるわよね。

あら、エドワード王子、いい手本になったじゃない。悪い意味だけど、良かったわね?


「シャーロット、俺はシャーロットと恋がしたい。恋が愛に、一生離せない相手になりたい。元婚約者とも政略だったが恋にはならなかった。でも俺は、恋をしたい、愛したい。

学友達は言っていた。お互い歩み寄りが大事だと。俺に歩み寄ってくれないか?」

「もし私が歩み寄ったら貴方も歩み寄ってくれますか?」

「いや、俺から歩み寄る。手を繋いでもいいか?」


ダニエル様はそれから毎日文官の仕事が終われば私に会いにきて一緒に過ごす。手を繋いで庭を散歩したり、観劇へ行ったり。

私達は少しづつお互いに歩み寄った。


「シャーロット、俺はシャーロットが好きだ」

「私もダニエルが好きよ」


ダニエルは一緒にいる時いつも私を膝の上に座らせる。そして私を抱きしめるの。

婚約して1年。未だに口付けはしていないわ。婚姻式の時に初めて口付けをするの。

私は傷心令嬢

ダニエルは、ダニエルと手を繋ぐだけで、抱きしめられるだけで幸せだと、そう思わせてくれる人なの。

恋が愛に、一生離せない相手

お互いが思う気持ち。この気持ちは息子が二人出来ても、孫が出来ても、最期の時までお互いが思う気持ちになったわ。


愛してる


しわが増えた優しい貴方の顔、愛しいと見つめる瞳、私の頬を優しく撫でるしわしわの手、


「愛してるシャーロット」


最期まで愛しい貴方の側にいれて私は幸せよ。愛しい貴方の顔を最期に目に焼き付けるわ。

だからよく見せて?

ダニエルと見つめあい、私は目を閉じた…。




            完結


 ❈ 番外編までお付き合い頂きありがとうございました。


しおりを挟む
感想 36

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(36件)

hiyo
2022.07.11 hiyo

最後まできれいに纏められた素敵な作品でした。
読ませて頂いて有難うございました。

2022.07.11 アズやっこ

hiyo様

コメントありがとうございます。

本作品を目に止めて頂きとても嬉しいです。

本作品のような綺麗に纏められる作品を書けるようにこれからも頑張ります。

解除
ulalume
2022.06.25 ulalume

お話は楽しく、ラストは予想したとは言え衝撃で
ローカルに永久保存させて頂きました。

ただ言葉の使い方で違和感を感じたところが幾つか。

見た瞬間から「え?」となったのは
クライマックスの ヒロインへのモノローグの中、

「情事している」って。
名詞を動詞的に使うのに せるさせる付ければ良いってものじゃあ。

「情事」は名詞で
「情事に耽っている(ふけっている)」などと続けるべきで
「している」と続けたかったなら「情を交わしている」
じゃないですかね。

「秘め事しましょ!」みたいな言い方があるんで
間違い勝ちですが ヒメゴトは訓読み系だから
元が和語なんで 「秘め事をする」から助詞の「を」を抜いた
迷用?が日常化して 隠語的に慣用されてたりしますが
(そう、飽くまで隠語的なスラング的な使い方です。)
音読みの熟語は 漢語由来だったりして 公文書的なものが多く、
迷用、乱用すると違和感がスゴいです。
慣用的な付句(下に続く言い回し)の決まったものも多く
単に後ろに「する」を付けると
幼児のカタコト日本語みたいになるものも多いので。

気になった点でした。
久々に読み返したんですが
やはり目が止まってしまったので。

2022.06.25 アズやっこ

ulalume様

コメントありがとうございます。

情事している→情を交わしている
に訂正しました。

コメントを読んでもう一度読み返したら『を』が足りないな…と思いました。


永久保存嬉しいです。ありがとうございます。

今後もulalume様の目に止まる事を願っています。

解除
マイケル
2022.06.19 マイケル

展開がサクサク進み、読み応えありました。
すごく面白かったです!

シャーロットが上手く復讐でき、かつ幸せな人生を送れたようで、非常に嬉しかったです😊

2022.06.19 アズやっこ

マイケル様

コメントありがとうございます。

転生者ではないシャーロットが乙女ゲームの話を聞いて、乙女ゲームを少し勘違いし、そこに自分の復讐も加え作り上げた乙女ゲームの世界。

楽しんでもらえたなら嬉しいです。

シャーロットも自分だけ幸せにならない為の婚約が結果幸せになれました。

本編、番外編までお付き合い頂きとても嬉しいです。違う作品もマイケル様の目に止まる事を願っています。

解除

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。 エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。 エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。 それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。 エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。 妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。 そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。 父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。 釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。 その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。 学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、 アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。

婚約破棄?ああ、どうぞお構いなく。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢アミュレットは、その完璧な美貌とは裏腹に、何事にも感情を揺らさず「はぁ、左様ですか」で済ませてしまう『塩対応』の令嬢。 ある夜会で、婚約者であるエリアス王子から一方的に婚約破棄を突きつけられるも、彼女は全く動じず、むしろ「面倒な義務からの解放」と清々していた。

愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?

日々埋没。
恋愛
 公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。 「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」  しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。 「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」  嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。    ※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。  またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ

リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。 先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。 エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹? 「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」 はて、そこでヤスミーンは思案する。 何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。 また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。 最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。 するとある変化が……。 ゆるふわ設定ざまああり?です。

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。