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11:懺悔
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身に余るほど豪華な婚約発表だった。
たくさんの祝福を受けて、それだけでも夢のようだった。
私は知っていた。
夢ではなく、奇跡だと。
「疲れてないかい?アリシア」
「フィリップ様……」
天使様がもう一度、私に生きるチャンスをくれた。
それだけではなく、私を幸せにするために人間になってくれた。
天使様の深い愛情に始めは深い感謝しか返せなかった私も、時を重ねるうちに少しずつ、男性として好きになっていた。
甘い声で名前を呼ばれる度に、どきどきした。
とろけるような微笑み。
真剣な眼差し。
本当に私を愛してくれている。
応えたいというだけではなく、私が天使様に恋をした。
一緒にいたい。
微笑みを交わしていたい。
二人で過ごすぬくもりをずっと感じていたい。
この人と生きていきたい。
愛と呼ぶにはまだ少し幼いけれど、確かに熱い想いが生まれている。
そんな中での婚約発表だった。
天使様の人間としての名前を口にすると、現実味が増す。
「疲れません。とても幸せです」
天使サラフィエル様……フィリップ様が、私の顔を覗き込んだ。
「私も幸せだよ。君のおかげだ、アリシア」
「私は、何も……」
「君が恋を教えてくれた。君を愛して、私は、恋愛の幸せを知ったんだ」
「……」
恥ずかしくなって俯いた時。
ふいに周囲がざわつく。
「?」
その人を避けるように、皆、口を噤み後ずさる。
「レオナルド……」
私が愛した人。
私が、命を懸けて守りたかった人。
レオナルドが私を見つめて歩いてくる。
「……っ」
切ない、熱い眼差し。
痛みを堪えるように胸を押さえているけれど、顔色はいいから具合が悪いわけではなさそうで安心する。
「追い払おうか?」
フィリップ様が耳元で囁く。
「いいえ」
私も囁き返す。
天使様は私の願いを叶えてくれる。
今日もまた、私の願いを……
「アリシア」
「レオナルド……」
「綺麗だね」
久しぶりに聞いたレオナルドの声はどこか悲しい。
「ありがとう」
「婚約おめでとう」
「あなたも」
「君が奇跡を起こしていたんだね」
レオナルドの頬を一筋の涙が伝った。
「僕は愚かだった。傲慢だった。君の愛に、僕は、報えなかった」
「……いいのよ」
胸が痛むのは、どうして?
「君を愛しているよ。きっと、今も」
「……っ」
あの日に聞きたかった言葉。
それなのに、今はもう、胸を指すナイフのように鋭く冷たい。
私は、裏切られたから。
捨てられたから。
やっと認めることができた。
私が愛したレオナルドは、私を捨てたのだと。
「でも僕の心は汚れすぎて、もう、君に相応しくはないんだ」
「……そんな風に言わないで」
「君を大切にしてあげればよかった。あの日、僕は、君を見棄てず、今度は僕が誠心誠意、君を看病するべきだった」
「もう、終わったことよ」
「そうだね。でも、あの日に帰れるなら帰りたい」
「レオナルド……」
「ごめんよ、アリシア。本当にごめん……」
力無く足元に崩れ落ちていくレオナルド。
私の足に縋るように泣き崩れる。
「……」
きっと、悔やんでいるのだろう。
本気で、あの日に帰りたいと、そう思っているのね。
でも……
「アリシア」
私の天使様が、私を呼んだ。
今日は、私と天使様の婚約発表。
今、私が愛しているのはもう、レオナルドじゃないから……
たくさんの祝福を受けて、それだけでも夢のようだった。
私は知っていた。
夢ではなく、奇跡だと。
「疲れてないかい?アリシア」
「フィリップ様……」
天使様がもう一度、私に生きるチャンスをくれた。
それだけではなく、私を幸せにするために人間になってくれた。
天使様の深い愛情に始めは深い感謝しか返せなかった私も、時を重ねるうちに少しずつ、男性として好きになっていた。
甘い声で名前を呼ばれる度に、どきどきした。
とろけるような微笑み。
真剣な眼差し。
本当に私を愛してくれている。
応えたいというだけではなく、私が天使様に恋をした。
一緒にいたい。
微笑みを交わしていたい。
二人で過ごすぬくもりをずっと感じていたい。
この人と生きていきたい。
愛と呼ぶにはまだ少し幼いけれど、確かに熱い想いが生まれている。
そんな中での婚約発表だった。
天使様の人間としての名前を口にすると、現実味が増す。
「疲れません。とても幸せです」
天使サラフィエル様……フィリップ様が、私の顔を覗き込んだ。
「私も幸せだよ。君のおかげだ、アリシア」
「私は、何も……」
「君が恋を教えてくれた。君を愛して、私は、恋愛の幸せを知ったんだ」
「……」
恥ずかしくなって俯いた時。
ふいに周囲がざわつく。
「?」
その人を避けるように、皆、口を噤み後ずさる。
「レオナルド……」
私が愛した人。
私が、命を懸けて守りたかった人。
レオナルドが私を見つめて歩いてくる。
「……っ」
切ない、熱い眼差し。
痛みを堪えるように胸を押さえているけれど、顔色はいいから具合が悪いわけではなさそうで安心する。
「追い払おうか?」
フィリップ様が耳元で囁く。
「いいえ」
私も囁き返す。
天使様は私の願いを叶えてくれる。
今日もまた、私の願いを……
「アリシア」
「レオナルド……」
「綺麗だね」
久しぶりに聞いたレオナルドの声はどこか悲しい。
「ありがとう」
「婚約おめでとう」
「あなたも」
「君が奇跡を起こしていたんだね」
レオナルドの頬を一筋の涙が伝った。
「僕は愚かだった。傲慢だった。君の愛に、僕は、報えなかった」
「……いいのよ」
胸が痛むのは、どうして?
「君を愛しているよ。きっと、今も」
「……っ」
あの日に聞きたかった言葉。
それなのに、今はもう、胸を指すナイフのように鋭く冷たい。
私は、裏切られたから。
捨てられたから。
やっと認めることができた。
私が愛したレオナルドは、私を捨てたのだと。
「でも僕の心は汚れすぎて、もう、君に相応しくはないんだ」
「……そんな風に言わないで」
「君を大切にしてあげればよかった。あの日、僕は、君を見棄てず、今度は僕が誠心誠意、君を看病するべきだった」
「もう、終わったことよ」
「そうだね。でも、あの日に帰れるなら帰りたい」
「レオナルド……」
「ごめんよ、アリシア。本当にごめん……」
力無く足元に崩れ落ちていくレオナルド。
私の足に縋るように泣き崩れる。
「……」
きっと、悔やんでいるのだろう。
本気で、あの日に帰りたいと、そう思っているのね。
でも……
「アリシア」
私の天使様が、私を呼んだ。
今日は、私と天使様の婚約発表。
今、私が愛しているのはもう、レオナルドじゃないから……
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