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婚約解消か?受け入れただろ。
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オスカー様のエスコートで馬車から降りると皆の視線が一斉に向いた。
分かるわ、分かるわよ。
へぇ~この二人婚約したんだって思うわよね?私も他の人を見て思うんだから皆が思っていてもおかしくないわよ?
オスカー様は視線を気にせず私の前を歩く。
教室に着き、
「昼食は誰かと食べるのか?」
「友達と」
「それなら食堂で会えたら声をかけて良いか?」
「はい」
オスカー様が教室から出て行くと、クラスの子が話しかけてきた。
「アイラ、貴女婚約したの?」
「ええ」
「ふ~ん、あっそ」
婚約には興味が無いのね。
私は自分の席に座り、
「アイラおはよう」
「レミーおはよう」
「ちょっとどういう事?いつの間に婚約者が出来たの?」
「昨日急遽決まったのよ」
「でも優しそうな人じゃない」
「そうなの」
「今度は幸せになれそうね」
「ええ」
昼食になり食堂へ向かった。レミーと昼食を食べていると、
「アイラ、ここに居たのか」
「オスカー様」
「帰り迎えに行く」
「はい、お願いします」
オスカー様が離れていき、
「なになに~、今日早速デートなの?」
「そうなの」
「楽しんで来てね。今度は私も応援できるわ。前の人の時は応援したくなかったもの」
「あの人は誰だって応援したくないわよ」
帰りになり教室へ迎えに来てくれたオスカー様。馬車まで歩いていると、
「オスカー様~」
オスカー様を呼ぶ声が聞こえ、私達は立ち止まり振り返った。
一人の令嬢が私達の前に来て、
「オスカー様、私を置いていくなんて酷いわ」
「置いていくもなにも俺達は婚約を解消しただろ」
「オスカー様の気持ちは私が一番分かっているわ。私への当てつけでしょ?私が他の男性を好きになったからって、こんなブスを相手に選ばなくても良いじゃない」
「アイラは可愛い。それに俺の婚約者を悪く言うのは許さない」
「はあ!?可愛いって言うのは私みたいなのを可愛いって言うのよ?このつぶらな瞳にぷくっとした唇、庇護欲をそそる小柄な体型、笑顔は天使みたいだし、そこに居るだけで可憐でしょ?
どこをどう見たらこの女が可愛いって思うの?良く見比べてよ!」
「どれだけ見比べてもアイラの方が可愛いが」
「オスカー様は私と婚約を解消して気が動転したのね。だからこんな女でも可愛いと思うのね。それなら仕方がないわ。
だから私がまた婚約してあげるって言ったじゃない。それなのにどうして他の人と婚約しているの?これは私に対する裏切りよね?」
「あの男はどうした」
「あんな男別れたに決まっているじゃない。口先だけの男なんて遊びよ遊び。婚姻は私と釣り合いがとれる人じゃないと。
侯爵令嬢の私が伯爵家に嫁ぐのも釣り合いは取れないけど、それでも仕方がないから嫁いであげるわ」
「別に嫁いでくれなくて良い。俺はアイラに嫁いできてほしい」
「もう!オスカー様は素直じゃないんだから!知ってるのよ?私の事を可愛いと思ってても可愛いと言えなくて、好きなのに好きって言えなかったものね。オスカー様は本当に心から愛する人には本音が言えない人だもの。だから私にも本当の事が言えなかったのよね?
あ!だからこの女には言えるのね!納得だわ。オスカー様も罪な男ね。遊びなら遊びって教えてあげないと!
でも、私は良いけどオスカー様は駄目よ?オスカー様は私だけを愛さないといけないの。私、不貞は許さないわ!」
「あのな、俺はお前を好きじゃないし可愛いとも思っていない。そもそも婚約を解消した時点で婚約者じゃないだろ。俺に新たな婚約者が出来てもお前には関係ないはずだ」
「こんなブスより私の方がオスカー様とお似合いだと思うの。だって私、可愛いもの」
「ハハハ、そうですよ。こんな可愛げもない女より貴女の方が可愛いです。妻にするなら貴女に決まっていますよ」
どこから湧いてきたの!貴方は関係ないんだから向こうに行ってて!余計に話が拗れるから!
「貴方はだれ?」
「俺ですか?俺はこの女の前の婚約者なんですけど、今では消し去りたい過去ですよ。こんな女と婚約していたなんて恥でしかない。貴女みたいな可愛い婚約者がいながら遊ぶにしては程度が低いですよ、全く」
「まあ!貴方は見る目があるわ!ふふっ、婚約者を見る目は無かったようだけど」
「婚約者は仕方がないですよ。親に決められれば逆らえません」
「あら、可哀想~」
目の前で繰り広げられてるこれは一体何かしら。これって私の悪口?悪口よね?よく人の悪口を言えるわよね。それもこんな皆の目がある所で。
ほら、皆見てるわよ?
「マシュー様、貴方の愛しい方があちらで待ってますよ?多分寂しがっていると思いますよ?」
遠回しにあっちに行って!って言うのが伝わったわよね?
「ああ、大丈夫だ。彼女は誰かと違って俺に従順だからな」
伝わらなかったみたい…。
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