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婚約解消か?受け入れただろ。
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しおりを挟むお父様の大恩人がオスカー様のお父様とは知らなかった。
「オスカー、どうだ可愛いお嬢さんだとは思わないか?」
「はい、そう思います」
「アイラ、格好いい息子さんだとは思わないか?」
「そうですね、そう思います」
お父様とオスカー様のお父様、二人の顔が物凄い笑顔なんだけど。
「「で、どうだ?婚約するか?」」
二人して期待の眼差しを向けないで。
私はオスカー様と婚約したいと思ってもオスカー様は分からないじゃない。
「俺は婚約したい。アイラ嬢はどう思う」
「私もオスカー様と婚約したいです」
「「よし!」」
オスカー様のお父様は小さくガッツポーズをしていて、お父様は今にも小躍りしそうなくらいソワソワしている。
「ゴホン!そうか、二人とも婚約を決めたか。では早速手続きに移ろう」
と言うと執事がそっと紙を机に置いた。
準備万端だったのね。
それにオスカー様のお父様もお父様も二人して顔がにやけていて、
「これで息子も婚約者ができて俺は肩の荷が降りたよ」
「分かります。私も娘に肩身が狭い思いをさせなくてすみました」
「このまま婚姻式の日取りまで決めようか」
「良いですね」
「息子は今年卒業するが」
「娘は来年ですが、学園を辞めても構いません」
「そうか?それなら息子が卒業したら直ぐにでも婚姻式を挙げよう」
「それは良いですね」
令嬢は婚姻の関係で途中で辞める人もいるから私は別に良いんだけど、当人置き去りで話を進めるのはどうなの?
「待って下さい!」
「どうしたオスカー、オスカーはアイラ嬢と婚姻するのが嫌なのか?こんな可愛いアイラ嬢のどこが気に入らない?どこが嫌なんだ?不満でもあるのか?」
「そうではありませんが、まずはアイラ嬢の気持ちを聞きませんか?」
「アイラ嬢はどう思う」
皆に注目されたけど…、
「私は学園を途中で辞めるのは構いません。ですがオスカー様は良いのですか?このままだと婚姻の話が進みますよ?」
「俺は構わない。アイラ嬢は俺の事を少なからず理解してくれている。それにアイラ嬢と過ごしたあの時間、俺は楽しかった。俺に婚約者が出来てあの時間が無くなるのかと思ったらそれは寂しいなと思っていた」
「私も寂しいと思いました」
「アイラ嬢も俺と同じ気持ちだったのか。それは嬉しい」
「オスカー様、アイラで良いです。私達は婚約者になるのですから」
「そうか…。なら、アイラ、これからよろしく頼む」
「こちらこそよろしくお願いします」
「今迄通り思った事は言ってほしい。俺は女性の気持ちに疎い、知らずしらずアイラを傷つけるのは嫌だ」
「分かりました。オスカー様も言って下さいね?言い方が冷たいでも何でも」
「言い方が冷たいと感じた事はないが、分かった」
お父様達はそそくさとサインを済ませていて、
「後はお前達だけだ。ここにサインを」
私達もサインをして、無事婚約が完了した。
お父様達はガッチリ握手を交わし、
「今日から親戚だ。今から祝杯をしないか?」
「良いですね」
今度はメイドがそっと机の上にワインとグラス、おつまみのチーズを置いた。
これも準備万端だったの?
「アイラ、ここにいてもつまらないだろ?」
オスカー様に話しかけられ、
「そうですね」
「庭を散歩しないか?」
「はい」
「そうだな、後は二人で仲を深めてこい」
追い出される?ように庭に行き、
「まさかアイラとは思わなかった」
「私もです」
「だが俺はアイラで良かった」
「私もオスカー様で良かったです」
「明日から迎えに行く」
「お待ちしています」
「明日学園が終わってから、その、デートをしないか?」
「したいです」
私達は庭を散歩してお父様達の元へ戻ってみると、
「父上、何をしているんですか!」
二人ともすでに出来上がっていて、
「オスカー!キスくらいしたんだろうな!男ならそのくらいしてみろ!」
「アイラも減るもんじゃないんだからオスカー君にキスくらいさせてやれ」
「俺は妻と婚約中何度もしたぞ」
「私も妻にブチューと」
「「ハハハッ」」
完全に二人とも酔ってるわね。
確かにお父様とお母様は仲の良い夫婦で今でもキスは毎日しているものね。
でも、
「お父様!帰りますよ!」
「父様まだ帰りたくないよ~」
「なら置いていきます!」
「父様を置いていかないで~」
お母様はこんなお父様のどこに惚れたのやら…。
次の日オスカー様が朝迎えに来てくれました。
馬車に乗り、
「昨日はお父様がすみませんでした」
「俺の父上こそすまない」
朝起きたお父様は昨日の事をあまり覚えていないみたいで「楽しい酒だった」で終わっていたわ。
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