転生なの？召喚なの？

陽真

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第一章　

女神ルルーユ降臨

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「部屋までお送りします」
「ヒッ！」
扉を閉めると、横からメアリーが話しかけてきた。
あまりな急なことに驚いて、変な声が出てしまった。
「ふぅ、メアリー驚かせないでくれ。ずっと待っていたのか？」
「あ、いえ。そろそろかと思い来たんです。さっきまで宰相様とお話してましたから」
「ナタータ宰相と‥‥‥？なんか珍しくコンビな気がする」
「そうでもないですよ。宰相様は私達、使用人にも分け隔てなく接してくださるのでよく相談なんかにのってもらっているんです」
歩きながら話すメアリーは憧れの人を思い浮かべるように顔を紅潮させていた。

「好き、ではないか、尊敬してるんだな」
「はい、勿論です。後輩の育成をし始めてからは、より一層相談に乗っていただくようになったんです。とても感謝してます」
ナタータ宰相だから出来ること、か。
使用人の意見など聞く方が少ないだろう。
その家の主人が、気持ちよく過ごせればいいと思っているから聞こうとはしない。
使用人の欲求や不満を聞くことは、それは家の悪しき所が見えてくるかもしれないから。
だからこそ、そこまで対応できるナタータ宰相は上の人間から下の人間まであらゆる人から尊敬され好かれるんだろう。

「そうなのか。流石だな、あの人」
「あ、そういえば、珍しく宰相様が興奮していらっしゃいましたよ」
メアリーは不思議そうに顔を傾けた。
ナタータ宰相が分かるくらいに興奮してた‥‥‥？
そんなことがあるのか？
あ、あるか。俺だよな。
多分、硬貨の話をしたからだよな。

「多分、その理由分かったと思う」
「そうなのですか？少し気になりますがお部屋に到着致しましたのでまた今度」
「もう着いたのか。分かった今度話そう」
話に夢中で着いたことに気づかなかったが、部屋に到着していたらしい。
「はい。おやすみなさい」
「メアリーも」

メアリーに言うと、メアリーは礼をした。
「ふぅ、楽しかった」
部屋に入り一息吐くと部屋の中を見まわした。
鳴宮は大きなベットで一人悠々と寝ていた。
華深と雫は二人でベットに気持ちよさそうに寝ていた。
やはり、それなりに大きいから二人でも十分だな。

音を立てないようにソファに向かうと横になって寝た。

♦︎♦︎♦︎♦︎

「お‥起きて」
夢の中で誰かが話しかけているような感覚がした。
でも、所詮は夢だ。
現実ではない。
「起きて。大事な‥話があります」
「うん？‥‥話？」
暫く無視をしていたが、あまりにずっと話しかけてくるので思わず反応してしまった。
「はぁ‥！やっと返事をしてくれました」
「俺に話しかけてるの？」
「はい。そうですよ。夢の中で意識を覚醒させて下さい」
「夢の中で意識を覚醒‥‥‥？」
思わぬお願いに戸惑ってしまった。
「あぁ！またやってしまいました。失礼しました。えっと、頭の中を現実だと思って下さい。あとは引っ張り出します」
「は？」
「では行きますよ。せーの」
「はい！」
状況の理解もできないまま声の主の言う通り頭の中を現実だと思った。
すると、見えない力に意識が引っ張り出されるような感覚に陥った。

「やった、成功です。目を開けて下さい」
「うぅん。ここは？」
声の主の通りに意識の中で目を開けると俺は真っ白いどこに続いているのかさえ分からない大きな空間にいた。
「ここは聖之間です。えっと、分かるように言えば神の世界ですね」
「で、なんで俺は神の世界、‥‥‥聖之間？に呼ばれたんですか？」
聞きながら目を前に向けると、美人の女の人がいた。
いや、人というより女神みたいだ。

「それは‥‥‥本当に申し訳ありません！」
「は？」

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