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幸せの話
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公爵家での生活は快適、というより至れり尽くせりすぎて文句のひとつも浮かばない。
美味しい料理三食におやつとお茶の時間まで用意されている。身の回りの事は使用人がやってくれて、何も言っていないのに増えていく家具や装飾品。良くしてもらいすぎて怖くなってくる。
この間は宝石で出来た栞を貰ったけどもちろんそんな高価な物を本に挟めるはずもなく、とりあえず部屋の目立つところに飾ってみた。
不満と言えば、やることがなくて暇すぎる、なんて贅沢すぎる悩みくらい。
料理も掃除も、ここでは私がやる必要は無いし、公爵夫人としての仕事もない。強いて言えばアスルと一緒の時間を過ごすことが役割だけど、アスルももうたくさんの勉強をしているからその間私はすることが無いの。
たくさんいる使用人も少しづつ顔と名前を覚えて話せる人も増えてきた。アスルは優しくていい子だし、公爵様とは近況確認を兼ねてみたいな三人での食事のときくらいしか会わないけれど関係性は悪くないと思う。
公爵様との最初の契約通りに過ごせていると思うし、及第点くらいは貰えるはず。この調子でうまくやっていかないと。
いつもほとんどの時間をアスルと過ごしているから、さっき会ったばかりのアスルの事がもう恋しい。
まだ小さいのとアスルが優秀なのもあって、一度の授業時間はそれほど長くない。そろそろ帰ってくるかな、と時計を見てそわそわしてしまう。
そんな私を見て、ユイがくすりと笑みを漏らした。
「エルシー様はアスル坊っちゃまのことが本当にお好きですね」
「ええ。だって可愛いし、それに私の大切な家族ですから。アスルがいないとやることが無くて暇だっていうのもあるんですけど」
伯爵領にいた頃は身の回りのことも自分でしていて、領地経営や皆のお手伝い、私ができていたことなんて全体のほんの少しのことだけど常にやることはたくさんあった。
お休みって言うと聞こえはいいけど人間暇すぎると逆に辛くなるものなのね。
「お散歩でもなさいますか?」
「お散歩……」
公爵家の敷地は広くて庭も丁寧に整えられている。花もたくさんあって見て回るだけでも楽しい。
だけど私が庭に散歩に行くだけで数人の侍女と護衛が着いてくるからなんだか落ち着かなくて、ここ数日は部屋でぼーっと過している。
だって、わざわざ他の仕事を後回しにして私を優先されるなんて心苦しい。庶民の感覚の私には耐えられなかった。
厨房の片隅でも借りてお菓子とか作らせてもらおうか、なんて考え始めたところで部屋にアスルが戻ってきた。私を見て駆け足で飛び込んでくる。
「エルシー!」
「おかえりなさい、アスル」
「みてみて!」
私に抱きついたアスルが顔を上げて、手に持った一枚の紙を自慢げに掲げてみせた。
キラキラと輝く瞳はどれだけ高価な宝石よりも美しく見える。子供の純粋な視線はどうしてこんなにも綺麗で惹かれてしまうんだろう。きっと私はもうその純粋さを無くしてしまっているからかもしれない。
「あ、満点。花丸をもらったの? アスルはすごいのね」
「うん、ぼくがんばったよ」
頭を撫でると気持ちよさそうに目を細める。それがなんだか仔猫みたい。
授業の後、アスルは今日みたいに私に出来たことの報告をしに来る。頭のいい子だから褒めるところが沢山あって、私はその度に頭を撫でて褒めている。
今まで静かで大人しかったらしいアスルがこうして私に褒めてもらいにくるのはきっと甘えたいから。公爵様にも使用人にも子供ながら気を使っていたアスルが私をその相手に選んでくれたのが嬉しい。
お母さんに甘えている他の子を見る機会はたくさんある。目にしようとしなくてもつい視界に入ってしまうし、その回数は大人が思っている以上に多い。
だから私くらいは沢山甘やかしてあげたいの。
そんな私たちをユイとコルカが離れたところで静かに見守ってくれる。
「私もアスルと授業受けられないかな」
私だって貴族令嬢として最低限の教育は受けたけど、高位貴族としてのマナーや作法は知らないことが多い。
求められていないとは言っても何もしないのは落ち着かないし学んでいて悪いことはないと思うの。
「エルシーいっしょにおべんきょう?」
「そうよ~。できたらいいなって」
「あしたいっしょに行こう!」
「明日?」
なんだか気が早いけどアスルが嬉しそうだから、許されるなら見学でもしてみたい。
「あしたはね、絵をかくんだって。ぼくエルシーをかくんだ」
「私を描いてくれるの? それはとっても楽しみね」
アスルを抱き上げてくるりと回ればキャハハと楽しそうな笑い声が響いた。
五歳の男の子はさすがに羽のように軽いとは言えないけれど、持ち上げるだけなら問題ない。
伯爵領では畑を耕す手伝いだって、荷物を運ぶ手伝いだって何でもやってきた。それなりに筋力はあるつもり。
頭上まで持ち上げるのは難しいけど。
「すきなものを描いていいっていってたんだよ」
「それで私?」
「うん! ぼくエルシーだいすき!」
私の首に手を回してそんなことを言ってくれるアスルが可愛い。
何不自由ない素敵な生活。私のことを受け入れてくれた愛しい息子。常に誰かを感じられる暖かな空間。
「幸せすぎて怖いくらい」
アスルを抱きしめながら本音が吐息に混ざって滑り出た。
もぞもぞと顔を上げたアスルが不思議そうに首を傾げる。
「エルシーこわい?」
「少しね」
「しあわせはこわいの?」
子供らしい純粋な問いかけに苦笑しながらアスルを降ろして、視線を合わせるように私もしゃがみ込んだ。
「うーん、アスルにはまだ難しいかな。アスルはなんのお菓子が一番好き?」
「ぼくマカロンがすきだよ」
「じゃぁ、そのマカロンがたくさんあったらどう思う?」
「うれしいよ!」
迷うことの無い即答に思わず笑ってしまう。
「アスルが思ってるよりもっともっといっぱいなの。両手で持ちきれなくてアスルが埋まっちゃうくらいたくさん」
「……うれしいよ?」
こてん、と首を傾けながら考えるアスルに、ユイとコルカも肩を揺らしている。よく分かっていなさそうな様子が可愛いから仕方ない。
きっとマカロンの海を泳ぐ幸せな想像でもしているのね。大人みたいに余計なことを考えず楽しくて幸せな事を真っ直ぐに思い浮かべられる。素敵なことだと思うのに捨て去るのはいつだって一瞬で簡単には取り戻せない。
「そうね、沢山あったら嬉しいわね。でもその山盛りのマカロンを食べようとすると消えてしまうの」
「ぼくたべられないの?」
「そう、食べる前に無くなっちゃうの」
「それはやだぁ」
「そうでしょう? 私も同じ」
いつこの手から幸せが零れ落ちてしまうのか、それが怖い。一度知ってしまった幸せを、一人になってもずっと夢想してしまいそうだから。
「んー、よくわからないけどわかった。それならぼくがエルシーの大好きなものつかまえておく! そしたらずっとエルシーといっしょ!」
ね、と胸を張るアスルにまたひとつ幸せを感じる。
きっとすぐに持ち上げられなくなってしまうから、喜んでくれるならもっとたくさん抱き上げてあげよう。
私に幸せをくれるお返しに。
私はあまり抱き上げてもらった記憶が無いけど、ずっと羨ましかった。
アトリの旦那さんはとても大きな人で昔の私は少し怖くて近づかなかったから、せっかくならあの時みんなに混ざって抱き上げてもらっていたら、なんてたまに思ってしまう。
大人にならないとできないことはたくさんあるけど、子供のときじゃないとできないことも同じくらいたくさんある。
だから、アスルにとって今できることは私が手伝えるだけ一緒にやってあげたい。
笑顔の思い出がたくさん作れるように。
美味しい料理三食におやつとお茶の時間まで用意されている。身の回りの事は使用人がやってくれて、何も言っていないのに増えていく家具や装飾品。良くしてもらいすぎて怖くなってくる。
この間は宝石で出来た栞を貰ったけどもちろんそんな高価な物を本に挟めるはずもなく、とりあえず部屋の目立つところに飾ってみた。
不満と言えば、やることがなくて暇すぎる、なんて贅沢すぎる悩みくらい。
料理も掃除も、ここでは私がやる必要は無いし、公爵夫人としての仕事もない。強いて言えばアスルと一緒の時間を過ごすことが役割だけど、アスルももうたくさんの勉強をしているからその間私はすることが無いの。
たくさんいる使用人も少しづつ顔と名前を覚えて話せる人も増えてきた。アスルは優しくていい子だし、公爵様とは近況確認を兼ねてみたいな三人での食事のときくらいしか会わないけれど関係性は悪くないと思う。
公爵様との最初の契約通りに過ごせていると思うし、及第点くらいは貰えるはず。この調子でうまくやっていかないと。
いつもほとんどの時間をアスルと過ごしているから、さっき会ったばかりのアスルの事がもう恋しい。
まだ小さいのとアスルが優秀なのもあって、一度の授業時間はそれほど長くない。そろそろ帰ってくるかな、と時計を見てそわそわしてしまう。
そんな私を見て、ユイがくすりと笑みを漏らした。
「エルシー様はアスル坊っちゃまのことが本当にお好きですね」
「ええ。だって可愛いし、それに私の大切な家族ですから。アスルがいないとやることが無くて暇だっていうのもあるんですけど」
伯爵領にいた頃は身の回りのことも自分でしていて、領地経営や皆のお手伝い、私ができていたことなんて全体のほんの少しのことだけど常にやることはたくさんあった。
お休みって言うと聞こえはいいけど人間暇すぎると逆に辛くなるものなのね。
「お散歩でもなさいますか?」
「お散歩……」
公爵家の敷地は広くて庭も丁寧に整えられている。花もたくさんあって見て回るだけでも楽しい。
だけど私が庭に散歩に行くだけで数人の侍女と護衛が着いてくるからなんだか落ち着かなくて、ここ数日は部屋でぼーっと過している。
だって、わざわざ他の仕事を後回しにして私を優先されるなんて心苦しい。庶民の感覚の私には耐えられなかった。
厨房の片隅でも借りてお菓子とか作らせてもらおうか、なんて考え始めたところで部屋にアスルが戻ってきた。私を見て駆け足で飛び込んでくる。
「エルシー!」
「おかえりなさい、アスル」
「みてみて!」
私に抱きついたアスルが顔を上げて、手に持った一枚の紙を自慢げに掲げてみせた。
キラキラと輝く瞳はどれだけ高価な宝石よりも美しく見える。子供の純粋な視線はどうしてこんなにも綺麗で惹かれてしまうんだろう。きっと私はもうその純粋さを無くしてしまっているからかもしれない。
「あ、満点。花丸をもらったの? アスルはすごいのね」
「うん、ぼくがんばったよ」
頭を撫でると気持ちよさそうに目を細める。それがなんだか仔猫みたい。
授業の後、アスルは今日みたいに私に出来たことの報告をしに来る。頭のいい子だから褒めるところが沢山あって、私はその度に頭を撫でて褒めている。
今まで静かで大人しかったらしいアスルがこうして私に褒めてもらいにくるのはきっと甘えたいから。公爵様にも使用人にも子供ながら気を使っていたアスルが私をその相手に選んでくれたのが嬉しい。
お母さんに甘えている他の子を見る機会はたくさんある。目にしようとしなくてもつい視界に入ってしまうし、その回数は大人が思っている以上に多い。
だから私くらいは沢山甘やかしてあげたいの。
そんな私たちをユイとコルカが離れたところで静かに見守ってくれる。
「私もアスルと授業受けられないかな」
私だって貴族令嬢として最低限の教育は受けたけど、高位貴族としてのマナーや作法は知らないことが多い。
求められていないとは言っても何もしないのは落ち着かないし学んでいて悪いことはないと思うの。
「エルシーいっしょにおべんきょう?」
「そうよ~。できたらいいなって」
「あしたいっしょに行こう!」
「明日?」
なんだか気が早いけどアスルが嬉しそうだから、許されるなら見学でもしてみたい。
「あしたはね、絵をかくんだって。ぼくエルシーをかくんだ」
「私を描いてくれるの? それはとっても楽しみね」
アスルを抱き上げてくるりと回ればキャハハと楽しそうな笑い声が響いた。
五歳の男の子はさすがに羽のように軽いとは言えないけれど、持ち上げるだけなら問題ない。
伯爵領では畑を耕す手伝いだって、荷物を運ぶ手伝いだって何でもやってきた。それなりに筋力はあるつもり。
頭上まで持ち上げるのは難しいけど。
「すきなものを描いていいっていってたんだよ」
「それで私?」
「うん! ぼくエルシーだいすき!」
私の首に手を回してそんなことを言ってくれるアスルが可愛い。
何不自由ない素敵な生活。私のことを受け入れてくれた愛しい息子。常に誰かを感じられる暖かな空間。
「幸せすぎて怖いくらい」
アスルを抱きしめながら本音が吐息に混ざって滑り出た。
もぞもぞと顔を上げたアスルが不思議そうに首を傾げる。
「エルシーこわい?」
「少しね」
「しあわせはこわいの?」
子供らしい純粋な問いかけに苦笑しながらアスルを降ろして、視線を合わせるように私もしゃがみ込んだ。
「うーん、アスルにはまだ難しいかな。アスルはなんのお菓子が一番好き?」
「ぼくマカロンがすきだよ」
「じゃぁ、そのマカロンがたくさんあったらどう思う?」
「うれしいよ!」
迷うことの無い即答に思わず笑ってしまう。
「アスルが思ってるよりもっともっといっぱいなの。両手で持ちきれなくてアスルが埋まっちゃうくらいたくさん」
「……うれしいよ?」
こてん、と首を傾けながら考えるアスルに、ユイとコルカも肩を揺らしている。よく分かっていなさそうな様子が可愛いから仕方ない。
きっとマカロンの海を泳ぐ幸せな想像でもしているのね。大人みたいに余計なことを考えず楽しくて幸せな事を真っ直ぐに思い浮かべられる。素敵なことだと思うのに捨て去るのはいつだって一瞬で簡単には取り戻せない。
「そうね、沢山あったら嬉しいわね。でもその山盛りのマカロンを食べようとすると消えてしまうの」
「ぼくたべられないの?」
「そう、食べる前に無くなっちゃうの」
「それはやだぁ」
「そうでしょう? 私も同じ」
いつこの手から幸せが零れ落ちてしまうのか、それが怖い。一度知ってしまった幸せを、一人になってもずっと夢想してしまいそうだから。
「んー、よくわからないけどわかった。それならぼくがエルシーの大好きなものつかまえておく! そしたらずっとエルシーといっしょ!」
ね、と胸を張るアスルにまたひとつ幸せを感じる。
きっとすぐに持ち上げられなくなってしまうから、喜んでくれるならもっとたくさん抱き上げてあげよう。
私に幸せをくれるお返しに。
私はあまり抱き上げてもらった記憶が無いけど、ずっと羨ましかった。
アトリの旦那さんはとても大きな人で昔の私は少し怖くて近づかなかったから、せっかくならあの時みんなに混ざって抱き上げてもらっていたら、なんてたまに思ってしまう。
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